IS×椎堂ツムグ、ネタ   作:蜜柑ブタ

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今回短め。

あと、感想欄で書きましたが、このネタでの世界は、あくまでもインフィニットストラトスをもとにしているので、別の作品のゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)とは、世界が違います。
誤解を招くような書き方をしていて申し訳ありません。


第十三話  シャルロットとタッグを組む

 

 シャルルが、シャルロットになって戻ってきてから数日後。

 月末に行われる学年別タッグトーナメントの話題で持ちきりになった。

 文字通り、誰かとタッグを組んでの試合なのだが、誰もイチカには声を掛けない。

 声を掛けたいのかチラチラと見る目はあるが、自分から行こうとはしない。

「せんせー。欠場できます?」

「できん。」

「…はあ…。」

 一応千冬に聞いたが、却下された。

「すまん、イチカ。おまえも一応専用機持ちだからな…。」

 一応専用機持ちである以上、拒否権がないのだ。

 千冬の顔は、本当に申し訳ないという顔だった。

「イチカ。僕と組まない?」

「はあ?」

 困っていたイチカのところに、シャルロットがやってきてそう言った。

 タッグを組む相手で困っていたイチカとしては、願ったり叶ったりだが…。

「おまえ、何考えてんだ?」

「えっ? べ、別に変なこと考えてないよ?」

「……分かりやす。」

 焦るシャルロットは、チラチラとだが視線を教室の後ろにいるツムグに向けていた。

「あれは、あいつの気紛れだからな? 気を付けろよ。」

「う、うん。でも…、僕にとっては恩人なんだよ?」

「下手すると殺されかねないしな…。」

「えっ?」

「人知れず何人殺されたことか…。」

「イチカー、人を殺すって簡単なんだよ? 物理的にも、社会的にもね。」

「ほら! あんなこと言ってるし!」

 イチカが涙目になりながらツムグを指さし、シャルロットに言った。

「冗談が好きなんだね。」

「どういう感覚!? いやマジな話だぜ!」

 イチカがビシーッとツッコミを入れた。

 ツムグは、楽しそうに笑っているだけだった。

「…まあそれはさておき、シャルロットちゃんは、イチカと組んでくれるんだね?」

「はい。」

「よかったね、イチカ。」

「へいへい…。」

 イチカは、疲れたように俯いた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 後日から、シャルロットと一緒に特訓が始まった。

「タッグってなると、どうしても一人の感覚でやると、ぶつかり合いになっちゃうだろうから、その点を考慮してまずは動く練習からしようか。」

「また移動の練習かよ。」

「試合当日にペア相手と壮絶なぶつかり合いをする醜態を見せたいなら別にいいけど。」

「やる。」

「その意気その意気。タッグでの戦いとなると、一対一、一対二、二対一、二対二って感じで、戦い方が変わって来ると思うから、その点を考慮してどんな戦いになっても対応できるようにしよう。」

「でも相手はおまえ一人じゃんかよ。」

「その点を考慮して、サイコイリュージョンでもう一人、“俺”を作るから大丈夫だよ。」

「ゲッ! あんたが二人もかよ!」

「す、すごい、そんなことできるんですね!」

「そーだよ。」

「おいおい…。」

 目をキラキラさせるシャルロットに、イチカは心配になった。

 そうして特訓が始まってみると、ISの適性が高いゆえに、デュノア社でテストパイロットをやらされていただけあり、シャルロットの適応能力は高かった。

 慣れないイチカにぶつからないよう移動するのを早々に習得した。

「僕がサポートするよ。イチカは、思いっきり暴れてくれていいよ。」

「俺一人に対して、二人相手ってか?」

「もちろん僕も援護射撃もするよ。」

「でなきゃ、怒るぞ?」

「アハハハ。」

「…ふ、ふふ。」

「あっ、笑った。」

「はっ?」

「イチカって、ずっと暗い顔してたから笑った顔初めて見た。」

「…そうか。」

 言われてイチカは、俯いた。

「特訓始めていい?」

「…ああ。」

「よろしくお願いします。」

 

 サイコイリュージョンを使った、二対二の戦いは、結果は一夏達の敗北だった。

 特訓を続行しようとイチカが動こうとしたが、胃からせり上がってきた未消化物をこらえ切れず吐きだし担架で運ばれた。

「…うーん。特訓以前にイチカの胃腸の調整が必要そうだな。」

「だ、大丈夫なのかな?」

 盛大に吐いたイチカを目の当たりにし、シャルロットは顔を青くした。

「大丈夫じゃないねー。」

「なんで笑ってるんですか?」

「んー? 別に。」

「イチカ、あんな状態なのに…。」

「ああなったのは、俺にも原因があるけどね。」

「えっ?」

「イチカの心臓。俺の心臓なんだよ。」

「えっ? えっ?」

「分からないならいいよ。別に困らないし。」

 ツムグは、そう言い残すと、打鉄を解除して去っていった。

 

 この後シャルロットは、イチカの経過を見ているスタッフからツムグの話が本当であることを聞き。

 また、ツムグが何のために学園にいるのかを聞かされ顔を青ざめさせたのだった。

 




相変わらず胃腸が弱いイチカです。
吐き戻したイチカを心配するシャルロットとは対照的なツムグの態度に、シャルロットもさすがに引いてます。

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