インフェクテッド ヘルシング   作:ゲルググ

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ようやく3話目に入りました。内容やネタバレはできませんのでごゆっくりどうぞ。


生存者の生き様と謎

一階を警戒しながらまず最初に受付室を確かめてみるとガーディアン社業者の資料とスタッフ資料が散らばっていた。幸いにも感染者はいなかった。あるのはコーヒーが入っているマグカップだけだった。

 

「異様に静けさを感じるな。奴らはいないのか?」

 

「いたら面白くなっていたのによぉ。」

 

エリックとチェンは独り言を言った。

男女両方のトイレを捜索するとトイレットペーパーや清掃道具、バケツなどが散らかっていた。芳香剤も倒れていて杜撰な状態になっていた。

トイレを確かめた後は診療室を捜索をしていき引き出しと棚を漁りだした。どうでも良い書類は捨てていき興味深い資料だけ手に取った。

回収した資料の中にスタッフのメモ帳を見つけた。

拓郎は回収したメモ帳を読んだ。

 

(このパニックに巻き込まれた俺。最初は何が起こっているのか理解ができなかった。たらたんによくある患者が喧嘩したり暴れ出してそれを屈強な看護師や警備員が止めに入るものだと思っていた。他人事だと思いいつも通り診療室の整理や書類の整頓をしていた時、外側から悲鳴や罵声が聞こえてきたから確かめに行くと同じ同僚や警備員が変な入院着を着た奴らに噛み殺されていた。奴は警備員の首に噛み付いたりしていて他の警備員が止めに入ったりしていた。そしてその1人が拳銃を発砲した。だが奴らは撃たれても死なず不死身だった。ようやく頭を撃ったら動きを止め完全に死んだ。そしてそのあと殺された警備員や同僚も起き上がり仲間であるはずの同僚に攻撃を加えてた。そして俺も奴らに噛まれた。傷が痛むし時間が経つにつれて赤黒い血管が浮き出たりしてきた。、俺も奴らと同じになるのか?もし変わり果てた俺を見つけたらためらわずに一思いに殺してくれ。)

 

まるで遺書を読まされている気分だった。メモ帳に長文を書いた医師は死ぬ前に何かを悟ったに違いない。

 

「気の毒だな。タクロー。」

 

後ろからその文を読んでいたチェンはおっとりとした口調で発言しながらそのメモ帳に書き残した医師に同情した。ただの医師が不条理に死んだからだった。

 

「警備室を見てみよう。」

 

「それが良いかも。警備員室に逃げている生存者もいるかもしれない。カメラもあるだろうし備えもありそうだからな。」

 

全員警備員室に移動をすると思いもよらない光景を目にすることになった。警備員室の出入り口のドアに警備員や看護師の感染者が這いつくばって叩いていた。

エリックは目の前にあった消防斧を拾って感染者の頭に刃を振り下ろして叩き割り、向かってきた感染者の顔面を突いて頭部に振り下ろして破壊した。

 

「生存者はいるか?入られないように防備を固めているだろうけど。いたら開けてくれ。化け物は俺たちが倒したから。」

 

拓郎はノックしてから警備員室のドアの隙間に向かって言った。

ドアが開き謎の男がみんなを招き入れた。

 

「感染してないな。ないならこっちに来いよ。」

 

そう言って警備員室に入れるとみんなを休ませた。あるだけの飲み物とお菓子を渡してゆっくり休むようにさせた。

 

「俺は高岡悟だ。ここの警備員をしていた。ガーディアン社の警備部門の者だ。武器ならここにたくさんある。」

 

男は軽く自己紹介してからいろんな種類の武器が入っているボックスを差し出した。中にはM16やMP5、M1911ガバメントハンドガン、さらにはイサカM37ショットガンが積み込まれていた。唯一、ショットガンの弾を回収出来ずにいたエリックは12ゲージ弾と呼ばれるM870に対応した弾だけ回収した。

高岡は装弾数の少ないガバメントを省いてM16とMP5だけ回収して落ち着きを取り戻し助けが来たことに安堵した。

 

「ここの監視カメラはほとんどのエリアに設置されておりいわば病院の目となる。」

 

高岡はG.C.T.F隊員たちに説明を始めた。

 

「ところであんたらはどうやってこの施設に潜入した?こんな頑丈なセキュリティに感染者の大群。」

 

高岡はまだ質問していて疑問視していた。

 

「俺たちはヘリで屋上に降りてそこから奴らとの戦闘を克服してここまで来たらお前とこうしてばったり会ったことぐらいかな。」

 

「どうやら誰かがドンパチしていると思いきやあんたらやったんだな。」

 

レイブンから説明を受けた高岡はひらめいたかのような表情をして頷きながら反応した。

 

「3階のところ俺らが倒しきれなかった感染者がウヨウヨいるよ。俺たち早めに1階に来た甲斐があったかもな。」

 

「もしかしたら1階にも来るかもしれんな。油断は大敵だ。」

 

生存者の高岡とG.C.T.Fの隊員達は3階が映し出されたカメラ画面を見て驚いていた。戦った時よりも数が増えていたからだった。

 

「それよりもこの病院にも地下がありそこにも事件の手がかりと脱出出来る通路が見つかるかもしれない。」

 

高岡は隊員のみんなに告げた。

 

「そこに行くにはパスワードや鍵、カードキーはいるのか?」

 

「そこは監視カメラの映像では地下から逃げてきた科学者が迂闊に開けたままにしていたんだ。運がいいことに中に入れる。」

 

「でかしたぞ」

 

高岡達は地下に入ることを決定して持ち物をチェックして小銃やサブマシンガンなどを確認して弾もちゃんと込めてから警備員室から退いていった。

地下に向かう階段前の扉に向かい銃を構えて階段を降りていき目の前のドアを開けて入った。今のところ感染者の姿は見当たらずいたるところにガラス張りの壁や部屋などが多く地下研究所そのものだった。

廊下は器具や書類が散乱しており白衣の上衣も散乱していた。G.C.T.Fの隊員はM4やMP5を構えながら周囲を警戒しながら進んでいき解析分析室に入った。

解析分析室にはノートパソコンが接続されていて電源もちゃんと入っており起動していた。高岡はパソコンで研究データを探ってみるとビデオが再生され始めた。

再生されたビデオには白衣をきた50代の科学者とその護衛に覆面に黒い戦闘服を着たガーディアン社の傭兵が2人いてM4A1アサルトライフルを装備していた。科学者の男は呂律の回っていない患者を台に寝せた状態に置き解説を始めた。

 

『皆さん、これから我々が開発した新薬を試してみようと思います。この薬は死んで使い物にならなくなった体の器官を蘇生する作用があるという結果が生まれました。それでは試してみましょう。』

 

科学者がそう言うとさっそくスタッフが来て実験を開始した。

実験の結果、被験体の患者は暴れ出し凶暴になってスタッフに遅いかかった。スタッフは首を噛まれ絶命して暴れまわっている被験体を傭兵達がアサルトライフルで一掃していたが動きを止めずに動いてたので最終的に頭を撃って終止符を撃った。

そのあと科学者が現れて結果報告を始めた。

 

『何ということでしょう。まさか中の成分が突然変異したのでしょうか?凶暴になり正常者を襲う。凶暴な特性を良いところに持って行き軍事利用すればどうなるか。ぎゃゃゃー』

 

科学者が報告している最中、先ほど噛み殺されたはずのスタッフが彼に噛みついた。そこでビデオが停止した。

 

「この病院の研究室でこんな実験をしていたのか?」

 

レイブンが資料を漁りながら呟くとその実験の資料が見つかった。

実験資料を見ると新薬名をパラノイド666と書かれていた。通称パラノイドトリプル6と言われているようだ。新薬の被験体を調べるからには最初は麻薬でぶっ飛んだような状況に陥りフラッシュバックと全身のだるけ、しばらく眠気に誘導されて眠ったあと起き上がったあと凶暴化して常人を襲うようになる。同等の人間と一緒に置くと何もならない。噛まれたり唾液が傷口に入ったりすれば感染して奴らと同じようになることだった。血液での感染はないようだった。

「まるでゾンビ映画じゃねえかよ。」

 

チェンが動揺した。

今この場に派遣されている G.C.T.Fの隊員とガーディアン社の日本人警備員の高岡は自分を雇って受け入れてくれた会社が表向きは医療と軍事、セキュリティなど人のために尽くしてる国際大企業が裏ではいかがわしくもおびただしい新薬や生物兵器の実験を行っており極悪非道な橋を渡っている事実にショックを受けた。




またしてもG.C.T.F隊員は見事死なせずに任務を遂行してるのは驚きでしたね。何というチームワークでしょうw
次回は地下に入ってからの災難と脱出について書いていきたいと思います。

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