エンジェェェェェル★スタァァァァァイル!   作:kurutoSP

8 / 12
これは健全な小説です。R18じゃあないですよ!作者嘘つかない!


教師、無垢、少年、個室、二人で……イケるか?

 切島鋭二郎は、漢気あるヒーローになるために日夜特訓に励んでいた。

 

「雄英の試験まで後半年もない。こんなところで無理だってあきらめてる場合じゃねえ」

 

 彼は公園で倒れていた。ある事件をきっかけに自分を変えたいと思った彼は先ず自分をひたすら鍛えた。それは今ここで倒れてしまう程に。

 

 彼はハードな筋肉トレーニングと個性のトレーニングをした後、自分の個性は他の強く便利な個性よりも泥臭くても粘り強く戦う必要があるため、体力が必要だと考え、そのトレーニングの後に公園まで走り込みをしていたのだが、体がついて行かず現状に至る。

 

 幸い、雨も降っておらず、そして人気のない公園を選んでいたため、騒がれることもなかった。この公園を最近使い始めた彼はそのことを知り、此処をよく利用する為、此処で休もうかとも考えた。そして、彼は結局起き上がることが出来ずそのまま疲れ果て眠りに着こうとする前に声を聞いた。

 

「ん?少年が倒れている!もしかして人工呼吸が必要か!」

 

 彼は何かに抱かれた気分がしたが、それよりもただ寝たかった。

 

 もし、彼が何故この公園に人気がないのか知っていればここには来なかったであろう。だが、彼は最近自分磨きに忙しく、情報に疎かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん。ふぁああ」

 

 彼は目が覚めて全身に鈍い痛みを感じた。

 

 だがそれよりも、自分の頭がとても固い何かの上にあり、枕としては高すぎるため自分の首に痛みが生じていることに違和感を持った。

 

『あれ?俺は公園で倒れたはず。このフカフカな感じはベットの気がするが、どうなってんだ?そして俺の部屋だとしてもこんな固い枕あったか?』

 

 彼は目が完全に冷め、その目を見開き、絶叫する。

 

「目覚めた?」

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

 そこには自分の顔を覗き込む青髭がいた。その距離頭一つ分。そして自分を見る目が怖かった。

 

 表現するなら<●><●>こうだろうか。微動だにせず至近距離から、全く瞬きせず血走った目に睨まれるように自分の目を覗き込まれていた。そう、名付けるならヤンデレの眼差し…止めておこう。女性の眼差しはもっとピュアなモノだと信じたい。ここで重ねて表現するのは精神的によろしくない。

 

 だから、彼はあまりの恐怖体験にベットから転げ落ちる。

 

 地面から鈍い音が響く。

 

「大丈夫?顔面を強く打ったようだけど」

 

 ぶっとい腕が自分に迫るのに思わず体を引いてしまうが、そこでようやく彼はここが自分の部屋でないことが分かる。

 

 そして自分が何処かに連れ去られ、危ないおっさんに捕まっている現状に汗を流す。

 

 どうする。そんな言葉が消えて浮かぶ。このままでは、と思うが体は動かない。

 

 そうして数秒が過ぎたが、二人が動かないため部屋は静かなままだった。

 

『あれ?何も起きねえ』

 

 そう、何かされるのではと思っていただけに彼は拍子抜けし、恐怖が薄れ、謎の男の方を見る。

 

「あ、ごめんなさい」

 

 大きな体を縮めてシュンとしているおっさんがそこにはいた。

 

 その姿を見て彼は自分が何か勘違いをしているのではないかと思い、尋ねる。

 

「あの、此処は何処ですか?それと俺はどうしてここに…」

 

「ああ、それは君が公園で倒れていたのを見つけて、此処に運んだんだよ。自分の家が近かったから運んだんだ」

 

 それを聞いて今までこの男の人に恐怖していた自分が恥ずかしくなった。

 

 自分を救ってくれた人に悲しい顔をさせてしまう罪悪感、それと看病をしてくれたのを勘違いした羞恥心が彼を襲う。

 

「すッすみません」

 

「ああ、別に気にしないでいいよ。(そんな視線を浴びるのは)なれっこだから」

 

 切島はその羞恥と罪悪感から余計なことを口に出してしまう。

 

「くそ、これじゃあ何も変わってねえじゃねえかよ。これじゃあだめだ」

 

「いい」

 

 少年の羞恥と罪悪感に揺れる表情はたまらなくそそる。落ち込んでいる彼を食べたいちゃい。そんな声が聞こえてきそうだった。

 

「へ?今何か言いましたか?」

 

「んん?何をそんなに落ち込んでいるのかと」

 

 とっさの良い訳としては完璧であろう。

 

「ああ、それは俺って漢気溢れるヒーローになりたいんです。だから、こんな自分が後悔する様な行動をとるようじゃあ駄目なんです」

 

 彼の眼差しに力があり、さっきまでの落ち込み時に見せていた湿っぽい雰囲気が全くなかった。そこにはまだまだ未熟ではあるがヒーローが確かにいたのだ。

 

 彼に何があったのかは知らない。だが、同じヒーローとして感じるものがあったのか、男は下を向いてその顔を隠す。だが、その肩の揺れまでは隠せずにいた。

 

「君は最高だよ」

 

 震える声が彼を賞賛した。

 

 顔は見ていないけど雰囲気で泣いているとかんじた。

 

 だが、彼は何故男が泣いているのか分からなかった。ただ、その言葉を受け入れるわけにはいかないことだけは分かったいた。

 

「まだ、俺は自分で最高に思えるヒーローにはなれていない。だからこそ、俺は自分を鍛え、自分に恥じないように生きたいんです」

 

 目の前の男は手を口元に持って行って口を塞ぎ、その口から声を出す代わりに首を振り、くぐもった声で彼に言葉を投げかける。

 

「ああ、君はやっぱり最高だよ。でもまだ自分に自信を持てないなら手伝ってあげる。俺もこう見えてヒーローだから」

 

「え!本当ですか」

 

「ああ、これが免許だ」

 

「わっスゲー。始めてみた」

 

 本当に残念なことながら男はヒーローだった。そして彼はヒーローの文字しか見ていなかった。

 

「でもいいんですか?」

 

「何も知らない少年に俺を教えるなんて最高のごほう、ん、俺の姿からヒーローを学んでもらえるならヒーロー冥利に尽きる。それに今日はもうパトロールは終わって、()()()()()()()()()()()()()

 

 彼は男がヒーローであったことを素直に喜んだが、彼の言葉の節々におかしなところがあったのには気付かなかった。

 

「おっお願いします!」

 

 方や、自分の正義を貫くために、そして方や少年の成長を促すため……。

 

『いけないイケナイ。個室、二人っきりで、教師、生徒、無垢な心。…イケる!ああ、なにからしようかなぁぁぁぁぁぁぁぁ。あれも、これも、ピーも…ぜん~ぶジャスティス!

 

 自分の正義を貫こうとしていた。

 

 二人とも己が正義を貫く心を持ったヒーローだ!

 

 そうしとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうでいいんですか」

 

「ええ完璧よ」

 

「これって何の意味があるんですか?」

 

「君の裸を見ることによって筋肉の付きようを見ているの」

 

『これって犯罪?ねえ、いいの!……いや、大丈夫。俺は教師、彼は生徒。教える側と教わる側。ただ、上半身を見ているだけ何も問題…………………ない!

 

 あっアウトぉォォォォォ!あっ、あれ?キャッチャーは?球が転がってるよ!それじゃあ、奴をアウトに出来ない!

 

 

 

 

 

 

「これ、きついですね」

 

「だが、その先に夢があるんだ」

 

「ふう、ふう」

 

『大丈夫。これは筋トレ。肌に張り付くシャツを見てときめいても大丈夫。あっ、すっ透けそう。あとちょっとでちっ乳首が見え、見え、見え、………………キタァァァッァァッァァッァァ!

 

 アウト!絶対アウト!よし今度は取ったな。そう、それでいいんだ。ってあいつ走ってるよ!ちょっキャッチャー、盗塁を阻止しろォォォォォ!これ以上やつを走らせるなぁァァァァァァ。

 

「…………グフ、溢れそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様」

 

「あ、ありがとうございます」

 

『汗汗汗汗ぇぇぇぇぇっぇぇぇぇ!いいのこれ受け取っても、良いのこれ嗅いでも犯罪じゃないよね。いや犯罪か。………でも、俺も汗かいたから仕方なく汗を拭うくらいなら』

 

「ムふぉぉォォォォォォォォォォ」

 

「どっ、どうしたんすか?」

 

「いや、君の頑張りにこうふ、んんっ、感動して涙を拭いていたんだ」

 

『いやぁぁぁっぁぁぁぁっぁ。これ彼の匂い。少年の汗の臭い!これが青春の味!イケる、イケるぞォォォォォ!………………こっこれはOKということか!走りまくっておけということか!プリズナーいっきまぁぁぁぁぁす!

 

 アウト、これ振ってるよ、三振だって。ねえ審判、審判?………………審判が存在しないぃぃぃぃぃぃ!えっ、これ誰が止めえるのォォォォォォォォォォ!

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、痛いです」

 

「柔軟は大切だ」

 

『教育。これは教育!柔軟は二人じゃないと、密着しないと出来ないからセーフ。ああ、これが彼の臭い!生!生の少年の臭い!ああ、シャツからのチラリズム………………ジャスティス!

 

 今度こそアウトだ。審判も見てるから今度こそ三振だ!ってまだ走るのか、嘘だろ!三塁にまで走りやがったぁぁぁっぁぁぁぁぁ!

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、くすぐったいです」

 

「ああ、すまない、君の体をほぐしているから少し我慢してくれ。にしても随分かたくなるのね。カチコチ」

 

『タッチタッチここにタッチ!あなたから(タッチ) 手を伸ばして受け取ってよ 俺の愛の花だけ束ねたブーケを! タッチタッチ乳首タッチ!おしりからぁぁぁ(タッチ)手を伸ばぁぁぁして触ってるよ ほぁぁぁぁっぁぁぁぁ!ここにも、あそこにもタァァァァァァァァァァァァァァァチ!

 

 ほッ、ホームだけは死守するんだぁぁぁぁっぁぁ!絶対入れるなぁぁぁっぁぁぁ!

 

「まあ、俺の個性は硬化ですから、固くもなりますよ」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました。そろそろ帰らないといけないんで」

 

「うん、また来るといいよ!」

 

「そうします」

 

 やけに艶々した顔で彼を見送る男。調子良さそうに部屋を出る少年。

 

 よし!何とか死守したぞぉぉぉぉ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はいい一日だった」

 

 手を見て、そして汚れたタオルを見て、そして床の汗をみて大きく息をすい、息を吐く。

 

「少年の笑顔、それがヒーローの最高の報酬だ!」

 

 裸で床に寝そべりながら言わなければ完璧な一言だろう。

 

 そんなくつろいでいる彼の耳にインターホンが鳴った。

 

「ん?ああ、忘れ物かな。忘れたものは貴方です!とか言ったらどうしようかな」

 

 ない、それだけは絶対ない。しかし、男はルンルンで玄関の扉を開ける。

 

「はぁ~い。忘れ物かな?」

 

 彼の笑顔は眼前に突きつけられた警察手帳により固まる。

 

「近所からあなたが少年を連れ込んだと通報がありました」

 

 スリーアウトチェンジ!

 

「なっ、何のことだか分からないな」

 

「プリプリプリズナー。お前の家を調べさせてもらう!」

 

 入ろうとする何人もの警察官に男、プリプリプリズナーは慌てる。

 

「ちょっ、逮捕状は」

 

「んなもんあるか!」

 

「なっ逆切れ。警察なら法律を守れ」

 

「貴様がいうかぁぁっぁぁ!」

 

「とっ、とにかくはいったら訴えるぞ」

 

 その言葉に背後にいた警官が怯む。

 

 しかし、前にいた男だけは違った。

 

「確かにこれは違法なことかもしれん」

 

『勝った!』

 

「だが、俺は警察としていろんな山を見てきた。そして警察じゃあ救えないこともたくさんあってきた。そんな時でも俺は法律に順守してきた。だからこそ俺は警察官としてとても優秀でいてられた。だが、ふと俺の歩いてきた道を振り返ると、本当にあっていたのかと思うことがあるんだ」

 

 彼は帽子を深くかぶる。

 

「だがな、最近気づいたんだ。本物のヒーローが人を助けるさまに、例えそれが法を破る行いでヴィジランテと呼ばれようが人を助ける彼らの姿に俺は感動したんだ」

 

 雲行きが怪しくなってきた。

 

「俺たちが守るもんは何だ」

 

 静かな声で言われたが、それは決意に満ち溢れた声だった。そしてその声は及び腰の背後の者たちにも伝わっていた。

 

「俺は子供たちの笑顔が守りたくて警察になったんだ!だから、ガキの笑顔を何が何でも守りたいんだよ。おめえら!責任は全て俺がとる!かかれ!」

 

「「「オウ!!!」」」

 

 そこには日本を守るヒーローたちがいた。

 

「ちょっ、まて、まってぇぇぇっぇ」

 

 入ると、そこには明らかにプリプリプリズナーが着るには無理がある服と呑みかけのペットボトルが二本あった。

 

「こっこれは。くっ、遅かったか」

 

「しっかり、まだ、私たちにやれることは残っているはずです」

 

「そうだな。全員構え」

 

「なっ、何をするつもり。…は!やっやめてぇぇぇぇぇ」

 

 悲痛な叫びが木霊する。

 

「ファブリーズはらめぇぇぇぇぇぇ。にっ臭いがァァァァァごっ、ごじひをぉぉぉぉぉ」

 

 しかし彼らは止まらない。悪を撲滅する使命を心に彼らは衣類を、カバーを、タオルを、そして何かの毛を集めた容器を回収していく。

 

「こんなの認められない!」

 

「煩い性犯罪者が!これは証拠品として押収だ!お前らも、徹底してやれ、俺がめざした警察として最初で最後の仕事だ。手、抜くんじゃねえぞ!」

 

 この日プリプリプリズナーは投獄された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。

 

「あれ?いないな?そう言えば表札もないし、引っ越したのかな?」

 

 一人の勇気あるヒーローは切島という若者の未来を救ったのだった。

 

 ヴィラン受け取り係として揶揄されてきた彼らだったが、あの日、確かに彼らはこの日本の平和を守るヒーローだった。

 

 名もなき英雄が一人辞めた。しかしその志は受け継がれていく。ここの区域の警察は誰もがその心に誇りを抱き、職務を全うする。

 

 ヒーローとは、英雄とはかくあるべし。

 

 

 

 

               教師、無垢、少年、個室、二人で……イケるか?

   

                              A.イケません<完>




 お触りはセーフ!アウトだけど、表現にちゃんとモザイクがかかってるもん!原案はここをもっと書き込んでいたけど削ったからR18じゃあない!
 え?それって大丈夫なのって、大丈夫。作者うそつかない。だから大丈夫!

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