超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER-   作:ブリガンディ

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今回はNGシーンと+αになります。
色々とはっちゃけたので、今までと比べてキャラ崩壊とメタ発言が極めて多いのでご注意ください。

後『+α』の部分がすげえ長いです(笑)。



NGシーン集的なもの+α

9話 紅の旅人とグーダラ女神(アニメ1話序盤)にてのNGシーン

 

 

 

俺が散策を終えてプラネタワーに戻れば、何やら騒がしくしているネプテューヌの声が聞こえた。

 

「何だか騒がしいけど、どうかしたか?」

 

「あっ!ラグナ避けてーっ!」

 

とりあえず状況を確認したいと思った俺はドアを開けて部屋に入り、状況を訊こうとしたらいきなりネプテューヌが避けろという。

どういう事だろうかと思って周りを確認しようとしたら、ゲーム機の電源アダプターが俺の眼前に迫っていた。

 

「うおおっ!?チィ・・・ッ!」

 

ビックリした俺は左手でキャッチしながら、そのまま叩きつけるように電源アダプターを地面に投げつけた。

しかし、それが一番やってはいけない事だというのを、次の瞬間に気づくこととなる。

 

「・・・えっ?ああぁぁぁうっ!?」

 

最大の問題。それはイストワールが電源アダプターのコードにしがみついたまま、遠心力で振り回されていた事だった。

俺はそれに気づかず投げてしまったわけで、当然急な進路転換と速度上昇に反応が遅れたイストワールは、そのまま地面に叩きつけられ、自身の乗っかっていた本の下敷きになってしまった。

 

「ラグナぁっ!間違えるにしても叩きつけちゃダメじゃーん!」

 

「わ、悪い・・・!お、おいイストワール・・・大丈夫か!?」

 

「ん・・・んん~っ!」

 

ネプテューヌに指摘された俺は謝りながら慌ててイストワールの安否を確かめるが、反応があるから大事に至ってない事が分かって安心した。

しかし、それでも早く出して欲しいと言う意図が分かったので急いで助けてやった。

そしてこの後、俺は「叩きつけられたから死ぬかもしれなかった」とイストワールに怒られて深く詫びるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

15話 変えられる未来、変えられない過去(アニメ2話中盤)にてのNGシーン

 

 

 

「それで、今からあいつらを探すととどれくらい・・・」

 

「『悪』の気配を辿れば此処にいたか・・・久しいな。『黒き者』よ・・・」

 

「っ!?」

 

俺がベールに訊こうとした時に何者かの声が聞こえ、俺たちはそっちを振り向く。

するとそこには、どこか侍を思わせる風貌をしていた者・・・『お面野郎』ことハクメンが立っていた。

 

「・・・なっ!?テメェ・・・」

 

・・・が、決定的におかしいところがあった。

 

「お面野郎・・・だよな?」

 

姿形を見れば間違いなくお面野郎で間違いない。

だが、その躰は全身が黄ばんでいた。そのせいで俺は言いたかった言葉を飲み込むことになってしまった。

この時、俺は周りを見る余裕が無かったが、セリカも驚きのあまり硬直していた。

 

「知れた事。それよりもだ・・・『黒き者』よ。何故固まっているのだ?」

 

「は、ハクメンさん・・・。言いづらいんだけど、躰の色が・・・」

 

「・・・色?」

 

どうやら全く気がついていなかったらしく、セリカに言われてようやくお面野郎は自分の躰を確認した。

 

「・・・・・・・・・」

 

「ハクメンさん・・・一度身だしなみ直そうよ。私、手伝おうか?」

 

どうやらお面野郎もその事には気がついていなかったらしく、思わず黙り込んでしまう。

いつの間にかそうなっていたら本人もビックリだろうよ。俺は仕方ないと思っていた。今仕切り直したいと言うなら、喜んで受け入れてやりたいところだ。

流石にセリカも困った笑みをしながらハクメンに気を遣うレベルだった。それ程にインパクトがデカいし、問題のある事だった。

 

「・・・否、何も問題は無い。『黒き者』よ・・・決着を付けよう」

 

「いやいやちょっと待てぇぇぇぇッ!いくら何でも問題あり過ぎるだろぉがぁぁぁぁッ!」

 

まさかの鞘に収められている『斬魔・鳴神』を右手で掴んだお面野郎を見て、俺は盛大にツッコミを入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

22話 妹を思う姉、悪夢の影(アニメ3話中盤)にてのNGシーン

 

 

 

「・・・アレ?投影が来ねえな・・・」

 

「・・・向きを違えたか?」

 

せっかくだから入ろうとしたラグナとハクメンであったが、待っていても投影が来ないため辺りを見回してみる。

 

「うえぇっ!?ネプギア、どうしたのその姿!?」

 

「・・・どうした?」

 

「・・・待て。少女よ・・・その姿は・・・!」

 

少しすると、ユニが何やら驚きの声を上げたので、ラグナとハクメンはそちらに目を回す。

ネプギアがカメラで投影されていたらしく、その姿は一時的に変わるのだが、その変化はラグナとハクメン、そしてセリカの三人にとって衝撃を受けるものだった。

 

「どうして解らないんですけど・・・投影されたら、こんな姿になってて・・・」

 

「あわわわ・・・その状態ちょっとヤバく無い?今すぐ止めた方がいいよねっ!?」

 

「ええ。まさかそんなトラブルが起きるだなんて・・・」

 

「考えるのは後ですわ。今は一度止めませんと・・・」

 

「時は一刻を争う・・・ならば・・・!」

 

答えるネプギアの声が違っていることに気が付いた、ネプテューヌは色々と不味いことになるのを気が付いて確認を取る。

チカとベールも結構焦っており、一度コントローラーを操作しようとしたのだが、それより一歩早くハクメンがカメラの方へ回り込むように走る。

 

「は、ハクメンさん!?」

 

「混乱を招きし根源・・・ここで滅させて貰う・・・!ズェイッ!」

 

ベールの声は届かず、ハクメンは迷うことなく右足で置かれていたカメラを強く踏み潰した。

そして、そのカメラは負担に耐えられず小さな爆発を起こし、それと同時に投影は強制的に終了させられた。

しかしながら、これで解決かと言えばそれもまた違った。

 

「ああ・・・そんなことって・・・」

 

「お・・・お姉さま!?しっかりしてくださいましっ!ベールお姉さまぁっ!」

 

せっかく作り上げたものが一瞬でパァになってしまったことで、ショックを受けたベールは顔を青くして崩れるように気を失った。

それを見たチカは慌てながらベールを抱き留め、涙目になりながら呼びかけるも、口から魂が抜けているかのような状態のベールは暫く反応を示さなかった。

 

「なあハクメン。これ以外に方法はあったんじゃねえの?」

 

「致し方あるまい・・・。全てはネタバレ防止の為だ・・・」

 

「・・・お前がそう言う発言すんのッ!?」

 

ハクメンの方に歩み寄りながら問うラグナに対し、ハクメンは腕を組んで仁王立ちの姿勢になりながら堂々と答える。

しかし、その発言が余りにも彼のイメージに合わな過ぎた為、ラグナは驚きながらツッコんだ。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

25話 もう一人の『ブラッドエッジ』(アニメ4話序盤)にてのNGシーン

 

 

 

「うおぉぉぉああああっ!?」

 

上から少年の絶叫が聞こえ、その少年は殆ど間を置かず地面に激突して土煙を巻き起こした。

 

「何!?何があったのっ!?」

 

「えぇえっ!?落下は主人公の専売特許じゃないのぉっ!?」

 

ノワールとネプテューヌはそれぞれが驚きの言葉を口にする。

ネプテューヌに至っては少々ついていきづらい発言をしているが、それだけのインパクトはあった。

 

「ネズミ、機材は大丈夫そうか?」

 

「巻き込まれなかったから平気っちゅ・・・」

 

マジェコンヌはこれからやることに支障が出ていないかが気になってワレチューに訊くが、幸いその心配は無いようだ。

 

「此の気配・・・似てはいるが、ラグナでは無いようだな・・・」

 

「なあレリウス・・・今のってよぉ・・・」

 

「ああ・・・どうやらあの男も呼ばれたようだな・・・」

 

ハクメンはその気配に引っ掛かるものがあった。

訝しげに尋ねるテルミに対し、今回来た声の主に見当が付いていたレリウスは仮面のずれを直しながら答えた。

その少年は傷だらけの青年・・・ラグナとよく似た気配を持つ少年だった。

 

「・・・えぇえーっ!?6話のNGシーン先取りぃ~!?」

 

しかし、煙が晴れるとそこに少年の姿は無く、代わりにその少年が地下へ突き抜けていった跡が見えたので、何やらネプテューヌが危ない発言をする。

 

「・・・何故そこだけ脆いのだ?」

 

「老朽化でもしてたんじゃねえの?まあいいや・・・引っ張り上げてやるから、俺様に感謝しろよ?・・・そらッ!」

 

マジェコンヌの疑問にテルミは適当に答えながら、穴のできた方に歩きながら『ウロボロス』を取り出してそれを伸ばしていく。

 

「よし・・・引っ掛かったな。オラッ!」

 

「ちょっとやり過ぎだあああああぁぁぁぁぁッ!」

 

少年を『ウロボロス』で捕まえたテルミは思いっきり引っ張り上げるが、勢いが強すぎたせいで少年は情けない声を上げながら放り投げられる。

そして、少しした後海面に落ちたのか、ざぷんと遠くで音が聞こえた。

 

「テルミ・・・やり過ぎには気を付けろ。リテイクに時間がかかる」

 

「・・・変な所で細けえなおいッ!?」

 

レリウスが仮面のずれを直しながらうんざりそうにしたのを見て、テルミは思わずびくりと反応しながらレリウスの方を注視した。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

右から画面の中央へ、左から画面の中央へ、上からから画面の中央へ、デカデカと「ネプらじ」と書かれているロゴが現れる。

右から出てきた時にノエルが「ネプらじ」と言い、左から出てきた時にネプテューヌが「ネプらじ」と言い、最後の上から来た時にこの場にいる四人全員で「ネプらじ」と言う。

 

「はいっ!ようこそ『ネプらじ』へ!司会というかパーソナリティは私、ネプテューヌと!」

 

「ネプギアと!」

 

「ラグナ=ザ=ブラッドエッジと!」

 

「ノエル=ヴァーミリオンでお送りします!」

 

各自が順番で自己紹介していく、並んでいる順番は左から順にノエル、ラグナ、ネプテューヌ、ネプギアである。

 

「さて、この『ネプらじ』どんな番組かと言いますと!本小説『超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER-』の各章終わりに章ごとにピックアップした場面を簡単に振り返って行くのと同時に、今後の展開の方針などを話していく番組になります!」

 

「更に!今回もそうですが、ネプテューヌ側とBLAZBLUE側から一人ずつゲストが来ています!」

 

自己紹介が終わった後、ネプテューヌが明るさを全開にして説明を行い、ネプギアが補足説明を行う。

 

「それでは早速ゲストをご紹介しましょうっ!」

 

「まず、BLAZBLUE側より、原作と比べて最も心境の変化が大きかった人物・・・ハクメン!」

 

「宜しく頼む」

 

ノエルの前振りに続いてラグナがハクメンの事を呼ぶと、画面から見てノエル左隣にハクメンが現れ、簡単に挨拶をする。

 

「続いてネプテューヌ側です!」

 

「こちらからは変化していくネプギアに、唯一真っ向から言うを言い切ったユニちゃん!」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

ネプギアの前振りの後にネプテューヌがユニを呼び、ユニは緊張が残る様子で挨拶をする。

ハクメンもユニもそうなのだが、この二人には「ゲストで来てほしい」とだけ伝えてあった為、何が来るか解らない以上ユニは緊張していた。ハクメンは違う方面で場慣れしていたので然程動じていない。

 

「それじゃあ早速、章ごとにピックアップした話から見ていきましょうっ!」

 

ネプテューヌがそう言うと、彼女たちの背後にあるモニターには『11話 変わりゆく繋がり、潜む影』と出ていた。

 

「まず最初はここからか・・・まあ、俺の状況がこう変わって来ているのを伝えんのと、テルミたちが動きだしたのを考えれば妥当なところか」

 

「よもや、テルミがあの様な状態になっていようとはな・・・」

 

場面はマジェコンヌがテルミのいるアンチクリスタルを拾ってすぐのシーンが映されていた。

ラグナはまあ、そうだよなと納得し、ハクメンはテルミの状態にただ呆然とした。流石に宿敵がこんな状態では言葉を失うだろう。

 

「お姉ちゃんもお姉ちゃんで、意外と気がつかないところがあったんですね・・・」

 

「ああ・・・この辺『自分のことは自分では良く分からないものだ』って、どこかのエレガント閣下も言ってた気がするよ・・・」

 

「お姉ちゃん・・・最初からそんなに飛ばして大丈夫?」

 

「大丈夫っ!作者から許可もらってるから!」

 

ノワールとラグナが一対一で話しているシーンが映され、ユニが率直な感想を述べている中、ネプテューヌは分かりにくい発言をしていく。

その為ネプギアが一度確認を取るが、そんな心配はないと言わんばかりなネプテューヌだった。

 

「ちなみにこのエンシェントドラゴンが出てくるところだが、原作だと一体なんだが俺がいることで作者が二体に増やしたんだとよ」

 

「原作だとほぼ瞬殺だったから仕方ないですね・・・」

 

次にエンシェントドラゴンが登場したシーンが映し出されたので、それを確認しながらラグナが解説する。

ノエルは司会になる以上しっかりやると意気込んでおて、振り返るためのビデオを全て視聴してから来たので余裕でついていける状態だった。

流石に彼女もエンシェントドラゴンには同情を禁じ得なかったようで、苦笑交じりにラグナの解説に同意していた。

 

「もう大丈夫そうかな?続いてはこちらっ!」

 

ネプテューヌが合図を送ったことでモニターに新しい文字が映される。

次は『12話 尊き平穏』と出されていた。

 

「ここはネプギアの変化が見られたところだな」

 

「あの時はいきなりなもんだから結構ビックリしたよね・・・」

 

「すみません。私・・・何が起きたかさっぱりわからなくて・・・」

 

ラグナとネプテューヌはお互いの胸の内を話す。

この二人とイストワールが最初の目撃者であるかつ、何の前触れも無かった為、驚かない筈もない。

この時のネプギアは、完全に意識が『少女』に取られてしまっている為、どうすることも出来なかったのである。

 

「これ、本当はただの日常回になる予定だったそうですね」

 

「入れ時だと踏んだ結果が此れだ・・・。予定とは大きくかけ離れたものだ」

 

ラグナたちが昼食を取っているシーンが映し出され、ユニが本来のことを話しながら確認するようにコメントする。

ハクメンはそのシーンを見ながら飽きれ半分に呟く。此の様子ではセリカ=A=マーキュリーの方向音痴を笑えぬのではないか?そういった危惧がハクメンの中にはあった。

 

「あの時の安堵した言葉は、あの子の料理の腕前を知っている人ならすぐに気づけると思います」

 

「ノエル・・・お前も同じくらいに下手くそなんじゃなかったっけ?」

 

「ら、ラグナさ~ん!それはこの場で言わないで下さいよぉ~っ!」

 

ノエルが解説している所にラグナがサラッと痛い部分を突くと、ノエルは涙目になって抗議の声を上げる。

料理の知識等はしっかりと持っているノエルではあるが、何故かいつも出来上がるのは絵に描けないような何かであり、味も殺人的なものだった。

 

「どんどん行っちゃおう!次はこれだっ!」

 

そんなノエルの様子に構うこと無くネプテューヌが合図を送ったことでモニターに新しい文字が映される。

次は『13話 思いがけぬ再会』と出されていた。

 

「いや~、これだけは絶対に出してって言われたから仕方ないね。あの時は作者が嬉しさのあまり大笑いしてたしっ!」

 

タイトルが出て早々、ネプテューヌが危険な発言をするが、それを気にする彼らでは無い。寧ろ次にチャンスがあれば乗ろうと言う気兼ねでいた。

 

「何で出して欲しいのって言われたら、この回を出した次の日・・・この小説が日間ランキング8位まで登り詰めてたんだよ」

 

「8位か・・・中々に見事な成績だな」

 

ラグナの簡単な説明を聞き、ハクメンは称賛の言葉を出す。

 

「話の内容としては、セリカちゃんがこのゲイムギョウ界に来たことでしたね」

 

「後は、セリカさんがラグナさんたちを育ててくれたシスターさんだと解ったお話しですね・・・」

 

ハクメンの称賛の直後に教会で集まっているシーンが映し出され、ノエルとネプギアが振り返るようにコメントをする。

 

「そう言えば、ここに来るまでセリカさんがシスターだって言うのを、ラグナさんが知らなかったのは本当なんですか?」

 

「ああ・・・今まで全く知らなかったよ。確かにシスターに似たものを感じてはいたんだけどな・・・」

 

ユニの率直な質問に対し、ラグナは頭を抱えながら答える。

それもその筈、時代等が違ったとは言え、育ての親をきつく突き放すような言動をしてしまったことがあるからだ。

 

「というか、セリカちゃんの方向音痴っぷり凄まじいね・・・。これに付き合わされたラグナやナインたちって・・・」

 

「気にしたら負けと言うものだ。奴の方向音痴は、この先も治ることはあるまい・・・」

 

頭を抱えながら呟く。ネプテューヌに、ハクメンは首を少しだけ下に向けながら諦めの意を示す。

事実、セリカの方向音痴はラグナたちを育てている老後の時代でも治らなかった為、どうしようもないのだろう。

 

「さて、こっちも大丈夫そうかな?次は・・・これ行こうっ!」

 

機を見計らったネプテューヌが再び合図を出すと、モニターに新しく文字が映し出される。

そこには『15話 変えられる未来、変えられない過去』と出されていた。

 

「・・・この回は・・・色々と重かったね・・・・・・」

 

「そうですね・・・セリカさんとは違ってハクメンさんは明確に敵対関係を示していて、更にそのハクメンさんから告げられた『蒼炎の書』の危険性、そして何よりも・・・誰の目にも明らかなネプギアの急変ですね・・・」

 

モニターを見たネプテューヌとユニが一気に苦い表情へ変わる。ラグナが来てこれからのゲイムギョウ界は明るいと思った矢先、いきなりラグナはいずれ世界を滅茶苦茶にすると言われれば堪ったものではないだろう。

また、ハクメンが『蒼炎の書』の以前の姿、『蒼の魔導書』のことに詳しかったが故に判断に戸惑ったものであった。

 

「状況が状況だったとは言え、『エンブリオ』で一度協力したのに再び敵対するのはちょっと辛いものがありますね・・・」

 

「此の時の私は周りを考えなかったからな・・・。今の状態で会えたならば、こうはならなかっただろう」

 

ノエルがどこか寂しそうな表情で言うのを見て、ハクメンは今の自分と当時の自分を振り返る。

『エンブリオ』外である為ノエルは狙わないだろうが、決定的な『悪』を宿しているラグナはそう言うわけにもいかなかった。

ハクメンの使命はこの時も『悪』を滅することで変わりないので、対面した時点で避けられなかったのかもしれない。

 

「その対決は一度伸ばしてもらえたからいいとして・・・」

 

「問題はネプギアですね・・・」

 

ネプテューヌの言葉に呼応するように、画面が涙目になってラグナへ訴える『ネプギア』のシーンが映され、ユニが落ち込んだ表情で続ける。

この状況で僅かながらとは言え推測を立てていたのはハクメンただ一人であり、ラグナですら整理する為に時間が欲しいと思った程であった。

 

「見た感じ、12話だとそこまで大きな変化は無かったんですけどね・・・」

 

「多分、『黒き獣』って単語が引き金だったんだろうな・・・そうでもなきゃ、あそこまで急激な変化は起きないだろうよ」

 

その様子を見て、身に覚えの浅いネプギアが首を傾げながら呟くと、ラグナも首を傾げ、腕を組みながら考え込む。

ラグナの推測として、『第一接触体(ジ・オリジン)』は『黒き獣』を『黒い化け物』と呼んで恐怖心を持っていた。

また、それと同時にラグナと離れることへの寂しさや怖さも持っていた。その為、今回はラグナが『黒き獣』となったらもう二度と共にいられることが叶わない。その二重の恐怖が運悪く重なってしまったのだろう。

 

「他にも重要なシーンとしてはここだね」

 

ネプテューヌの言葉が合図となり、ラグナがブランを引っ叩いたシーンが映し出された。

 

「ここか・・・思い返して見ると、色々やり過ぎた感じあるな・・・」

 

(いや)・・・これで良かっただろう。寧ろ、お前が何も言わぬのであれば、あの時の私は修正しに掛かっていたぞ」

 

「・・・おい!?そりゃちょっとやり過ぎじゃねえか!?」

 

頭をかきながら呟くラグナに向けてハクメンがそう告げると、ラグナは青筋を立てて焦る。

―ハクメンの修正とかシャレになんねえ・・・!ラグナはそうならなくて良かったと安堵しつつも恐怖するのだった。

 

「でも・・・もし、自分がラグナさんだったらって考えると・・・この時の気持ちは分かります」

 

「そうですね・・・アタシも、自分がラグナさんだったらこうやってガツンと言ってやってたかも・・・」

 

ノエルとユニはラグナの行動には肯定の意を示す。

ノエルは何もない状態だった自分を拾ってくれた義理の両親がいたからこそ、ユニはつい最近ネプギアに面と向かって言い切ったからである。

 

「ブランも吐き出したいこと吐き出せたから、一応は良かったのかな・・・」

 

何もしていないで二人が連れてかれてしまったのはかなり応えていたようで、ブランがだいぶ参っていたのは事実だった。

ただそれでも、その辛さを吐き出せた分少しは楽だったのだろう。

 

「ラグナさんの件でどうなるかと思いましたが、16話で二人を助けられたから本当に良かった・・・。次は一辺に行きましょう、こちらです!」

 

一度ネプギアが安堵した様子で感想を述べた後、すぐに笑顔で合図を送る。

モニターには『17話 Black&White~19話 共に前へ』と映し出された。

 

「ラグナさんとハクメンさんの決着から和解を描いたお話しですね」

 

「いや~・・・18話の終わり頃からはまだ良かったんだけど・・・それより前は緊迫感がヤバいのなんので・・・」

 

ユニに続いてネプテューヌは頭をかきながら冷や汗を浮かべて言う。

事実、この時程荒れていた時期など無かっただろう。場合によってはこちらにもハクメンの刃が飛んでくる可能性を考えなければならなかったからだ。

 

「ラグナさん・・・何事も無ければ『蒼炎の書』があと一回だけって絶望的過ぎませんか?」

 

「・・・あの時は本当にヤバかった。いや、だからといって簡単に諦めるつもりもねえんだけどよ・・・流石に無条件でどうにでもなるとは言えなかったわ」

 

ラグナの状況を改めて知ったノエルが問いかけると、ラグナは頭を抱えてながら答えた。

ラグナに取ってはこの時が最も危険な状況であったと言えるだろう。女神たちが捕まった時はまだやりようがあると踏んでいたが、この時は本当にお手上げ寸前だった。

 

「しかし・・・条件が重なったとは言え、我が正体を見抜かれるとはな・・・」

 

「いきなりああ言われたら、流石に驚きますよね・・・」

 

17話の最後にラグナがハクメンの正体を見抜いた発言をしており、ハクメンの動揺している様子から18話が始まっている。

どうやら見抜かれることはハクメン自身想定外だったようで、ネプギアも苦笑交じりに同意するのだった。

 

「ぶっちゃけた話、それの直前に貰ったシェアエナジーが無かったら本当に危なかったわ・・・」

 

「でもあれってネプギア自身がやった感じじゃないよね?」

 

「うん。この時もまだ・・・いつの間にか『あの子』がやってたからね・・・。あんまり人のせいにしたくはないんだけど・・・」

 

シェアエナジーをラグナに送り込む直前のシーンを見ながらネプギアは罪悪感を抱く。

ラグナからすれば危機を脱する切っ掛けができたのでそれは良かったのだが、ネプギアのことに関しては全く解決の目処が立っていなかった。

 

「なんかこう・・・『ぶつかることで深く結びつく友情』的な感じの終わり方だったけど、お互いにどうにか和解できたし良かったよね!」

 

「お、お姉ちゃん!?この二人は各国代表とかそう言うのじゃないからねっ!?」

 

ネプテューヌが満足そうに頷いているところをネプギアが突っ込む。

確かにラグナとハクメンは、某巨大ロボットで代理戦争に参加するファイターではない。更にはシャッフルな同盟にも加入していないし、そもそも彼らの世界にもゲイムギョウ界にも存在していないのであしからず。

 

「あ・・・そう言えば私、ここではハクメンさんの正体を知っちゃってるんですけど・・・今後どうするんですか?」

 

「その事だが・・・この『ネプらじ』限りらしいぞ。だから、本編では普通に知らないことになる」

 

「あ・・・そうだったんですね・・・。安心したような悲しいような・・・」

 

ノエルが訊いてきたので、予定より早いタイミングでラグナが答える。

本編でハクメンの正体を知っているのはラグナとセリカ、そしてゲイムギョウ界の人たちのみである為、ここでの状況を本編に持ち込んでいいものでは無かった。

 

「葉笛もできるって・・・ラグナ、凄い器用じゃない?」

 

「そうか?息吹きかける具合を調整するくらいだぜ?」

 

「・・・えっ!?それ謙遜しちゃう!?」

 

傍らから見れば、ラグナのような技術を手にするまでは時間がかかるので、少しは誇ってもいいのかもしれない。

しかしながら、ラグナはあまり役立った場面が少なかったのもあってか、あまり自慢するものではないと認識していたことがかえってネプテューヌを驚かせることになった。

 

「ラグナさん。今度時間があったら、ニューにも聴かせてあげて下さい・・・きっと喜ぶと思うんです」

 

「そうだな・・・ついでにやり方も教えるか。ラムダも一度聴いたら真似しようとしてたしな」

 

ノエルの頼みをラグナは迷うことなく快諾する。

ココノエの手違いでカグツチに飛ばされてしまった事でラムダは一時的に迷子になり、アラクネの襲撃を受けている際にラグナが救出したことで一時的に行動を共にしており、ラムダにはその際に葉笛を披露している。

最初はニューもラムダみたいになるんだろうな・・・そんなことをラグナは考えていた。

 

「ええ・・・そして、毎度の如くこういう時に犠牲になるエンシェントドラゴンでした」

 

「・・・この小説だと今後もこうなるんでしょうね・・・」

 

ネプテューヌがご愁傷様と言わんばかりに十字架を切ったのに同意するが如く、ユニも苦い顔で二体のエンシェントドラゴンを哀れんだ。

事実、エンシェントドラゴンの犠牲になっている回数は現段階で相当増えており、アニメでは5話までの段階で二体しかやられていないのに対し、本小説では何と既に九体ものエンシェントドラゴンが犠牲になっている。

しかも内一体はレリウスの実験材料にされてしまっているので、彼?は最も苦痛な最期を迎えたのであろう。

 

「後は俺らでしか話せなかった事情かな」

 

「ああ・・・私はあの一件で少々気が楽になったように感じる・・・。ラグナよ、この場を借り改めて礼を言う」

 

「お前があの後、今の状態を全うできるようになったんなら何よりだ」

 

ラグナからすれば恨みとかそう言ったものをいつまでも引きずろうとは思っていなかったので、ハクメンさえ変わればすぐにこうなれた。

それがこの改まった一対一での会話と真の和解であり、今の状態に繋がったと言えるだろう。

 

「というか、あのお別れ話の後すぐ独自で動こうとしてたんだね・・・ありがたいと言うか、申し訳無いと言うか・・・」

 

「何の問題も無く術式が使えると言うのは、流石にそのまま流す訳には行かんのでな・・・」

 

「今は『蒼』があるというのが判ってるからいいですけど、この時は何も判っていませんからね・・・」

 

ネプテューヌは複雑な気持ちになりながら頬を掻くのだが、ハクメンは元々調べようとしていたことなので特にネプテューヌを責めたりはしない。

また、ノエルの言っていることは最もで、ラグナ一人の時や、セリカが来た時までは細かいことを気にせずとも良かったのだが、流石にハクメンも来た時以降は無視できなくなって来るし、何も判らないと不安にもなる。

ネプテューヌがゲイムギョウ界に『蒼』があると言う情報を得て、それが伝わったからこそハクメンも一段落が付いたのだ。

 

「この三話分だとここまでか?そろそろ次に・・・」

 

「ラグナさん。その前に一つ言っておきたいことがあります。この場面なんですけど・・・」

 

ラグナが次へ進めようとした時、ノエルが遮りながらネプギアに銀の腕輪を渡すラグナのシーンと、一度16話に戻って自身のコートをセリカに渡すシーンを順番に映し出させた。

 

「暗黒大戦時代の時もそうですけど、何でも物を渡せばいいものじゃないと思うんですっ!」

 

「えぇ!?そこかよ・・・。いやでも、ちゃんと戻って来てるし・・・」

 

「そう言う問題じゃありませんっ!今後はこうなる前に、どうにかする努力をなるべくしてくださいっ!いいですね!?」

 

「わ・・・分かった・・・・・・」

 

ノエルの言い分に対し、自分の功績を出して避けようとしたものの、そのまま言い切られてしまったラグナは諦めて受け入れるしか無かった。

 

「全く・・・向こうでも人に心配かけ過ぎです。・・・あっ、お待たせしました。次はこちらです」

 

ノエルの合図により、モニターには『20話 狂気の人形師、蘇る悪夢の欠片』と出された。

 

「此の回は我らの出番が無かった回だな」

 

「大雑把に纏めると、レリウス=クローバーがゲイムギョウ界に現れる。ユウキ=テルミの復活・・・この二つですね」

 

まず初めに、ハクメンとネプギアがこの話で起きた内容をまとめ上げる。今回はラグナ達の預かり知らぬところで陰謀が動いていると言うような内容であった。

 

「・・・エンシェントドラゴン、南無・・・」

 

「こ・・・今回ばっかりはアタシも同情です・・・」

 

ラグナが両手を合わせ、ユニも目を瞑った。彼らの預かり知らぬところで、エンシェントドラゴンは再び犠牲となっていたのだ。

この話の段階では3話が始まっていないので本編だと一体しか倒されていないのだが、本小説ではこの段階で既に合計八体・・・つまりは七体ものエンシェントドラゴンが追加で倒されていた。

ただし、レリウスの場合は実験に使った為、倒したというよりは実験によって絶命したが正しいだろう。

 

「で、今回一番重要なのはテルミの復活だね。そのシーンは・・・何このホラー映画みたいなの?」

 

「えぇ・・・?こんな強引に・・・?」

 

テルミが肉体に移されているシーンを見た瞬間、ネプテューヌとノエルはドン引きした。

それもそのはず、碧黒い影の状態のテルミと、新しい肉体としてあるテルミがどちらも半端なニヤリ顔になっているので、一般の精神を持っていたら間違いなく彼女たちのような反応を示すだろう。

現にラグナも一瞬頭を抱え、ユニもドン引きしていた。

 

「・・・気を取り直してっと・・・意外なのは、割とこいつらが仲いい事なんだよな・・・」

 

「確かに・・・後の話でも、仲間内では友好的でしたよね」

 

ラグナが見た所にユニは同意を示した。

事実、この四人はラグナ達の前に姿を現した後も、仲違いを見せたことは無かった。

 

「さて・・・あまり長いと作者の労力もあるからサクサク行こう。次はこれ!」

 

ネプテューヌが何やら労う言葉をかけながら合図を出し、モニターには『21話 再会を望む魂~22話 妹を思う姉、悪夢の影』と映し出された。

 

「21話はネプギアちゃんに、大きな変化が訪れる回でしたね」

 

「私、起きた時本当にビックリしました・・・」

 

ネプギアが驚くのは無理もない話。誰でもネプギアの立場になったらあの夢を見た直後はそうなるだろう。

見知らぬ場所、見覚えがあるものの良く分からない少年と見知らぬ少年、そして全く呼ばれたことのない呼ばれ方・・・。これらの状況で驚くなというのが無茶だろう。

 

「他にはここがデカいターニングポイントだったかな」

 

「さっきのシーンの段階でネプギアは例の『あの子』を自覚してるから・・・気遣ったんだね・・・」

 

ネプテューヌはできることなら自分にも言って欲しかったのだが、状況的に叶わなかったので、ラグナとネプギアも少し申し訳無くなる。

勿論、今のネプテューヌであればその時の状況もある程度予想が付くので、あまり気にしてはいなかった。

 

「ハクメン・・・テルミがライブ会場紛れてたの気づいたか?」

 

「否・・・全く気がつかなかったぞ・・・」

 

「・・・えっ?テルミってライブ趣味あったの?」

 

モニターに映し出されたシーンを見たラグナとハクメンは、冷や汗をかきながらお互いに確認し、二人共気がつかなかった事でその冷や汗を大きくする。

更に、ネプテューヌの問いにはノエルも加わった三人で無言の肯定をして返し、ゲイムギョウ界側の三人が仰天する。

映し出されていたシーンは勿論、ライブを会場の隅っこで見ているテルミだった。

 

「そんで次、22話で開幕即死攻撃!」

 

「コンパの笑顔・・・実にプライスレス・・・!」

 

先程のシーンとは打って変わり、コンパの笑顔に心が堕ちたワレチューのシーンが映し出された。

また、芸が細かいことに、編集で画面の中央には『ASTRAL FINISH』とデカい文字で映し出され、右側中央にも、少し大きな文字で『99HEAT』。そのすぐ下には小さい文字で『99999』と書かれていた。

 

「・・・えぇっ!?いつ、こんな編集していたんですか!?」

 

「スタッフの人たち遊び心凄っ!?」

 

極めつけにシステム音声も作り込んでいたようで、その事にネプギアとユニが素直に驚く。

作者に許可を貰った彼らは、それはもう生き生きと作り上げたものだった。

 

「そして、アニメと同じく直後にアンチクリスタルの案件がありますね」

 

「此処は余り語るべき点は無いだろう・・・」

 

アンチクリスタルのシーンは殆ど変わっていないため、さして話すべき点が無いのもまた事実だった。

 

「で、次は・・・」

 

「えっ?あれハクメンさんでしたよね!?」

 

ネプテューヌの合図でシーンが現れた瞬間、そこに映された『パクメン』を見たノエルが食いついて目を輝かせる。ノエルの言葉に肯定を示すように、ネプギアとユニは素早く二回頷く。その表情は奇しくも『パクメン』となったハクメンを弄っている時と同じ表情になっていた。

また、この時ハクメンは嫌なものを見た言わんばかりに頭を抱え、ラグナも同情するように苦笑した。

―アレは嫌な事件だったな。ラグナはそう言ってやることしかできなかった。

 

「んで、この最中ナインが出てくるんだが行く余裕がありませんでした・・・」

 

「おまけにマーキングまでされる・・・今回も含め、今まで全て突発的なものだから仕方ないかもしれませんけど、アタシとかがこれやったら致命傷ですね・・・」

 

「・・・勘弁してくれ。そんな事態創造したくもねえ」

 

頭を抱えていたラグナにユニの一言が更に刺さり、ラグナは顔を下に落とすのだった。

それもそのはず、ユニのような立場でこんなことをされた場合、暗殺等も容易に立てられるので非常に危険である。

ナインの人格上、セリカに危害が無いのであれば、余程のことが無い限りそこまではないが、一歩間違えれば自ら消し炭にする為やって来るので、彼女の存在を知っていたら嫌でも慎重になる人はいる。

 

「そろそろ次に行きましょうか。・・・続いてはこちらです!」

 

ノエルが合図を出すと、モニターには『23話 対峙する悪夢~26話 皆の決意』と出された。

 

「うわ・・・一辺に来たなあ・・・というか、ここら辺から私・・・もとい、私たち四女神は完全に何もできなかった覚えが・・・」

 

「いや、アレはしょうがねえだろ・・・原作でもお前らあんな感じだったじゃねえか」

 

ネプテューヌの愚痴にラグナが諦め気味に返すと、ネプテューヌは「作者~!そこはどうにかできなかったの~っ!?」と嘆いた。

すると、カンペで『ごめん、ここは流石に変えられないわ』と出されたので、それを見たネプテューヌがショックを受けた。

 

「しょうがないよお姉ちゃん・・・アニメ4話のラストでも、本小説26話のラストでもそうだけど・・・お姉ちゃんたちが捕まらなかったら、私たちこのシーンに繋がらないから・・・」

 

女神候補生の四人が昇って来る朝日を見て決意を固めるシーンが映し出され、それに合わせてネプギアが言うことによってネプテューヌは「ごもっとも・・・」と降参の意を示した。

実際の話、ネプギアが彼女たちの危機であるシーンを目撃しなかった場合、このシーンには繋がらないし、彼女たちの変身する機会が無くなってしまうので仕方ない面はある。

 

「私たちが捕まった直後にあの・・・三人と一匹でいいのかな?が現れて、何気に本小説初、ラグナに黒星ついちゃった戦いだね・・・」

 

「確かにそこも問題だけど・・・俺はせっかく貰ったシェアエナジーがあんな形で仇になったのは流石に焦ったぞ」

 

「現場を見てないから解らなかったけど・・・こんなに酷いことになっていたなんて・・・」

 

ネプテューヌたちが捕まった直後、救助を試みたラグナはあっさり弾き飛ばされ、その後テルミとの一対一でこれまでにない程圧倒的されて負けていた。

今回その状況を見たユニも、思わず口元を抑える程酷い状況であった。ハクメンですらラグナの救援に走ろうとして止められている程だった。

 

「その点、あの少年には感謝している。私一人では間に合わなかっただろうからな・・・」

 

「私もです。あの時来てくれなかったら、固まって動けないまま捕まってたでしょうから・・・」

 

「本当に助かったよぉ・・・捕まってたら間違いなくバッドエンド直行だもん・・・」

 

ハクメン、ネプギア、ネプテューヌの順で今この場にいないナオトへ感謝の意を告げる。

実際の話、彼が来なかった場合ネプギアを逃がすことは間違いなく不可能だっただろう。

 

「ラケルにも礼を言わなきゃいけねえことはあるな・・・アイエフがドライブ手に入れてあの状況から逃げきれたの、あいつのおかげだしな」

 

「ラケルさん・・・うーん。どうしてもレイチェルさんって言いそうになる・・・」

 

「こっちはアイエフさんって言いそうになったから、なんだか似ているんですね・・・」

 

どうやらノエルやユニも例外ではないようで、ラケルのことをそれぞれの人物と間違えそうになっていた。

ただそれでも感謝の意が無いわけではない。この二人が来なければ間に合わなかった可能性も十分に高いからだ。

 

「ハクメン・・・この直後は済まなかったな」

 

「気にすることは無い。あの場面ではあれが最善であった」

 

想定外の介入のおかげでラグナたちはどうにか離脱できたものの、この時ハクメンが一人残ってしまっていた。

その為ラグナは申し訳ない気持ちになるのだが、ハクメンは覚悟の上での選択だった為然程気にしてはいなかった。

 

「ちなみに、ナインが俺らの状況に気づくまではこんな感じだ」

 

ラグナが言い終わった直後にモニターでナインがどうしていたかが映し出された。

やってたことと言えば、シェアエナジーについての聞き出しと、5pb.の家に入れて貰ってちょっとした会話だった。

 

「此れは本人に訊いた事だが、後日もう一度会いに行くことを望んでいたな」

 

「お話の途中だったんですね・・・」

 

ハクメンの話を聞いたのもそうだが、今回の為に確認して来たノエルは大体把握ができていた。

実際のところ、ナインの事情しか話せておらず、5pb.の話は聞けず終いであった。

 

「ちょっと待って!?このシーン何があったのぉっ!?」

 

「私は何も・・・ラグナさんはどうですか?」

 

「俺の夢だってのはわかるけど・・・何でこれ見たんだろうな・・・?『あいつ』がヤバいからって思ったからか?」

 

ネプギアであろう少女が無惨にやられたシーンが来て白目になったネプテューヌが絶叫気味に驚き、ネプギアもラグナに問いかけるが、ラグナは曖昧な回答しかできなかった。

 

「後は俺が起きて少ししてからナインと合流する訳だが・・・」

 

「ここだね。ユニちゃんが思いっきり言った場面は・・・」

 

「ほ、本当にごめんなさい・・・。確かに言いたいこと言ったけど、胸倉はやり過ぎでした・・・」

 

ユニは涙目になって、胸倉を掴んだままネプギアに言うことを言っており、この時も言い過ぎたと反省していたのだが、その時の事をネプテューヌに謝罪する。

知らぬ間にこうなっていれば、ネプテューヌでも驚かないことは無い。実際、ユニもこのシーンが映った時は一瞬顔が青くなっていた。

 

「あ~でも・・・この体制でアニメと同じセリフだったら流石にお姉ちゃんおこかも・・・」

 

「す・・・すみません・・・」

 

「お、お姉ちゃん・・・あんまり言いすぎないであげて?」

 

ネプテューヌがふざけ半分で、しかしながら本気半分で言うとユニがしぼんだように再び謝った。

流石に可哀想に思ったネプギアが止めに入ったので、「まあ次やらなければいいのよ」とネプテューヌが言って事なきを得た。

 

「この次の話、この章最後のエンシェントドラゴンが犠牲になります」

 

「ここでようやく二度目の原作通りの犠牲・・・本編以上に犠牲を産んだエンシェントドラゴンに、ご冥福をお祈りします」

 

ラグナとノエルが黙祷し、それに続いてネプテューヌたちも黙祷する。

ハクメンは黙祷している意を告げるため、頭を軽く下げてその状態を少し維持する。

 

「ところで、此の先もこの竜の犠牲は増えるのか?」

 

「どうだろうな・・・作者の決め方次第だと思うぜ?次はこれだ」

 

ハクメンの問いに曖昧な答え方をしながらラグナは合図を送り、次は『28話 共闘を決める魂~29話 反撃の手口』と映された。

 

「この2話分で皆の変身が完了するねっ!」

 

「危なかったけど、どうにかなって良かったです」

 

ネプテューヌがピースサインを出しながら言うのに対し、ユニは安堵の表情で言う。

ネプテューヌたちからすれば逆転の兆しが見え、ユニたちからすれば危機的状況を切り抜けられたからだ。

 

「全員変身できたのは確かに良かったんですが、重要なのはここですね」

 

「はい。ここでようやく、『あの子』と話せました」

 

ネプギアの変身のきっかけは、少女と共に戦うことを選んだこと。

危険性があると言われているのは確かだが、今のところネプギアを見るにその危険性が如実となっている場面は極めて少ない。

 

「思いの外危険なのは、マジェコンヌがラグナの技までも使用したことだな」

 

「現状使って来たのはこれだけだが・・・ブラックオンスロートとかやられたらかなりヤバいな・・・」

 

マジェコンヌの事を再確認してハクメンは腕を組んで考えるのに対し、ラグナは冷や汗を浮かべていた。

現状、ラグナはブラックオンスロートを二回しか使用していない為、これで習得されていたことが判明した場合、本当に恐ろしい事態になる。

 

「ハクメンは後使ってない技なんかあったか?」

 

「後は咢刀(あぎと)くらいだが・・・御前は?」

 

「まだ終わりじゃねぇぞって言うゲームだとダウン追撃技・・・アレ使う機会あんのかな・・・?」

 

ハクメンが天骸を使ったシーンを映し出された状態で、ラグナとハクメンはお互いに使ってない技を確認する。

ハクメンはまだ使いどころのありそうな技ではあるが、ラグナはもうどこで使えばいいんだと言う技だった。

その悲しさにラグナは頭を抱えて項垂れるのだった。流石に倒れている相手を掴み上げてから殴り飛ばすと言うのはそうそうやれたものでは無かった。

 

「みんなが私たちのところに向かってる途中何事も無くて良かったね・・・」

 

「ああ・・・来てたらその時は大惨事だったかもしれないな・・・」

 

実際のところズーネ地区に向かう途中で誰か来たとしても、状況が状況なので無視をしなければならないし、リーンボックス以外だった場合はそもそもすぐに向かうことができない。

仮にここでゲイムギョウ界に被害を撒き散らす存在だったら、この間やりたい放題と言う最悪な事態を招いてしまう。しかも対処できないのでお手上げな状態と軽く詰みが出来上がってしまう。

 

「本当に何も無くて良かった・・・最後は纏めて行きましょう、こちらです!」

 

安堵したネプギアは一度気を取り直して合図を送る。

すると、モニターには『30話 邂逅の時~33話 蒼を探しに』と映し出された。

 

「さて、この章の纏めもこれでラスト!・・・いきなりだけど、これ一体何なんだろうね?」

 

「・・・私も解りません。後々判明すればいいのですが・・・」

 

ニューがゲイムギョウ界に入り込む直前の瞬間に現れた蒼い球は今のところ一切判明しておらず、調べる暇もない。

解るのはこの先何時になるかは分からない。最悪、かなり終盤になる可能性すらある。ノエルも得た情報だけ持って追いかけて来たので、本当に何も判らないのである。

 

「ナオトが分かり易く表してるけど、これは俺も焦ったわ」

 

「大丈夫だったから良かったけど、これは私も焦りました・・・」

 

その後アイエフがニューの攻撃を受けたシーンではあるが、土煙がいきなり見えたので、それは仕方ないだろう。

直後に同じことがすぐに起きるので、その焦りは加速しても仕方ない。

 

「みんなでネプギアを送ったけど・・・大丈夫だったかな・・・?その後こうなってたし・・・」

 

「後に救助が来たので、結果としては良かっただろう。どの道、彼女に大きな支障が出てしまう前に決めたのは正しかっただろう」

 

ラグナとニューの様子が気になったネプギアを送ったのは間違いでは無かっただろう。

もし、ネプギアの集中力が切れてしまえば、マジェコンヌに集中攻撃を受ける危険性すらあるからだ。

ノエルが間に合わなければ危険な状況ではあったが、この際は終わり良ければ総て良しであろう。

 

「セリカちゃんの能力、ここまで来るとテルミが可哀想になるよ・・・」

 

「ああ・・・こんなにひでえ状態のテルミ見たのは二回目か・・・。マジェコンヌも大分やられてんな・・・」

 

マジェコンヌとテルミはセリカの能力で相当弱体化を受けてしまい、それぞれまともに動けない、非常に動きが悪くなるの二者だった。

特にテルミは、もし悪足搔きをしなかったらそのままハクメンに倒されていた程だった。

 

「そして、やっぱり言いたいこととすれば・・・ラグナさん、ニューの救済お疲れ様です」

 

「ああ・・・どうにかなって良かったよ・・・」

 

「予想とは大きくかけ離れた形となったが、私の旅路も一段落は付いた感謝するぞ」

 

ニューの救済は、ハクメンの永き戦いにも幕を引くこととなった。

一通り戦いが終わった為、残りは平和の為に力を振るうのがハクメンの方針となっていた。

 

「住む場所はニューと一緒にラステイションになりましたね。ノエルさん、これから暫くの間よろしくお願いしますっ!」

 

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

 

これから共に同じ屋根で過ごす身として、二人は改めてこの場で挨拶をするのだった。

 

「・・・よし。これで終わりだな・・・後は今後のことだが・・・」

 

「ラグナ、その前にだけど・・・後でこの件について話あるからよろしくね」

 

「「・・・・・・!?」」

 

ラグナの言葉を遮ってネプテューヌがモニターに出したシーンは、何とあのうっかり混浴のシーンであり、それを見たユニは思わずドン引きした。

そのシーンを出されるとは思わなかったラグナとネプギアは、思わず青筋を立てた。

 

「さて、今後の方針だね。まず、展開の方だけど・・・次の章はアニメ5話の残った部分から、アニメ10話分までの進行段階が予定されてるよっ!途中でオリ回も挟む可能性もあるよっ!」

 

ネプテューヌが簡単に展開の事を話す。ここからは原作通りにはいかない可能性が高いので、あくまで進行段階と言う話をしている。

 

「キャラリクエストとかどんどん来ていますが、ここで一つ残念なお知らせがあります・・・。戦力比だったり何だったりを考えた結果、出せるキャラが良くて後4、5キャラ程度という判断が作者から出ました」

 

「嘘~っ!?あれだけ調整したいって言ってたのにぃっ!?」

 

「何でも、味方側のセリフの取り合いだとか、活躍の場がいつの間にか消え去ったりする可能性が高いの何のでヤバいそうだ。今現在、出しやすいキャラを選定中だ。・・・後コレ、作者が出す予定だったキャラとかも無理そうなら断念かもよ?」

 

ネプテューヌの驚愕した声も届かないかのように、無情にもラグナから追撃の知らせが飛んできた。その話を聞いて皆が青筋を立てて、冷や汗を浮かべる。

 

「一体・・・何があったんですか?」

 

「作者がつい先日体調を崩したそうでな・・・何でも、無理のし過ぎは良くないと判断したそうだ」

 

「ええっ!?現に毎週日曜日投稿守ってますよねっ!?」

 

ユニの問いにはハクメンが答え、それを訊いたユニが驚いて今回の投稿日時を再確認する。

作者もカンペを出し、『こうなるとは思わなかった・・・』と情けない表情になっていた。

 

「それはそれ・・・これはこれなのかな?でも完結しないのは一番問題だからそこ気を付けないとね・・・」

 

「はい・・・無事に完結して欲しいですね」

 

作者自身モチベーションは十分にあるので、躓かないように気を付けたいと言っているそうだ。

本当にダメな状況にならなければ、今のところ大丈夫であろう。

 

「・・・よし。これで言うこと全部終わったかな?この『ネプらじ』、最初に言った通り章の終わりごとにまたやりますっ!なのでそのときまた、会いましょうっ!

お送りしたのはネプテューヌとっ!」

 

「ネプギアと!」

 

「ラグナ=ザ=ブラッドエッジとッ!」

 

「ノエル=ヴァーミリオンと!」

 

「ハクメンと」

 

「ユニでしたっ!」

 

六人で『また次回~』と言いながら手を振る姿がフェードアウトしていく形で、この番組は終了を告げる。

 

「ラグナ~・・・さっきのシーンを話して貰うぞ~っ!」

 

「あ、アレは事故だ事故ッ!」

 

その最中、ネプテューヌがラグナに突っかかり、ラグナが必死に弁明するのは今回の事故っぽいが機材等に被害がない為、大目に見られた。




と言うことで、次回から本格的に次章に入りたいと思います。
NGシーンこんな感じで良かったでしょうか?5話の方は次章の時に纏めてやりたいなと思います。

ちなみに体調を崩したのは本当です・・・。今は大分マシになって来ましたが、3日間程下痢に襲われていました。中々辛いです。

また、この章が終わってこの先確認したのですが、本当に新しくキャラを追加できるスペースが殆ど残っていないと言うのが分かり、こう言う形を取らせていただきました。
私の力不足で申し訳ありません・・・。

勇者ネプテューヌ(仮)のPVを見たのですが、『イッ●Qネタ使うんかいっ(笑)!』となりました(笑)。2Dゲームっぽいんで「これどうなるんだろうな?」って感じはありますが、今後どうなるか楽しみでもあります。

次章の最初は恐らく、オリ回から始まると思います。

長くなってしまいましたが、次の章でもよろしくお願いします。

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