ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車

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贈り物とレッドギルド

74層の苦戦から翌日、カグラに呼び出されていた居たためヒビキ達はカグラの店に向かった。

 

「でも何のようなんだろ?」

 

「知らん、だが何かしらあるんじゃね?」

 

とヒビキとユウキが話しているとそれをつけている者達が居た。

 

野武士ヅラのクラインとキリトだった。

 

キリトは面識があるがクラインは無いため泣く泣く引きずり出されたらしい。

ユウキは気づいていないがヒビキは当然の如く気づいており、どうしたものかと悩んでいた。

 

「・・・はぁ」

 

「どうしたの?」

 

「いや・・・何でもない」

 

「ホント?絶対何か考えてる」

 

「そう思うなら振り向かずに後ろの気配感じてみろ・・・」

 

と言われユウキは《索敵》スキルで後ろを索敵するとようやく気づいたらしい

 

「良いの?連れて来ても」

 

「絶対怒るぞ・・・」

 

「だよね・・・」

 

ストーカーのようにつけて来る二人に呆れつつカグラの店に向かった。

 

 

少ししてカグラの店に着いた二人はあえて後ろの馬鹿を無視し中に入った。

 

「カグラー、来たぞー」

 

「ボクも来たよー!」

 

「ん、いらっしゃい二人とも」

 

「それで用件はなんだ?」

 

「それより、不審者連れて来るの止めて」

 

「・・・ヒビキ、やっぱばれてるよ」

 

店前でうろうろしているクライン(不審者)とキリトに気づいているカグラはどうしたものかと考えていた。

 

「はぁ・・・良いよ、入れても」

 

「ごめんね、カグラちゃん」

 

「ユウキは悪くない、ヒビキが馬鹿」

 

「・・・ひでぇ」

 

カグラに軽く罵られた後店の扉を開けて二人を見つけた。

 

「そこの赤いバンダナを付けた不審者と黒ずくめは早く入れ」

 

「・・・クライン、やっぱばれてたぞ」

 

「嘘だろ!?《隠蔽》スキル一応取ってんのに」

 

「ごちゃごちゃと言わずにさっさと入らんかごらぁ!?」

 

「「はい!」」

 

さすがにイライラとしてきたのかヒビキが怒鳴ると二人は縮こまって中に入った。

二人が中に入ると黒いオーラを出したカグラが静かに椅子に座って寛いでいた。

 

「な、なぁヒビキよ、あれが・・・そうなのか?」

 

「・・・いらっしゃい」

 

「だから言ったろ・・・3文字で拒否られてんだから」

 

「そこのバンダナさん、用件はなに」

 

「え、えーっと!か、刀を作ってほしいんだ!」

 

カグラに諭されクラインが用件を言うもその声は震えていた。

それを聞いたユウキは笑いを抑えていたが。

 

「それだけじゃ、何も作れない」

 

「あー、カグラ。AGI型で作ってやれ。こいつ速さ優先だから」

 

「素材は?」

 

「こ、これで頼む!」

 

そういいアイテムストレージから出すのは黒紫のクリスタル。

《ブラックアメジストインゴット》と呼ばれる70層のレア素材だった。

それと代金の10万コルをカグラに渡した。

 

「作って来る、少し待って」

 

そういいカグラは裏部屋に移動した。

クラインも緊張が解れたのかぐったりしている。

 

「おいおい・・・あんなのとか聞いてないぜ・・・」

 

「ただたんにお前がアポなしで行くからだろ」

 

キリトの鋭い一撃がクラインに刺さる。

キリトは言ったのだ。

だがその制止を聞かずに来たクラインが悪い。

すると、カグラが戻ってきた。

 

「出来た。名前は『斬馬刀』、AGI特化型」

 

カグラが取り出したのは見事な日本刀だった。

 

「おお!これはすげぇ!ありがとよ!」

 

「別に・・・次から来るなら私に聞いてからにして、それ以外で来たら追い出すから」

 

「わ、わかった!んじゃ俺は一度ギルドに戻るぜ」

 

「ああ、じゃあなクライン」

 

「じゃあねー、クラインさん」

 

良い武器が手に入り店を出て行ったクラインに手を振ると、カグラが話を切り出した。

 

「ユウキ、ヒビキ。渡すものある」

 

「んあ?」

 

「なんだろ?」

 

カグラが二人に渡したのは装備。

ヒビキには『スカイナイトコート』と呼ばれる物だった。

ユウキには『ナイトリーコート』。

 

「ヒビキのは《幻想剣》スキルの事考えて、ある程度作った。ユウキは速度重視だからAGIが上がるのを作った」

 

二人ともつけている装備から貰った装備に切り替えた。

ヒビキはコートを基点に蒼と黒で色塗られている。

ユウキは紫色が基本で所々に赤色が入っていた。

 

「へぇ・・・良いじゃん」

 

「わぁ・・・!良いの?貰っちゃって」

 

「良い、二人のために作ったから」

 

「ありがとな、カグラ」

 

「カグラちゃんありがとう!」

 

予想以上に気に入ってくれた二人に嬉しかったからか少し笑った。

 

「じゃ、用件言うね」

 

「ん、これじゃなかったのか」

 

「ん、じゃないとキリト来る意味ない」

 

「意味なくここに来ないよ・・・」

 

そしてカグラはあるメッセージをヒビキ達に見せた。

そこには『67層、《笑う棺桶》、本拠地』と書かれていた。

 

「カグラ・・・これは誰から送られてきた」

 

「ん、《メテオクレスト》」

 

「ねぇ、笑う棺桶って・・・あの?」

 

「ああ、レッドギルド、殺人プレイヤーのな」

 

「・・・近々笑う棺桶の討伐作戦がある、ヒビキも行くのか?」

 

「決めてねぇよ」

 

「そうか・・・」

 

「カグラ、《メテオクレスト》の運営任せていいか?」

 

「元より任せきりなくせに、別にいいよ任せて」

 

「悪い・・・じゃ一旦家に戻る。考えたい」

 

「ん、分かった」

 

ヒビキに用件を言い終わり、ヒビキは一度22層のホームへと帰った。

ユウキはヒビキに付いて出た。

キリトも作戦会議に参加すると良い出た。

 

 

 

そして自宅に帰ったヒビキとユウキ。

ヒビキがココアを作り、ユウキに渡す。

 

「ありがとう、ヒビキ」

 

「いや・・・それで、ユウキは行くのか?」

 

「行くんでしょ・・・?ならボクも行くよ」

 

「ユウキはここで居てくれ」

 

「なんで?!もしかしたら死ぬかもしれないんだよ!相手はボスなんかじゃない、れっきとしたプレイヤーなんだから!」

 

「・・・分かってる、だけどユウキには参加してほしくない」

 

「ヒビキと比べてボクは弱いかもだけどそれでもボクはヒビキと一緒に行く!ヒビキが死んじゃったら・・・」

 

「・・・人を勝手に殺すな・・・ったくそんな簡単に死んでたまるかっての・・・そこまで言うなら俺はもう何も言わねぇけど」

 

「良いの・・・?」

 

「お前がそこまで一緒が良いなら来いよ」

 

「やったぁ!」

 

「ただし!討伐当日は俺は自分の相手で精一杯だからな、自分の命は自分で守れ、それは連れていく条件だ」

 

「うん!分かった!」

 

ヒビキを何とか説得しラフコフ掃討作戦に参加することにしたユウキは話を終えるとヒビキに抱き着いた。

 

「とぉ~!」

 

「えっ、ちょっ」

 

いきなり抱き着いて来るユウキに反応出来ず、そのまま倒れ込んだ。

 

「いってて・・・危ないだろうが」

 

「だってぇ・・・」

 

「もう夜なのか・・・」

 

ユウキを注意するとヒビキが時間を確認した。

その意味がわからずユウキは首を傾げる。

 

「さてと・・・おいしょっと」

 

「ふぇっ!?」

 

ユウキの背中と足に手をかけてお姫様だっこをされたユウキは何が何がわからず混乱する。

そしてヒビキは寝室にユウキを運んだ。

 

「さて・・・ユウキ」

 

「んっ」

 

ヒビキが名を呼ぶとユウキは目をつぶった。

それに合わせてヒビキは自分とユウキの唇を合わせた。

 

「はむっ・・・んっ・・・」

 

ユウキはされるがままヒビキにされ、終わる頃には頬が赤くなり、呂律も回らなくなっていた。

 

「ユウキ・・・良いか?」

 

とヒビキが聞くとユウキは静かに頷いた。

その目はどこか嬉しそうにしていた。

 

 

そして長い夜を過ごす二人だったのであった。

 

 




ヒビキの『スカイナイトコート』はSAOのキリトのコートを少し変えたものです。
ユウキのはマザロザの防具だと思ってください。

次はラフコフの作戦会議だと・・・良いな。

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