○月▽日 天気:そろそろ他のを使いたい
さて。ぴにゃこら太による大道芸を極めるべく、いろいろ思案しているが、いい案が思いつかない。
基本的に建物内にバレない様に(警備員さんにはちゃんと挨拶している)入ることは余裕ではあり、アルバイトそのものも順調であるが、問題は芸のマンネリ化である。
あの臨時バイト以降ちょくちょく呼び出され、ぴにゃっている。子供たちからすれば大道芸するだけでもすごいのであろうが、
『ほかのこともできるんですか?』
と思われる発言(なんか難しい表現を使っているから判り難い)をツインテ―ルの中二病っぽい娘にされて、その時は真庭忍法・渦刀と柔球術を応用してのダブルリボン芸を披露して切り抜けた。ふとこの時、思ったのだ。
このままでは飽きられる➡需要がへる➡段々ぴにゃバイトのシフトが減っていく➡実入りが少なくなる!
それは困る。ぴにゃバイトのお陰で臨時ではなく定期的なバイトが出来ており、なかなか面白いバイトだから続けたいところである。
真庭忍法は殺傷力が高いのばかりではあるが、応用することで結構色々役立つ。
忍法以上に12人の趣味が結構幅広くて役立っている。実は陶芸が趣味の蝙蝠さんから教わった陶芸が、あるテレビ番組の撮影の際に役立って無駄にレベルの高い陶器のぴにゃこら太を作ることが出来た。
視聴者プレゼントになったとのことだが、プロデューサーさんから後でもう一個ほどアイドルの為に作ってほしいと頼まれたのでより気合を入れてつくってみた。
蝙蝠さんから陶芸のコツとか醍醐味などを教え込まれていたので、色から形からすべてにおいて拘った逸品が出来上がったので、自分としてはいい仕事が出来たと自負している。
あとで緑のお姉さんから聞いたところ、そのアイドルが思わず泣いてしまうほど感動されたらしく、その対応が大変だったらしい。
まじか、そこまで人気あったのかぴにゃこら太。街ではあんまり見かけないが、実はひそかなブームになっているのかもしれない。
今は『ぴにゃ~』とか言って動いていればいいが……そのうちぴにゃ語を話せるようになり、親しまれるキャラクターになるべく奮起するべきかもしれない。
真庭忍法・渦刀と永劫鞭を併用して、チビぴにゃこら太を操ってマーチングバンドでもやればイベントでも目立つだろう。
忍びとしては何かおかしい気がするが、まぁいいか、平和な時代に合わせて忍術も使い方変えていかないとね。
そんなことを話したら、狂犬さんにガチ説教された。
……いいじゃん、正体ばれてない=忍んでいるから。え、そうじゃないって?
もうこの主人公はどこへむかっているのやら。