いや、けっこうです   作:マッキンガムⅡ

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何とかかけました


ドッキリは年末年始が旬である

Β月Ε日 天気:知らんがな

 

さて、いよいよ年の瀬である。

年の瀬と言ったらアイドル事務所的にはバラエティー番組をはじめとして様々なイベントにアイドル達が出演する為に非常に忙しい時期ともいえる。

もちろん自分も無関係ではなく、ぴにゃこら太としていろいろなイベントに出演させていただいた。

 

そんなある日の事、一風変わったドッキリのアイデアはないかとプロデューサーさんから相談を持ち掛けられた。

ドッキリの対象は緒方智絵里ちゃんであり、最近グラビアの仕事を始めバラエティー番組の出演も多くなっている売れっ子アイドルである。

 

智絵里ちゃんに普通のドッキリ(顔面クリームバズーカ)とかは流石に酷だと思われるので……ここは逆方向からのドッキリを仕掛けるのはどうでしょうか、と提案してみる。

詳しく内容を話してみるとプロデューサーさんも乗り気になったので、ちひろ様のご意見を拝聴しつつ智絵里ちゃんに着せる衣装や演出の方法を話し合った。

こういうドッキリの方が準備をしていて非常に楽しいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、緒方智絵里はアイドルをやっています。みんなの協力があって何とかアイドルをやれていますが、ここの所バラエティー番組で変わった衣装を着る事が少しずつ増えてきているのが気になっているところです。

 

 

 

(そういえば、きょうはどんな衣装を着るのか聞いてないな)

 

 

 

グラビアのお仕事、という事だけは聞いています。

 

もしかしたらうさぎさんの衣装かもしれませんし、体力テストのようなモノなのかもしれません。

 

未だにそういう衣装を着て仕事をするのは恥ずかしいところもあるけれど、私も346

プロダクションのアイドルの一員なので泣かずに精いっぱい頑張ろうと思います。

 

そんな風に考えていると、ドアが開いてぴにゃこら太が入ってきました。

 

 

 

 

『ぴにゃにゃ、ぴぴにゃ~』

 

 

 

可愛らしい声と正反対の印象を持つ物騒なものを携えて、そのうえ何故か私がロックオンされてしまいました。

 

 

 

「え、ぴにゃ?なんでバズーカを――――きゃっ!?」

 

 

『ドンッ』というとても大きな音がたち、部屋の一部の壁が壊れてしまいました。

ぴにゃが使ったバズーカのせいなのか視界が非常に悪く、煙で周りがもやもやしています。

 

 

 

「けほけほ…い、いったいなんだったんだろう」

 

 

 

よくわかりませんが、ぴにゃが使ったバズーカは単に煙を発射しただけのようです。視界が悪い以外、特に何も害はありませんでした。

 

 

私が驚いていると、結婚式でよく流されている曲が聞こえてきました。

煙が徐々に晴れていくと共にライトアップされていくのはウエディングドレスで、とても可愛らしくて、綺麗で、美しく見えました。

その隣にはプロデューサーさんがいて、これが今回の衣装だよと説明されました。

 

すると思わず感極ってしまい、すこしだけ泣いちゃいました。

でも、こういう涙ならいいな、とアイドルをやっていてよかったと、そう思えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふふ、無事にドッキリ大成功したので一安心。

無駄に洗練された無駄のないドッキリであるーーーのかは判らないが、プロデューサーさんが新郎用の衣装に着替えて花束を持っており、演奏はぴにゃこら太楽団による演奏である。

 

智絵里ちゃんがウエディングドレスのCMを見ていいなぁ、と呟いていたのをちひろ様が目撃していたので、ウエディングドレスを衣装に決定。

意表を突く形でみせたいので、年末という事もあり今回のようなドッキリとなった。

ドッキリと言ったら驚かせたり痛い目に遭ったりすることもあるが、それ以上に人を喜ばせるドッキリは用意のし甲斐があるというものである。




皆様、良い年を。

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