いや、けっこうです   作:マッキンガムⅡ

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気迫:50を使って書きました。


あのブサイク

○月▼日 天気:ぴにゃっている

 

ぴにゃこら太……緑色をした不可思議なキャラクターであり、何とも言えない表情をしている、ゆるキャラみたいなやつの名称である。

 

何の因果かこの着ぐるみを着て仕事をすることになった。裏方の荷物運送臨時バイトだったのだが、当キャラ(中の○○)が急病でこれなくなってしまったのだ。

たまたま身長が適していた事と学園祭の時にクラスで着ぐるみ喫茶をした経験があったので、何とか本当の臨時バイトである『ぴにゃこら太』を演じきった。

 

例によって例のごとく、忍法足軽を使ってズルしたので着ぐるみを着ているとは思わせぬ無駄にキレのある動きで子供たちを沸かせた。

とりあえず仕事はこなし、子供たちのみならずアイドル達にもウケていた。

それはよかったのだが、やな予感が的中した。

 

 

 

 

『あの動き……どこかでみたような』

 

 

 

 

あの浜口あやめというアイドルが現場にいた……アイドル達のライブ会場の外で、ぴにゃこら太と触れ合おうというイベントがあり、それに駆り出されたのだが、よりにもよってあの子が出演するライブだとは思わなかった。

 

とりあえず無視してぴにゃってたら、出番が来たらしく不思議そうにしながら会場内へ入っていった。

 

 

 

 

『中が気になるな…解剖するか?』

 

『ぴにゃすごーい!』

 

『え、なんであのブサイクがここにいるの!?』

 

 

 

 

などとアイドルと思わしき女の子たちから声をかけられたので、それぞれに適切と思われる対応をした。

流石に調子に乗ってボール乗りやジャグリングをしたので目立ちすぎだと緑色のスーツを着た方に怒られたが、お客さんには好評だったとの事で次回からも頼みたい、との話を頂いた。

 

時給も当初の額よりもいいので即決した。

リスクでは飯は食えない、いろいろ物入りなんだよ年頃は(笑)

 

しかし346プロダクションって本当に色々なアイドルいるんだな、すごいハイテンションな人もいれば、ダジャレをいって感想を求めてきたり、ちびっこアイドル達に囲まれ一緒に踊ったりと面白い一日であったことは確かである。

 

調子に乗りすぎていろいろバレないようにしないといけないのが面倒ではあるが、楽しさとやりがいもありそうなので続けてみようと思う。

 

個人的にはプロデューサーさんが強面だが、すごくいい人で一安心した。

最初にやりすぎた時には覚悟を決めたが……なんてことはない、会話してみるとすごくいい人であり、アイドル達からも信頼されているようである。

何人かはプロデューサーさんを見る目が少し違うのも、これからのバイトでどう変化するのか楽しみだ、他人の恋路がどうなるかは見ているのは面白い。

 




ぴにゃこら太Tシャツを着用して、ハワイの海を泳いだ経験があります。
海外なら堂々としてられるぜ!

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