いや、けっこうです   作:マッキンガムⅡ

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今回は忍者要素皆無です


たまにはまったりするのもいいよね

◎月Δ日 天気:ぽよっとどさっと収穫祭

 

さて、秋も深まりつつある昨今。今回のアルバイトは榊原里美さんが初めて行う公開ラジオ収録のお手伝い(ぴにゃこら太での客寄せ+宣伝)である。

正直いうと何もしなくても人が殺到しかけたので、宣伝よりも観客の誘導を手伝いしているといった感じになっていた。

 

 

このラジオ【甘党♡ラジオ】は人気があり、彼女らしくゆったりとした感じで進められていく。

しかし一つだけ不思議なことがあるといい、何故か毎回収録中に謎の音がボッ、ドッ、ボムッという感じで会話の途中やコーナーの切り替え時に起こるのだ。

 

俺自身も聞いているが、あれは何なのだろうか。怪現象にしては定期的すぎるので可笑しな話だし、設備的には何の問題がないのは知っている。

担当スタッフさんに聞いてみると『見ればわかるよ』と苦笑された。

はて、音なのに見ればわかるとはいったい何なのだろうか?

 

 

 

 

さてそんなことを考えてつつ人の整理をしていると、つつがなく始まっていた。

やはり例の音が聞こえてきたが、その度にファンの人からおぉ…と小さな歓声が上がっていたのが気になった。

 

何で歓声があがってんの?と気にはなるものの、見ようにもいつの間にか寄ってきた子供たちの相手をしないといけなかったし、何より榊原さんもいつも通りに収録を進めているので何も問題ないだろうと判断して、いつも通りにぴにゃこら太で子どもたちに愛されるために宣伝活動をやった。

 

収録が終わり、ファンの人たちが『これからも聞き続けよう、絶対』といいながら去っていく姿を見て、やはりアイドルというのは人を勇気づける凄い人たちなのだと改めて実感した。

収録のスタジオも、スタッフも、榊原さんも特に変わった様子はない。

いったい何なのだろうか、あの音の正体は。

 

 

 

 

 

そういえばもうひとつ日記に書き残すことがあった。

 

スポンサーのからの贈り物やファンからの贈り物が普段から多い346プロダクションであるが、その整理にかり出された。何せアイドルの数が多く、仕分けるのだけでも一苦労なのにまたさらにそこから物品の種類別に分けるのだ。安全も確認しないといけないし、地味に苦労している分野でもある。

 

贈られる、ということは此方からも送ることがあるという事でもある。この日はテレビのプレゼント企画で大きなクマのヌイグルミが梱包されて発送する予定だと聞いていた。

しかし、そのプレゼントされるはずのクマのヌイグルミが何故かスタッフルームの隅に置かれてあった。

 

可笑しいな、と思っているとこれが入っているはずの箱は梱包済みであり、すでに業者さんによって荷物が発送されようとしていた。

 

変だと思い、プロデューサーに報告してから二人で行ってみて改めて確認すると……軽度の酸欠で眠っていた幸子ちゃんを発見、大慌てで保健室へ連れていき処置してもらった。

クマのヌイグルミも結構な重量があり、小柄な幸子ちゃんとちょうど同じぐらいの重さに感じてしまったのだろうか?

 

幸子ちゃん…プロデューサーに背負われて運ばれていた時、嬉しそうに笑ってたような気がする。

 




ぴにゃチャレンジ、何させようかな。

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