「なんで、こんな事に……!」
久しく帰っていなかった私たちの家が…轟轟と音を立てながら、劫火に飲み込まれていた。
両肩に提げていた鞄が滑り落ち、地面へと落下した。
眼前で…懐かしき我が家は…音を立てながら…紅蓮に包まれ、焼け落ちていく…。
なぜ、こんな事に…どうしてだ…?
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
1Day Ago
VTシステム暴走の一件も終わり、ボーデヴィッヒが目覚めてから数日が経過した。
ボーデヴィッヒも体調が回復したらしく、早朝訓練後の朝食時には気さくに話しかけてきた。
その際には
「今後、私を名前で…ラウラと呼んでくれていい」
とまで言ってきた。
これに関しては慣れていくしかないだろう。
まあ、トーナメントの試合でミネルヴァを試合で使用したことに対しては…散々に文句を言われた。
それに関しては俺も大人気がなかったかなぁ、なんて反省はしていたりする。
今日も今日とて、メルクと鈴、ティナと食事を一緒にしていたら。
「それで、あの兵装は何なのだ?
イタリアで開発された新種の兵装なのか?」
文句を言われた後に出てきたのは懐疑的な目だった。
その視線はちょっと辛い。
「あ、それは私も復習のつもりで訊きたい」
そして鈴も便乗してくる始末だった。
メルクに視線を向けると…ニッコリと笑顔を向けてくる。
まあ、話しても問題はない、か。
「ミネルヴァは…元々はISに搭載させて稼働させる兵装じゃないんだ。
アレは、元々は警察や機動隊のスパコン搭載型大型特殊車両に搭載し、実働させるもの。
言わば、『対人兵装』だ」
俺の言葉に、ラウラは絶句し、鈴は頭を抱えていた。
元々は、飛行機の翼を思い浮かべ、そこから連想して今の形状に至ったのだが…そこは話さないでおこうかな。
「一度にあれだけの数を一斉操作をする技術なんて俺は持ち合わせていない。
だから、ミネルヴァを収用していたあの大型マガジン自体が、事前に動きをプログラミングさせていた操作盤も兼ねていたんだ。
詳しいことは判ってないんだけど、イギリスBTシステムの下位互換と思ってもらえれば、話は簡単だな」
そう、脳波で端末操作が出来ないのなら、別の回線を使う。
それが事前のプログラミングというわけだ、このGWにはその入力方法をいろいろと教わり、それを簡易化させてからミネルヴァ開発に進んでいた。
正直、今回のトーナメントには間に合わないとも思っていたから、ビーバット博士は凄すぎる。
「その反面、情報処理は大変なんです。
お兄さんはあの対戦の時にはアルボーレを使いませんでした。
それも、ミネルヴァを使用するにあたり、情報処理を行うためのリソースが不足していたんです」
「ちょっと待ちなさいよ、ミネルヴァの筐体だけじゃ足りなくて、機体の演算処理リソースも併用させないと使用出来ないって事!?」
「まあ、そういう事だ。
ティナのパフォーマンスを邪魔するわけにもいかなかったからな。
ティナが使うミネルヴァの演算処理を、俺のアンブラで兼用していたんだ。
普段からフルマニュアル制御しているから、リソースには幾分かの余裕があったんだよ」
ここまで説明すると…鈴もボーデヴィッヒも凍り付いていた。
ああ、そういえば…ボーデヴィッヒ…じゃなくて、ラウラは俺が普段からフルマニュアル操作をしていることに関しては説明していなかったな。
「お前、フルマニュアル制御を普段から続けていた、だと…?」
「ティナの情報処理をアンタの機体で代用…?」
こんな顔されると技術者としては少しばかり成長したかのような錯覚を覚える。
ほとんどがビーバット博士任せの技術ではあるんだがな。
どんな人物かも知らないが、ビーバット博士を当面の目標にしておくべきだろうな。
「とまあ、たったの筐体4機でここまでの情報処理リソースを食いつぶしてしまうくらいなんだ。だから大型特殊車両にスパコンを搭載させて併用させるのが現実的なんだ。
それに、もともとは『暴徒鎮圧』、対人特化した兵装だ。
ISに搭載させるには、数量を減らして情報処理リソースをセミオートにも回せるようにしないと使える代物じゃないんだよ。
俺は操作性の問題と、ついでに稼働データ集積も兼ねていたから例外的な取り回しが出来ていただけだ。
まあ、話せるのはこんなところかな」
御清聴ありがとうございました、と。
などと言っていたら、ものすごい白けた視線が…ティナに突き刺さっていた。
「って事はティナ、アンタは情報処理とかせずに負担をウェイルに丸投げしていたってことよね?」
「あ、アハハ☆」
笑って誤魔化していた。
その時点で認めているのとほぼほぼ変わらないんだけどな…。
これに関してはティナには曖昧にさせていたから、俺も同罪なわけだが…今の二人はそれを意に介さないだろうな。
さっさと朝食を食べきってしまおう。
それが今朝の話だった。
ティナに訓練に同行してほしいということで、今日も今日とて放課後訓練に続けての夜間訓練だった。
慣れていないミネルヴァを併用させながらも近接戦闘、射撃攻撃、高機動訓練などに勤しみ始めた。
気になって訊いたら
「作戦を立てたのも、兵装の準備も取り回しもウェイル君ばっかりが負担してたからよ!
このままおんぶにだっこの状態じゃ目標にたどり着けないのよ!」
いやはや、向上心の塊である。
そんな理由で今朝からは普段よりも早い時間から早朝訓練に勤しみ始めていたわけである。
夜間訓練中の現在だが、俺を相手にしてミネルヴァを使用しながら射撃攻撃ということをしている。
それを参考にしているのか、メルクもミネルヴァを使って自主練に入っている。
メルクはメルクで、すでにティナが目標にしようとしている形をアッサリとこなしているのだから、妹は偉大だ。
数を限定させているみたいだが、それも今後でどう変化していくのかが楽しみだ。
翌朝も
「ああ…朝から疲れた…」
朝食も食べて終わり、教室を目指して歩いている時には、すでに数日分の疲労が溜まっているような錯覚がしていた。
ミネルヴァを使えば、その飛来する速度からしてもテンペスタの速度でなければ逃げ切れない。
回避のための高機動をしながらの射撃攻撃の回避も強いられるため、疲労感が酷い。
隣を歩くティナも多少ゲンナリしている。
「朝から無茶な訓練やりすぎでしょうにアンタ達は」
流石に鈴も視線に『呆れ』が混じっているようだ。
だが悲しいかな、そんな鈴も先程メルクの使うミネルヴァによって簀巻きにされたばかりだったりする。
パワーアシストがあったとしても龍シリーズの最新鋭機をも束縛が出来たとするのなら、事実上、ミネルヴァは最強の兵装とも言えるのではないだろうか?
対応方法としては『逃げる』以外の選択肢を相手から奪ったようなものだ。
数が増えたら、その分相手は後から出せる方法を削り取られるからな。
『対人』で使用した場合は…もう何も言えないだろう。
「じゃあ、また昼休みにな」
その言葉を最後にティナと鈴とは別れた。
クラスは別だが、この後は昼休みにでも顔を合わせる事が出来るだろう。
その時に、またいろいろと話しをしてみよう。
「おはよう、皆」
「おっはよ~♪」
こうやって挨拶をすると、挨拶を返してくれる。
頭がおかしくなるような噂は完全に払拭されているみたいで安心出来る。
こういう平穏な生活って良いよな…。
「トーナメントだけど、正式に中断になるって話は訊いた?」
「ああ、訊いたよ。
あんな物が出てきたら、トーナメントを続けられないとかだったか」
ティナもあれ以上のデータ提出が出来なくなってしまったことは残念に思っているだろうな。
訓練時間を増やそうとか最近になっていってきているが、それが原因かもしれないな…。
国家代表候補生を目指すのなら、もっと実力が必要になるだろうし、それに伴って、データ集積も要求されるだろう。
大変だよなぁ、メルクもその辺りを理解しているだろうから、この手の話は理解出来るつもりだ。
「それと関係があるかは判らないんだけど…」
真後ろの席から声を掛けられる。
そこに居るミリーナが下書きらしい記事を手に持っている。
学園内部で発行、広報に使われている壁新聞だそうだが、そこに記されている記事の内容としては…。
「『1組の元担任 織斑千冬教諭が学園から解雇』?
ちょっと待ってください、この記事は本当なんですか?」
メルクも驚いている。
俺だって驚いてるが、それでも正直…「ああ、そう」で終わりだ。
迷惑を被り続けていたわけだが、碌に話なんてした事も無い人だもんな…。
「ああ、うん。
どうやら昨夜にこの学園から退去したらしくってさ…お陰様で記事の刷り直し…」
新聞部は夜間に部活動をしているとでもいうのか…?
ラウラはこの事を知っているんだろうか…?
「この話、どこまで広がっているんだ?」
「遅くても今日の放課後には学園の各所に展開するよ…そんなわけで今日のお昼休みにも記事の編集作業…」
新聞社ってブラック企業なんだな…。
人のことを言える義理じゃないんだが…学業を疎かにするなよ?
「はい皆、席に着きなさい!
SHRを始めるわよ!ウェイル君、早朝訓練を多めにしているのはわかるけど、寝落ちはしないようにね!」
「名指しですか!?」
酷い話が在ったものである。
いや、前例は…在ったな。
結果的には課題が追加されたりしたけど。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
家が業火に焼き尽くされた。
消防車による消火作業が続けられたが、家のあちこちで繰り返し爆発が起き続け、消火作業は遅々として進まなかった。
延焼にも警戒がされ、そちらに人手が割かれたのも一つの要因かもしれない。
炎が消えたのは、昼を過ぎてようやくだった…。
その場に残されたのは、燃え尽きて真っ黒な煤になった家の柱が幾つかが…。
「なんでだ…なんで、こんな事に…」
何もかもが焼き尽くされた。
庭木は残っているが、まるで炭の塊だ。
芝生も、ガレージも余さず焼け落ちた。
私と、全輝と、一夏が暮らしていた家は、もはや見る影も無かった。
思い出すのは、真耶に呼び出され、収監されていた独房から出された後だった。
学園長から呼び出され、学園長室に連れていかれた。
「学園長、連れて参りました」
「ご苦労様、入ってください」
「失礼致します」
真耶に連れられ、私も学園長室へと入った。
そこには、全ての教職員がそろい、左右に控えていた。
「あれから3日間が経過しました。
そろそろ正直に話してもらいましょう」
やはり、疑われて続けていたのか…。
「ボーデヴィッヒさんから報告書を頂きましたが、機体内部のデータの中に巧妙に隠されていたそうです。
データが仕込まれたとされるのはあの機体が『シュヴァルツェア・レーゲン』として完成した後、試験稼働の最中…貴女がドイツに出向し、ボーデヴィッヒさんを師事していた時期に符合します。
また、機体のみならずVTシステムそのものも経歴を調べた結果…貴女が搭乗していた機体
……何を言われたのか判らなかった。
暮桜からレーゲンへVTシステムが直接移されただと…?
そんな筈は…そんな筈があるものか!
「これに関しては教職員総員で立ち会っているから、間違いは無いと断言しておくわ」
2学年の学年主任のシェーラも睨んでくる。
「そして納得も出来た。
アリーナでハース君を執拗に狙い続けていたのは、
最も弱いと察した相手から真っ先に下す、そういう考えだったのだろうと、ね」
「それを踏まえたうえで重ねて問います。
織斑先生、貴女は何故、VTシステムを構築し、違法所持を続けていたのかを正直に言ってもらいましょう」
その問いは、VTシステム製造と所持の両方の容疑が私に向けられているのを前提とされていた。
そして、ラウラの機体であるシュヴァルツェアレーゲンへのインストールを行ったのだと…。
「私は…VTシステムなどという悍ましい物の開発には一切の協力などしていません」
「そんな言葉が信じられると思うのですか?」
「例のシステムは映像データだけで作れる程、簡易的なものではないと知っているわよね?」
周囲の教職員が助け舟を出す事など無かった。
誰もが私を疑い、誰もが私を蔑視している。
私からすれば濡れ衣以外の何物でもない、だがそれを
ラウラであれば、話を聞いてくれるかもしれない、頼みの綱があるとすれば…。
「先に釘を刺しておきますが、ボーデヴィッヒさんは貴女の弁護をしないと宣言しています。
恩人、教え子であったのは確かだが、貴女がその思いを悪辣な形で裏切ったとも言っていましたが」
「…くぅ…ッ…!
繰り返しますが…私はシステム製造にも協力はしていません。
データ提供なども、疑われるようなことは何も…ドイツ政府に確認をしてください。
彼等なら…」
「欧州統合防衛機構によって調査報告が既に上がっているわ。
『企業、軍、それらに所属する作業員を徹底調査したが該当する者など誰一人として存在しない』、とね」
その言葉は…ドイツが私を敵視し、切り捨てたと言う宣告でもあった。
だが、それだけでなく
「そして欧州連合からは『以降、織斑千冬の欧州全土への入国を断じて認めない』とも付け加えられているわよ」
欧州連合、
味方になる者など誰も居ない、潔白を証明する手段も無い、信用など跡形もなく消え去り、立場も失われてしまっていた。
それも国家や欧州東欧防衛機構という巨大組織までもが私に冷徹な視線を向けてまで…。
「さて、正直に話してもらえますかな?」
悪鬼羅刹のような気配を漂わせる学園長を前に、私は眩暈すら感じてしまっていた。
カラカラに乾いた喉から声を出すのが精一杯で…
「私は…疑われるようなことは、何も…」
「この期に及んで答えてもらえないのは残念です」
ガタリと音を立てて学園長が立ち上がる。
私の前にまでゆっくりと歩んでくる。
そして左手を開いた状態で差し出してきた。
「…あ、あの…?」
応じるように、私は学園長と同じように左手で握り返した。
だが、少しだけ違和感を感じた。
学園長の利き手は右手だった筈、なのに何故…?
その疑問は、左手での握手をした数秒後に答えが出た。
「織斑先生、今まで長い間お疲れさまでした」
「…ま、まさか…」
最悪の答えが導き出された瞬間にはもう手遅れだった。
「アラスカ条約違反を行い、今になってもまだ隠蔽するような人物はこの学園の教職員に相応しくありません。
本日付であなたを
一瞬、目の前が真っ暗になった気がした。
何を言われたのか、頭が拒絶していた。
理解を拒んでいた、立ち眩みを起こしそうになる、視線の焦点が…合わない…
「貴女がこの場で正直に言わないというのであれば致し方ありません。
国際IS委員会での調査を欧州連合が強く反発していますのでね。
本日中に荷物をまとめて退去なさってください。
くれぐれも、生徒達の目に触れぬように、夜間での退去をしてください。
深夜0時を越えても学園内に居た場合は、不法侵入者として本土側の警察に引き渡します」
どうあっても、私を目障りなのだと言っているのと同じだった。
それから私は荷物をまとめた。
教職員として必要だったものの大半は学園の備品だったので、そのまま放置しても問題はなかっただろう。
必要なものをまとめ、トランク一つと肩から提げる鞄二つで収まった。
それから夜間までは荷物と一緒に独房に放り込まれ、夜になるまで待機させられた。
そして、夜中の23時を超えてから連れ出され、ライセンスカードを没収され、モノレールに放り込まれた。
本土側に到着し、タクシーに放り込まれる。
行先は…私たちが暮らした家の近くまで、だった。
家には、朝になって到着した。
だが、そこで見た光景は…地獄のようだった。
私達の家は…業火に焼かれていた。
そして、懸命な消火作業をしている間にも家の各所で爆発が頻発し、消火が終わった頃には…もう何も残ってなどいなかった。
「どうしてだ…?どうしてこうなる…?」
この半年にも満たぬ時間で、私は全てを失った。
信頼も、仕事も、立場も…何もかも全てを…。
「私が…私が一体何をしたというんだぁっ!!!!」
消火が終わった後、すぐにその場を離れる事など出来なかった。
なにか、なにか残っていないのか…形ある何かを残して私は見渡してばかりだった。
だが、なにも残っていなかった。
そこで生活を送っていた痕跡すら、もうなにも残ってないどいなかった。
私は…帰る場所すら失ってしまった…。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
「よろしかったのですか?」
少女は黄昏の中、モニターの向こう側の誰かに声をかけていた。
だが、モニターの向こう側の相手は静かに声を返すだけだった。
『構わないよ、どのみち
淡々と返す声は平静そのものだった。
計画の内、予定の一つと語る口調に変わりは無かった。
少女、クロエは東京都の最も高い塔から、その方角へと視線を向ける。
数ある内の一つの報道の一つとしてその日の夜には知れ渡るであろうことだが、それでも彼女にとっても心を揺らす出来事にはなりえなかった。
ただ、保健室で見た
だから、VTシステムについて『暮桜から転送された』と
前倒しにとなった計画を、淡々とこなしていた。
『ウェイ君が…かつては
織斑一夏、そう呼ばれていた少年の過去についてはクロエも凡そを把握していた。
謂れもない迫害を受けていたことを。
謂れも無い罪を着せられたことを。
誰からも冷たい視線に晒され続けたことを。
救いなど無かった事を。
居場所を奪われ続けた事を。
だから、その全てを織斑千冬に刻み込む。
だが、絶対に逃がさない。
居場所を奪い続けた一人なのだから、言葉を聞き入れなかったから、決して助けようとしなかったから。
家族という言葉で騙り、鎖で繋ぎ続け、一切の救いも与えようとせず、目と耳を塞ぎ、背を背け続けていたのだら。
『だから、私達は追い詰める、追い詰め続ける。
だけど、決して崖から突き落とすようなことはしない。
断崖に指先一つでしがみついているような状況になりながらも、更に追い詰める』
「…流石にそこまですれば、壊れてしまうのではありませんか?」
『最終的には、そうする予定だよ。
だけど、今だけはそうなる事は絶対に無いと言い切れるよ、あの図太さだからね。
それに…壊れるような状況になったとしても、蜘蛛の糸程度は幻想を与えるよ、
与えるのは幻想、断じて救いではないのだと嘲笑う。
「では、私は次の計画段階に移行します」
『うんうん、待ってるよくーちゃん!』
通信が切られた直後、計画の次の段階についてを思い返す。
彼女が国境を超えた時点で、人員は日本国内に動員されている。
片や、末端を入れてしまえば総人数5000人を超えて言われているとされる組織の中から選ばれた精鋭メンバー。
片や、闇と影の中での活動を生業とする者達の精鋭。
「…貴女は、この程度耐えられるでしょう…?
一度は経験したんです、それが
ガリガ・スタンダイン
56歳 誕生日:10月5日
ウェイルとメルクにとっては釣りで知り合い、気心知れた気のいいご近所さんのナイスミドル。
ボランティア団体『青の大河』の団長であると言っているが、その正体はイタリア最大の巨大マフィア『スパルタクス』の第13代目大頭目。
表事業のボランティア活動は勿論だが、裏事業のブラックな事もこなしている。
だが、ウェイルとメルクは何一つ知らない。
傾いた鵞鳥のデフォルメ絵が記された便箋が彼のプライベートの場に送られ、その内容を見て愛妻共々本気でブチギレ状態になり、一時ではあるが構成メンバーを恐怖のどん底に叩き落した。
手紙で知りえたことを構成メンバーに打ち明け、荒事に特化したメンバーを募り、その少数精鋭メンバーを日本に送り込んだ。
日本に到着して際、空港にてとある組織の構成メンバーと偶々遭遇し、目的とターゲットの一致により協力体制を敷くことになった。
日本暗部には未だに悟られていない。