IS 速星の祈り   作:レインスカイ

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第53話 蠢風 その意思は

「今日は2組との合同授業か…」

 

楯無さんの早朝突撃の翌日には、朝から稼働訓練が授業で執り行われることになった。

2組と言えば鈴が真っ先に思い浮かぶ。

整列した状態で視線だけを左に向けると、隣にその小さな姿が見受けられる。

そして俺の右にはメルクが居る。

 

適当に並んでいるだけなのだが、以前の授業でもこの状態だったなと思い出す。

実は意図的にやってるとか?まさかな。

 

「では今日の模擬戦は…そうね、ウェイル君とシャルル君に実践してもらいましょうか」

 

「…俺!?」

 

「判りました」

 

なぜか俺が模擬戦をする事に。

いや、整備はしっかりやってるから嫌とは言えないが…

 

「今度はしっかりと模擬戦が出来そうだね、負けないよ」

 

「お、おう…」

 

前回は整備が終わっていないからと逃げたのを覚えているのか、笑顔という暴力で訴えてくる。

『今度は逃がさない』と同時に『整備不良による棄権はさせない』と。

何処かで聞いたような覚えがある。

『笑顔は人を威圧するもの』だとか何とかだったかな?

勘弁してくれよ。

 

「まったく、母さんと仲良しの近所の人を思い出しちまった…」

 

思い出したのは、俺が通っていた高校の担任の先生の、その人の奥さんだ。

母さんとは仲良しで、メルクにパンケーキの作り方を教えていた専業主婦、メイディさんだったか。

あの人も怒ったら平然と笑顔で人を威圧していたな。

碧の釣り人(クーリン氏)も何やら怒らせたのか、何をされたのか火達磨にされてたっけか。

すぐに運河に飛び込んで事なきを得ていたが。

 

いや、今になってその人のことを思い出している場合じゃない。

目の前のことに集中しておこう。

シャルル・デュノアが展開した機体は先にも見せてもらった疾風の再誕(ラファール・リヴァイヴ)をカスタマイズした『ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ』だ。

基本性能である取り扱いの容易さだけでなく、機動性と満載の火器による高軌道射撃戦闘を得意としているらしい。

そして注目するのは、左腕に搭載している針、ではなく杭だ。

FIATのライブラリで見たことがある。

第二世代兵装最強とも言われていた(・・・・・・)楯殺し(シールド・ピアース)』だ。

現状では俺が振るうクランの側が威力では勝っているが、投擲が必要になる反面、シールド・ピアースは火薬と強靭なバネを使って連続で撃てる仕様だ。

その代わりに射程距離はそこまで長くはない。

 

派手な言い方になるが『最強威力の投擲一閃』と『最強の連発杭』と言ったところか。

この辺の性能差はお互いに一長一短だな。

 

「…来てくれ、嵐影(テンペスタ・アンブラ)

 

昏い紫の装甲に包まれ、両手に握るのは紅槍(クラン)だ。

ウラガーノとアルボーレはまだクラスの皆にも秘密にしておこう。

公開するのはトーナメントが始まってからだ。

 

シャルルはというと…既に機体を展開し両手にサブマシンガンを握っていた。

うわぁ、凶悪な外見だ…。

 

「近接兵装を取り出さないのか?」

 

「え?うん、今日はこれで行こうと思ってるから」

 

先程の笑顔は失われていないが、その双眸が細く開かれる。

 

「…!?」

 

だが、その瞳に何か異様なものを感じ取り、背中に氷柱でも放り込まれたかのような嫌な悪寒が走る。

他の生徒が観客席に退避したのを確認し、ティエル先生が拡声器で

 

「試合…開始!」

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

合図と同時に凄まじい勢いで弾丸が襲ってくる。

 

「っ!」

 

直感頼りに真上に退避。

それでも逃さないと言わんばかりに朱色の機体も追ってくる。

弾丸を撃ち尽くした銃を拡張領域に収納し、半秒で新たな銃を、今度はアサルトライフルか。

 

高速切り替え(ラピッド・スイッチ)か…」

 

「そうだよ、知ってるんだね」

 

「ああ、久々に見た」

 

実際、姉さんや俺の教官役を担ってくれていた人が見せてくれていたからな。

 

「へぇ、イタリアにも芸達者な人が居るんだね」

 

「まぁな、俺なんてまだ搭乗経歴半年未満の搭乗者だからまだまだ素人に毛が生えた程度だよ」

 

「でも、手加減してあげられないよ!」

 

それに関しては試合が始まる直前から予感していた。

シャルルの瞳の奥に見えたのは…好意的な感情ではないと察してしまったからだ。

前回俺が整備不足で模擬戦を拒否したから…ではなさそうだ。

その程度であんな視線を向けてこないだろう。

 

とは言え、今は背面の5翼を小刻みに動かし続け回避に専念し続ける。

…あの視線に対し、真っ向から視線を返す度胸が無いのも本音だけど。

 

「逃がさないよ!」

 

左手のサブマシンガンが収納され、飛び出してきたのは…

 

「ちょっと待て!?」

 

ロケットランチャーだった。

容赦なく引鉄が引かれ、俺は即座に回避に移る。

より詳しく言うなら上昇を即座に中断し、急速下降する。

 

ドガァァァァァンッ!!

 

砲弾が上方で炸裂し、衝撃の余波が伝わってくる。

 

「言った筈だよ、逃がさない(・・・・・)ってね!」

 

「ああ、そうかよ!」

 

操縦桿を握る手の力を強く籠める。

突き出されたのは鈍色の鋼の杭。

俺が回避する方向を含め計算していたのかもしれないが、俺だって簡単に負けてやる気など毛頭無い。

 

「撃ち抜け!」

 

「させるかよ!」

 

ガギャァッ!!!!

 

鋼がぶつかり合う耳障りな金属音。

左手に握るクランで、ギリギリではあるが杭の軌道をそらせた。

だがそれと同時に俺の姿勢が乱れる。

 

「こんのぉっ!」

 

「…ならッ!」

 

フルマニュアル制御で姿勢制御を急いで行うと同時に、隠していたものを一つ解放する。

メルクが搭乗している嵐星(テンペスタ・ミーティオ)であれば、脚部装甲の爪先から踵が開閉し、クローモードとブレードモードを切り替えて使用できる。

だが、俺のアンブラに搭載されているのはその試作品(プロトタイプ)

足裏の装甲の拘束を解除。

アンブラの脚部爪先中央から踵が前後へと拡張していく。

 

「せぇ…のっ!」

 

回し蹴りを繰り出すと同時に踵部分が脚部装甲へとスライドし、爪先部分へと勢い良く突出し、杭の如く突き出される。

 

「なっ…!」

 

ガギャァッ!!!!

 

再び耳障りな金属音。

だが、これで…!

 

「面倒なものを一つ取っ払えたな…」

 

俺のアウルは早い話がイーグルの部材を使いまわしにしたものだ。

ミーティオ建造と整備などもあったため、多くの部材はメルクの為に費やされた。

そのため、俺は使えるものは使いまわしにでも出来るように色々と苦心させられた。

この奇襲攻撃を繰り出せるようになるまで姉さんに練習に付きっきりになってもらった。

足に、追加装備用の制御システム搭載というのは前代未聞だったと言われている。

今回もまた数少ない成功例だ。

俺がメルクと対戦し、初勝利をしたのはこれによる奇襲攻撃あってこそのものだった。

 

だがその数少ない成功は最大の結果を出してくれた。

今回の場合はシャルルのシールド・ピアースと腕部装甲の接続部を穿ち、損壊させたからだ。

 

「…まだ隠しておきたかったんだがな…」

 

これも一種の秘密兵器みたいなものだ。

コイツを使った以上はメルクも同種の兵装を持っていると警戒されてしまう。

クラス対抗戦での鈴との対戦の時みたいに負けず嫌いの血でも騒いだかな?

自分でもそんなの持ってるとか驚きなんだが。

 

「まだだっ!僕は負けてない!」

 

再び砲口を向けてくるが

 

降参(リザイン)だ」

 

さっさとその宣告をしておいた。

止めてくれよ、ロケットランチャーとグレネードランチャーを向けるとか完全にブッ壊す意思が垂れ流しになってるぞ。

この刺々しい殺伐とした雰囲気だが、さすがに降参の宣言をティエル先生も汲んでくれたのか

 

「そこまで!」

 

そう言って止めてくれた。

…ああ、助かった。

それとシャルル・デュノア、その血走った視線と砲口を向けないでくれ、いや、ホントに勘弁して。

そんなもんを向けられる謂れも恨みも無い筈だよな!?

 

「…~ッ!」

 

シャルルが着地し、機体を収納したのを確認してから俺も姿勢制御と着地の行程に移った。

あの視線がどうにも気になるが、すぐには本心を言ってくれないだろう。

悔しいが時間の経過による態度の緩和に期待するしかない。

 

「お疲れ様です、お兄さん」

 

「無茶しすぎじゃないのアンタは?」

 

「そう言うなよ、隠し弾を一つ使ってしまって後悔してるんだからな…」

 

もうちょっと後に…欲を言えばトーナメント当日まで隠しておきたかったんだよ…。

熱くなりすぎると頭が働かなくなるな、俺は…。

 

それにだ、今回このパーツが内蔵された脚部装甲を使用したのは、機体全体のメンテナンスをしたついでだったりする。

 

「…………」

 

メルクは…早速デュノアに視線を向けているか。

とはいえ俺としてもあの視線は疑問だ。

俺、アイツに何かしたっけ?

本当に覚えが無いんだが。

 

その後はグループ別に分かれて稼働訓練に移ることになる。

学園に配備されている機体は3種類。

イタリア製第二世代型量産機『テンペスタⅡ』

日本製第二世代型量産機『打鉄』

そしてフランス製第二世代型量産機『ラファール・リヴァイヴ』

だが、ラファールはある一時を境にその人気が一気に失われ、学園に配備されているが使用頻度が0になり、後々に搬入されたテンペスタⅡにコアが移され、その機体は格納庫にて埃を被り続けている。

実際、今回の様な稼働訓練授業でも打鉄を使用しているグループと、テンペスタⅡを使用しているグループに分かれている。

シャルルのグループはどうなるかと思えば、分配された生徒の要望でテンペスタを取り出した様子だ。

打鉄を使っているのは鈴のグループだけで、メルク、俺のグループはテンペスタⅡだ。

 

「ねえ、ハース君?」

 

「うん?何かあったか?」

 

俺が主体となったグループは今回は5組の生徒が居る。

だからか、顔と名前が一致出来ていない人も居る。

 

「えっと…誰だっけ君?」

 

「5組所属、ベルギー出身のエレナ・ハンスです。

噂に訊いたんだけど、ハース君がテロリストに加担して学園を爆破させようとしてるって……本当なの?」

 

噂に背鰭尾鰭が付くにも限度があるだろ。

誰がテロリストに加担するかよ、あんな連中と一緒にしてくれるなよな。

なんでそんな話になってんだか。

 

「その為に寮の部屋に爆弾を大量に用意してるらしい、とか」

 

「有り得ないからな。

怪しむくらいなら、部屋へ確認しに来てくれて構わないぞ」

 

正直、相手をするのも面倒だな。

 

「俺はメルクの為の専属技士になると決めているんだ。

なのに、経歴をブッ壊すような事をするわけないだろ」

 

「ふーん、そうなんだぁ」

 

信じてくれたのか、そうでないのか微妙な反応だな、本当に勘弁してくれよ。

鈴が言うには、織斑が噂話の発信者らしいが、酷く迷惑だ。

 

「…信じられないのなら、先にも言ったように部屋を確認してくれても結構だ」

 

「おお、自信満々だ」

 

さて、稼働訓練に戻るか。

そこからは以前の通りに授業を進めていく。

順番にテンペスタに搭乗してもらい、近接兵装の素振りに、適度な飛行、更には地上の走行なども試していってもらう。

噂の件についての話はそれ以降は出てこず、順調だった。

このまま平穏が続けば良いと思うけど、それも難しいんだろうなぁ…。

 

その日の昼は食堂を使う事にした。

海が見えやすい東側の席に座り、今日のメニューはペスカトーレにした。

メルクも同じメニューにしたようで、普段通りに俺の左隣へと座ってくる。

そして俺を挟むように右側には鈴が座ってきた。

 

「…鈴のそのメニューは何だ?」

 

「中華蕎麦よ、ウェイルも食べてみる?」

 

生憎、そこまで意地汚くないつもりだ。

人が食べるものにまで手を伸ばしたりはしないさ。

 

「今日の午前中の稼働訓練はどうだった?」

 

「そうですね、私としては、お兄さんに懐疑的な視線を向ける人が居たのが納得出来ませんでした」

 

「俺も同じだな、テロリスト予備軍みたいに視られたりして、それに関しては不愉快だったよ」

 

「背鰭尾鰭が付くのが早いわね…女子高なだけあるわ。

女子って噂話が好きだからさ、今後も似たり寄ったりの話は出ると思うわよ?」

 

迷惑過ぎる話だ。

俺はメルクの為の専属技士、言わば『造る者』だ。

テロリストのように『破壊者』になるつもりは毛頭無い。

しかも俺の知っているテロリストと言えば、破壊と殺戮の権化だ。

他者に害する以外何一つしないし、寧ろそんな行いを笑いながらやってるイメージが強すぎる。

 

フォークにパスタを巻き、口へ放り込む。

うん、美味しい。

茹でた海老のホクホクとした歯応えと甘さが、ムール貝の苦味に釣り合っている。

右隣では鈴が中華蕎麦をズルズルと音をたてながらすすり上げている。

ちょっと品の無い食事風景に見えるが、後々に訊いた話だと、これがこの食べ物の作法なのだとか。

国によっては料理に対しての作法も色々とあるものだと思わされた。

 

「で、噂を流したのは織斑なのか?」

 

「十中八九間違いないわ。

だけど、以前にも言ったけど証拠が残ってない。

話も拡散され過ぎて辿れないのよ」

 

だとしたら、妙な噂が出る度に俺は無実を証明し続けてなくてはならないのか?

潔白であると叫び続けろと?

そんな面倒な事を今後やらなきゃいけないというのか?

 

『在る』事を証明するのは簡単だ。

だが、『無い』事を証明するのは難しい。

『持っているのなら、隠す事も出来る。であれば持っていないとは言えない』。

悪魔の証明と言われるものだ。

 

「事実無根の噂を流して孤立させるのだとしても、何の為にこんな面倒な事をしているんですか?」

 

「人が苦しむ姿を見たい、とか偏執狂なのか?」

 

「少し違うわね。

『人を苦しませる』のを楽しんでるのよ、アイツは」

 

とんだ人格破綻者だ。

さながら意思を持った災害か。

 

「…最低なケダモノですね」

 

メルクは既に人間扱いしてないみたいだった。

だがここまで扱き下ろすとは、他に類を見ないと思う。

『評価が徹底的に低い』よりも『評価出来る点が無い』と言った方が適切なんだろう。

俺としても同感ではあるが。

 

 

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 

放課後になった。

2組のクラスは午後からは座学で少し眠く、陽当たりの良い席と、少し強くも暖かな6月の容赦の無い陽射し、にもかかわらず適度な空調が眠気を誘ってくる。

睡魔を押し退けながらも授業を終えてからのこの時間になってから隣席に視線を向ければ、転入生のデュノアは早速鞄を掴んで立ち上がり、廊下へと足を運んでいる。

最初こそ『男子生徒だから』という理由でクラスの一部から好意的な態度も周囲には在ったのも確かだけど、今はそれが無い。

フランスのデュノア社(人命軽視の中心点)』という考えが思い出されたらしく、今では以前のような人気は失われていた。

それに関しては察する程度は出来る。

第1回モンド・グロッソで一夏が誘拐、人質とされた事件でフランスはその事件を把握しながらも事件を黙殺、隠蔽して大会開催を敢行。

その指示を出したのがデュノア社社長夫人だったのは知られている。

そしてシャルルは自己紹介でデュノア社総帥の御曹司であることも自ら語っていた。

だから、視線が向かうのはほんの僅かな時の間だけになるのは当然だった。

 

「同情するわけじゃないけど、なんか背中が小さく見えるわね…」

 

だけど、声をかける必要性もないから私も荷物をまとめて鞄を持ち上げる。

慣れ親しんだ一夏の鞄は今でも大切に使わせてもらっている。

だけど、この慣れ親しんだ鞄を手放す日は来ると思う。

もしかしたら、…そう遠くない日に。

だけど、私の脳裏に浮かぶ予感が現実に結び付けられない限りは多ただの願望でしかない。

 

「さてと、ウェイルの様子を見に行かないと」

 

ウェイルと知り合ってからは極力多くの日々を、時間を共に過ごすようにしている。

『もしかしたら』という願望が現実に変わってくれるのか、それとも本当にただの別人でしかないのかを見極めないといけない。

現状では本人とも他人とも判別しがたく、判断をし辛い。

 

廊下に出て3組の方向へと足を向けてみれば…思った通りというか、シャルルも教室前に居た。

だけど教室前で待機しているようで入ろうとしない。

 

「何やってんの?」

 

「3組のSHRがまだ終わってないらしくて…」

 

何故だろうと思ったけど、中から声が聞こえてきてすぐに納得が出来た。

 

「学園内でハース君に関して根も葉も無い噂が跋扈しているようだけれど、安易に噂話を信用しないように!

そして、ありもしない話を面白半分に言いふらしたりしないように。

これらを守らず差別発言や誹謗中傷をする者が居れば例外なく停学処分にするので覚悟しなさい!」

 

ティエル先生の怒鳴り声が響き渡っていた。

ウェイルかメルクが噂について先生に報告でもしたのかもしれないわね。

少なくとも3組ではこれで歯止めがかかるのかもしれない。

 

クラスの皆が放課後の時間へと突入すると同時にウェイルは…窓の外に視線に向けてボーッとしていた。

 

「…今日も疲れたな…」

 

「何を黄昏てるのよ、アンタは」

 

「昼食後の座学って眠くなるからな…。

シャイニィも午後の授業時間中は教室のロッカーで寝て過ごしてる時もあったよ」

 

はいはい、愛猫自慢は良いから。

隣ではメルクだって苦笑いしてるじゃない、しっかりしなさいってば。

そして猫を見る目で私を見るんじゃない、喉元を撫でようとしない、嚙みつくわよ!

 

「お兄さん、今日の放課後は…」

 

「ああ、判ってるよ、報告書をまとめとかないと。

今日の授業でのことも書類として書き留めて…それと機体の整備点検だな」

 

「ウェイルっていつも整備とかしてるね、も少し妥協しても…」

 

「今まで使わなかったところを稼働させたんだ、確認をするのは当然だろ」

 

そんなこんなで整備室へ向かうらしいけど、メルクが同行して行く事になり、私は手持無沙汰になった。

一緒に戦闘訓練しようと思ってたのに、当てが外れたわね。

だけど、国外の機体の点検だとか書類作成とか見られないから仕方ないと言えばそこまで。

 

「でも、早く終わらないかな…」


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