IS 速星の祈り   作:レインスカイ

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第46話 新風 それからの

イタリアから飛行機を使って空の旅。

シンガポールで乗り換えてからの日本への渡航の旅。

やはりと言うかなんと言うか…

 

「堅苦しいよな…」

 

飛行機の中では座ってばかりでエコノミー症候群になりそうだし、他に何もできるわけでもない。

 

「体がバキバキだ」

 

ちょっと体を捻れば不健康な音が聞こえてくる。

こら、メルクは女の子なんだからマネしない。

オマケに、だ。

 

「フードを目深に被っていたら猶のことにな…」

 

篠ノ之が俺のフルネームをテロリスト集団に明かしてしまった以上、俺はおいそれと公で顔を出す事が難しくなった。

名が露見してしまっている以上、顔が割れるのも時間の問題。

だから大っぴらに顔を出して歩く事も出来ない。

 

「なんで俺がこんな日陰者みたいな真似をしなきゃならないんだか…」

 

「本当に、理不尽ですよね…」

 

姉さんは政府を通じて日本政府に抗議を入れると言っていたが、それでどれほどの効果が出てくるのかは俺には判らない。

それに男性搭乗者というイレギュラーを排斥しようと手段を選ばない連中はどこに居るのかも判らない。

何も悪い事をしていないにも拘らず、俺は顔を隠す日陰者に追いやられ、テロリスト連中は日の下を堂々と闊歩している。

釈然としないし、理解も納得も出来ない。

篠ノ之とかいう女子生徒、これが狙いでやったんじゃないだろうな…?

無意識でやったというのなら猶の事タチが悪いと思う。

無意識で他人に迷惑かけるような病気なら医者に行って診てもらって来いってんだ。

ついでにその無責任な性格もどうにかしてこいっての。

思い返してみると、出会い頭の段階で背後から殴りかかってくるわ、整備室で機体調整をしている際にも襲撃しようとしていたらしいし、挙句の果てにはテロリストに俺の情報を開示する始末。

どう考えてみても『積極的に他人に害を成す』をやらかしている。

まさかとは思うが、日常的に繰り返しているんじゃないだろうな………?

二度と関わりたくない。

 

あれ以降、俺は服装にも気を使わないといけない。

あの日、FIATの購買部で見つけたお気に入りのジャケットも「目立つから」という理由で屋外での着用を姉さんに禁止されてしまっている。

極力人ごみに紛れても目立たぬ服装をしないといけない。

更には、目立つ傾向にも繋がる白髪を隠す為にも、茶髪のウィッグを着けている始末だ。

いっその事、髪を染めようと思ったけど、両親とメルクと姉さんに猛反対されて諦めた。

挙げ句の果てにはメルクが「だったら私がお兄さんに合わせて髪を脱色します!」とヤケクソになり家庭内が混沌と化したのは我が家の黒歴史だ。

ウィッグの着用を父さんが折衷案として提案。

俺は腰にまで届く茶髪のウィッグを着用した。

姉さんと母さんがそこにヘアメイクというか改造し、前髪は長めに調整され、目元に届いている。

そしてメルクもウィッグを着用し、髪の色だけなら兄妹に見えるだろう。

同じ品だが、身長差もありメルクのウィッグは膝にまで届いている。

今後、学園外へ外出する際にはこれを着用するようになるだろう。

 

ウィッグの着用には納得しているのだが、腰にまで届く長さの髪と言うのは少しばかり邪魔になる。

 

「…ああ、本当に…理不尽だ…」

 

まあ、日本政府が抗議を受け入れたのなら、この日本から利権団体だとかを一掃してくれるんじゃないかとも思うのだが、そんな動きは全く見受けられないと姉さんから教えてもらった。

クラス対抗戦の際に捕縛された構成員も、半数が行方を眩ましているらしく、何処から襲われるか判ったものじゃない。

これだけの情報でも日本中枢の重要な情報らしいが、姉さんはどうやってそれだけの情報を仕入れているのだろうか?

今更ながら姉さんの情報網と人脈には驚くしかない。

 

なんにしても、俺がこうやって顔を隠し続ける日はいつまで続くのだろうか…?

 

そう思いながら、俺とメルクと一緒にモノレールに乗り込んだ。

モノレールは飛行機ほどに窮屈には感じられない、見渡せば車窓からは見渡す限り海が見える。

だが、ここで問題点が一つ。

 

「この近隣に釣りができる場所が何処にも無いんだよなぁ…」

 

「それ、また考えていたんですねぇ…」

 

「俺にとっては丁度いい息抜きだからなぁ…」

 

それに釣り場のオッちゃん達とも今回は全然顔を合わせられなかったからな。

元気にしてるかなぁ…。

姉さんの話では、例の釣りスポットには、珍しくギース氏も訪れていたらしいし。

 

そう思いながら揺れないモノレールに乗る時間もわずかに俺達二人は車体から出た。

到着した先は少しだけ懐かしくも、マトモな思い出が碌に無いIS学園だ。

校門をくぐり、ウィッグを外した俺を出迎えてくれたのは

 

「あら、元気そうでなによりだわ、ウェイル君、メルクちゃん」

 

「どうも、ご無沙汰してますティエル先生」

 

「お久しぶりです」

 

「二人とも元気そうで何よりだわ、イタリアでは何も起きてなさそうで先生も安心したわ。

それで…、その大きなトランクは何かしら?」

 

ティエル先生の視線が俺とメルクの手元に向かう。

入っているのは、イタリアの新製品でもあるプロイエットだ。

 

「まあ、ちょっとした娯楽品ですよ。

早速ですけどどこか空いているアリーナって何処か在りますか?」

 

 

 

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 

その言葉で案内してもらったのは第7アリーナ。

お兄さんも地味なフード付きコートを脱ぎ、ISスーツに着替え、足にはプロイエットを履き、ベルトで足に固定する。

 

「それ、ローラーブレードよね?」

 

「う~ん、形状は似てますが別物ですよ。

企業からもらったものなんです」

 

体の各所にプロテクターを取り付け、腕にコントロールパネルを装着し、これにて準備完了。

 

「さてと……じゃあ、始めるか」

 

滑り出しはそれこそローラーブレードと同じように。

そっから手元のパネルで指示を出すことで、ブーツが加速を始める。

少しずつ加速の度合いが増していき。

 

「さあ、最高速度だ!」

 

時速60キロにまで到達。

その速度のままグラウンドのカーブを曲がる。

ちらりと横を見てみれば、お兄さんも気分が良さそうにも見えた。

釣りの代わりのストレス解消にもなりそうで少し安心です。

 

「何周くらいしますか?」

 

「そうだな…10周位で良いかな。

…やっぱり、こうやって風を感じられるのは気持ちが良いな…」

 

よかった、本当に気分が良さそうです。

 

先の宣言通り、きっちり10周を走り終えた後、グラウンドの入り口にまで戻るとティエル先生が…。

 

「そのブーツ何なの!?

ローラーブレードじゃなかったの!?」

 

いえ、だから、先に言った通り見たまんまのローラーブレードじゃありませんってば。

気づけばアリーナには多くの生徒が押しかけてきていて、私もお兄さんも揉みくちゃにされたりと予想外のトラブルが…。

 

「ははは…とんでもない事になったな…」

 

私もお兄さんも髪がボサボサに状態になって、ようやくアリーナを後に出来た。

それほどまでにプロイエットが多くの人の目にとって魅力のある代物になったのかもしれませんね。

まだ量産体制にも移っていない製品を受け取って持ってきているわけですから…多くの人には気になるものなんでしょうねぇ…。

いろいろと根掘り葉掘り聞かれ、すっかり夕方です。

学園についたのはお昼前だったのに…。

 

「飛行機を見て思いついただけだったのにな…」

 

ああ、飛行機の脚部だったんですか、モデルは…。

それに関しては私も聞いてなかったんですけど…、飛行機を見て、離陸時のことを思い出したんでしょうか?

 

「そういえば、あれだけの人込みだったのに、居なかったな…鈴……」

 

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 

「そういえば、あれだけの人込みだったのに、居なかったな…鈴……」

 

周囲は見渡しているつもりだった。

それでも、こんな言葉を口にするくらいだ、それほどまでに無意識にでも探してしまっていたんだろうか…?

 

まあ、いいか。

それにこれ以上言ったらメルクが拗ねる。

そうなるよりも前に

 

「アリーナじゃ訓練できなかったし、ここで一度手合わせしてくれないか?」

 

「はい、良いですよ!」

 

コールするのは槍、ではなく打撃用の棍だ。

長さでいえば俺の身長よりも少しだけ長い190cm程。

メルクが抜刀したのもあくまで模造刀だ。

生身の時にはこっちのでやることのほうが多い、最悪でも打撲程度で済むし。

 

「じゃあ…始め!」

 

こうして俺とメルクの丸一日振りの特訓が始まった。

俺は長棍、メルクは双剣だ。

俺は間合いを詰められないように注意を払いながら、その分メルクは手数で押してくる。

だがまあ、今の俺が使っているのはどちらかというと『槍術』というよりも『棒術』だよな。

結果は、まあいつもの通りってことで。

国家代表候補生を侮ってるわけでもなく、その努力だって知ってるけどさぁ…。

あ、もう威厳なんて気にもしてないから今更なんだけどね。

終わったころには俺だけ汗びっしょりだったりする。

メルクの苦笑が荒んだ心に涼しく感じるよチクショー…。

 

「さてと、今日は食堂を使うか…料理をするのが面倒だ…」

 

母さんには及ばないが、ここの食堂は色々と美味しい料理を食べられるからな。

 

夕食の為に食堂にまで来たみたものの、やはり鈴の姿は見当たらなかった。

何と言うか…少し残念かな。

 

選んだメニューとしては、俺はアクアパッツァ、メルクは洋風定食だ。

やっぱり俺は肉や野菜よりもシーフードが好みになってるんだろうなぁ。

一番好きなメニューは『ミネストローネ』だけどさ。

 

「えっと…空いている席は、と…」

 

トレイを受け取ってから見回してみるが殆どの席が埋まっている。

 

「あんまり空いてないですね…」

 

「そうだな…窓側の席なんて言うまでもなく全部埋まってるし…」

 

食堂の席は事前予約制度ではなく、その都度その都度自分たちの手で確保しなければならない。

大人数であれば、誰かに席を確保させておくのが賢い判断かもしれないが、今の俺たちは二人だけ。

席を確保するのも難しかったな…。

ともなれば、同じく少数人数の誰かに相席させてもらうのがいいだろう。

 

「…げ…」

 

食堂の隅の席で食事をしているであろう織斑と篠ノ之と目が合った。

俺としては絡みたくない相手だ。

というか懲罰房に謹慎を受けていたとか聞いたが、食事時は話が別なのかよ。

物のついでに、理由はわからないが、憎悪だの殺意だのを込めた視線を向けてくる。

しかし、だ…ふと思い出す。

即ち『俺、アイツ等に何かしたっけ?』という思いだ。

 

さらに思い返してみれば、あちらから一方的に絡んできたのであって、俺からは特に何もしてないよな?

機体の破損?

それは試合に於ける出来事の一つでしかない。

 

「あ、ウェイル君、それにメルクちゃんも。

此処空いてるよ、相席してく?」

 

有難い声をかけてくる人物が居た。

視線をそちらに向けてくると…金髪の女子生徒。

確か、ティナ・ハミルトンさんだっけか。

 

「じゃあ遠慮なく相席させてもらうよ。

良いよなメルク?」

 

「はい、そうしましょう!」

 

トレイ片手にずっと突っ立ってるわけにもいかず、誘いに乗らせてもらうことにした。

流石に立ち食いで過ごそうとは思わない、座れるのならこの誘いに乗らせてもらうとしよう。

 

「ただの数日だったけど、どんな風にイタリアで過ごしてたの?」

 

「そうだな、訓練だとか開発とかがメインだったな。

それから、今までは調整不十分だった部位も調整が出来た、それに関しても今後は訓練に付け加えていかないとな」

 

アルボーレ、ウラガーノ、アウルの三つの事だ。

今まで使わなかったのは、簡単に見せる気がなかったから。

勝率低下を防ぐためというのもあるが、それに関しての建前というか言い訳が『調整不充分』というものだ。

さて、初めて試合で使うとしても対戦相手は誰になるのだろうか。

 

なお、同様にメルクにも秘密兵器がある。

アウルはもちろんだが、二挺のレーザーライフルを連結した際の砲撃モード。

射程距離もそうだが、その威力も莫大だ。

アウルで捕まれるなり、スラスターを損壊させた状態なら回避は出来ないだろうからな、使うタイミングを見るのが秘かに楽しみでもある。

 

「そういった部位で多くの時間を費やしていたからな…釣りが出来なかったんだよ…」

 

「お兄さん、その内に出来ますから…」

 

「変な所で難儀してるわねぇ…」

 

そう言いながらも優雅にコーヒーを飲むハミルトン女史。

ついでに後頭部に突き刺さる妙な視線、こっち睨むな織斑、俺は何もしてないだろう。

 

「そうだ、来月には学年別個人トーナメントが開催される予定なんだけど、二人は参加するつもりは在るの?」

 

「毎年恒例行事だっけか。

クラス代表だけでなく、各個人の技量を競い合うための行事…で、合ってるか?」

 

「それと」

 

メルクが付け加えた情報によると、この行事の際には国の重鎮や技術者なんかも訪れるらしい。

そこで、自分の腕前を見せ、自分自身を売り込む、という算段もあるらしい。

そこから、次期国家代表候補生の候補者なんかも稀に発掘されるらしい。

そして企業代表も同様に、だ。

今の俺は『企業所属』だが、何らかの要因によて『企業代表』に推薦される可能性も無きにしも非ずらしい。

 

「まあ、俺としては将来はメルク専属技師になる予定だからなぁ。

今の企業所属だけでも大丈夫だとは思うが」

 

「うん、まあそうね。

専属のメカニックやエンジニアなら、その地位でも大丈夫だとは思うわよ。

でも、代表になったらもうちょっとばかり権限を持たせてもらえると思うよ」

 

それはそれで魅力的な提案ではあるな。

目指してみるべきか?『企業代表』。

いやいや、欲張らないでおこう。

 

「まあ、織斑君は絶対無理だろうけどね」

 

「ん?どういう意味だ?」

 

「話せば長くなるんだけどね」

 

そこから、ティナによる解説が始まった。

次のイベントである学年別個人トーナメントの制度が変わったらしい。

以前であれば、各国の軍のお偉いさんや、企業の人物が来賓として見物に訪れ、気に入った人材をスカウトしていたらしいが、その制度を一新。

トーナメントに参加する生徒、裏方で技師として活動した生徒は、自分でデータを集積し、それを自ら企業や国家に提出する自己推薦のような形になったとの事。

 

「他薦式ではなく、自薦式の形態に変わったのか」

 

「自分を売り込むのは変わらないらしいけど、クラス対抗戦での事が有ったからね、生徒の顔を必要以上に露見させないようにする形式に変化させたらしいのよ」

 

俺の名前がテロリストに露見してしまったから、似たような案件が起きないようにする為の是正処置、か。

 

「でも、1組の織斑君といえば、織斑先生の弟っていうだけでそれ以外何も無いもの。

軍、企業にも所属していないただの民間人。

仮に次のトーナメントで目を付けた人がいたとしても、学園内での素行だって調べられるものなのよ、だから…」

 

「ああ、生粋の問題児だから、何処も採用しないというパターンですか。

なら日常的につるんでいるあの女子生徒も」

 

ああ、駄目だろうなぁ。

けどまあ、大声で話すことかよ。

さっきから感じる視線が強くなってきているんだが。

食堂における二度目の騒動とか勘弁してほしいのだが。

 

「まあ、織斑の話はもういいわね。

あんまり話をしてると気分が悪くなるし」

 

話し始めたのは君だからな。

ティナは何も気にせずコーヒーを飲んでいるが、その姿が妙に様になっている。

 

「で、この学園に来月転入生が来るらしいのよ、しかも私達と同じ学年でね」

 

「また中途半端な時期に来るもんだな…なんだ、トーナメント戦に合わせてくるってのは品評会めいたことをするつもりなのか?」

 

「強ち間違いじゃないかもしれません。

第三世代機というのは現在でも製造が急がれていますから、それがロールアウトが出来たから、というのも肯ける話です」

 

なるほどな、要はその転入生は広告塔の代わりにさせられているってことか。

 

「ティナは、何処でそんな話を仕入れたんだ?」

 

「3組のミリーナって子から聞いたのよ。

あの子なかなかの情報通よね…お題は高くついたけど…」

 

そこで目の前の人物に影が入った。

おいミリーナ、一体全体何を要求したんだアンタは!?

駄目だ、怖くて訊けない…。

 

「で、編入生って何処から来るのかは判ってるのか?」

 

「あ、ですね。私も気になります」

 

「その編入生だけど、『フランス』と『ドイツ』よ」

 

ほほう…。

フランスと言えば、取り扱いが容易で応用性にも優れた機体『ラファール・リヴァイヴ』が有名だな。

学園にも訓練機として導入されていたが、イタリア製第二世代機テンペスタⅡに知名度と人気を奪われて、埃を被って予備パーツ扱いだ。

 

ドイツは重厚な装甲が特徴的な『シュバルツ』が名前で出るよな。

使う人を選ぶものではあるが、こちらは訓練機としては出回っていない。

ドイツが独占している技術で、名前が独り歩きしている機体だ。

その為、俺としてもあまり詳しくはない。

 

さて、機体の事は置いておくとして…問題はフランスにある。

人曰く『人命軽視国家』

人曰く『世界の鼻摘み者』

人曰く『過去の栄華にすがる国』

などと侮蔑の言葉などが飛び交う国だ。

産業スパイ育成の噂が絶えず、利権団体だとかテロリスト潜伏先の話がよく飛び交う零落国家だ。

『デュノア社』という国家お抱えの企業が『ラファール・リヴァイヴ』を組み上げた企業だが、経営も危ういレベルだとかも聞いた試しがある。

そんな国が編入生を今になって送り込んでくるという事は…。

 

「フランスは新しい機体の開発に成功した、とか?」

 

だが生憎とそんな話はイタリアでは聞かなかったな。

 

「いえ、その話は無いわね…ってどうしたのメルクちゃん?」

 

考え事に夢中で気づかなかったが、メルクが少しばかり怖い顔になっていた。

何か考えがあるんだろうけど、言ってくれないとお兄さんも困るからな?

 

「お兄さん」

 

「お、おう、どうした?」

 

「その二人には関与しない方が良いと思います」

 

「お、おう…」

 

これって一つのフラグではないのだろうか…?

かかわる気がないのだとしても、向こうから(一方的に)関与してきた場合もあるんだからな…。

 

「平穏な生活はまだまだ先になりそうだな…」

 

「まあまあ、そんなに気を落とさずに頑張りなよ」

 

その翌朝だった、鈴と交わした約束、ヴェネツィアで購入したシーフード盛り合わせを渡せたのは。

なんか……物凄い呆れられたのは……なんでだろう?


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