俺はとある理由からにとりの河童工場に来ていた
にとりとは魔法の森に居たりするので、結構喋ってたりして、そこそこ仲が良い。でもこうして科学者としての彼女を見たことはない
なぜにとり工房に来たかというと、この間狂にやられて上半身と下半身に身体を真っ二つにされた西井のために、自称幻想郷一の科学者。河童のにとりに治療を依頼した訳だ
「おっ!やっと来たか!こっちに来い、すごい物を発見したぞ!」
俺を見るなり手を引っ張って工場兼研究所の奥に俺を連れて行った
奥にあったのは西井の機械部分と人間の部分が分けられて置かれていた
機械部分は隅っこにまとめられて、人間部分、特に脳味噌や心臓は机の上に無造作に置かれていた
「おいおい心臓とか机に置くなよ!きちんと然るべきところに置いておけよ」
「それがな、もうこの臓器は死に絶えてるんだ」
どういうことだ...?
もう...手遅れ...ということか...?
「に...西井は...死んだのか...?」
「んにゃ、死んでなんかいないよ?これを見て」
にとりは隅っこにある機械部分から出ている線をたどって、さらに奥の部屋に行き、俺もついて行く
「これだよ」
彼女は部屋の真ん中にあるのは、手足がなく、顔と胴体だけで置かれている西井だ
その胸のハッチが開き、そこから光り輝く結晶のような物が見える
「この結晶みたいなのがこいつの中に入ってたんだ。しかも触ると手が焼けるみたい」
俺は結晶を触る。するとどうだ。なにも起きな────うっ!
俺の全ての記憶がフラッシュバックした
生まれたての記憶、小学校の記憶、トラウマ、幻想郷に来たばかりの記憶、戦いの記憶、ついさっきの記憶、そこまで見えて俺は手を離した
俺の手を見ると確かに手は赤く焼け爛れていた
「わかるか?普通死んだ人をサイボーグにして蘇生するなんて不可能なんだ。でもこれに電気を与えてやると...」
そう言ってにとりはスイッチを入れると、結晶に電気が通る、すると...
「うわぁぁぁぁぁぁ!!うががががががが!!」
「おい!やめてやれ!」
にとりはスイッチをもう一度押すと、電気止まり、西井は再び意識がなくなってしまった
「こいつはこの結晶が魂そのものなんだよ。だから私はこれをソウルコアと呼ぶことにした」
ソウルコア、コアとはそもそも闇力や幻力の結晶体のような物だ
魂のコア...魂の結晶体?
兎に角、このソウルコアにただならぬ力が秘められていることは、まず、間違いないだろう
ソウルコアはめちゃめちゃ大きい伏線であり、今作では解決しません!この恋愛談をシリーズにしたときにようやく判明します(今の予定では恋愛談第5作目です)