投稿遅くなって申し訳ございません!!
理由はいろいろありましてですね
まず卒業準備で忙しがったがために、執筆の時間がなかったと言うこと
そして今回の話が相当大事な回になるので、今後の東方魂魄恋愛談のストーリーの確認
などで遅れてしまいました
もう罵ってください、いいですよ
後もう一つ、我が家に猫が来ました〜やっぱりかわいいよね
皆さんは猫派?犬派?
とそろそろやばいのでこの辺で
本編どうぞ!
第42話
・坂技視点(三人称)
バリン!ピキピキ、プシュー
無機質な部屋にガラスにひびが入る音、そしてひびから吹き出す水の音が響く
音の正体は柳の目の前にある
「んなバカな...原因を確かめろ!早くっ!」
柳は研究員に指令を下すも、無情にもガラスは割れて行く
中に居る全裸の男はニヤニヤと笑いを浮かべる
まるで自分を止めることができないという確信を得ているかのように
「ふんっ!」
「ぐがぁっ!」
大きな音を立ててガラスが爆散し、衝撃によって柳は遠くまで吹き飛ばされた
腹部にダメージを食らったのか、腹を抑えながら四つん這いになる
柳は床を血走った目で見つめながら言葉を紡ぐ
「な、なぜだっ!?なぜそれほどまでに意識を取り戻すのが早いっ!?」
No.3は勝ち誇ったような笑みを向ける
「なにを今更...」
No.3が柳を殺そうと、エネルギーの結晶体を柳に投げたその瞬間
──カランカラン
アルミ缶が転がるような...いや、厳密にはアルミの筒が転がる音が鳴る
「くっ!」
No.3は腕を顔の前でクロスするように防御をとりつつ、柳と“男“野の脇を抜けて逃げて行った
一方でアルミの筒、もとい手榴弾は爆発せず、プシューと音を立てて煙を出すだけでなにも起こらない
「はぁはぁ、助かった。よくやった、“西井“」
「...」
柳に西井と呼ばれた男は返事をせず、沈黙を返す
「まずいな、このままでは」
柳は呟くと、ゆっくりと立ち上がり司令室へと向かう
そして司令室にて全ての兵士にあることを伝える、緊急事態だ、と
・流楠視点
俺は布団の上にあぐらをかきながら、窓を見ていた
今日はいい日だ、月がすごく綺麗に見える
さらに満月ときたもんだ
こんな日には月見団子を食べたいっと思うんだけど
どっかの誰かの黒フードさんが俺の団子を全部食っちゃたんだよね
おのれ黒フード
「さぁ、そろそろ寝ようか───」
なんだ?この感じ...
俺が暴走する前に感じた感覚と同じだ
俺の勘が正しければまたどこかに狩怪がいるはず...
「黒フード、ちょっくら行ってくる」
「いってらっしゃい」
屈託の無い笑顔を俺に向けて黒フードは言う
まだ俺はなぜ行くのか、どこに行くのか、何も言っていないのに...
こいつに関してはわからないことが多すぎる
年齢、名前、経歴、その他全て、何一つわからない
こいつは...何者だ?
いや、今は狩怪を優先しよう
黒フードの話はまた後だ
俺は幻光刀─────ではなく、夜神刀を腰につけて玄関を飛び出した
〜人間の里 入り口〜
な、なんだこれ...
ものすごい気、というより闇の波動が充満している...
さらに密度も濃い、つまり狩怪はものすごく強い
なぜなら自分の体から溢れ出すほどの闇の波動を意のままに操れるからだ
これほどの力の持ち主、俺が倒せるのか?
「おーい!!」
背後からやけに可愛らしい声が聞こえてくる
たぶん時雨ちゃんだ
時雨ちゃんだとしたら神楽もいるのか?
「ん?どうした?」
背後から俺の右側にやってきた時雨ちゃんに顔を向けず、霧の奥を見つめたまま言う
「うわー、すごい量だね!こりゃ手強いぞぉぉ」
俺はなんだか怖くなって、時雨ちゃんを見やる
時雨ちゃんはいたずらっ子がいたずらを自慢するときとような笑顔を浮かべながら俺を上目遣いで見上げていた
な...なんだ...この心の奥底からくる異様な恐怖は...
ジェットコースターのような恐怖でもなく、死ぬ間際の時のような恐怖でもない
なんだろう、心が震えるような恐怖...って言ったらわかりやすいだろうか
気味の悪い恐怖というだろうか
とにかく、言葉では表せない恐怖が俺を襲ったのだ
それも時雨に
「はぁはぁ、ったく!先に行かないでって言ってるでしょ!」
「あっ!ごめ〜ん」
「まったく...かわいいから許す!」
え?待て待て待て、どういうことだ!?
なぜ俺はこんな時に東方M-1ぐらんぷり的茶番を見せられているんだ!?
さっきのシリアス的展開はどこいった!?
「フハハハハハハハハハァ」
男の笑い声が、夜の静かな里に響き渡る
霧の奥深くから、一人の男がこちらに歩いてくるのが見えた
しかし、霧が濃すぎて男の顔や体が見えない
「貴様のような男が、今まで狩怪を退けてきたとは、虫唾が走る」
男がそう言った瞬間、霧の中の男の人影も消えた
「上かっ!?」
俺が最近できるようになったことの一つに、相手の気を見つけ追尾や、場所を把握することができるようになった
今、男が上に行ったことを見つけたのも同じ原理だ
男は全身タイツのようなものを着込んでいるが、胸部分に鉄板が貼ってあったり、生地もゴムのような物だから防御力をあげているのが見て取れる
いや待て、今気づいたがあいつ男なのに性器がないぞ!?
ひょっとして人間じゃないのか?
男は俺から見て10メートルくらい上方向から俺を見下げていた
俺は男の動きを見ながら男が何をしてきても交わしたり受け流すように神経を研ぎ澄ませる
男は俺に向かって手をかざす、この行動の意味を俺は知っている。弾幕だ
想像どうり、男は弾幕...というより弾幕に使う球を男のいる所と同じ高さに、平行になるように球を空一面に敷き詰める
これを一気に落として俺を殺そうって魂胆か?こいつ実は弱いんじゃないか?頭の方が
だがこれは誤算だった
男はたくさんの球を右と左、一つに練り固めた
そして二つをさらに合わせてめちゃくちゃ密度の濃いテニスボールほどの球を作り上げる
まずい、上空を浮いていた球の数なんて2000個くらいあったのに、それを、それをあんな小さくまとめるなんてこと、できるのか!?
「くらえっ!」
「チッ【防符】金剛身っ!!」
俺はとっさにスペルカードを唱えた
このスペカの能力は簡単に言えば傷ができなくなるのだ
といっても、痛みそのものは消えなし、流血や脚とか手が切り取られたりはする
だが骨折しない分有利に戦いを進められる
俺が今このスペカを発動したのは────
「グハッ!!」
全身に電流のように痛みが流れる
俺は片膝をつく
しかし、激痛はなおも続く
体が動かない、目の前が真っ白になる
当然だ、あれほどまでのエネルギーの圧縮体をこの身体に叩き込まれたのだから
スペカを発動していなかったら身体が爆散していてもおかしくはなかった
「グググ」
俺は身体を引きずるようにして立ち上がる
男は俺から見て霧の方向に立っていた
「私の名前はヘル、この幻想郷を支配するべき人間だ」
ヘル、英語で言うとhellで地獄
自らを地獄と称する男か...
さっきの戦いからヘルは相当強く、そして手練れなことがわかる
「No.3!こっちにくるんだ!早く」
ヘルではない男のの声が聞こえる
どうやら霧の向こう側から聞こえているようだ
追わなくては、追いつけなくても何か情報を得れればいいのだが
「ま、待て!」
ヘルが霧の向こうへ歩き始めたので、俺は走って後を追う
「く、行け!“西井“!!」
に、西井?どう言うことだ
なぜ霧の向こう側の男が西井の名前を?
「うおっ!」
空から弾丸が降ってきた、いや撃たれた
俺は上を見上げる
な、なんだと?ほ、本当に西井が上から...しかもスーツを着ていやがる
ガチャンっと音を立ててスーツを着た西井は俺の真正面に着地した
そのスーツの奥にある顔や目は見れないが、全体的な気から西井が俺に対して殺意の目で見ていると言うことだけがわかる
「さぁ。やろうか」
俺はあえて西井に笑ってみせ、言った
多分、霧の向こう側にいた男は俺が西井を殺せないということを知った上で行動しているのだろう
だからこそ西井を俺に仕向けてきたのだ
いいじゃないか、やってやろう
俺はなぜか西井に不敵な笑みを向けていた
地獄の業火に焼かれて消えろ(ドヤ顔)