東方魂魄恋愛談   作:魂夢

33 / 62
こんにちは、魂夢です。明けまして、おめでとうございます
まさかここまで小説を続けることが出来るなんて、自分でもびっくりしております
まぁ今年も、相変わらずの魂夢クオリティで行きますけどね!

それでは本編どうぞ!


第30話 家出

〜暗闇〜

 

「ククク...フフハハハハハハハッ!!!!」

 

暗闇の中、背を向けた一人の男が大きく叫んだように笑う

その狂気的な笑いは俺に本能的な恐怖を俺に与えた

 

「フフハハハハ...」

 

男がガバッとこちらに振り返り、ものすごい勢いでこちらに向かってくる

俺は思わず逃げようとする、しかし、俺の体は思いに反してピクリとも動かなかった

 

「我は貴様を乗っ取る力を手に入れた。安心しろ、お前の身体は私が使ってやるからな」

 

男はそう言った後、大きく高笑いをする

どこか勝ち誇ったような笑いを浮かべるその男の顔を俺はまじまじと見つめる

その男は俺と同じ身長、同じ体格、そして...同じ顔、その男は他でもない、俺だった...

俺は自分が目の前にいることに恐怖した

顎から一滴の汗の雫がポツリと落ちる

 

男は拳を俺の胸にポンっと当てる

絶対に痛くないはずのその拳は俺に鋭い痛みを与えた

胸から全身にかけてものすごい電流を流されたような痛みが俺を襲う

 

「ア...アガガ...アガ...ガ」

 

壊れたおもちゃのように言葉にならない言葉を俺は発した

 

〜自室〜

 

「ウワァァァァァァ!」

 

俺はガバッと上半身を起こす

目の前に広がる景色はただの自室、朝日が差し込む気持ちのいい朝だ

 

今のは...夢?でも実際に痛みがあるぞ?

ただの夢じゃない気がする、あのオレは俺に対して何かメッセージを送っていたのだろうか

やっぱり決めなければいけない

いつまでもグダグダしてちゃダメだ

俺はいいが妖夢たちに被害がいかないようにしなければ

 

俺はこの日、重大な決断を下した

 

〜妖夢視点〜

 

ザクッザクッ

妙に聴き心地のいい音を包丁が奏でる

ネギを切った時、玉ねぎを切った時、それぞれ違った音色を奏でる

その包丁を自分が使うとすごく楽しい気分になる

 

「おはよう妖夢」

 

聴きなれた声が後ろから聞こえる

流楠君だ、何気ない朝に好きな人の声を聞くと、《今日も一日頑張ろう》って気になれる

恋というのは不思議なものだ

 

「おはようござ...あれっ?」

 

ただし、今回は特殊な事例だ

なんせその好きな人の肋骨が粉々で歩けないような状況だ

その人が流楠君の部屋からだいぶ離れた台所の所にいるのが不思議でならない

恋というのは不思議なものだ(すっとぼけ)

 

「治ったんですか?」

「ん?確かに、昨日もらった薬と幻力がうまく作用したのかも知れない」

 

そうですか、と言いながら、私は流楠君の方に振り向く

流楠君は険しく、どこか焦ったような顔をしていた

 

「ど、どうしたんですか?」

「妖夢、俺は出て行くことにした」

 

へ?ごめん、どういう意味?

出て行く?私のこと嫌いになったの...

 

「それはまた...どうしてですか?」

「このままでは妖夢たちを傷つけてしまうかもしれない、俺が、この波動を使いこなせるようになるまで、一人で修行する」

 

自分の拳をじっと見つめながら、流楠君は言う

そんな中、私は頭が真っ白になった

え〜と闇の波動を使いこなせるようになるまで白玉楼を出るってこと?

 

嫌だ、そんなの、嫌だ

 

「それはいい決断だと思うわ」

 

突然現れた幽々子様がいつもより真面目な表情を浮かべながらそう言う

一方で私はポカーンとしていた

 

「ゆ、幽々子様?それは何故...ですか?」

 

幽々子様は私を横目でチラリと見るだけで、何も言わない

 

「ああ、俺自身もそう思っている」

「それで?いつ白玉楼を出るの」

「今すぐにだ、俺に休んでいる暇はない。いつまた暴走するかも分からないからな」

 

幽々子様が「そう」と言うどこか遠い方をじっと見つめる

その行動にどんな意味があるのか、私には分からない

 

「いつ帰ってくるんですか?」

「それは...わからない。もしかしたらもう帰らないかもしれない。まぁ居場所は教えとくから、会いに来てよ」

 

流楠は、ハハハハハと笑う、私にとっては笑い事にはならない

 

「さてと、そろそろ準備してくるね」

「ち、ちょっと待ってください!」

 

私はそう言う

渡したいものがあった、機会がなければ渡せなかったかもしれない

ある物、私だけしか作れない物、少しでも闇の波動の影響を少しでも少なくできればと心から思う

それを取るために、私は自室に戻った




どうでもいいんですけど、最近ストリートファイターにはまってます
実は敵キャラのセリフを見るとわかることがっ!?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。