東方魂魄恋愛談   作:魂夢

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こんにちは、魂夢です。昔からやりたかった話なのでウキウキします!


第24話 再開

最近、妖夢の様子がなんか変だ

常にニコニコしてると言うか、俺を見てニヤニヤしてたりするし

まぁ笑顔の妖夢はかわいいから別にいいけど

 

「流楠君!おでん食べましょう!」

 

妖夢が戸を開けて、言った

俺は頭の後ろで手を組み、寝転がった状態で聞いていた

 

そういえば時刻は6時を回ったところで、夕食どきには少し早いくらいの時間だった

 

「どうした?そんな突然」

「おでん屋の半額券を手に入れたんです。丁度おでんシーズンですしね!」

「そんなんじゃ幽々子の分まで支払うと言うと、バカにならない額になるぞ?」

「幽々子様は今日は罰として晩御飯抜きです!」

 

俺は心の中で“あ〜“と思う

今日の朝、幽々子(化け物胃袋)がウチの保管庫を全て食いやがったんだ

あれを見た時、俺は悲しみや怒りを通り越してびびった

 

例えるならディズニーランドの場所が次の日見ると更地になってる時....みたいな?

なんかよく分からないけどそんな感じだ

 

しかも明日、大量の買い物をしなければいけなくなってしまった

そう考えるとため息が止まらない

 

「んじゃ行くか?」

 

俺がそう聞くと妖夢は大きく頷いて、クルッと向きを変え玄関の方に歩いて行く

テクテクと歩いて行く妖夢の髪がゆさゆさと揺れ、雰囲気からウキウキしているのが分かる

 

今日はなんだか妖夢のテンションが高い

まぁ何気に初の外食だからなぁ〜

あの3年の間も豪華な食事はしたけど外食はしてなかったし

どうでもいいことなんだけどさ

 

〜少年少女移動中〜

 

おでん屋と称されて連れてこられたのはおでんの屋台

外の世界、少なくとも俺の住んでいた地域では見たことがない

この形なら焼き芋屋さんぐらいなものだ

 

懐かしい木造の屋台の周りを取り巻くおでんの香り

それは俺の食欲をそそり、浅はかながら俺を興奮させた

 

「いらっしゃい!」

 

可愛らしい声が俺と妖夢の鼓膜にガツンと響く

声の主は、チルノレベルの身長を持った少女。いや、幼女の方が正しいかもしれない

 

席に着いた俺はいい雰囲気だなと思っていた

 

「何食べます?」

 

妖夢が品の名前が書かれた木の看板を指差して、俺に聞いてきた

俺は顎に手を当て、う〜んと考えたのちに

よしっと言い、幼女に言った

 

「卵一個と大根一個、あと牛すじ一本とはんぺんと黒烏龍茶一つ!」

「私も同じのをください」

 

幼女は俺たちの注文を繰り返したあと、素早く、そして丁寧に器に移して行く

俺はしばしそれを見つめていた

 

そして俺と妖夢の前におでんの入った容器を置いた

 

「いっただきまーす!」

 

俺たちはそう言い食べ始めた

 

〜少年少女食事中〜

 

「はい、これで丁度ですね」

 

妖夢が幼女に代金を払う

 

俺は真っ暗になり、ほとんど誰もいない里を見回していた

そしてあることに気が付いた、黒い人の影があるのだ

それ自体は普通のことなのだが、その影はどうやら妖怪の山に向かっているようなのだ

 

ーあっちは危ないー

 

俺は妖夢に一声かけ、影もとに向かった

黒い影に近づき、肩をトントンとした

 

「そっちは危ないですよ?」

 

俺はこっそり幻光刀に指を掛けながら言った

そしてその影はこちらに向いた

 

その影の正体は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星空だった

 

「あっ...」

 

俺は消え入るような声で言った

星空も驚いているのか、目を少し開いて口を少し開けている

 

暗かった里が一層暗くなったような気がした

俺のイジメのリーダー格が、幻想郷にやってきたのだ

今までの辛い過去を思い出した

楽しい幻想郷の生活が一瞬で悪夢に変わった気がした

 

そこに怒りや悲しみは無かった

ただただ怖かった

 

「どうしたんですか流楠君?」

 

妖夢の声で一気に現実に引き戻される

その方は?っと妖夢は言った

 

「流楠の“親友“です、どうぞよろしく」

 

....親友?何を言っているんだ?

あんなことしておいて親友だと?

 

星空がこちらをちらっと見た

 

「ああ、そうだ」

 

普段出さないどす黒い声で言った

 

星空はこちらを見るなり狡猾な微笑を浮かべた

俺はありえないほどの殺意を覚えた

 

「俺泊まれるとこねぇんだ、泊めてくれない?」

「いいですよ?」

 

俺が答える前に妖夢が言った

久しぶりに妖夢に対して怒りが湧いてきた

しかし、妖夢は悪くない

気持ちをぐっと抑えて平常心を装う

 

白玉楼に帰る途中俺は思った

どうすればいいのだろうかと

頭に浮かぶ大量のハテナマーク

 

星空を追い出そうか、それとも星空を無視しようか

いやそれは出来ない、星空を怒らせると...

 

そんなことを考えている間に白玉楼まで着いてしまった

 

〜白玉楼〜

 

とりあえず星空を空き部屋に誘導した

俺は少し落ち着きを取り戻した

 

そして座っていた妖夢の前に立ち、言った

 

「妖夢、あいつは星空だ」

「えっ?ご、ごめんなさい」

 

俺の過去の話を思い出したのか、妖夢は俺に謝った

 

「どうしましょう、追い出しましょうか」

「いやそれは出来ない」

 

さらっとすごいことを言う妖夢を気づかないふりをしつつ、俺は言った

 

まぁ流石に幻想郷で俺をいじめるようなことをするのだろうか

多分大丈夫だと思うだが、今日だけは泊めて見るか

 

「まぁ今日だけは泊めて見ないか?」

 

妖夢は「流楠君がそう言うならいいですけど」と言い、承諾した

少し嫌な予感をしたが、仕方がない

 

〜朝〜

 

朝になった

朝日が眩しい晴天だ

 

するとドンドンと言う足音が聞こえてきた

 

「流楠君!私の腕輪知りません!?」

 

へ!?っと聞き返してしまった

 

「流楠まだ寝てたの?だらしない」

「早く起きろよ!もう昼だぜ!」

 

声の主は霊夢と魔理沙

あ〜今日は霊夢と魔理沙が遊びに来るって言ってたな

 

それはそうと、腕輪...か

妖夢のおじいさんから貰った大事な物って事だけは知っている

 

「あのさぁ〜それがなくなったのってこいつのせいじゃね?」

 

いつの間にか現れた星空が突然口を開いた

こいつ、っと言って指を指した先には俺がいた

 

...また....なのか?また俺は、あの嫌な生活が戻ってきてしまうのか?

そう考えるとこわい

 

「いや、そんな事するなんて思えません」

「確かに、流楠はそんなことできそうにないしね」

「あ?」

 

キレ始めているのがよくわかる

 

「逆にお前が一番怪しいぜ?」

「流楠は?」

「だからできそうにないって」

「なんでそんなこいつのことを信用するんだよっ!」

 

自分の予想と同じ行動をしなかった妖夢に腹が立ったのだろう

 

「ここの奴らはバカ野「黙れ」あ?」

 

俺を弁護してくれてた妖夢達をけなそうとしたことには流石に許せなかった

 

「俺とお前は親友だって?俺をバカしたくせに」

 

俺をバカにしたりする、理由がわからなかった

けど今ならわかる、俺はお前にとって都合が良かったんだ

 

「もう二度と俺の人生に関わるな」

「くっ!」

 

彼は血走った目で妖夢達を押し退けて、玄関の方に走って行った

 

「信用してくれてありがとう」

「いいですよ」

 

俺はいい友達を持ったなっと思った

 




後半ちょっと駆け足気味だったような気がする

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