元・英雄殺しがダンジョンにいるのは間違っているのか? 作:黒犬@ダクソ民
では8話どうぞ―。
「さて今日から俺も本格的にダンジョンに潜る…しかしベルの奴なかなか遅いなぁ…。」
バルバトスはベルと一緒にファミリアを出たが、ベルが知り合いに謝りに行くといったので先にバベルの前で待っていた。そこに…
「あっ…バルバトスさんおはようございます!」
「ああエイナ嬢か、おはよう。」
「今日からバルバトスさんもダンジョンですか?」
「ああ、ベルを今待っていてな…」
「そうですか…昨日さんざん言いましたが冒険者は冒険してはいけないんですよ!いいですね?」
「ああ了解した。君も仕事を頑張るようにな。」
「はい」
しばらく待っていると…
「バルさん!待たせてすみません!」
とベルが走りながらやってきた。昨日から名前が長いためバルバトスの事を略してバルさんと呼ぶようになった。何処かの殺虫剤ではない。
「別にいい、ところでそのバスケットはどうした?」
「ああ、これはシルさんが二人で食べてって持たしてくれたんですよ」
「献身的な娘だな…とはいえお前の好みが昨日のあの小娘の様な奴だとはな…」
「べ、べべべつに僕はあの金髪の人のことは…」
「誰も金髪の娘などと言ってないぞ…」
「しまった!」
「まあ、お前の好みだ別に俺が口を出すことではない。だが告白する時は男らしく堂々と行くといい。昨日の駄犬のようなのは嫌われるぞ」
「は、はい…」
流石「俺の女になれ」と直接的な告白をした狂戦士は格が違った(成功はしていない)。
「やはり、ただの洞窟にしか見えんな…」
「でもこのダンジョンの壁からモンスターが生まれるんですよ」
「そもそもそれが不思議だがな…」
彼のいた世界でもモンスターは居たが殆ど野生で育ったものだったため興味深そうに壁を見ている。すると…
「…ん?」
壁が盛り上がりそこからモンスターが生成される。
コボルトが3匹現れた。バルバトスはどうする?
「雑魚が…」
バルバトスが斧を軽く振るう。それだけでコボルトは分断され魔石になった。
「流石にバルさんにはコボルト程度じゃあ相手にもなりませんね…」
「流石にこのあたりのヤツらでは歯応えが無さすぎるな…ベルよ俺は先に行ってもいいか、俺はここのモンスターがどれぐらいできるのか試してきたい」
「はい、でも無理はしないでくださいね?」
「ああ、お前も自分と相手との力量を考えながらやれよ…」
そしてバルバトスはずんずん降りていく。そして8階層についた時前に人影が…
「誰だ貴様は道を塞ぐな」
「…悪いが俺と戦って貰う」
男は人では無かった、この世界では猪人と呼ばれる種族でありオラリオの絶対王者であった。当然来たばかりのバルバトスは知る由もないが…
(この男…今までの有象無象とは違うな…)
(対面して初めて分かるがこいつはlv1の覇気じゃない)
お互いがお互いに力量を肌で感じ取っていた。
「名前を聞いてもいいか?」
「…オッタルだ。お前は?」
「バルバトスだ…」
その言葉だけ交わすと2人とも武器を構えた。
(久しぶりに血が騒ぐ闘いが出来そうだ…)
たとえ狂っていなくともこの男は元から戦闘狂であった。最近は雑魚しか相手にしていなかったためフラストレーションが溜まって居た。
(何かほかの視線を感じるがまあいい…今はこの戦いを楽しむ!)
ちらりと何も無い空間を見るがすぐに視線を戻す。
(この子私に気がついている?)
バベルの一室で神の鏡で様子を観察していたフレイヤは少し寒気を感じた。先日たまたま街を見ていて、魂を観察したベルとバルバトスに目をつけた彼女は、まずバルバトスにちょっかいを掛けているのである。
(あの白髪の坊やの魂は純粋無垢な真っ白だった。まだ小さいけどいつかすごい輝きを見せてくれる…そして彼の魂は…)
(黒い炎が激しく燃えている。だけど…一点だけ金色の眩しい輝きがあった。それはあの坊やにも劣らないであろう輝きを感じた…)
「オッタル…彼を試してみて。どうすればあの輝きをさらに強められるか…」
そして…爆音と共に猛者と狂戦士の闘いが始まった。
へへっ、やっちまったぜ☆
戦闘描写は自信ないけど頑張ります。
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