元・英雄殺しがダンジョンにいるのは間違っているのか?   作:黒犬@ダクソ民

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皆さんおはこんばんぶらぁぁぁぁ!(挨拶)作者の黒犬です。
ここまで投稿してお気に入りが100件を超えたときにはうれしくて涙が出そうになりました。皆さんありがとうございます。これからもテンションに任せて頑張っていこうと思います。

今回は少し筆が乗ったので長くなってしまいました。
ああっ‼お客様物を投げないでください。


 では、第五話をどうぞ!

*一部修正しました


受付嬢は強し

 バルバトスがヘスティアファミリアの団員になってから次の日ギルドにて…

 

「おはようございます。エイナさん」

 

「ああ、おはようベル君…」

 

書類から目をあげると確かに最近自分が面倒を見ているかわいらしい冒険者が居た。だが、その隣に昨日見たインパクトの強い青髪の大男が居た。

 

「エイナ…だったかな? おはよう」

 

「お、おはようございます。バルバトスさん」

 

「じゃあ、エイナさん後はよろしくお願いしますね。僕はダンジョンに行くので」

 

「えっ!? ちょ、ちょっとベル君!?」

 

「いってきまーす」

 

そうしてベルは手を振りながらダンジョンへと消えていった。

 

「・・・・・・」

 

「エイナ嬢、冒険者登録がしたいのだが?」

 

「えっ!? はい…ってあなたは記憶を失っていたのでは?」

 

「俺のことは調べてくれたのだろう?」

 

「ええ、ですが特にこれと言った情報が出なくて…」

 

「やはりな俺はこの都市出身ではないらしい」

 

「ええ!? なんで…」

 

「ヘスティア…俺の今の神が恩恵を刻んだところほかの神の名前が出なかったらしいからな」

 

「ええ!? じゃあなんでダンジョンでミノタウロスを倒せたりなんか…」

 

「今から教えてやるからとりあえず冒険者登録のための書類を貰えないか?」

 

「は、はい…」

 

戸惑いながらとエイナが差し出した書類を受け取り書いていく。そして、書き終えた書類を再びエイナに差し出す。

 

「これでいいか…?」

 

「か、確認しますね。ヘスティアファミリア所属、バルバトス・ゲーティア、Lv7と…ん? んんん? あ、あのなんですか、このLv?って?」

 

「俺のレベルだが?」

 

「へぇ、そうなんですか…ってえぇぇぇ!?」

 

あまりの驚愕にエイナはつい大声をあげてしまう。

 

「騒がしいぞ、エイナ嬢…」

 

「す、すみません…」

 

「で、でもこれって本当なんですか? 別にバルバトスさんのことを疑うわけではないですけど」

 

「理由は俺にもわからんがどうもLvのところが読めなくなっているらしいそんなに信じられないなら確認するか?」

 

「い、いや。冒険者のステータスは秘匿情報ですし…それにここに嘘を書くメリットもないと思いますし…

 

便宜上Lv1にしておきましょうか。初めて冒険者になられたんですよね?」

 

「ああ」

 

この都市オラリオではファミリアにギルドへの納税が義務づけられている。高レベルの冒険者がいるファミリアほどより多くの税金を納めなければならないため、中にはわざと冒険者のレベルアップを報告しないで脱税を図るファミリアまであるほどである。そのため、エイナはバルバトスが嘘をついているように思えなかったのである。まあ、バルバトスの覇気に少し委縮していたというのもあるのだが…。

 

「ならば、これでいいか?」

 

「え、ええ。では、バルバトスさんには今から冒険者の講習を受けてもらいます」

 

「仕方あるまいが手短に頼むぞ」

 

「そういうわけにはいきません。バルバトスさんは確かに強いのでしょうがダンジョンにはたくさんの危険なことがあるんです。これだけは譲れません」

 

はっきりとエイナは言い放つ。

 

「ほう…いい目だ、信念を持ったいい目をしている。いいだろう、俺もここではビギナーだ。しっかりと講習を受けることにしよう」

 

その後、日が暮れるまでエイナの講習を受けたバルバトスなのであった。

 

 

 

 夕方になってダンジョンから白い髪の少年が出てきた。

 

「ふう、今日はなかなかたくさんのモンスターを狩れたぞ。これなら今日の夜のバルバトスさんの歓迎会のお金も大丈夫かな?」

 

「ベル、帰ってきたか…」

 

「あっ!バルバトスさんただいま。何かいいことでもありました?」

 

そこには満足そうな顔を浮かべて待っているバルバトスが居た。

 

「ああ、なかなかためになることをエイナ嬢から教えてもらってな。彼女はなかなか熱心だから助かる」

 

戦闘狂なこの男だが戦闘が絡む勉学なら特に苦にならないタイプである。

 

「す、すごいですね。あの講義を受けてそこまで余裕なんて」

 

「戦いは力だけでは勝てんぞ、戦い方を学ぶということも大事なのだ」

 

「へぇ~そうなんですか。あっ、そうだ。見てくださいよ今日はこんなに狩れたんですよ」

 

うれしそうな顔でバックパックに入った魔石を見せてくるベル。

 

「ほう、さすが成長期の小僧は違うな。これからも頑張るといい」

 

「はい!」

 

憧れている男に褒められるというのはやはりうれしい。男なら誰だってそうである。

 

「では、ファミリアに帰るとしよう。そのあと今日は外食するんだったかな?」

 

「はい、昨日勧められたお店があるので。バルバトスさんの歓迎会ですよ!」

 

「ほう、うれしいことだ」

 

そして、ホームへ帰りヘスティアを連れて「豊穣の女主人」へと向かう。

 

 

 

「豊穣の女主人」、冒険者の中でも有名な店である。この店少し値段は高いが味はよく店員も美しいため人気が高い。

 

「ベルさんっ。来てくれたんですね?いらっしゃいませ!」

 

店に入ってきたベルを見つけるとトタトタと近寄ってくる店員が一人。彼女の名はシル・フローヴァといいこの店にベルを誘った張本人である。

 

「はい、シルさんこんばんは! 僕のファミリアの人も一緒ですが座れますか?」

 

「ええ、カウンター席になっちゃいますけど」

 

「構いませんよ。神様とバルバトスさんもいいですか?」

 

「ああ、僕は構わないよ」

 

「俺も構わん」

 

その男が入ってきた瞬間、店の中の店員は全員その男を見た。今は斧と鎧を置いてきたバルバトスだがその存在感は圧倒的だった。この店の店員は訳ありの者が多く手練れであるためその男の存在感に気づいたのであった。

 

「ベルさんの主神様とファミリアの方ですか?」

 

「そうだよ、僕はヘスティアファミリアの主神のヘスティアさ」

 

「俺は新しくファミリアに入ったバルバトスというものだ」

 

「へぇ~、こちらのカウンター席へどうぞ」

 

三人は案内されたカウンター席に座る。カウンターの中にいた此処の主人であるミアが話しかけてくる。

 

「アンタがシルのお客さんかい? ははっ、冒険者のくせに可愛い顔してるねぇ、隣のアンタはずいぶんとガタイがいいねぇ、そっちの方は二人の主神様かな? まあ、とりあえずこれでも飲みな」

 

ドンッと三人の前にジョッキが置かれた。少し戸惑ったが気を取り直してヘスティアが音頭をとる。

 

「じゃあ、バルバトス君のファミリア入団を祝って…」

 

「「「乾杯」」」

 

夜は更けていく…

 

 

 

 




次回に関してはあらかじめ言っておきます。ベートファンの皆さんごめんなさい‼

では、また次回。

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