ロクでなし魔術講師と赤髪の天災魔術師   作:クッペ

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前半はオリジナル、後半は原作準拠です

しばらく投稿できないといったな?・・・あれは嘘だ・・・と思いたいです・・・

明日以降どうなるかはよくわかりません。とりあえず失踪はしないつもり


第一巻
第一話


――宮廷魔導士団特務分室室長室――

 

「イヴーーーー!」

 

 カインが朝から叫んで室長室の扉を乱暴に開け放ち

 

「イヴ!一ヶ月休暇頂戴!!」

「・・・なんなんだいきなり。しかも休暇を一ヶ月だと?」

 

 そうため息交じりにぼやくのは宮廷魔導士団特務分室室長、執行官No.1『魔術師』のイヴ=イグナイトである。

 

「なぜ急に一か月物休暇を要請してくる・・・お前ほどの魔術師を一ヶ月も休暇を取らせようとすると、それ相応の理由が必要になってくるのだが・・・」

 

「理由?兄さんの監視だけど?」

 

 さも当然というような言い草にイヴは、

 

「・・・は?」

 

 こう言い返すしかない。それもそのはずで、カインは彼の固有魔術の副産物である視力によって、常時グレンの監視をしていることを知っている数少ない人物なのだ。

 

「・・・とりあえず監視の理由を聞かせてもらおうか」

 

 知っているとはいっても、それでも監視をしなければならない重要な理由があるのだろうと思って、理由を聞いてみるが、

 

「今日から兄さんがアルザーノ魔術学院で非常勤講師になるんだけど、その仕事をしっかりとやってるか監視したいんだよ。兄さんの雇用期間は取り合えず一ヶ月っていう契約らしいから、俺も一ヶ月休暇取っていいでしょ?」

 

「・・・・・・」

 

 今度こそ絶句するしかなくなった。しかし絶句したのはカインの理由が予想していた物よりも酷いものだけではなかった。それでも大部分はその理由によるものなのだが。

 

(魔術学院で講師?あいつがか?)

 

 グレンが宮廷魔導士団から去った理由を知っているイヴからしたら、グレンが魔術学院での講師なんて仕事をする理由が思いつかなかった。

 

「ちょっと!?カイン君!勝手な行動取り過ぎ!あぁ、イヴ、ごめんなさい・・・カインが勝手に・・・」

 

「ちょっと!?勝手って酷くない?昨日相談したよね?」

 

「相談はされたけど、まさかこんな朝一番に室長室に乗り込むなんて予想できないわよ!」

 

「君たちは相変わらず仲がいいね本当に」

 

 イヴが目の前で繰り広げられている漫才を眺めつつカインに尋ねた。

 

「カイン。一ヶ月の休暇がほしいのは本当なんだな?」

 

「うん。本当だけど・・・くれるの?」

 

「もう少しまともな理由を用意してほしかったんだが、まぁ休暇の件は前向きに検討させてもらおう。ただし条件がある」

 

「条件って?」

 

「あくまで休暇でも理由は完全に認められるものではない。これからの一か月間で、君の力が必要になったときは、こちらの方を優先させてほしいんだ。君の戦力は特務分室でも群を抜いている。二代目『世界』からのお願いだから聞き入れないわけではないが、あまりこういった理由での休暇を取ろうとするのは勘弁してくれよ・・・それともう一つ、これはお願いなんだが」

 

「お願い?」

 

「元宮廷魔導士団特務分室執行官No.0『愚者』のグレン=レーダスにこちらに戻ってきてくれるように話してはくれないかね?彼が軍の仕事に向いていないことは重々承知していることなのだが、やはり彼の力もあってほしいものだからね」

 

「うーん・・・とりあえず聞いてはみるけど、あんまりいい結果は期待しないほうがいいかな?流石にあの一件の後に軍に戻ってきてくれって言っても、聞いてくれない可能性の方が高いわけだし・・・」

 

「イヴ・・・」

 

 隣で話を聞いていたセラ、は少し憤りを感じていた。あの一件はグレンの心に深い傷を作るものであったし、その原因になってしまった自分に対しても、そのことを知っていて軍に戻ってきてほしいと思っているイヴに対してもだ。

 

「その条件と、お願いを聞いてくれるのならば、お前の休暇は許可してやろう。あくまで特例であって、以降はこんな理由で休暇なんて出さないからな?」

 

「ありがとうイヴ!」

 

「ところでお前、どうやって魔術学院に入るつもりだ?それとグレンの監視といったがどうやって監視するつもりだ?その視力によっての監視じゃないんだろう?」

 

 アルザーノ魔術学院には特別な結界が施されていて、学院の学生、教授、講師などの学院関係者以外は、立ち入りが出来ないようになっているのである。それを知っているからなのだろう、イヴはカインにこう尋ねた。

 

「魔術学院の結界の事言ってるの?結界の事なら大丈夫。結界の術式を一部分解して吹き飛ばして、学院に入った後に戻すから。それと兄さんの監視だっけ?それは光学迷彩の魔術使って、姿見えないようにして、兄さんの講義やってるクラスに入り込むから大丈夫だよ。」

 

「「・・・・・・」」

 

 学院でグレンの監視の方法を聞いていたセラも、学院に入る方法までは聞かされてはいなかったようで、絶句していた。何も聞かされていなかったイヴの方が、ダメージは大きかったかも知れない。

 

 * * * * * * * * * * 

 

 特務分室での会合(?)のあと、早速学院に忍び込んだカインはグレンの担当クラスの2-2の教室に光学迷彩の魔術を使って忍び込んだが、まだグレンは学院に到着しておらずに授業開始時間を半分経過しようとしていた。

 

「遅い!」

 

 このクラスの主席の生徒だろうか?銀髪の少女がそう叫ぶと、

 

「まぁまぁ落ち着いて、システィ。きっと何か問題でもあったんだよ。それにしても本当に遅いね・・・どうしちゃったんだろう?」

 

 隣にいた金髪の少女が銀髪の少女を宥めていた。他の生徒もシスティと呼ばれていた生徒と感じていることは同じようで、大分いらだっている雰囲気も伝わってくる。

 

(初日から大遅刻って兄さん大丈夫なのかな?)

 

 カインがそう思っていると、クラスの扉は開いた

 

「悪ぃ悪ぃ、遅れたわー」

 

 そう言ってようやく到着した講師が気怠そうな雰囲気発し、なぜかずぶ濡れで擦り傷、痣などを身に纏った青年、グレンがやってきた。

 

(いったい何があったらそうなるんだよ・・・)

 

 半ば呆れながらカインがそう思っているとシスティと呼ばれていた少女がグレンに詰め寄って説教していた。そしてグレンが自己紹介し始めると授業を早く始めるように促していた。

 

(ちゃんと授業する気あるのかよ?)

 

 と、カインが内心思いつつグレンがおもむろに黒板に何かを書き始めた。何を書き始めたかと思えばそれは

     

                  自習

 

 その文字を見て

(やっぱり・・・)

 

 まともに授業をやると思っていなかったカインの予想通りまともに授業をやる気がないグレンがこう言った

 

「本日の一限目の授業は自習にしまーす。・・・眠いから・・・」

 

 そう言い放ちさっそく睡眠の態勢に入ると

 

 「ちょっと待てぇええええーーー!」

 

 と、グレンに対してシスティと呼ばれていた少女が教科書を振りかぶっていた。




なんていうか、イヴめっちゃ優しくなっちゃった・・・こんなのイヴじゃないと分かっているのですが・・・

そして駄文で申し訳ないです・・・

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