俺の霊圧は消えん!   作:粉犬

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月光校庭のエクスカリバー
Life.0


人気のない、どこかの国の山間部。

そこですさまじい光と爆音、振動が絶え間なく続いていた。

 

「オオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」

 

「チィッ!!!」

 

地を揺らすような気合いと共に打ち出された赤い光が、激しい轟音と共に直進し、着弾した地面が消失する。

しかし狙われた側の人物はそれを黒い翼を羽搏かせながら避け、お返しとばかりにビルと見紛う様な巨大な光の槍を投げる。

槍を繰り出された者は、逃げようとせずに、真正面から腕を突き出し受け止めた。

 

「ムッ?」

 

想定していたよりも数段強いその槍の威力に一瞬ひるむ。

しかしそれでもその槍を握りつぶす。

光が弾け飛び、周囲に張られていた結界が砕け散り、余波で結界で護っていたはずの山々の木々が根こそぎ吹き飛ばされ周辺の山3つ程が禿山になってしまった。

そして光が収まった後、槍を受け止めた人影は周囲を見回し、溜め息をつきながらぽつりとつぶやく。

 

「……逃げられたか」

 

懐から通信機の様なものを出し、操作をする。

 

『よお、どうだった?』

 

「すまん、逃げられた」

 

『チッ、あいつ腕上げやがったか? それをもうちょっとマシな事に使ってくれりゃあ苦労しないんだがな』

 

通信機越しの声は苛立たし気にそう言う。

 

「どうする。まだ追うか?」

 

『いや、あいつがやろうとしてることは大体わかった。聖剣だ』

 

「聖剣?」

 

『文字通り聖なる力を持った剣だ。教会で保管されていたものが盗まれた。奴は陽動だったって話だ。目がいってるうちにあいつの子飼いの部下が盗んだみたいだな。ったく、めんどくせえことしやがって……』

 

「よくわからんが、その聖剣が盗まれるとどうなる?」

 

『あいつに限って今更聖剣が欲しいなんていうことは言わんだろ。ってことはいつも通りってことさ』

 

「いつも通り?」

 

『戦争だよ。あいつは昔の大戦から未だに抜け出せてねえんだ』

 

「聖剣を火種に各勢力を刺激すると言う事か? ならさっさと止めなければ……」

 

『いや、奴が行く場所はもう大体検討が付いた。ヴァーリにも連絡を取ったから合流しろ。それにもう結構な時間拘束しちまったしな。お前もそろそろ戻るべきだろ』

 

「戻る? ……まさか」

 

『火種を起こすのに絶好の場所があるだろ? 魔王の血筋がいて、赤龍帝も目覚めたあの場所に、聖剣を携えて大暴れ…… まさにうってつけって話だ』

 

 

 

 

駒王町って場所はな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シリアスになっているところ悪いが、戦闘の煽りで山がだいぶ酷い有様になっている。どうすればいい?」

 

『後で雑用二人向かわせて適当に植林させりゃいいだろ。確か昨日調査終わったばっかだったし』

 

そんな会話が行われ、全く同時刻に背筋を震わせるゴスロリ堕天使と裸ボディコンスーツの堕天使がいたとかいないとか。

 

 




これからも番外編を書くであろうという発想から少し章の位置を変えています。ご了承ください。
本筋からすごく乖離している場合は番外編に突っ込みます。何となく時系列的に沿っていると本編の間に差し込みます。なので若干わかりにくいかもしれませんがこうした方が管理が楽なのでご理解のほどを……

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