って思ったあなた。
思い出してほしい、チャドが出てきたときのあの強キャラ感。
あの腕が変質する能力へのわくわく感。
ガンテンバイン戦で敵を圧倒する新しい能力の覚醒!
そして最終回では俺たちの中で一番の成功者発言!
何という主人公感! これはもはやBLEACHは茶渡泰虎の物語といっても過言ではない! そうですね? そうなんです!
は? 霊圧? 消える? 消えないって言ってるでしょうが!
そういうことでこの物語をはじめます。
暇つぶしに読んでいってね。
Life.0
これまであったこと、長くもないけど聞きなれたことであろうと思うので三行でまとめる。
ぐああああああ、唐突の死! 悲しい!
神様テヘペロ話題のミスって殺人!
転生させることになったけどちょっとばかし危ない世界だから戦える力を与えて進ぜよう!
「して、望む力はあるかね?」
白いローブの様な服を着た。白髪白髭、後光の射す老人。
絵にかいたような神様が目の上にたんこぶを作りながら威厳たっぷりにこちらに問いかける様は若干笑える。
「そのたんこぶ作ったのお主じゃけどな? こっちに全面的に非があるから強くは言わんけど神様だっつってんのに殴りかかる人間なんてそう居ないからな?」
おやおや、これまた絵にかいたような青筋がぴくぴくと……
その年であんま力入れると簡単に逝っちゃうぜ。
「人の神経を逆なでるでないわ。というかちゃんと口を開け口を。その口は飾り物か」
「考えてりゃ伝わるってのは中々便利なもんだからなぁ。で、なんだっけ? 魔法少女になりたいからどうにかしてくれだっけ?」
「違う。何でわしがそんなことをお主に相談するんじゃ。というかそのネタはまだ先じゃ」
「ネタ? いや、まあいいや。タケノコの素晴らしさがとても尊いんだっけ?」
「違う、というかわしはキノコ派じゃ」
「あ゛? 邪教徒かよ」
「お゛? わしに邪教言うかアホ。って違う。一々話を逸らすな、どんな力を望むかと聞いておるのじゃ」
力、力ねぇ……
「あ、じゃああれ。BLEACHのチャドの能力がいい」
「お、おう…… 良いんかあれで。斬魄刀全部使わせてくれー! とか言うやつもいるんじゃろ? 世の中には」
「いや知らんが。ていうか良いだろチャド。かっこいいだろチャド。登場時とかめっちゃ強そうな感じだったろチャド。最終的には超有名人だろチャド。プロボクサーだぞ。同年代で一番大成功と名高いチャドさんだぞ」
「あんなバトルマンガの世界で普通のボクサーに落ち着く当たりどうなんじゃと思わんでもないが…… ていうかぶっちゃけそれだけだとかなりキツイぞ?」
「そもそもどんな世界なんだよ。あるだろなんか、この漫画に似た世界だ! とかそんなん」
「あー、どうじゃったか…… うん? うむ? うーむ、ないな。特にない。とにかく割と死にやすい世界じゃ。ただ適当にお主を入れ込みやすい世界をピックアップしただけじゃからの」
「あいまーい。えー、じゃあ虚化でもできるようにしてくれ。なんか虚に近い力とかだっただろあれ」
「なる程、まあ世界観的にそっちの方がいいかの。あの仮面をこれに位置付ければ…… あ、そういえばお主次は人間が良いか? フジツボでもよいぞ」
「ふざけんなよ、チャドの力を持つ虚化できるフジツボいたら生態系の危機だわ。地球大事にしろよ」
「普通に嫌だと言えんのかお主は…… まあ良い冗談じゃ。それにこうするからには人間じゃなきゃの」
「なんかいった?」
「いっちょらんわ。さて準備完了じゃ。さあ行くがよい。わしに一切敬意を払わぬ近年でもまれに見る不信心者よ」
そうあきれ顔を隠そうともせず言い放つと、俺の足元の地面が急に消失し……って。
「うぉぉぉ、また殺す気かじじいぃぃぃ……」
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「ようやく行ったか」
段々遠ざかる声に一つ溜め息をつきつつ、椅子に深く腰掛ける。
数千年ぶりに起こしてしまったミスにて殺してしまった人間を他の世界に流す。
幾億の世界を管理していればまあたまにやってしまうこともあるのである。
「しかし、久々の騒がしさじゃったな。ついつい雑談をしてしもうた」
どこにでもいるようで、そうは居ない少年だった。
たった数分のやり取りではあったが数年来の友人のごとく話しやすい。
こんな特異な状況において自分らしさを崩さない。
そんな人間は中々居ないものなのだ。
「それに」
右目の上を軽く撫でる。
少々腫れたその部分はジンジンと痛みを訴えている。
「解っておるのかのぉ。この空間において神を殴るということが、いや
面白い少年だった。もう会うことはないだろうが、偶に彼の活躍を覗くことも悪くはないかもしれない。
「神は人の生を楽しむものと人は教えずとも知っておる。せいぜいしっかりと生きていくがよい」
そこは神話が息づく世界、天使や悪魔が平然と闊歩する世界。
そこは神すらも死にうる世界。
神が死んだからこそ転生という手段が容易だから選んだが、まあ彼ならばうまくやるだろう。
「さて、仕事を続けるか」
そう呟く、神はと山積みになった書類に向かいペンを動かす作業に戻るのであった。
to be continued…
意味深なセリフ製造機おじいさんことGODはこの回にてクランクアップです。
花束贈呈して送別会してフィニッシュです。
多くのファンがいるでしょうが盛大な拍手でお見送りいただきたい。