人類最強の英雄 ~神の血筋じゃ無くても怪物ぐらい倒せるよね~ 作:刻神 翡翠
目が開く、知ってる天井だ
「うぐっ⁉︎此処は、俺の部屋か?」
「ああ、そうだ、爺さんに聞いて連れて来させてもらったよ」
俺が声に驚き振り向くとそこには俺が呼び出したサーヴァントが居た、地下は暗く見えなかったが今ならよくわかる、
「えっと、俺が呼び出したサーヴァント、でいいんだよな?」
「ああ、違いない、俺が君の呼び出したサーヴァントだ、ふむ自己紹介でもしないか?俺は英霊と呼ばれているらしいが、感性は唯の人間だからな」
セイヴァーはそんな事をいいだした、まあ自己紹介はバーサーカーで無いと知った時からコミュニケーションの一歩目として必要だからしようと思ってたんだ、予定が早まったと考えよう
「俺の名前は間桐 雁夜だ、聖杯戦争に参加した目的は桜ちゃんを救う事だ」
「ふむ、桜ちゃんとは家に居た少女の事か?」
なるほど、俺が倒れている間に接触して居たらしい、なら説明は簡単だ
「ああ、その子であってる、俺はその子に魔術師としてでは無く、普通の女の子として幸せになって欲しいんだ」
「ふふっ」
?
「何がおかしいんだ?」
「いや、実に人間らしいと思ってな、個人的に魔術師は嫌いだったんでね、これは思わぬ収穫だ」
魔術師が嫌い?何か生前に嫌な記憶でもあるのか?
「さて、俺の番か俺の名はアルフェ、アルフェ・ルルーシャトーだ、好きなものは肉、梨、魚とかだな、嫌いなものは魔術師、王族、トマトだな、まあ基本的にはセイヴァーと呼んでくれ」
「普通だな⁉︎トマト苦手なのか⁉︎ってアルフェ・ルルーシャトー⁉︎ギリシャの三大英雄の1人じゃ無いか⁉︎ほ、本当なのかッ⁉︎イタタ・・・」
俺はあまりのことにベットから飛び起きようとして、身体に走った激痛に再び倒れた、そうだった俺は死にかけだったんだ
「マスター、あまり騒ぐと身体にさわるぞ?」
「いや、アルフェ・ルルーシャトーなんて名前が出てきたら
彼奴の家系のうっかりは知り合いはみんな知ってるからな、重要な事になればなるほどうっかりが酷くなるからな、うっかり味方に裏切られて死ななければいいが
「ああ、そうそう君が聖杯戦争に参加した理由が知りたいんだ詳しく、な?桜に関わる事は分かっているのだが」
「ああ、聞いてくれ、俺の聖杯戦争に参加した理由を・・・」
俺は臓硯から桜ちゃんに対して行われた非道な事やこれまでの経緯を話した
「なるほどな・・・それが君が聖杯戦争に参加した理由か」
あの爺さんはとんだ化け物だったわけだ・・・が、あの爺さんは何故そこまで不老不死にこだわるんだ?
「雁夜は何故あの爺さん、臓硯は何故不死を求めて居るか、知って居るか?」
「理由?いや、聞いたこともないし、考えたこともないな・・・ところでなんでそんな事を?」
ああ、確かにマスターの言うとうり最初から外道だったかもしれない・・・だが
「ああいった輩には3つのパターンがあってな?一つが雁夜の言う普通の外道、不死を求めてどんなことでもやらかす一般的なタイプだ」
「ああ、映画とかにも出てくる奴だな」
コレには当てはまらない、何故なら雁夜を嬲る必要も無ければ、今回の聖杯戦争に参加する意味も無いからだ
「次に死への恐怖で不死を求めるタイプ、このタイプは不死がなかなか実現しないと周りに危害を加え始める」
「あー、つまり焦って周りに八つ当たりしてるって事だな」
バッサリ言ったな雁夜
「最後に、何か目的があってそれを目指すのには時間が足りず、不死を目指しその途中で魂が腐るタイプ、臓硯の様に魂を別の生物に移し替えると魂が劣化し腐りやすくなる」
「セイヴァー、お前はこのタイプだと、考えてるんだな」
おっとまさか雁夜に表情を読まれるとは、まだまだだな
「なんとなく、だがな似たような奴を見たことがあってな」
「なるほど、ところでなんで俺がセイヴァーみたいな有名な英霊を呼べたか知らないか?」
雁夜・・・中々良いところに目を付けたな
「その理由は此奴だ」
俺が持ち上げた其奴を雁夜はマジマジと見て・・・?マークを浮かべた
「えっと、此奴って俺が召喚前に会った猫か?やたら毛並みが良かった」
「ああ、俺の飼い猫だからな」
そうか、アルフェ・ルルーシャトー程の英霊のペットなら・・・は?
「待て待て待てぇ⁉︎少なくとも数千年前のペットだよな⁉︎なんで生きてるんだよ⁉︎」
「ああ、それについては此奴が説明するから、ほれフィル説明してくれ」
セイヴァーがそう言うと猫は床に降りて突然輝いた
「はい、今から説明いたします間桐 雁夜」
美少女がそこに居た、イメージとしては髪を結んでいないだぼだぼの黒いローブを着た大きめな凛ちゃんと言うのが正しいか
「えっ?」
「えっ?とは失礼ですね間桐 雁夜、猫が人になれておかしいですか?この国には猫又や化け猫と言う私と同じように人になれる猫が居たはずですが」
随分毒舌だなこの子、言ってることからしてさっきの猫だと思うのだが
「ああ、失礼しました、私はマスターの飼い猫でシェフィールド・ニニャータと言います、間桐 雁夜これからよろしくお願いします」
「・・・えっと、よ、よろしく?」
あまりの事に俺はかなり固まってから反応してしまった
「フィル、お前の容姿は目を引くからしばらくは桜の世話を頼むぞ」
「マスター、私の事を説明するんじゃなかったんですか?」
「・・・ソウダッタネ」
カタコトって英霊って非人間だと思ってたけどそうじゃなかったんだな
「ともかく、私が数千年生きて居る理由について説明します、簡単に言えば・・・
私が魔法使いだからです」
・・・魔法使い?
「魔法使いってアレか、虫ジジイが言ってた世界に今は5人しか居ないとんでも無いことができる魔術師の上位職みたいな」
「まあ、間違っては居ませんが私は認知されてませんけどね、現在生きて居る?魔法使いはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ、蒼崎 青子の他には私は知りません、また魔法には第6までの魔法がありますが私は第2、第3そして私だけの力、第7魔法を行使出来ます」
は?
「待ってくれ、つまり君は不老不死なのか?」
「ええ、そうです故に私は数多の時を生きてきました、つまり聖杯が無くても私が居れば桜を救えます」
・・・マジか
「ええ、マジです、ついでに言えばあなたの体を治すことも可能です」
「なっ⁉︎この体が治るのか⁉︎」
虫に体を食わせて魔力を作り出している、この体が⁉︎
「ええ、どうします?直します?私はどちらでも構いませんよ」
「字が違う気がするけど頼む」
「ともかく、雁夜には魔術は覚えてもらうがな、今日中に・・・」
何か不穏な言葉が聞こえた気が・・・
「始めるから横になって貰えますか間桐 雁夜」
「ああ、わかったけど間桐 雁夜ってフルネーム呼びはやめてくれないか、間桐の苗字は嫌いなんだ」
「ええ、わかりました雁夜」
彼女は微笑みながらそう答えた、中学生ほどの体ではあるが美しい顔立ち故に顔が熱くなる・・・欲情なんてしてないぞ、絶対に