人類最強の英雄 ~神の血筋じゃ無くても怪物ぐらい倒せるよね~   作:刻神 翡翠

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FGOのイベントをしていていろいろ浮かんだので書きました

それより

イリヤが出ないよおおおお

っと本編をどうぞ


雁夜伝説を呼び覚ます

ある男の話をしよう

 

人故に幸せを願い、誰よりも努力した男の話を

 

彼は神代のギリシャにて産まれ、その天性の運と人としての魅力で神に気に入られ、戦う力の第一歩を手に入れた

 

しかし彼は神より授かった武器だけでは満足しなかった、これではまだ大切なものを守りきれないといい、飼い猫と旅に出た

 

初めてついた場所はバビロニアと呼ばれた場所、其処で彼は当時の王の出した難儀をいくつもこなしある程度の強さとその地に伝わる神の弓を手に入れた

 

次についたのはインドと呼ばれる場所、彼は其処で師と呼べる人物に出会い、奥義を授かった

 

さらに着いたのは北欧、彼の地にて主神とその兄弟により神の剣を手にいれ、ルーンと呼ばれるものを知り、それを習った

 

それからしばらく、彼は名も無き島に辿り着き2人の女神と1人の男神と出会った、男の神は軍神と呼ばれる存在だったが彼には敵わなかった、女神達は月の祝福を得た首飾りを彼に渡した

 

彼が最後に辿り着いたのは天界と呼ばれる地、聖書なる神話の神と対話し悪魔を打ちのめし神より生命樹の一部を杖として賜った

 

そして彼はギリシャに戻り街で人々と幸せを紡いだ、時にはたわいない話をし、時に英雄の武器を鍛え、賑やかに過ごした・・・あの日までは

 

その日、ギリシャの人々は震え絶望した、主神たるゼウスの滅ぼしたはずの怪物のテュポーンが蘇ったからだ、しかし彼は諦めなかった、己の信念を貫き純粋な人にも関わらず怪物を討ち果たしたのだ・・・己の命を代償にして

 

怪物は最後の最後に彼を呪った、強力にて悪質な衰弱の呪い、さらに追い討ちをかけるがごとく街を幾万の龍や獣が襲ったのだ・・・しかしそれでも彼は立ち向かった

 

伝承に曰く、彼は大切な者を、己の故郷たる街を守る為に幾万もの龍や獣などに挑み街を背に全ての敵を滅ぼして立ったまま命を落としたと言う

 

彼が死にその直後、世界が悲しむかのように数日間雨が降り続いたそれは世界を一度飲み込み、殆どを滅ぼしたと言い伝えには残っている

 

怪物を滅ぼし、街を救った英雄、彼はヘラクレス、アキレウスと並びギリシャの三大英雄てして非常に幅広く知られている

 

かの者の名を

 

アルフェ

 

アルフェ・ルルーシャトーと言う

 

人類最強の英雄より抜粋

 

冬木市某所

 

「ぐっがぁぁぁっ‼︎」

 

「全く、桜を救うのでは無かったのか、つまらん奴じゃのう」

 

苦しむ男をよそに年老いた翁は其処を去った

 

「ぅぅ、時臣ぃぃ、あグッ⁉︎違うっ‼︎時臣は関係ない‼︎俺は、俺は桜ちゃんを・・・

 

救ってみせる‼︎」

 

男はぐらつきながらも陰湿な地下を出て行く

 

「どうせ、召喚に失敗したら二度と見れないんだ、一度位はゆっくり街を見てみるのもいいか」

 

男はゾンビのように崩れた顔を隠す為にマスクと深いフードを被り外に出る、辿り着いたのは柳洞寺と言われる寺、その階段の途中から街を見下ろす

 

「この街、こんな綺麗だったんだな・・・」

 

夜にも関わらず美しい街を見て、ぽつりとそんな言葉が出て来た

 

にゃあ

 

声を聞き足元を見ると黒猫が居た、野生の猫だろうか、それにしては毛並みがいい

 

「っと今日はサーヴァント召喚の日なんだ、帰らなきゃな」

 

男は帰路に着く、猫はそのまま男を追いかける

 

「なんだ、ここまで着いてきたのか、やめた方がいいぞ、此処には動物や人間さえ喰う妖怪ジジイが居るんだ」

 

しかし猫は男の肩に乗り意地でもついて行くという意思をみせる、男は仕方なく猫を連れて地下に降りた

 

「なんじゃ、猫なんぞ連れて来おって」

 

「この猫が付いてくるって聞かなくてな、ジジイ始めるんだろ」

 

猫は翁を見ても興味すら湧かないと言う様に無視した、翁は眉を顰めそれでも時間が迫って居るので儀式を始める準備を始めた

 

「雁夜よ分かっているな?」

 

「ああ、俺みたいな半端者だとサーヴァントのステータスがかなり弱くなるから、呪文を加えるんだろ」

 

すると翁は男、雁夜の返答に満足した様ださっと魔方陣から退いてしまった

 

「さて、時間じゃな始めよ雁夜」

 

「ああ

 

素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

祖には我が大師シュバインオーグ。

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

ーーーーーAnfang(セット)

ーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー告げる。

ーー告げる。

汝の身は我が元に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世全ての善と成る者。

我は常世全て悪を敷く者。

 

されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。

汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手操る者ーー。

 

汝三大の言霊を纏う七天。

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーー!」

 

雁夜は唱え終わると、すぐさま膝を着く

 

「グッガハッ⁉︎がぁあぁあアアァア⁉︎」

 

時臣・・・悪いがお前なんかに構ってられるか‼︎俺が今、一番大切なのは桜ちゃんなんだ‼︎

 

「桜、ちゃん、を救、うんだ・・・絶対に」

 

そう口にしただけでも活力が湧いてくる、まだ動ける

 

しかしそれは唐突に起こった

 

「む?なんじゃ⁉︎」

 

俺の足元に居た猫が陣に触れた瞬間、光がさらに集い、一つの人型を作り出した

 

「ふむ、妙な所に呼び出されたものだ、っと挨拶をしなければな、サーヴァント救済者、君の声に応えて参上した、問おう君が俺のマスターか?」

 

俺の呼び出したのは銀髪金眼の男だった、サーヴァントに真名を聞こうとして、体に力が入らずに倒れた

 

「む?マスター⁉︎大丈夫・・・では無さそうだな、さて何処に運んだものか」

 

そんな呑気な声を聞き、俺は意識を手放した

 

俺はまだ知らなかったのだ、自分の呼び出した英霊が全サーヴァントトップクラスの実力を持つなど、さらにはそのサーヴァントがコレから聖杯戦争の中心に立とうなどとは、まだ欠片も考えて居なかったのだ


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