神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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どこかの誰かの未来の為に







第53話 大人への階段

「あり得ない……!こんな事絶対に有り得ない!!!」

 

旅館の客室の一つにて激しく激高する紫の髪の少女。

彼女が見ている投影型モニターには、自分達が所有する監視衛星から持たされた映像が映っている。

モニターの向こうでは、佳織達が黄金に煌めきながら福音を見事に撃破した様子が映っている。

 

「なんなんだこれは!こんな現象……絶対におかしい!!」

「だが、彼女達は実際に福音を倒す事に成功した。これは覆しようのない事実だ」

「しかし……!IS同士が操縦者ごと融合し、分離するなど…!明らかに物理法則に真正面から喧嘩を売っているとしか思えません!」

「まぁ……そうだろうな」

 

紫の少女は違い、どこまでも空虚な反応しかしない金髪の少女。

 

「ISに関しては私よりもお前の方が詳しいだろう?お前はどう思うんだ?」

「……私が知っている限りでは、通常のISにあのような機能は備わっていません」

「通常…。ならば、通常ではないISならば備わっていると?」

「それは……」

 

急に口籠る少女。

言いたくないではなくて、本当に分からないのだ。

 

「いや……待てよ?もしやあのISには……『アレ』が……?」

「どうした?何か心当たりでもあるのか?」

「一つだけ…。ですが、可能性としては非常に低いと思われます。それに……」

「それに?」

「もし、私の予想が正しいのであれば、私達はアイツよりも後手に回っている可能性があるかと……」

 

それを聞いた途端、金髪少女の眉間がピクっと反応した。

 

「こちらの動きを読まれていたと?」

「そこまでは……。多分、何らかの対抗策の一つとして考えていたと……」

「そうか……」

 

それだけを言って、彼女はゆっくりと立ち上がる。

 

「では、そろそろチェックアウトの準備でもするか」

「戻られるのですか?」

「あぁ。佳織の勇姿を見る事が出来た。今回はそれだけで満足だよ」

「………了解しました」

 

佳織の名が出た途端、紫の顔の少女の顔が嫉妬に歪む。

 

(何故だ……!何故、仲森佳織だけが大佐に!)

 

彼女の心の内を知ってか知らずか、大佐と呼ばれた少女はいつもと変わらなぬ顔で振り向く。

 

「向こうに帰ったら、お前が言った『アレ』について聞かせてもらうぞ」

「了解しました」

 

紫の少女は綺麗な敬礼をして応えた。

 

「なら、さっさと浴衣から着替えてしまおうか」

「わ…私は室外に出ております!ごゆっくりとお着替えください!」

 

顔を真っ赤にして部屋の外に出る。

 

「………意外なところで初心な奴だな」

 

目をパチクリとさせてから、彼女は浴衣を脱いで着替え始めた。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 救出に成功した福音のパイロットと急に気絶した佳織を運んで、一夏達専用機持ち達は無事に旅館に隣接している浜辺へと帰還した。

 

浜辺には既に千冬と真耶が待っていて、皆の事を優しい顔で出迎えた。

 

「そちらの様子はモニターで見ていた。……よくやったな、お前達」

「姉さん……」

 

いつもとは打って変わって、かなり優しい言葉を言う千冬に、全員が目が点になった。

 

「な…なんだ?」

「千冬さんが優しい……」

「凰。どうやらお前は今から浜辺100周ランニングをしたいらしいな。感心な事だ」

「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

実に見事なジャンピング土下座を披露する鈴。

どのような状況であろうとも、千冬に冗談は禁句なのだ。

 

「そ…そうだ!佳織が!」

「それなら大丈夫だろう」

 

シャルロットが抱えている佳織の顔を撫でた後、手首を触って脈をみる。

 

「矢張りな」

「え?」

「佳織は単純に、今までの疲労とダメージが蓄積して気を失っただけだ」

「き…気絶?」

 

千冬の簡易的な診断に、一気に気が抜ける面々。

 

「よく考えて見ろ。佳織は福音とほぼ三連戦で戦ったも同然で、更にはずっと海の中にいたんだぞ?寧ろ、戦闘中によく体を持たせたと心配を通り越して感心してしまった程だ」

「そ…そう言えば……」

 

あんな危険な戦いを三回も連続ですれば、千冬とて唯では済まない。

それをまだ子供である佳織がやってのけたのだ。

戦闘が終了すれば、今までの疲れがドッと出るのは自明の理だった。

 

「とはいえ、今すぐにでも休ませなければいけないのには変わりないがな。と言う訳で……」

 

千冬は半ば無理矢理に近い形でシャルロットから佳織を受け取った。

 

「佳織は私が運んでおく」

「「「「「「「えぇ~~~~!?」」」」」」」

「異論は認めん。お前達も念の為に体を診断してもらえ。決して無傷と言う訳ではないんだからな」

「あ……あの操縦者の方は私が預かりますから。皆さんは一回休憩をしてから診断を受けてくださいね?」

 

そう言いながら、真耶は箒が抱えていた福音のパイロットを受け取った。

 

(……意外と力があるんだな)

 

箒がそう思ってしまったのも無理は無かった。

しかし、真耶とて嘗ては日本の代表候補生だった女。

これぐらいは楽勝だった。

 

「そう言えば姉さんはどこに?姿が見えませんが……」

「束ならば、お前達が福音を倒した直後に嬉しそうにしながら何処かに去ってしまったよ。全く……アイツは何を考えているのやら……」

 

ぶつぶつと文句を呟きながら、千冬は旅館に向かって歩き出した。

 

「あ!そ…それじゃあ、行きましょうか?」

 

慌てて千冬の後を追う真耶の背中を見ながら、一夏達も旅館に戻る事に。

こうして、福音との戦いは終わりを告げたのだった。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 診断に行った一夏達とは真逆の方向に歩いている教師二人。

その顔は安堵と共に困惑が混じっていた。

 

「さっきは皆の事を考えて言いませんでしたけど、あの時…あの子達に起きた現象は一体何なんでしょうね…?」

「私にもさっぱり分からん。ISには未だに謎な部分も多いが、だからと言ってあんな奇跡染みた現象が起きるものなのか…?」

 

福音との戦いの最終局面で起きた謎のパワーアップ。

佳織達のISが黄金に光出したと思ったら、いきなりの融合。

更にそこから分離して、佳織以外のISも極限までパワーアップしていると言う始末。

もしもISを研究している科学者連中が見たら、卒倒する事は間違いないような光景のオンパレードであった。

 

「ここに束がいたら真っ先に聞くんだがな」

「いなくなっちゃいましたからね…」

 

あれから束の姿は全く見ていない。

まるで最初からいなかったかのように影も形も無い。

 

「仲森さんはどこに運ぶんですか?」

「布仏が寝ている部屋でいいだろう。あそこは女将さんに無理を言って借りた部屋だからな。佳織もゆっくりと休めるだろうさ」

「なら、私はどこか空いている部屋が無いか聞いて、あったらそこに彼女を寝かせようと思います」

「分かった。頼んだぞ」

「はい」

 

真耶は少し早歩きをして廊下の向こうに消えていった。

 

「さて、行くか」

 

佳織を起こさないようにゆっくりと歩く千冬。

 

「また……お前に助けられたな……」

 

本当なら感謝したいが、今の佳織の体は本当に傷だらけで、素直には喜べない。

 

「寝かせた後に診察をしてもらうべきだな」

 

急がず騒がずを厳守しながら歩いて行くと、やがて本音が寝ている部屋へと辿り着く。

 

「む……しまった。この状態じゃドアを開けられない」

「じゃあ、私が開けてあげるよ」

「済まんな。……って」

 

いつの間にか束が隣にいて、ドアノブを握っていた。

 

「お前……今までどこにいた?」

「トイレ」

「は?」

「いや~…急に束さんのお腹がエマージェンシーコールを出してね。急いでトイレに向かって発進したのですよ」

「はぁ……」

 

呆れて物も言えない千冬。

深刻に考えた自分が急に馬鹿馬鹿しく感じた。

 

「取り敢えず、開けろ」

「は~い」

 

部屋の中に入ると、部屋の中央に敷いてある布団に本音が静かな寝息を立てながら寝ていた。

 

「ぐっすりだね~」

「泣き疲れたんだろう。佳織が倒されて一番錯乱していたのはコイツだしな」

 

本音の顔にはまだ涙の跡が見える。

それだけ彼女は泣いたと言う事だろう。

 

「束。佳織の分の布団を敷いてくれ」

「りょ~か~い」

 

言われた瞬間に束はそそくさと押し入れの襖を開けて、中にある折りたたまれた布団を取り出して丁寧に敷いていく。

 

「ほい完了」

 

佳織を寝かせやすいように掛け布団を捲る。

 

「って、そのまま寝かすの?」

「仕方あるまい」

 

佳織の今の恰好はズタボロになったISスーツ姿。

所々に破れてもいて、肌が露出している。

 

「本当なら今すぐにでも脱がして着替えさせたいが、そんな事をしたら佳織に嫌われそうだしな……」

「……正直言うと、私もさっきからずっと欲情してます」

「襲ったりしたら殺すぞ?」

「………ダイジョーブダヨ」

「目を見て言え」

 

オドオドしながら目線を逸らす。

冷や汗をかきながら、お約束のように口笛まで吹いている。

 

「あ、そうだった。すっかり忘れてたよ」

 

佳織の首に掛けられたリヴァイヴⅡの待機形態を取り外す束。

 

「おい……お前は何を…」

「何をって。今回の戦いでかおりんのISはかなり破損したでしょ?多分、IS学園の設備じゃ修復は難しいと思うんだよね」

「で?お前が修復をすると言うのか?」

「その通り。かおりんのISは作れなかったけど、これぐらいはしたいしね」

 

リヴァイヴⅡの待機形態をポケットに入れて立ち上がる。

 

「私は早速、機体の状況を見てみるよ」

「そうか。頼んだぞ」

「任せておいてよ」

 

サムズアップをしてから、静かに部屋から出て行った。

それを見送ってから、千冬は寝ている布仏と佳織に目をやった。

 

「……今回だけは譲ってやる」

 

最後に佳織の頭を撫でた後、千冬も部屋から出て行った。

 

部屋には二人の寝息だけが聞こえていた。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「ん………?」

 

体の痛みによって、私は目が覚めた。

 

「……ここは……」

 

目の前に移っているのは、見覚えがある……ような無いような。

 

「あ……旅館の天井だ」

 

思い出した。

ここって臨海学校で泊まっている旅館じゃん。

 

「私………」

 

皆と一緒に暴走した福音を倒しに行って、色々とあって一回倒されてから……。

 

「あの人に会ったんだっけ……」

 

あれは夢かもしれない。

それでも、あの人から貰った言葉は幻じゃない。

確かに私の心の中に刻まれている。

 

「そんで、福音と戦っている皆を助けに行って……」

 

いきなり意味不明な現象が起きて、夢中に戦っている内に福音を倒す事に成功したんだっけ。

 

「本当になんだったの……あれ……?」

 

神の仕業か、それともISコアに秘匿された機能的なものか……。

 

「……考えてもしゃーないか」

 

よく見たら、私って今布団に寝てるし。

誰がここまで運んできたんだ?

 

「これ……」

 

腕とか頭に包帯が巻かれてる。

多分、臨海学校に一緒に来ている保健の先生が治療してくれたんだろうな。

 

「明日にでもちゃんとお礼を言わないと……」

 

つーか、私ってISスーツのままなんですけど?

寝かせてくれたのは嬉しいけど、上から何かを羽織らせるぐらいはしてくれてもいいんじゃない?

 

「贅沢は言うもんじゃない……か」

 

ここまでしてくれただけでも充分に有難いしね。

 

「着替え位は自分でしますかね…っと。痛たた……」

 

うぐ……!思った以上に体に響くな…!

前に全身筋肉痛になった時以上にキツいかも……。

起き上がるだけでも大変だ……。

 

「う~ん……?」

「え?」

 

隣……本音ちゃんが寝てた。

状況判断する事に夢中で気が付かなかったよ。

 

「かおりん……?」

「起こしちゃったかな…」

 

だとしたら悪い事をしたな。

 

「……そういや、なんで隣に本音ちゃんがいるの?」

 

それ以前に、ここって私達が泊まっている部屋じゃないよね?

空いている部屋を使わせて貰っているのかな?

 

「か…かお……りん……?」

「あ…………」

 

ヤバ。本格的に起こしてしまった。

 

「かおりn「シ―――――!」むぎゅ……!」

 

どれだけ寝ていたのかは知らないけど、もう外は完全に夜になっている。

ここで大声は出しちゃいけない。

 

「今は夜だから静かに……ね?」

 

小声で言い聞かせると、本音ちゃんはコクコクと頷いた。

 

「よろしい」

「プハッ~!」

 

苦しかったかな?

もう少し隙間を空けとけばよかった。

 

「……かおりん…」

「本音ちゃん…?うわっ」

 

い…いきなり抱き着かれた……。

 

「よかった……かおりんが無事でよかった……」

「本音ちゃん………」

 

体が震えてる……。

彼女の涙が私のISスーツを濡らす。

 

「本当に……よかったよぉ~……」

「心配させて……ごめんね……」

 

彼女を慰めるように、私の方からも抱き返した。

いつの間にか私の目からも涙が零れていた。

 

「私……むぐ……?」

 

……キスされた。

あまりにもいきなりすぎて、頭の中が真っ白になった。

 

「んん……」

「んちゅ……」

 

自然と本音ちゃんに合わせて、私も目を瞑っている。

私は彼女に流されるがままキスを続ける。

 

少しして、お互いの唇が離れた。

 

「私……かおりんから離れたくない…。貴女を……感じていたい……」

「本音……ちゃん……」

 

頬が真っ赤に染まって、目がうっとりとしている。

その表情が凄く妖艶に見えて、胸がドキッと高鳴った。

 

「ん……れろぉ……」

「ちゅぅ……」

 

また私達の唇が重なる。

今度は互いの舌が絡み合い、所謂ディープキスになった。

 

私の舌に乗って私の唾液が本音ちゃんの口の中に入って、それと入れ替わるように本音ちゃんの唾液が私の口の中に入り込む。

唾液と唾液が混じり合って、唇の端から流れて布団に落ちる。

 

そのまま、本音ちゃんが私を布団に押し倒す。

フカフカの布団だったから、傷以外には痛みを感じなかった。

もしもこれがフローリングや畳だったら、キスどころじゃなかっただろう。

 

「かおりん……もう私……」

「え…ちょ……?」

 

本音ちゃんが自分の制服を脱ぎながら、私のISスーツも脱がし始めた。

 

「一つになろう…?かおりん……」

「あの……私達は女同士……きゃっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、滅茶苦茶セックスした。

 

 

 

 

 

 

 




まだまだ夜は続くんじゃよ。

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