神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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ちょっと質問があったTS一夏のCVですが、私的にはコードギアスのカレン等を演じている「小清水亜美」さんが個人的にしっくりきました。
後は魔法少女まどか☆マギカの美樹さやか等を演じている「喜多村英梨」さんもいいと思いました。






第49話 私だけの赤い彗星

「……行きましたね」

「あぁ……行ったな……」

 

水平線の向こうに飛んでいく7つの機影を見ながら、千冬と真耶は静かに呟く。

その足元には疲れ果てた束が寝転がっていた。

 

「ふぇ~……久し振りに本気を出しちゃったよ~…」

「ご苦労だったな。今はゆっくりと休め」

「言われなくてもそうする~…」

 

苦笑いをしながら返事をする束だったが、その体はピクリとも動かない。

指一本動かす気力も無い程に疲れているのだ。

 

「にしても、まさか本当に僅か7分で全ての機体の整備と補給を完了してしまうとはな」

「しかも、いくつかの機体にはそれぞれの国から送られてきたパッケージに換装してましたし……」

「それぐらいはしないと、アレの相手は厳しいでしょ~」

 

束自身も暴走した福音の危険さはよく理解していた。

今まで常勝をしてきた佳織が倒された。

それが判明した時点で彼女の中での福音の危険度は急上昇している。

 

「なんだか……悔しいですね……」

「真耶……?」

「私達は生徒達を守り導く立場にある教師なのに、こうしてあの子達の背中を見送る事しか出来ない……。それが猛烈に悔しくて…悲しくて……」

 

真耶の顔はいつにも増して沈んでいる。

人並み以上に心優しい彼女は、生徒達が戦場に向かうこと自体を悲しく思っているのだ。

 

「……それは私も同じだ」

「先輩……?」

「ブリュンヒルデだ世界最強などと言われていても、私自身はどこにでもいる無力で愚かな人間の一人にすぎない…。酒の力を借りなければ、己の心の中にある不安一つ払拭出来ない……な」

「ちーちゃん……」

「家族を……想い人を守りたい願って求めた『力』だったが……こんな時に動けなければ全く意味が無い……!その事が……私は悔しい……!」

 

千冬の目尻に涙が溜まる。

 

「……二人の気持ちは痛い程分かるけどさ……」

 

勢いをつけて束が起き上がって、二人を見据える。

 

「今はあの子達を信じるしかないんじゃない?」

「……そうだな」

 

袖で涙を拭い、いつもの表情に戻る千冬。

強がっているのだろうが、せめて全てが終わるまでは『教師』でいようと言う決意の表れなのかもしれない。

 

「私の自慢の妹が行ったんだからな」

「私の大事な妹もね?」

「あと、私達の大切な教え子も……ですよ」

 

三人は再び一夏達が飛び去っていった水平線を見つめる。

 

「福音に勝てとか、そんな事は言わない。皆揃って佳織と一緒に無事に帰って来てくれ…。今の私が願うとすれば、それだけだ……」

 

千冬が言った言葉が風に乗って響いた。

それはこの場にいる他の二人の気持ちを代弁した言葉でもあった。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 太陽光を眩しく反射する大海原を7機のISが飛翔する。

彼女達の顔はいずれも焦りと緊張に染まっていた。

 

「姉さんが頑張ってくれたお蔭で、万全の状態で佳織の捜索が出来るが……」

「それでも時間をロスした事は事実。一刻も早く行かないと佳織さんが……」

 

箒と簪の顔に汗が流れる。

 

「ラウラさん。福音と交戦した場所まであとどれぐらいですの?」

「この調子でいけば数分で辿り着くはずだ」

 

そう答えるラウラのIS『シュヴァルツツェア・レーゲン』は、今までとは違った姿をしていた。

80口径レールカノン『ブリッツ』を二門を左右の肩に装着し、遠距離からの攻撃に備えた四枚の物理シールド機体の左右と正面に構えた砲戦パッケージ『パンツァー・カノーニア』に換装していた。

 

セシリアは前回の出撃と同じ強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』を装備している。

同じ装備で出撃したのは、彼女なりのリベンジに対する大きな決意があるのだろう。

更に、今回は大型BTレーザーライフル『スターダスト・シューター』も装備している。

 

「現場に着いたら、まずは佳織の探索を最優先で行わないとね」

「そうね…。本当は福音の奴にリベンジかましたいけど、佳織の命には代えられないし…」

 

シャルロットのリヴァイヴ・カスタムⅡも今回は別の装備で来ている。

防御用パッケージ『ガーデン・カーテン』。

物理シールドとエネルギーシールドをそれぞれに2枚展開し、あらゆる攻撃から操縦者を守る。

圧倒的火力を誇る福音には効果的な装備だった。

 

そして、鈴もまた別の装備で出撃している。

甲龍の最大武装である衝撃砲の機能増加パッケージ『崩山』。

背部に二つの砲口が増設され、そこから合計で4門の衝撃砲を発射可能。

その際、衝撃砲は無色透明ではなく炎を纏う。

衝撃砲の最大の利点である奇襲は出来なくなるが、それを補って余りある攻撃力の獲得に成功している。

 

「レーダーではもうそろそろの筈……」

「み…見えた!」

 

簪が指差す場所には、福音がまるで胎児のように丸くなって膝を抱えていて、その体を二対の翼で覆い隠している。

 

「何よあれ……最優先攻撃目標を倒したから、自分は休みますって?」

「一見すると、確かに休眠状態になっているように見えるな…」

 

福音の姿が見えた所で全員がストップする。

 

「幸いな事に福音はまだ私達に気が付いていないようだ。この隙に佳織の捜索をするぞ」

 

ラウラの言葉に全員が無言で頷く。

皆がその場から散開して捜索を開始しようとすると、ラウラのISにいきなり通信が入った。

 

「…?なんだ?」

「どうしたの?」

「いや……通信が……」

 

最初はノイズ交じりだったが、次第にクリアになっていく。

 

『あー…あー…聞こえますか?』

「何者だ?」

『私は篠ノ之束博士の助手を務めている者です』

「博士の助手だと……?」

『はい。今は簡単に信用出来ないかもしれませんが』

 

確かにその通りである。

唯でさえ今は緊急を要する状況なのに、いきなり通信してきた相手をどうやって信用しろと言うのか。

 

『ですが、私も仲森佳織さんの安否を案じています。それだけは信じてください』

「………分かった」

 

背に腹は代えられない。

今は利用できるものは何でも利用しなければならない。

 

『この海域のこの時期、この時間帯は潮流が激しくなっています。佳織さんは墜落地点から流されている可能性が非常に高いと思われます』

「くっ……!」

 

いくら気温が高くなってきているとは言え、まだ海水の温度はかなり冷たい。

そんな中に長時間いれば体温はみるみるうちに低下していく。

そうなれば、助かる見込みがもっと低くなってしまう。

 

『反応が低くなっていて、こちらでも詳しい場所は特定できないんです。ですから……』

「分かっている。出来るだけ広範囲に捜索する事にする」

『お願いします』

 

ラウラは謎の通信の主から聞いた事を皆に説明した。

 

「それ……大丈夫なの?」

「私もそう思うがな……」

「……姉さんの助手なら大丈夫……だと思う」

「どうして?」

「姉さんは他人を極端なまでに拒絶する。そんな人が助手を持つと言う事は、それだけ信用されているって事だ」

「で…でも、もしかしたら助手だって嘘をついている可能性も……」

「そんな人物ならば姉さんが速攻で片付けている」

「だよね~……」

 

束の人柄をよく知っている一夏と箒だからこそ言葉だった。

 

「とにかく、今は当初の予定よりもより捜索範囲を広くするしかない。いいな?」

「「「「「「了解」」」」」」

 

改めて捜索を開始しようとした……その瞬間だった。

 

「La……」

「……!?この機械音は……!」

 

福音がゆっくりと翼を広げ、態勢を整えていく。

 

「やばい……こちらに気が付かれた!」

「ど…どうするの!?」

「回避に専念しながら捜索をするしか……」

 

ラウラが動き出そうとした時、一夏と箒と鈴が全員の前に出た。

 

「お…お前達!?」

「一体何をする気!?」

「決まってるじゃない!こいつを足止めするのよ!」

「えっ!?」

 

三人がそれぞれに武器を構えて福音と対峙する。

 

「私達が福音の相手をする!だからお前達は!」

「佳織の事を探して!」

「で…ですけど!それでは皆さんが!」

「そんなの気にしてる場合じゃないでしょ!」

 

鈴の叫びに全員がハッとする。

 

「アタシ達がここに来たのは何の為!?海に沈んでいる佳織を見つけて旅館に連れて帰る為でしょうが!目的を見失うんじゃないわよ!」

「……そう……だな……」

 

苦渋の選択。

だが、だからこそ選ばなければいけない。

 

「ここは一夏達に任せる……頼んだぞ!」

「けど、無理は禁物ですわよ!」

「ここで三人も倒されたら、それこそ意味が無いんだからね!」

「すぐに見つけるから……!」

 

四人は東西南北に分かれて散開した。

 

「さ~て……福音ちゃん……」

「ここから先は……」

「アタシ達が通さないから、覚悟しなさい!」

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「な…なんで……?」

 

私の目の前にいきなり現れたのは、金髪オールバックのCCA使用のシャア・アズナブルだった。

原作じゃ生死不明だって言われているこの人がどうして…?

 

「どうした?」

「あ……い…いえ……」

 

突然の事でどう反応していいか分からない。

まずは何を言えばいいのか……。

 

「訳あって、君の事は見させてもらっていたよ」

「見られてた……」

 

それってつまり……。

 

「う……うぅ……」

「な…なんで泣く?」

「私……貴方の名前を貶めて……勝手に赤い彗星なんて言われて……」

 

絶対に最低な奴って思われてるよ……。

私みたいな面白味も無い女に真似されて……怒ってるに違いない…。

 

「そんな事は無い」

「ふぇ……?」

 

頭を撫でられた……?

 

「君は私以上に立派な『赤い彗星』だったと思うよ」

「で…でも……私は……」

「君の能力が後天的に付加されたものは私も知っている」

 

と言う事は……私が転生者だって事も知ってるのかな……?

 

「しかし、君は私のような『過ち』を起こさなかった」

「それって……アクシズ落としの事を言って……?」

「それだけではないがな……」

 

あ……苦笑いした。

この人もこんな顔をするんだ…。

 

「己のした事に後悔は無い。例えそれがどんな結果を生んだとしてもな…」

「…………」

「君が私を模した能力を与えられたからと言って、私と同じ道を歩み、同じ思想を抱く必要はない。君は君だけの『赤い彗星』になればいい」

「私だけの赤い彗星……」

「少なくとも、あの世界には赤い彗星は君しかいないのだからな」

 

赤い彗星……か。

今まではその名前の重圧に辟易してたけど……。

 

「なれるでしょうか……私も『赤い彗星』の異名を背負うに相応しい人間に…」

「私から見れば、もう既になっていると思うがな…」

「え?」

 

もう……なってる?

 

「仲森佳織……君ならばきっと『彼』のようにはならないと信じているよ」

「彼…?」

「私の死後……私と同じ顔、同じ声で自らを『器』と言った男だ」

「……!」

 

あの人の事か……!

 

「君がいる世界も大変だが、だからと言って『あの男』のように『器』になる必要はない。君は君の人生を全うする事だけを考えろ」

「……はい!」

 

私の人生を全うしろ……か。

いいさ……やってやろうじゃん!

 

「お話は終わりましたか?」

「来たか」

「ふにゃっ!?」

 

こ…今度は何!?

またいきなり誰かの気配が出て来た!?

 

「初めまして」

 

現れたのは、ピンクの髪のフワフワヘアーの真っ白なワンピースを着た女の子だった。

 

「え…え~っと……?」

「私は貴女を転生させた神の後任を任された神です」

「こ…後任?」

 

あいつ……クビにでもなったの?

つーか、そもそも神って職業扱いなの?

 

「あの人は自分の権限と能力を使って好き勝手にし過ぎました。よって、上層部の決定により左遷されました」

「左遷って……一体何処に?」

「神としての能力を全て剥奪して、更に身包み全てを剥いだ後にラクーンシティのど真ん中に落としました」

「鬼の所業だ―――――――――――!!!!」

 

確かにアイツはムカつくし最低の変態野郎だけど、普通そこまでする!?

 

「ラクーンシティとはなんだ?」

「簡単に説明すると……とある馬鹿な製薬会社が開発したウィルスによってゾンビ化した人達が徘徊するこの世の地獄……ですかね?」

「それはまた……壮絶だな……」

 

大佐殿にまで呆れられた。

 

「ですが、彼が世界に与えた影響はまだ残っています」

「影響……」

 

やっぱ、色々とやってたんだな…アイツ。

 

「ですが、そんな彼でも予想しなかった存在が図らずも誕生してしまった」

「それは…?」

「私の中にある『闇』を具現化した『男』の現身……」

「大佐……?」

 

まさか……その現身って……あの……

 

「佳織さん。貴女があの世界の『シャア・アズナブル』であるように、『彼女』は元となった『彼』と似通った出生で誕生しました」

 

私がシャアで、それでその人が……

 

「気を付けてください。佳織さんはもう『彼女』に会っている」

「は?」

 

会っている…?

私の脳裏に一瞬だけ『ある人物』の顔が過った。

 

「まさか……」

 

あの子が……?

 

「でも……」

 

そんな事ってあり得るのかな…?

単純に顔が似ていたって可能性も……。

 

「ところで、ここってなんですか?どこもかしこも真っ白で…」

「ここは意識と無意識の狭間です」

「……………なんですって?」

 

なんだ?その『精神と時の部屋』みたいな響きの言葉は?

 

「分かりやすく言うと、あの世一歩手前の場所です」

「……私って死んだんじゃないんですか?」

「死にかけてはいますね。貴女のISのお蔭で辛うじて生きてる感じですね」

「所謂、仮死状態と言う訳だな」

「仮死状態とな」

 

そういや、ISには操縦者の生命活動を維持する機能があるって勉強したけど…。

それのお蔭かな?

 

「二次創作だと、これってISコアの世界だったりしますけど……」

「これは現実ですからね~」

「この状況も十分な位に常識離れしていると思うが?私がいる時点で」

「それは言いっこなしです」

 

女神がニュータイプに論破されてる。

 

「じゃあ、専用機の第二形態移行(セカンド・シフト)も……?」

「勿論ありません」

「デスヨネー」

 

流石にそんなご都合主義は無いか~。

 

「そもそも、実力とシンクロ率は充分に条件は満たしますけど、貴女自身の経験値が決定的に不足してるんです。大体、まだ半年も経ってないのにパワーアップとか有り得ないでしょう?」

「ハイ……ソーデスネ……」

 

そのセリフは是非とも原作の一夏に向けて言ってほしい。

 

「さっきも言いましたけど、あの世界にはまだ前任者の残した改変の影響が色濃く残っています。貴女を中心とした事なので、大抵はさほど気にする必要は無いものが多いですが、中には……」

「決して無視出来ないやつもある…ですか?」

「その通りです。その代表例が今まさに遭遇している福音です」

「え?あれは原作でも普通に……」

「貴女が戦った福音は原作以上に強化されています。原作通りの強さなら、貴女が水中戦に持ち込んだ時点で勝負はついてるんですよ」

 

自分でもやり過ぎなくらいにボコボコにしたつもりだったけど、それが理由だったのか…。

 

「ですから、こちらも緊急処置として少しだけ世界に介入する事にしました」

「いいんですか?」

「本来なら禁忌事項です。けど、もうそんな事を言ってる場合じゃないんです」

「私の方からも少しだけ協力させて貰った」

「大佐もですか?」

「あぁ。いずれ分かるだろう」

 

楽しみなような、そうでないような。

 

「あ!?」

「ど…どうしました?」

「ヤバいですね……。佳織さんの御友人達(ハーレム)が福音と戦ってます」

「み…皆が!?」

 

しれっとスルーしたけど、なんか今…妙なルビがついてなかった?

 

「どうやら、海に落ちた佳織さんの捜索をしようとした時に福音と交戦する羽目になったみたいですね」

「そ…そんな……」

 

ど…どうしよう……!私のせいで皆が…!

 

「もう少し話すべき事があるんですが、そんな事を言ってる状況じゃないですね」

「どうする気だ?」

「佳織さんを全回復……はちょっと難しいですけど、ある程度の応急処置はしておきますよ」

 

応急処置ってどれぐらいだろう…。

 

「それと、機体の方はエネルギーだけ(・・)半分回復させておきますね」

「半分なんだ……」

「海に落ちた全壊寸前の機体のエネルギーが戻って来た時には全回復…なんて、どんな言い訳をする気です?」

「御尤もです……」

 

半分でも凄いけどね…。

この子って神なのに凄い現実主義者(リアリスト)だな…。

 

「更にもう一つサービスしますか」

「それは?」

「貴女の専用機『ラファール・リヴァイヴⅡ』のパッケージをおまけで差し上げます」

「パッケージ…ですか?」

「はい。それを活かせるかは貴女次第ですけどね」

 

どんな装備なんだろう?

ザクⅡにズゴックと来て、次に来るとしたら……

 

「それじゃあ、そろそろお送りします」

「わ…分かりました」

 

考えているうちに私の体が光に包まれながら透明になっていく。

 

「私からも少し餞別を加えておいた。よかったら使ってくれ」

「ありがとうございます」

 

また福音と戦うと思うと少し怖いけど……今ならやれる気がする。

だって、私は一人じゃないから。

一夏達だけじゃない。私の事を応援してくれる偉大な先人もいるのだから。

 

「ここから見させてもらおうか。『赤い彗星』仲森佳織の実力とやらを」

「存分に見ててください。私は、私にしかなれない『赤い彗星』になってみせますから!」

「頑張ってくれ……佳織。君ならばきっと私や『彼』以上の『赤い彗星』になれる筈だ」

 

この場から消えゆく中、私は見よう見真似でシャア大佐に向けて敬礼をした。

 

「君の健闘を祈る」

 

すると、彼も敬礼を返してくれた。

 

「……行ってきます!」

 

最後に大きな光になって、私は光の粒子になって消えた。

 

「やっぱり…ザクⅡ、ズゴックと来たら……ゲルググですよね」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「!?」

 

こ…ここは海の中!?寒っ!

 

(こ…これは……!)

 

目の前に表示された機体データが、なんかさっきまでとは違っていた。

水中用換装パーツが解除されていて、その代わりに別の換装パーツが装備されている。

 

肩部装甲が大型化していて、腕部に少しだけ増加装甲が追加されている。

そして、拡張領域内にはビーム・ナギナタと葉っぱのような形をしたシールドが。

 

(成る程……ザクⅡにズゴック……今度はゲルググか!)

 

え~と…名称は……

 

(近接戦特化型パッケージ『ムラサメ』……ね)

 

ん?これって……

 

よく見ると、拡張領域内にどこかで見た事のあるような武装があった。

 

(これは……使えるかもしれない)

 

こうなったら、使える物はなんでも使おう。

 

(まだ体は痛いし、機体もよく見たら破損個所だらけだ。けど!)

 

それは決して諦める理由にはならない!

 

(行こう……リヴァイヴⅡ。これが最後の出撃だ(・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「それにしても、何をどうするつもりだ?」
「決まっています。改変とは一種の奇跡です。目には目を、歯には歯を。そして……」
「まさか……」
「奇跡には奇跡で対抗すればいい」
「お前は……」
「少女達の友情と絆。その力を見せて貰いますよ」

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