神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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ここから原作第3巻に突入ですね。

アニメでは一番のクライマックスシーンでになりますから、ここで色々と考えてます。






第33話 また日が昇る

「なんだかゴメンね?手伝って貰ったりして…」

「別に気にしないでいいよ。クラス代表とて、困っているクラスメイトを助けるのは当然の事だし」

 

時間は放課後。廊下の窓から真っ赤な夕にの光が差し込む中、佳織とシャルロットが一緒に歩いていた。

二人の手にはもうすぐある臨海学校に関するプリントの束があった。

 

「でも、本当によかったの?今日は予定があったんじゃ……」

「別にいいよ。シャルロットの事を放ってまで優先する用事なんて無いもん」

「え…?」

「好きな子が困っているのに他の事を優先するなんて、私には出来ないよ」

 

そう呟く佳織の顔は、少しではあるが赤く染まっていた。

誤魔化すように余所を向いてはいるが、明らかに照れている。

 

「佳織……」

「シャルロット……」

 

今この場には二人しかいない。

無意識の内に互いの顔を見つめ合う。

佳織の瞳にはシャルロットしか、シャルロットの目には佳織しか映っていない。

 

次第に二人の顔が近づいていき、そして………

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

目の前に見えているのは佳織の顔ではなくて、もう完全に見慣れた学生寮の自分の部屋の天井。

起き上がって枕元に置いてある目覚まし時計は6時30分を示している。

 

「……………………」

 

まだ完全に覚醒していない頭で2~3程瞬きをして、ようやく完全に目が覚める。

 

「今のって……夢……?」

 

やっとの事で現状を把握したシャルロット。

その途端に盛大な溜息を吐いた。

 

「はぁぁ~……僕はなんて夢を……」

 

彼女自身は全く自覚していないが、学年別トーナメント以降、自然と佳織の事を考える機会が非常に多くなった。

授業中でも無意識の内に佳織の事を目で追うようになる始末。

もう完全に佳織の事を好きになっている証拠だった。

 

「もしもあのままいっていたら……」

 

夢の続きを妄想する。

すると、シャルロットの顔が一気に真っ赤に染まる。

 

「いやいやいや!僕と佳織は女の子同士なんだよ!?それなのに、そんな……」

 

恋愛観に関しては比較的常識人な彼女であったが、それでも佳織の事を意識せずにはいられない。

 

果たして、シャルロットが自分の恋心を自覚するのはいつの日か。

 

「……ん?」

 

ふと隣のベットに視線をやる。

すると、そこには本来いる筈の同居人の姿が全く見えないではないか。

シーツが全く乱れていない様子から見ても、最初から使用した形跡自体が無い。

 

「まぁ……別にいいか」

 

一緒に住んでいる同居人よりも、今の彼女の優先すべきは先程の夢の続きだった。

まだ僅かに残っている眠気を頼りに、再び夢の中へと行こうとする為に、静かに目を閉じた。

もしかしたら、あの夢の続きが見られるかもしれない。

そんな淡い期待を胸に。

 

「本当に僕ってば……どうしちゃったんだろう……」

 

誰に見られているわけでもないのに、己の赤くなった顔を隠すかのように、シャルロットは全身を布団で覆い隠してから己の心臓の動悸を押えようと必死に自分の事を落ち着かせようとした。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

「ん~…?」

 

朝。

私は妙な違和感と共に目を覚ました。

 

もしもこれが実家ならば『あと5時間~』なんて言うところだが、ここは天下のIS学園。

そんな甘えは許されない。

遅刻しないためにも一刻も早く目を覚まさなければ。

けど……この妙な違和感はなんだ?

なんつーか……両端から何かに抑えられているような感覚が……。

 

片方は腕にとても柔らかいものが当たっていて、もう片方にはフニフニとしたものが当たっているような感じがする。

 

(なんだ…?これは……)

 

ここで考えていても仕方が無い。

いっそのこと確かめてみた方が手っ取り早いだろう。

つーわけで、一気に掛布団を剥がして見る事に。

すると、私の両隣にいたのは……

 

「「ん~…?」」

 

本音ちゃんとラウラの二人だった!

な…なんでこの二人が私の布団で寝てるの!?

 

「ちょ…ちょっと二人とも!?どうしてここにいるの!?」

「んにゃ~……かおりん~?」

「なんだ……もう朝か……?」

 

本音ちゃんは毎度のようにどこかで見た事のあるような着ぐるみ型のパジャマ(今回はどこぞの一世を風靡した某魔法少女アニメに出てくるマスコットの姿をした諸悪の根源であるあの真っ白な獣野郎)を着ていて、それに関しては別にいい。

けど、問題はラウラの恰好だ。

 

「……なんで寄りにもよって裸なのさ…」

 

そう。ラウラの今の恰好はまごうことなき全裸。

唯一付けている物と言えば、彼女のISの待機形態であるレッグバンドのみ。

それが却って凄いエロスを感じる。

 

「む……佳織か。おはよう」

「おはよう……じゃないから!まずは服を着ようよ!!」

「お~…ラウラウってばダイターン3だね~」

 

……それって、大胆とダイターン3を掛けてる?

って、ツッコんでる場合じゃないし!!

 

「何を言っているんだ?夫婦とは普段から包み隠したりしないものだのだろう?」

「いや……それにも限度ってものがるでしょ…」

 

ま~た、例のクラリッサさんとやらの間違った知識の影響だな…。

もしも会う事があったら、絶対に私の手で矯正しなくては…。

 

「そもそも、日本ではこのようにして起こすのが一般的なんだろう?将来的に結ばれる者同士の定番だとか」

「んな訳ないでしょ…。そんなんだったら、目覚まし時計の存在意義が無くなっちゃうじゃん…」

「む…それもそうだな。しかし、目は覚めたんじゃないか?」

「色んな意味でね……」

 

何が悲しくて、起きて早々に疲れなくちゃいけないのさ…。

 

「兎に角、まずは服を着て。話はそれからだよ」

「服なんて持ってきてないぞ?」

「……へ?」

 

な…なんですと?

 

「じゃ…じゃあ…もしかして……」

「このまま来た。大丈夫だ。夜中に来たから誰にも見られていない」

「そんな問題じゃないでしょ~!?」

 

年頃の女の子が全裸でうろつくとか、痴女以外の何者でもないじゃん!!

 

「そもそも、どうやって入ってきたのさ…。一応、ちゃんと部屋の鍵は閉めてあった筈だけど?」

「私にかかれば、これぐらいの鍵は5秒もあれば開錠出来る!」

「それって普通に犯罪!」

 

この子が軍人だってことを忘れてたよ…。

確かに、ラウラならピッキングぐらい楽勝かもしれない…。

 

「とりあえず、このままじゃ風邪を引いちゃうから……」

 

即座にベットから出て、クローゼットから適当に服を出す。

 

「これを着て!何も着ないよりマシでしょ!」

「おぉ~」

 

取り出した服をラウラに無理矢理着させる。

着させた後に気が付いたけど、真っ白なTシャツに『流派東方不敗は!王者の風よ!』と前に書かれてあって、後ろには『全新!系裂!天破侠乱!見よ!東方は、赤く、燃えている!!』と達筆な字で書かれている。

え?どこで入手したかだって?

普通にネット通販で売ってたけど?

結構お手軽な値段だったから、つい衝動買いしちゃった。

 

「はぁ~……まずは自分の部屋に戻ってから登校の準備をした方がいいよ。同室のシャルロットも心配してるだろうし」

「それもそうだな。私としては嫁と一緒に寝れただけでも大満足だし」

「お願いだから誤解を生むような言い方だけはやめて」

「所謂3Pだね~」

「本音ちゃんも、どこでそんな言葉を覚えたの!?」

 

この子も油断できない…!

 

「では、教室で会おう!」

 

笑顔のままラウラは意気揚々と部屋を出ていってくれた。

 

「なんかもう……休みたくなってきた……」

 

今日の朝食は少しボリュームのある盛る物を食べようかな……。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「はぁ~…」

 

目の前にあるフレンチトーストを前に、溜息を零す。

 

「どうした?食欲が無いのか?」

 

私の両隣りにはラウラと本音ちゃん。

そして、正面の席には途中で合流した箒が座っている。

 

「ラウラではないが、本気でどうした?元気が無いように見えるが…」

「あ……大丈夫だよ。まだ本調子じゃないだけだから」

「そうか?前にも言ったが、無理だけはするなよ?」

「うん。ありがとね」

 

作り笑いをしながらフレンチトーストをパクリ。

この美味しさが私を癒してくれる…。

 

「かおりんのフレンチトースト美味しそうだね~」

「一口食べる?」

「食べる~♡」

 

あぁ……やっぱり本音ちゃんが私にとっての清涼剤だよ…。

 

「はい、どーぞ」

「あ~ん♡」

 

ナイフで切り分けてから、フォークで刺して本音ちゃんに向ける。

 

「あむ……。ん~♡美味し~♡」

「「……………」」

 

んあ?二人ともどったの?

 

「よ…嫁!私も!私もしてほしいぞ!」

「前にも言ったけど、名前で呼んでね?ほら、あ~ん」

「あ…あ~ん…」

 

まるで、手のかかる子供が二人もいる気分だ…。

 

「佳織に食べさせてもらうと、美味しさが何倍にも増したみたいだ…」

「そんな大袈裟な」

 

誰に食べさせてもらっても、美味しさなんて変わらないでしょうに。

 

「あ…あの……佳織?私も……」

 

モジモジしながら箒が何かを言い出そうとしていると、食堂に誰かが走ってやって来た。

 

「あぁ~!遅刻しちゃう~!!」

「「「あ」」」

 

よっぽど急いでいたのか。

髪の毛が所々ピンとはねた状態のシャルロットがやって来た。

 

「おはよう、シャルロット」

「あ!おはよう、佳織」

 

こっちに気が付いて、迷わずこっちに来た。

 

「こんな時間に来るなんて珍しいね。寝坊しでもしたの?」

「え?ははは……そんな感じ…かな?」

「でゅのっちはお寝坊さんだね~」

「否定はしないよ…」

 

たはは……と頭を掻きながら苦笑いをしているけど、その顔は僅かに赤い。

 

「今日は軽食にしておいたら?早く食べないと本気で遅刻しちゃうし」

「そ…そうだね。そうするよ」

 

慌てて食券販売機に向かったシャルロット。

気のせいかな?妙に私を避けてた気が……。

 

「二度寝でもしたのか?あいつ…」

「かもしれないね。極稀に早く起きた時とかって、調子に乗って二度寝とかしちゃうことってあるし」

「そうなのか?」

 

軍人のラウラには分からない感覚かも。

起床時間とか就寝時間とかしっかりしてそうだし。

 

「お…お待たせ!」

 

戻ってきたシャルロットの手には、トーストにコーヒーが乗ったトレーを持っていた。

それだけじゃ足りないかもだけど、今所状況では仕方が無い。

何も食べないよりは遥かにマシだ。

 

「いただきます!あむ…」

「あらら……そんなに急いで食べたら……」

「むぐ!?」

「ほら。言わんこっちゃない。これ飲んで」

「うん…!」

 

トーストを喉に詰まらせたシャルロットに、私が持っていたココアを飲ませる。

 

「ぷは~…!ありがとう、佳織」

「困った時はお互い様だよ」

 

って…あれれ?急にシャルロットの顔が赤くなったよ?

 

(あれ…?これって冷静に考えたら、間接キスになるんじゃ!?)

 

ん~?ココアは苦手だったのかな?

 

キーンコーンカーンコーン…。

 

「「「「あ!?」」」」

 

今のって予鈴!?

 

「急がなきゃ!」

「織斑先生の出席簿が降ってくる!!」

 

幸いな事に、あと少しで食べ終えるから、一気に口の中に入れてしまう。

 

「皆!急ぐよ!!」

「「「了解!!」」」

「は~い」

 

今回ばかりは本気で急げ~!!

廊下を走ったら怒られるかもしれないけど、遅刻して千冬さんの出席簿の一撃を受けるよりはずっとマシだと判断する!!

つーわけで、精神コマンド『加速』!!

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 皆で急いだお蔭で、なんとかギリギリの所で遅刻はせずに済んだ。

息は途切れ途切れだったけど。

流石に、まだ怪我が全快してない身ではキツかった…。

 

「お前達」

「「「「ギクッ!?」」」」

 

こ…この声は……!?

 

「「「「お…織斑先生…」」」」

 

あ…あれ?時間はまだ大丈夫……だよね?

 

「揃いも揃って廊下を走るな。特に仲森。自分が怪我人だと言う自覚があるのか?」

「す…すいませんでした……」

「今回は特別に見なかったことにしてやる。だが、次は無いと思え」

「「「「りょ…了解」」」」

 

千冬さんの寛大な処置に感謝感激雨霰です。

 

私達は急いで自分の席に座る事に。

 

座った直後にチャイムが鳴った。

本当にギリギリだったっぽい。

 

千冬さんが教壇に立ってSHRが始まった。

 

「さて、今日は確か通常授業の日だったな。幾らここがIS学園とは言え、お前達は立派な高校生だ。中間テストが無い代わりに期末テストはちゃんとある。言うまでもないが、もし仮に赤点でも取った暁には夏休みの殆どが補修で潰れる事になる。そうなりたくなかったら、精々頑張る事だな」

 

テ…テストか…!

基本5教科なら問題無いけど、IS関係だけは少し心配…。

どうせこの怪我のせいで暫くはISに乗れないんだ。

ここはテスト勉強に専念した方が賢明かもしれない。

 

「それから、来週から始まる校外特別実習期間…所謂『臨海学校』だが、全員忘れ物なんてするなよ。たった3日間とはいえ学園を離れる事になるんだからな。あまりテンションを上げ過ぎて羽目を外ししぎるなよ。分かったな?」

 

臨海学校……かぁ~…。

先の事をある程度分かっている身としては、諸手で喜ぶことは出来ないんだよな~。

せめて、初日の自由時間の時ぐらいは『あの事』を忘れて遊べればいいけど。

 

(そういや、水着ってあったかな?)

 

去年の水着は……駄目だろうな。

多分、もうサイズが合わないと思う。主に胸が。

 

「では、これでSHRを終了する。今日も学生らしく勉学に励めよ」

「あの~…今日は山田先生はお休みなんですか?朝から姿を見ないんですけど…」

 

おや、鷹月さんからの質問が来たよ。

彼女の言う通り、私も山田先生の事を見てないな。

昨日の今日だし、疲れて休んでいるとか?

 

「山田先生は臨海学校の現地視察に行っていて今日は不在となっている。だから、今日は私が山田先生の仕事を兼任する手筈となっている」

 

ほえ~……一足先に…ねぇ~。

あの人も苦労が絶えませんなぁ~。

 

「山ちゃんだけ先に行っちゃってるんですかぁ~?羨ましいなぁ~」

「せめて私達にも一言言ってくれればいいのに~」

 

いやいや、言う訳ないじゃん。

あくまで仕事で行ってるんだし。

 

「お前等。一々騒ぎ立てるな。山田先生は仕事で行っているんだ。決して遊びで言ったわけじゃない」

 

はい、出ました。千冬さんの鶴の一声。

皆の『は~い』の言葉と同時に教室が静かになった。

 

「では授業を始める。日直」

「起立」

 

こうして、今日もまた騒がしくも賑やかな1日が始まる。

 

私としては、臨海学校までに一刻も早く怪我が治る事を祈るばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




佳織、早速『両手に花』状態に。

これからもきっと、こんな事が続いていくんでしょう。

そして、佳織は臨海学校でどんな水着を着るのか!?

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