神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

24 / 72
なんか、ISの新しいゲームが出るようですね。

詳しい事は知りませんが。





第22話 金と銀の転入生

 月曜日の朝。

目が覚めると、そこはもう見慣れたIS学園の敷地内に存在する学生寮の私と本音ちゃんの部屋。

けど、今日からは少しだけ部屋の様子が違う。

何故なら……

 

「ふわぁ~……。やっぱり、色々とあると落ち着くなぁ~…」

 

私と本音ちゃんが実家から持って来た私物が並べてあるからだ。

 

本音ちゃんは家から様々なぬいぐるみを持って来たみたいで、色んな動物のぬいぐるみが棚などに置いてある。

犬や猫などと言ったオーソドックスな物もあれば、鰐や鯨と言った、なんとも言えないような物もある。

どんだけ好きなんだよ…。

 

で、私が持って来たのは勿論、各種ゲーム機に家にある好きなソフト一式。

そして、好きなラノベや漫画等々。

兎に角、二人揃って趣味全開の部屋に仕上がった。

 

「さて…と。今日も一日頑張りますか」

 

先立ってまず行う事は……

 

「本音ちゃん。朝だよ~」

「ん~…?」

 

私の可愛い同居人を起床させることだ。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 最早お馴染みのように、私と本音ちゃんは、途中で合流した一夏と箒とセシリアと鈴の四人と一緒に食堂へと足を運ぶ。

すると、なにやらいつもとは違って食堂が騒がしかった。

 

「朝から元気ですこと」

「若者の特権だね」

「佳織……ちょっと爺臭いわよ」

「時々、佳織は顔に似合わない事を言うよな」

 

早速ボコボコです…。

私は普通の事を言っただけなのに…。

 

「あそこなんて、なんだか変な集団になってるよ」

「ホントだ」

 

本音ちゃんが指差した所には、十数人ぐらいの女子がスクラムを組んでいた。

今から何かあるのか?

 

「ねぇ……聞いた?アレ…」

「ばっちし聞いたし!」

「え…?何の話?」

「だ~か~ら~!例の仲森さんの話よ!」

「あ~…あの『赤い彗星』の」

「いい話?それとも悪い話?」

「極上にいい話!」

「ふむ……是非とも聞こうか」

「なにカッコつけてんのよ…」

「それって、試合中の仲森さんの真似?」

「う……。だって、IS装備してる時の仲森さんって、すっごくカッコいいんだもん…」

「わかる~!」

「っていうか、話が先に進まないから」

「ゴメン……」

「で?実際にどんな話な訳?」

「それがね、なんでも……今度ある学年別トーナメントで……」

 

う~ん……喧騒に紛れてよく聞こえない。

流石に、入り口付近からじゃ難しいか。

 

「う…嘘でしょ!?それマジ!?」

「マジもマジも大マジよ!」

「そっか~……」

 

……深く気にしたら負けな気がしてきた。

 

「まずは朝ご飯を食べようか…」

「賛成ですわ」

「うん…」

 

私も今は立派な女子だけど、未だに女子高生特有の空気には慣れそうにない。

なんつーか……独特すぎるんだよね~。

 

そんな私の朝ごはんは『トーストセット』。

今日はなんとなくパンな気分なのです。

 

他の皆も朝食を注文してから受け取る。

そして、適当に空いている席に座るが、その直後に視線がこっちに集中した。

 

「あ!仲森さんだ!」

「え?どこどこ!?」

 

私は街中であった芸能人か。

 

「もはや、この学園内にて『赤い彗星』の名を知らない者はいないようですわね」

「凄いね~」

「名誉な事なのか、それとも恥ずべきことなのか……それが問題だ」

「今度は哲学者っぽい事を言い出したし」

 

別にいいじゃん。

って……箒?妙に元気が無いような……。

 

(今、学園中に流れている噂……なんだか、あの夜に私が一人で口走ってしまった事に似ている気がする…。ま…まさか!あの時…私の他に誰かがいて、私の独り言を聞いていたのか!?そして、それを学園中に広めて…それが途中で変化して今に至っているのでは……)

 

さっきからずっと百面相してるし。

ちょっと面白い。

 

(ヤバイヤバイヤバイ!幾らなんでも、ライバルが一気に増殖しすぎだ!!)

 

今度は焦りだしたし。

なんとも新鮮な反応を見た気がする。

 

「ねぇねぇ仲森さん!あの噂ってほんt……ぎゃぴぃっ!?」

 

あ、一瞬で制圧された。

 

「あ…はははは~!別になんでもないから~!気にしないで朝ご飯を食べててね~!」

 

集団はそそくさと食堂の端の方に。

 

「あんたバカじゃないの!?っていうか、リアルバカ!!」

「ゴメ~ン。つい口が滑って…」

「あの噂は本人にだけは内緒だって、暗黙のルールがあったでしょ!?もう忘れたの!?」

「うぅ~…」

「けど、あの様子からして、仲森さん自身は何も知らないっポイね」

「それなら一安心……なのかな?」

 

ほんと、月曜の朝っぱらから元気が有り余ってますなぁ~。

 

「なんだったのかしら?」

「さぁ?」

 

どうやら、ここにいる面々も何も知らないみたい。

だったら、聞いても無駄か。

 

「そういや、日曜に一夏と佳織って弾の家に行ったんでしょ?あいつ元気にしてた?」

「元気と言うか…なんと言うか……」

「変わってない?」

「は?どーゆーこと?」

「昔のまんまだってこと」

「あぁ~…」

 

これで納得出来るんだから凄い。

 

「ねぇ~…弾って誰~?」

「簡単に言えば、私と一夏と鈴の共通の友人」

「中学の時に一緒のクラスだったのよ」

 

今は違う高校になってるけど、未だに繋がりは切れてない事に感動してたりする。

友情って尊い……って、男の子の話をセシリアの前でするのはヤバかったかな?

 

「?どうしましたの?」

 

あ…あれ?なんにも変化なし?

 

「あの…さ。今の話で何か思った事は……」

「特には何も。佳織さん達のご友人の方なのでしょう?名前の響きからして男性のようですが」

 

え……ええ?ど…どうして?

原作のようになってないから、セシリアは女尊男否的な思考のままじゃ……。

 

(ま…まさか!?)

 

今にして思えば、最初の会話の時も…それっぽい発言を一切してない!

この世界線のセシリアは最初っから男に対して否定的な考えを持ってない!?

 

「佳織?手が止まってるよ?」

「え?あ……そうだね」

 

今更、こんな変化を発見するなんて……。

 

(この分じゃ、後でやって来る二人もどう変化してるか分からないな…)

 

だって、一夏が女性である時点で男装の必要性は無いし、一夏がモンドグロッソに行ってないから、誘拐はされてない。

 

マジで先が読めません……。

 

「そうそう。その時にさ、蘭ちゃんがいきなり『IS学園に行く!』って言いだして、弾がめっちゃ困ってた」

「へぇ~…あの子が。絶対に佳織がいるからでしょ」

「間違いないよ」

 

え?なんでそこで私の名前が登場するの?

 

「蘭ってば、頭はいいから大丈夫なんじゃないの?」

「簡易適性でAを出してたし」

「うわぁ~……それってなんか、マジで来年には来そうじゃない?」

 

蘭ちゃんならあり得るかも。

何気にIS学園の制服も似合いそうだし。

 

「なんか……三人だけで盛り上がってますわね…」

「だな…。完全に置いてきぼりだ」

「もぐもぐ……」

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 朝食を食べ終えてから教室に向かうと、クラスの皆がワイワイと何かを話していた。

 

「やっぱ、ハヅキ社のやつが一番かな~」

「そう?なんかハヅキのって、デザインだけって気がするけど」

「それがいいんじゃない!」

「私的にはミューレイのが一番かな?特にスムーズモデルが」

「あれか~…。確かに性能は悪くないけど、いかんせん値段がね~」

 

ふむふむ……どうやら皆はISスーツの事について話しているみたいだ。

 

「皆、おはよ~」

「おはよ~!って、丁度良かった!仲森さんの、あの赤いISスーツってどこ製の?かなりカッコよかったけど」

「あ~…あれね~…」

 

寧ろ知りたいのはこっちなんだよな~。

あれってリヴァイヴⅡの中にあったヤツだし。

 

「た…多分、デュノア社製じゃない……かな?知らないけど」

「そっか~。あそこも悪くないもんね~」

「でも、エンブレムまで入っている特注製って凄いよね。やっぱ赤い彗星だから?」

「それは関係ないでしょ」

 

あったらこっちが驚くわ。

 

「赤いISスーツ……。青いISスーツを愛用している私と佳織さんが並べば、きっといいアクセントになりますわね!」

「赤と青だもんね~」

 

色的にはそうかもね。

ここに黄色でも来ればもっと完璧。

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知する事により、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達し、ISはそれによって必要とされる動きをします。更に、このスーツは耐久性にも優れていて、一般的な小口径拳銃の銃弾ぐらいなら余裕で受け止められます。でも、流石に衝撃を完全に消す事は出来ませんから、そこには注意が必要ですね」

 

おぉ~!山田先生が教室に入りながらスラスラと説明をしてくれた~!

思わずパチパチパチ~と拍手をしてしまった。

 

「流石は山ちゃん!」

「それほどでも~……って、山ちゃんっ!?」

 

いつの間に渾名が……。

それだけ親しみやすいって事かな?

 

「山ピー見直したよ~!」

「今度は山ピー!?」

 

二つ目だ……。

生徒に二つも渾名を与えられる先生ってのも貴重な存在だな…。

 

「と…とにかく!今日が皆さんのISスーツの申込み開始日になります。忘れないでくださいね!」

「「「「「は~い!」」」」」

 

本当に分かってるのかな…?

 

「山田先生。ドンマイです」

「仲森さぁ~ん…」

 

泣きそうな顔でこっちを見ないでください。

保護欲が刺激されると言うか…。

妙に頭を撫でたくなる。

 

「あのさ……皆。渾名で呼ぶのも悪くは無いけど、こうして学校にいる時はちゃんと『山田先生』って呼んであげようよ。ね?」

 

一応、フォローぐらいはしておくか。

私だってクラス代表なんだし。

 

「う~ん……仲森さんがそう言うなら…」

「確かに、公私の区別はつけなくちゃ駄目だよね…」

 

あら、意外と素直。

 

「ありがとうございますぅ~…」

「あはは……」

 

本当にこの人って大人なんだよね?

私達と一緒に制服を着て並んでても違和感無いんですけど?

 

「とうとう教師にまでフラグが立ち始めたよ…」

「かおりん……恐ろしい子!」

「油断も隙もあったものじゃありませんわね…」

 

なんでそこで呆れた目で見られるの!?

 

「おはよう、諸君」

「「「「「おはようございます」」」」」

 

さっきまでのほのぼのとした空気が一瞬で因果地平の彼方へ。

織斑先生のおな~り~。

一気に教室中が引き締まる。

同時に、一斉に自分の席へと一直線。

 

「日直」

「起立!礼!着席!」

 

いつもこの調子ならどれだけいいか。

 

「本日から本格的な実技訓練に入る。訓練機ではあるが、きちんとしたISを使用する授業になる為、各々気を引き締めるように。それぞれのISスーツが届くまでは学校指定の物を使うので忘れないように。あと、万が一にでも忘れた場合は学校指定の水着で訓練を受けて貰うからな。それすらも忘れた場合は……最悪下着でもいいだろう。ここには同性しかいないのだからな。と言う訳で佳織はドンドン忘れていいからな」

「なんでやねん」

 

最後に私の事を名指しで呼ばないでください。

それと、私は絶対にISスーツは忘れないから!

っていうか、忘れてたまるか!!

何が悲しくて下着でISに乗らなくちゃいけないねん!

 

そういや、ここの指定水着ってオタクにとっての黄金聖衣とも言うべき由緒正しい紺色のスク水なんだよね…。

いつの日か、あれを着る日が来るのだろうか…。

布面積的にはISスーツと大差ないけど。

 

「では山田先生。お願いします」

「あ……はい」

 

山田先生にバトンタッチ。

 

「えっとですね……実は、今日はこのクラスに転校生が来ます!しかも二名です!」

「「「「「「ええええぇ~!?」」」」」」

 

来たか……。

一体どんな風に変化しているのやら。

 

「ねぇ……ちょっとおかしくない?同じ時期に転校生が二人も来たらさ、普通は別々のクラスに分散させるんじゃない?」

 

隣の一夏がひそひそ声で常識的な意見を言ってきた。

 

「私もそれには同感だけど、多分、生徒には知らされないような事情があるんだよ。きっと」

「なんか嫌だね……」

 

一夏が嫌悪感を抱く気持ちは分かる。

でも、世の中には汚い大人がいるのもまた事実なんだよ。

悲しいけどね。

 

「では、入ってきてください」

「「失礼します」」

 

教室のドアが開き、廊下から二つの人影が入ってくる。

片方は金髪、もう片方は銀髪だった。

表情、髪の色共に対照的な二人だ。

けど、それよりも気になったのは……

 

(やっぱり、ちゃんと女子の制服を着てるんだな…)

 

それもそっか。

男子の制服を着る理由が無いもんな。

 

「それじゃあ、自己紹介をお願いします」

「分かりました。なら僕から」

 

山田先生に促されて、金髪少女が一歩前に出た。

 

「皆さん初めまして。フランスから来たシャルロット・デュノアと言います。一応、フランスの代表候補生を務めると共に、デュノア社の専属IS操縦者をしています」

 

二つを兼任してるのか…。

 

「この度は、二つの理由でIS学園に来ました。一つは僕自身の研鑽の為。。もう一つはデュノア社からの出向で来ました」

 

デュノア社からの出向…?

 

「デュノア社って事は、もしかして仲森さんと関係あるのかな?」

「そうなります。詳しい事はここでは話せませんが…」

 

私がリヴァイヴⅡを専用機としているからか…。

成る程、シャルロットは私の機体の為に来た…と。

それを隠す様子が無いって事は、今回は会社から正式な仕事として来日したのね。

見る感じ、何も企んでいるようには見えない。

 

「これからよろしくお願いします」

 

クラスからの拍手が鳴り響き、それと同時にシャルロットは一歩下がった。

 

「では、次は私か」

 

今度は銀髪少女が前に出る。

 

「私はドイツから来たラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツの代表候補生をしている」

 

おや、思ったよりも話すね。

原作じゃ名前だけ言って引っ込んだのに。

 

「今回、このIS学園にはある目的を持って来た」

 

目的?

 

「ん?」

 

あ、なんかこっち来た。と思ったら、隣に行った。

 

「お前が織斑一夏か?」

「そ…そうだけど?」

「そうか……」

 

ビ…ビンタか!?って、それだけ?

なんにもしないの?

 

「織斑教官。仲森佳織と言うのはどこにいますか?」

「仲森ならばお前の左斜め前にいる。それと、ここでは私の事は織斑先生と呼べ。私はもう教官ではないし、今のお前はここの一生徒にすぎん」

「了解です」

 

見事な敬礼ですこと。

つーか、お前も私が目的かい!

一夏の事を逆恨みしていないのはよく分かったけど、だったらなんで日本に来たの?

 

「…………」

 

やべ、目線があった。

こ…こっちに来るよ!?

 

「お前が『赤い彗星』の仲森佳織か」

「い…一応そうです…」

 

その異名はドイツにまで知れ渡っているんだ…。

もう、この事に関するツッコみは諦めたほうがいいかもしれない。

 

「単刀直入に言う。私はお前をスカウトしに来た。私と一緒にドイツに来て、我が隊に入ってくれないか?」

「………………ひゃい?」

 

あ、驚きのあまり噛んじゃった。

 

「今……なんて?」

「聞こえなかったのか?もう一度言うぞ。私と一緒にドイツに来て、我が隊に入ってほしい」

 

うん、聞き間違いじゃなかったっぽい。

どうしようか。

 

「「「「「「えぇ~~~~~~~~~~~~!?」」」」」」

 

皆は驚いてるけど、私は一言だけ言わせてもらうよ。

 

「なんでやねん!!!!!」

 

今日だけで何回言ったか分からないツッコみは、騒がしい教室に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そんな訳で、今回の金銀コンビが来た理由は割と穏やか(?)です。

シャルロットが来た詳しい理由は次回辺りに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。