神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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なんか今日…川沿いの道を歩いていたら、黒い蛇に遭遇して、めっちゃ威嚇されました。

急いで逃げて、少ししてからもう一度同じ場所を通ると、既にいなくなってました。

まだ、あの付近に潜んでいるのかな…?






第21話 思春期の少年の葛藤

 いきなりウチに遊びに来た佳織と一夏を爺ちゃんに言われるがまま、俺は自分の部屋へと案内した。

なんでか妹の蘭も一緒についてきたけど…。

 

「だって、お兄が二人に何かしたら大変じゃない」

「どんだけ信用無いんだよ俺は!?」

「え……?」

「お願いします。いきなり真剣な顔にならないでください」

 

どうして俺だけこんな……。

 

「わ~…変わらないね~」

「変わってたまるか」

 

まだお前等がIS学園に入ってから数か月しか経ってねぇんだぞ。

そう簡単に部屋のレイアウトが変わるかよ。

 

「あはは~!ばた~ん!」

「お…お前……ちょっ!」

「ん~?何~?」

 

佳織の奴!なんでいきなり俺のベットにダイブするんだよ!?

幾らなんでも図々しくないか!?

 

「佳織ってば、はじけてるね~」

「だって~、家以外にリラックスできる場所って言えば、ここしかないもん」

「あ~……」

 

……そんなにあの学園は大変なのか?

何気に一夏の奴も納得気味な顔してるし…。

 

「つーか!とっとと降りろよ!」

「え~?別にいいじゃん。減るもんじゃなし」

「(主に俺のSAN値が)減るんだよ!」

「ぶ~ぶ~」

「あざとくしてもダメ」

「ちぇっ。前はこれさえすればよかったのに」

「弾も成長してるんだよ…………多分」

「多分!?」

 

お…俺だって少しは大人になって………あれ?

 

(冷静に考えたら、別に高校生になっても俺の生活に劇的な変化って無くね?)

 

いつものようにクラスの連中とばかやって、授業や勉強に追われて……そして、家じゃ手伝いと称してのバイトに勤しんで……

 

「俺って……なんにも変ってねぇ……」

「あら。急に落ち込んだ」

「今日の弾は緩急が激しいね」

「全く…お兄は……」

 

で、仕舞には妹からは溜息を吐かれる始末。

 

「ところでお兄。折角来てくれた佳織さんと一夏さんにお茶は?」

「え?」

 

お…お茶?

 

「はぁ~…それぐらいの気遣いも出来ないから、いつまで経っても彼女が出来ないんだよ」

「余計なお世話じゃ!」

 

ここで兄の心を抉りに来るな!

 

「しょうがない。私が持ってきてあげる。感謝してよね」

 

なんて言ってはいるが、本当は……

 

(ふふふ~♡ここで『出来る女』アピールをして、佳織さんに見直して貰えば、あるいは……)

 

なんて事を考えてるんだろうな。

だって、モロに顔に出てるもん。

伊達にこいつの兄をずっとしてきたわけじゃない。

 

ニヤニヤしながら、蘭は一旦部屋を出ていった。

 

「あの子も変わらないね」

「だね~。確か、今は学校の生徒会長をしてるんだっけ?」

「へぇ~…凄いな~」

 

アイツを生徒会長に立候補した連中の頭を本気で心配する今日この頃。

 

「そういや佳織。お前いつの間に、あんなにも有名になってるんだよ」

「う……」

 

あ、なんか不味い事を聞いたか?

 

「その情報のソースは…ネット?」

「まぁな。動画の再生数とか凄い数になってるぞ」

「マジで?」

「マジで」

 

ほんの数日で100万再生突破してたしな。

久方振りに本気で驚いたわ。

 

「俺も動画見たけどよ、あれってどういうことだよ?」

「どういうって言われてもな……」

 

誤魔化すように頭を掻く佳織。

こいつがこんな風にする時は、大抵が本気で困っている時だ。

 

「……やめとくか」

「え?」

「だって、お前もこの話題が嫌なんだろ?」

「まぁ……ね。学園じゃずっと騒がれるし……」

「じゃあ佳織って、あの事も知らないの?」

「あの事?」

 

なんだなんだ?

 

「実はね、学園で密かに佳織の非公式ファンクラブが設立したらしいって噂」

「ファンクラブとな!?」

 

それは…またなんとも……。

 

「と言うかさ……誰が最初に私の事を『赤い彗星』って呼びだしたのかな~?」

「さぁ?少なくともオタク気質の人である事は間違いないと思う」

「俺もそう思うわ。完全に中二病全開の異名だしな」

「や~め~てぇ~!!」

 

っておい!悶絶するのは勝手だけど、俺のベットの上でゴロゴロするな!

唯でさえ薄着なのに!

 

大体な!佳織も一夏もスカートが短すぎるんだよ!

少しでも風が吹いたら中が見えそうじゃねぇか!

お前等な、自分の姿を鏡で見た事あるのか!?

二人共、そこら辺の読者モデルが裸足で逃げ出すレベルの美少女なんだぞ!

スタイルも抜群だし!

正直言うと、お前達の私服って目のやり場にすっごい困るんだよ!

 

「どうしたの?急に黙って」

「なんでもない」

 

くそっ…!意識したら俺のムスコが急に元気になりやがった…!

耐えろ……耐えるんだ俺!!

静まれ~!!!

 

「変な弾」

「いつもの事じゃない?」

 

言いたい放題言いやがって…!

 

「お……」

 

ち…沈静化してきた…。

やっと落ち着ける……

 

「あ、そーだ」

 

ぬ…ぬを!?

 

「久し振りに一緒に皆でゲームでもしようよ」

 

か…佳織が急に俺の背中に抱き着いてきやがった!?

 

「ちょ……佳織?」

「どったの?」

 

お…おっぱいが背中に当たっとります……!

 

拝啓 父上様 母上様

 

海はどうして青いんだろう。

FFは一体何処までシリーズが続くんだろう。

スパイダーマンはマスクを付けている間って息苦しくないのかな?

ストⅡのリュウって普段はどんな生活をしてるんだ?

KOFの京はいつまで高校生をしてるつもりだ?

弾はもう佳織のおっぱい攻撃に耐えられそうにありません。

先立つ不孝をお許しください。

 

五反田弾。

 

「今度は動かなくなった」

「本当にどうしたの?具合でも悪い?」

 

今度は一夏が俺の隣に来て前屈みになりやがった。

胸の谷間が見えとります…。

 

このままいったらもう……俺は狼さんになっちゃうぞ?

 

「お茶持って来たよ~……」

「げ」

 

よりにもよって、このタイミングで戻って来るのかよ!?

 

「何をやってるの…?お兄……」

 

マジ切れしとりますがな~!

 

思ったよりも冷静みたいで、床に四人分の麦茶が乗ったお盆を床に置いてから、こっちに来た。

 

「佳織さん、そんな風にしてると赤ちゃんが出来ちゃいますよ」

「「「いやいやいやいや」」」

 

んなわけあるか!

お前は俺をなんだと思ってるんだ!

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 少しして、ようやく佳織は俺から離れてくれた。

まだ背中に感触は残ってるけど…。

 

「危うく実の兄を警察に叩きだすところだった…」

「本当に危ねぇな!?」

 

問答無用かよ!?

 

「佳織。少しは慎みを持てよ」

「十分持ってるつもりだけど?」

「普通、慎み深い女子は男の背中にいきなり抱きつきません」

「弾なら別にいいんじゃない?だって友達でしょ?」

 

完全に俺の事を異性として見てないな…。

多分、一夏も。

だって、二人ともミニスカートを履いて生足晒してるのに、全く動揺してないし。

 

「そ…そういや、一夏からメールで知らせて貰ったんだけどよ、鈴が転校してきたんだって?」

「うん。私達の隣のクラスだけどね」

 

いつの間にとは思ったが、今は大して気にしてない。

それよりも……

 

「これで、あの頃一緒にいたメンバーが揃ったな」

「そうだね。いつか皆一緒に遊びに行こうか?」

「それいい!」

 

鈴もこの二人に負けず劣らずの美少女だしな。

中学時代はよく同級生に凄い目で見られたもんだ。

 

「鈴さんがこっちに……」

 

で、蘭はまた凄い顔になってる…っと。

こいつにとっては鈴も一夏も立派なライバルだしな。

 

俺が中学で一夏や佳織、鈴と知り合った頃に、俺を通じて三人は蘭とも仲良くなった。

最初は至って普通の関係だったが、佳織が蘭によく勉強を教えるようになってから、少しずつ懐くように。

そして、俺が佳織の学校での様子……主に生徒会副会長やクラス委員を兼任して頑張っている事を話したら、あっという間に尊敬の眼差しに。

それがいつしか禁断の恋心に発展した…って訳だ。

こいつが生徒会長になろうとしたのも、佳織を完全に意識しての事らしい。

佳織も厄介な奴に背中を追いかけられてるな。

 

「IS学園って全寮制なんだろ?二人はどんな奴と一緒なんだ?」

「私は幼馴染の箒と一緒だよ」

「あぁ~…前に話してた剣道が得意って言う…」

 

その子もかなりの美少女らしく、当然のように佳織LOVEみたいだ。

しかも巨乳。

 

「佳織は?」

「私は、クラスメイトの布仏本音ちゃんって女の子と一緒。ほら、この子だよ」

 

そう言って携帯の写真をこっちに見せてくれた。

 

「へぇ~…」

 

背は佳織同じか少し小さいぐらいか?

この子もかなりの美少女だ。

けど、それよりも気になるのは……

 

「「なんで抱き着いてるんだ(ですか)?」」

 

写真の中で、佳織はルームメイトの女の子と仲良さげに抱き合っているのだ。

ぶっちゃけ、すげー絵になる。

 

「だって可愛いんだもん」

 

気持ちは分かるが……それは腐った女子共や一部の女子にやる気を起こさせるだけだぞ。

現にほら……

 

「い…いつの間にこんな写真を……!」

「IS学園……噂には聞いてたけど、まさか本当に(女の子の)レベルが高いだなんて……!」

 

一人は戦慄して、もう一人は驚愕してる。

 

「……私……決めました」

「「何を?」」

 

なんだろう……猛烈に嫌な予感が……

 

「来年……IS学園を受験します!」

「はぁ~!?」

 

って、驚いてるの俺だけかよ!?

 

「え?でも…蘭ちゃんの今通っている学校って、大学までエレベーター方式で行けて、その上、かなりのネームバリューがある所じゃないの?」

「問題ありません。別に他の学校を受験してはいけないって規則はありませんし」

「まぁ…そうだよね」

 

なんとなく予想はしていたとはいえ、実際に言われるとこう……何とも言えなくなるな。

 

「言っとくけどな、IS学園には推薦なんて無いからな?佳織も一夏も猛勉強の末に入学できたんだ」

「分かってるわよ。でも、私はその佳織さんに勉強を教えて貰ってたのよ?筆記ぐらい余裕よ」

 

一体何処からその自信が出てくるんだ…。

なんとかして蘭を諦めさせるには……そうだ!

 

「い…一夏!あそこって確か、実技試験もあったよな!?」

「うん。適性が無い子はそこで振り落されるって姉さんが言ってた」

 

よし!あの千冬さんの言葉なら信用出来る!

 

「残念でした。これを見て」

「これ?」

 

徐にポケットから一枚の紙を取り出した蘭。

そこに書いてあったのは……

 

「IS簡易適性検査結果……判定A」

 

な…なんだと…!?

 

「へぇ~…Aランクなんて凄いね!」

「大抵はBかCなのに……」

 

ま…まさか…俺の作戦が裏目に出るなんて…!

 

「そんな訳で、そっちの方も問題無しです」

 

希望は絶たれた……のか?

 

「これって希望者が受けられるやつだよね?確か、政府がISの操縦者を募集する一環として定期的に開催してるって言う」

「はい。実は少し前にうちの学校で行われたんです」

「そんな……」

 

そんなの聞いてねぇよ!?

 

「そ…それでですね。入学した暁には是非とも佳織さんにご指導ご鞭撻のほどを…」

 

どこでそんな言葉を覚えたんだよ……。

 

「いやいやいや!私なんてまだまだだって!つーか、私だって現在進行形で勉強中だし!」

「え?そうなんですか?あんなに強いから、てっきり……」

「ISの試合で勝ってるからって、勉強が出来てるって訳じゃないよ。一応、基本5教科は大丈夫だけど、IS関連の勉強となると話は別。本当に難しいんだよ。専門用語のオンパレードだし」

「うんうん。私も受験勉強の時は苦労したよ。佳織と一緒に姉さんに色々と教えて貰ったしね。あれが無かったら、かなり苦戦してただろうなぁ~…」

 

こいつ等って結構成績はいい方だったよな?

それでも苦戦するって……どんだけ学業のレベルが高いんだよ、IS学園。

 

「まぁ、その時は私の友達を紹介するよ」

「友達?」

「私ね、代表候補生の友達が出来たんだ。今も何回か勉強を教わってるんだよ」

 

多分、その子も佳織に恋心を抱いてるんだろうな…。

 

「か…佳織さんがそう言うなら……」

 

蘭も妥協したし。

ホント、佳織の前じゃ借りてきた猫だよな。

 

「もう説得は無理そうだな……」

「そもそも、最初から弾に勝ち目ってあったの?」

「しれっと酷い事言わないでくれませんかね?一夏さんや」

 

俺の心はもうボドボドだ~!

 

完全にアウェーな空気になった時、部屋の扉がコンコンとノックされた。

 

『入るわよ~?』

 

この声は……母さんか?

 

声だけかけて入って来たのは、我が母の五反田蓮。

自分で言うのもなんだが、相当な美人。

佳織のお母さんにも負けてねぇ。

一応、自称『看板娘』

母さんに年齢の事を聞いて生き延びた奴はいない。

 

「佳織ちゃんに一夏ちゃん。いらっしゃい」

「「おじゃましてま~す」」

 

なんでこうも息ピッタリなんだろうな……この二人って。

 

「今、御飯が出来たから、下に降りてきなさいな」

「もうそんな時間か?」

 

携帯を見てみると、時計は11時58分を示していた。

 

「時間が過ぎるのは早いね」

「楽しい時間はあっという間に過ぎるって本当だね」

 

それって、少なくとも俺と一緒にいる事を『楽しい』って思ってくれたって事か…。

 

「……………」

 

おい母さんや。

一体何処を見てるか。

 

「佳織ちゃんか一夏ちゃんのどっちかがウチに来てくれれば、この店も安泰なんだけど……」

「「???」」

 

こいつら……絶対に意味分かってないな…。

 

「蘭もそう思うわよね?」

「うん!!!」

 

力強い頷きだこと。

 

「お腹空いたし、早く行こうよ」

「「「賛成」」」

 

さてと、今日の昼飯はな~にかな~?

 

けど、佳織がウチに来るって、つまりはそう言う事だよな…?

例え低くても、可能性はあるって思っていいんだよな?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 その日の夕食。仲森家。

 

「てな事があったよ」

 

楽しそうに話す佳織とは裏腹に、両親二人は……

 

「流石は蓮さん……もう先手を打ってきたか…!」

(この人はこの人だし、佳織も絶対意味を理解してないわね…)

 

親バカな夫と鈍感な娘に呆れるゆかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から本格的に2巻に突入。

やっとヒロインが全員集合ですね。

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