神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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今週は本当にクタクタです…。

でも、来週も忙しいんだよな……今週以上に。






第17話 反撃開始

 鈴を補給の為に一回下がらせて、無人機に私一人で立ち向かう事に。

今更ながら、なんでこんな無謀な事を考えたんだろう…。

 

「くっ…!だが!」

 

シャア様専用(?)にカスタマイズされているお蔭か、機動性はなんとか互角。

けど、やっぱり火力は向こうの方が圧倒的に上だった。

 

私がいた場所を真っ赤なビームが通り過ぎていく。

その熱量は、以前に体験したセシリアのレーザーライフルの比じゃない。

同じ光学兵器でも威力が違いすぎなんですけど~!?

 

「流石は……と言うべきか」

 

なんて余裕ぶっこいてる場合じゃないだろ私!!

 

さっき、私は自分達の不利を早々に悟って、ピットにいる一夏とセシリアにも増援を要請した。

二人は快くOKを出してくれたが、鈴の補給を手伝っているみたいで、それが終わらない事には二人も出撃出来ない。

つまり……

 

「ここが正念場か」

 

なんとかして、皆が来るまで頑張らないと!

 

「ちぃっ!」

 

向こうの砲門は4つ。

威力も桁違いではあるが、無人機なだけあって動きが単調になっている。

それだけが唯一の救いと言うべきか、私が何とか致命傷を避けられている要因でもある。

 

向こうのビームは一直線にしか飛ばない。

故に、まずは回避に専念しながら隙を窺う。

そして、相手がほんの少しでも隙を見せたら、すかさず……

 

「そこっ!」

 

こっちの攻撃を叩き込む!!

昔…っていうか、前世でエクストリームバーサスシリーズで鍛えた腕、舐めんなよ!!

 

すぐにバズーカの標準を合わせて引き金を引く!

弾頭は真っ直ぐに向かって命中。だけど……

 

「くっ…!」

 

装甲が厚くて思うようにダメージを与えられない…!

人が乗っていないせいなのか、あの無人機にはシールドエネルギーのような物を感じられない。

元来、シールドエネルギーや絶対防御はダメージ等から操縦者を保護するのが役目となっている機構だ。

だが、その操縦者が最初からいない以上、つける理由も無い。

つまりは……

 

「余計な機能をオミットして、その分のエネルギーを火力や機動力の増加に利用したのか……」

 

無人機ならば操縦者の安全を考慮しなくてもいい。

だから、私達が使用している有人機には決して真似が出来ない芸当も易々と可能になる。

 

「厚い装甲に高い機動性能……まるでトールギスだな…」

 

トールギスはアレとは違って真っ白だったけどね。

どっちにしても、基本的な開発コンセプトは同じと見るべきだろう。

本来なら相反する物を、色々な事を度外視する事によって無理矢理実現させた。

なんとも、『あの人』らしい機体だよ、全く…。

 

原作からの知識で無人機の挙動はなんとなく読める。

あいつはこっちが動かなければ動こうとしない。

だから、弾薬の補充などは想像以上に容易に行える。

え?だったら増援が来るまでジッとしてればいいだって?

何を仰るウサギさん。

倒せる可能性が少しでもあるなら、倒す方がいいに決まってるでしょう?

 

私は壁の方に移動して地面に降りる。

そして、無くなったバズーカのマガジンを外してから、右肩のシールドに取り付けてある予備のマガジンをセットする。

 

「これで予備の弾倉も最後か…」

 

え~と?マシンガンの弾はまだまだ余裕があるけど、無人機相手じゃダメージなんて期待するだけ無駄無駄無駄無駄無駄ぁっ!!

ぶっちゃけ、雀の涙程度しか装甲に傷をつけられません。

対艦ライフルにはまだまだ弾の余裕があるけど、この状況じゃ上手く狙いを付けられない。

まぁ、これは最初から私が使うつもりはないんだけど。

後々に備えて弾もちゃんと『別の物』に交換してあるしね。

で、残ったのはヒート・ホーク。

うん、アイツに近接戦を挑むとか、私には無理っす。

私は一夏や千冬さんのような剣道馬鹿じゃないのデ~ス。

 

「残り3発。これでなんとか…」

 

ちょっち本気で覚悟を決めようとした、その時だった。

 

「佳織!!!」

「なに?」

 

この声って……まさか?

 

「待たせたな!」

「お…織斑先生?」

 

どういう訳か、千冬さんが打鉄を装備した状態で一夏と鈴とセシリアを先導してきた。

え?ええ?マジで状況が分からない。

呼んだのは後ろにいる三人だけだよね?

 

私が内心、困惑している中、四人は私の傍に降り立った。

 

「ここからは私も協力する」

「貴女と言う人は…」

 

大方、生徒だけにやらせるのは心配だったから…的な理由で来たんだろうな。

この人って昔から過保護な所があったし。

 

「お待たせしましたわ、佳織さん」

「大丈夫だった?怪我は無い?」

「私は大丈夫だ。まだ致命傷も直撃も受けていない」

 

あのままじゃ時間の問題だったけどね。

本当にナイスタイミングだった。

 

「四人とも、まずは一旦武器を仕舞ってから私の近くに来てくれ」

「武器を仕舞う?何故だ?」

「それを今から説明します」

 

不思議そうな顔を浮かべながらも、四人は武器を収納してから私の傍に近寄ってくれた。

 

「私があいつと交戦して分かった事を手短に報告する」

「分かった」

「まず、あいつは無人機だ」

「「「「は?」」」」

 

だよね~。鳩が豆鉄砲喰らったような顔になりますよね~。

 

「いやいやいや、無人で動くISとか聞いた事ないわよ」

「その通りですわ。ISとは人間が動かす事を前提にした機械。それが無人で動くだなんて…」

「やはりか……」

 

否定的な意見を出す鈴とセシリアを尻目に、千冬さんだけが一人で納得していた。

 

「私も最初に見た時からおかしいとは感じていた」

「ど…どういう事?」

「アイツの動きは機械的と言うか、単調な気がする。それに、時折佳織の攻撃を人間の動きを無視したかのような機動で回避した時もあった」

 

流石は千冬さん。こんな時でもよく見ていらっしゃる。

 

「佳織。お前があいつを無人機と思った根拠はそれだけではないだろう?」

「はい。機体の構造がおかしすぎる」

「構造?」

「そうだ。分厚い装甲に高い機動力を保持する為の高出力のブースター。こんな事をすればどうなると思う?」

「そりゃ……いくら絶対防御があっても、中の操縦者は唯じゃ済まないでしょ……って、まさか!?」

「その『まさか』だ」

 

鈴も気が付いたか。

 

「厚い装甲に高機動……機体としては理想的ではあるけど、そうすれば中の人間の事を完全に無視する事になる。でも……」

「中に人がいなければ話は変わってくる……ですか…」

「あぁ。操縦者の事を考慮しなくて済む分、かなりの無茶が可能となる」

 

それでも強い事には変わりないんだけどね。

 

「それと、この状況で何か気が付かないか?」

「へ?なによ?」

「分からないか?私達がのんびりと話していると言うのに、どうして攻撃がこないんだろうな(・・・・・・・・・・・)?」

「「「「!!!」」」」

 

またまた皆の驚いた顔を頂きました~。

 

「アイツの動きは『鏡合わせ』なんだ」

「か…鏡合わせ?」

「そうだ。こっちが攻撃態勢に移行すれば、向こうも攻撃態勢に。逆にこっちが戦闘状態を解除すれば、向こうも?」

「攻撃してこなくなる…」

「正解だ」

 

単純であるが故に強い。

シンプル・イズ・ベストとはよく言ったもんだ。

 

「けど、そんな単純なら……」

「付け込む隙は必ずある筈だ」

 

あの装備から考えて、恐らく敵さんは複数の相手との交戦を前提としていない。

多分、アレの狙いは最初から……

 

(私……か?)

 

一夏がクラス代表になっていない以上、もしも一夏が狙いであるなら無人機を送り込む理由が無い。

けど、私がターゲットだったら……

 

(色々と納得できてしまう…)

 

こんな風に歪んでいるのも、十中八九『神』の仕業に違いない。

あんにゃろ~!こうなったら、絶対に無人機をぶっ倒してやる~!

 

「け…けど、あれが無人機だとしても、これからどうするの?」

「向こうが圧倒的な火力で来るのならば、こっちは連携で対抗するほかあるまい」

「連携……」

「と言っても、そこまで複雑な事を要求するつもりはない」

 

それ以前に、私に作戦立案能力とか無いからね?

 

「まずはセシリア」

「はい」

「君は我々の中で最も狙撃能力が高い。故にコイツを頼みたい」

「これは……!」

 

私がセシリアに渡したのは、対艦ライフルARS-78だ。

 

「お前のレーザーライフルでは過度なダメージはあまり期待できない。だが、今回こいつの弾は本来装備される筈の貫通式の炸裂徹甲弾を装填してある。戦艦の分厚い装甲すらも易々と貫通してしまう代物だ。これならばあの無人機にも有効な一撃を与えられるだろう」

「し…しかし、ダメージが与えられると思っているのでしたら、どうしてご自分で使用なさらなかったんですの?」

「お前ならばきっと、私以上に有効に使えると判断したからだ。勿論、ちゃんと使用者権限のロックは解除してある」

 

ISの武装は基本的には他の機体が使う事が出来ないようになっている。

でも、今回の私のように予めロックを解除して、別の機体を登録しておけば、本人以外でも武器の使用が可能となる。

 

「セシリアの銃の腕を見込んでの依頼だ。頼めるか?」

「私の腕を見込んで……」

 

あ…あれれ?急にどうしちゃったの?

 

「分かりましたわ!このセシリア・オルコット、見事に佳織さんの期待に応えてみせますわ!!」

「任せたぞ。私達の背中はお前に預けた」

「はい!」

 

いい返事だけど、ちゃんと分かってるのかな~?

 

「次に一夏と鈴」

「え?あ…はい!」

「な…何かな?」

「二人には隙を見ての近接戦をやってもらいたい」

「近接戦?」

「そうだ。アイツの主武装は両腕に固定武装として装備されたビーム砲だ。だが、見た限りではそれ以外に装備していないように見える。つまり…」

「上手く懐に飛び込めれば…」

「こっちのもの…か」

 

理解が早くて助かるよ。

私の拙い頭で考えた作戦で悪いとは思うけど。

 

「だが、決して無理はするな。自分達が確実に攻撃出来ると思った時にしてくれればそれでいい。深追いは禁物だ」

「「分かった」」

 

中途半端な私よりも、総合的な戦闘力は絶対にこの二人の方が上。

だからこそ、こんな危ない役目を任せる事も出来る。

罪悪感が無いと言われたら嘘になるけど。

 

「私はどうしたらいい?」

「織斑先生は……」

 

う~ん……流石の私も、ここで千冬さんが参戦するなんて夢にも思ってなかったら、なんにも思いついて無かったよ。

そうだなぁ~…。

 

「ならば、先生には遊撃を頼みたい。ここにいるメンバーの中では間違いなく貴女が最強だ。無理の無い範囲で好きに動いて貰いたい」

「了解した。それと…」

「ん?」

 

急にどうした?

 

「今は別に私の事を『先生』と呼ばなくていい。いつものように呼んでくれて構わない」

 

ん~?どーゆー事?

 

「……了解した。千冬さん」

「それでいい」

 

何故にそこで嬉しそうにする?

 

「肝心の佳織は何をする気なのよ?」

「私の役目は最初から決まっている」

 

敢えて私はマシンガンを装備して構える。

 

「私は陽動を担当する」

「よ…陽動!?一人で!?」

「陽動は一人で充分だよ」

 

それに、一人だからこそ出来る事もある……ってね。

 

「ん?」

 

音が聞こえた。

まさかと思って振り向くと、無人機が攻撃態勢に移っていた。

なんで?って…あ、説明の為に武器を出したの忘れてたや。

 

「全員散開!」

「「「「了解!!」」」」

 

あ…あれ?なんで私が指揮官みたいな事をしてるの?

なんか自然と皆に命令的な事を言ってしまったけど…。

 

皆が散らばって、さっきまでいた所にビームが命中する。

 

あっぶな~!ビームが当たった場所が真っ赤になって融解してるじゃん!

あのままでいたら一網打尽だった。

 

「では……行かせてもらおうか!」

 

マシンガンを両手で持って、態と不規則に動きながら無人機に迫る。

 

「こちらだ」

 

碌なダメージなんて入らないのは分かっているけど、敢えてマシンガンで攻撃。

私の役目は相手に向かって積極的に攻撃する事じゃない。

あくまで無人機の狙いを私に向かせて隙を生み出す事。

だから、弾数にまだまだ余裕があるマシンガンが最適なのだ。

 

装甲に僅かな掠り傷を与えると、無人の顔がこっちを向く。

よしよし……私に狙いを定めたか。

 

その不自然なまでの腕がこちらを向き、銃口にエネルギーが充填されていく。

数瞬の内にビームが発射されるが、体を回転させながら紙一重で回避。

 

「鈴!」

「分かってるわ!」

 

無人機がこっちを向いた隙を狙って、一夏と鈴が武器を構えて迫る。

ふと見ると、一夏の手には雪片以外にも、もう一本別の剣が握られていた。

 

(あれは……打鉄に装備されている筈の近接ブレード『葵』か?)

 

どっちも近接戦闘に向いているから、武器の相性はいいだろうけど…。

 

だが、無人機は射撃直後の硬直を無理矢理振りほどいて動き、二人の方に銃口を向ける。

けど残念。こっちには優秀なスナイパーがいるんだよ!

 

「そう簡単にいくなんて……思わない事ですわ!!」

 

セシリアに渡した対艦ライフルから放たれた特殊弾が、一夏と鈴の二人の間をレーザーライフルにも匹敵する速度で通り過ぎ、撃つ直前だったビームの銃口にめり込んだ!

次の瞬間、銃口の内部で弾が炸裂し、ビーム砲を一つ破壊、爆散した。

 

「やりましたわ!」

 

喜びながらもセシリアは次の弾を装填する。

 

「この隙は!」

「逃さない!」

 

爆発の余波で少しだけ体が倒れかけた瞬間を、二人は決して見逃さなかった。

一瞬で無人機の懐に潜り込み、一夏と鈴がXを描くように斬りつけて、そのまま離脱。

 

やっぱり……下手な実弾兵器よりも近接武器の方が効果的みたいだ。

無人機の装甲に確かな傷跡があった。

 

無人機はその場から移動し、態勢を整えようとしたのだろうか。

空中に浮いて離脱を図ろうとしたが、その背後に人影があった。

 

凄まじい音と共に無人機が地面に叩きつけられた。

 

「逃がすと思うか?」

 

わぉ……凄い顔で睨み付けながら千冬さんが剣を構えている。

あれで攻撃したのか…。

 

(つーか、いつの間に?全然分からなかった…)

 

一線を退いても、まだまだ規格外って事ね…。

 

だが、無人機も黙ってやられはしないようで、地面に這いつくばりながらも銃口を千冬さんに向けている。

だと言うのに、千冬さんはいつものように佇んでいるだけ。

心なしか顔も笑っているような気もするし。

 

「やらせんよ」

 

バズーカに持ち替えてから無人機の腕に向かって発射。

弾速はそこそこだけど、あの体勢では上手く動けないようで、見事に命中。

こっちは射線さえ逸らす事が出来ればいいと思っていたけど、なんと銃口に直撃。

私の攻撃で相手の攻撃手段を潰せてしまった。

 

「佳織ならばやってくれると信じていたぞ」

「光栄の至り」

 

偶然ですけどね。

 

「火力は確かに向こうの方が上かもしれん。だが、それだけだ。機械には絶対に出来ない人間の戦いと言うものを奴に見せつけてやろう。なぁ、佳織?」

 

そこで私に振りますか。

 

「勿論。ここで負けては人間の名折れ」

 

こうなったら自棄だコンチクショ~!

バズーカからマシンガンに持ち替えて、スコープを覗く。

 

「護るべき者を護る為に貴様を鉄屑(スクラップ)にしてやる。だから……」

 

私はまた陽動をする為にスピードを上げて相手に突っ込む。

 

「かかって来い……無人機(ガラクタ)

 

 

 

 

 

 

 

 




一話で戦闘が終わらなかった…。

ある意味、私あるあるですけど。

次回で決着かな?

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