神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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ここから原作第一巻の後半に突入です。

さぁて、どうなるどうなる?






第11話 もう一人の幼馴染と恋する少女達

「うぅ~ん…?」

 

早朝。

なにやら奇妙な違和感を感じながら、私はそっと目を開けた。

 

「ん……?」

 

なんか重い?

何かが体に乗っかかっているようだ。

その証拠に、私の体の上にある掛布団が少し膨らんでいる。

しかも、胸の辺りに変な感触もあるし。

 

「一体何なの…さ!」

 

勢いよく布団を取ると、そこにあったのは……

 

「すぴ~…かおりん~…」

「本音ちゃん!?」

 

私の上に乗って熟睡している本音ちゃんでした。

っていうか、いつ抜け出して私のベットに忍び込んだの!?

 

「ちょ……胸胸!」

 

現在、本音ちゃんの顔は私の胸に収まるように埋没していて、その両手はしっかりと私の両胸に触れている。

つーか、何気に揉もうとしないで!

 

「本音ちゃん!いい加減に起きて!」

「えへへ~♡かおりんのおっぱい……ふにふに~…♡」

「寝言で感想を言うな!」

 

なんとか態勢を整えてから、体を揺さぶりまくった。

それを10分ぐらい続けて、ようやく起きてくれた。

 

「あれ~…?なんで私ってばかおりんのベットにいるの~?」

「寝相だったの!?」

 

いやいや…これまでそんな事は無かったよね!?

どうして今になって、そんな寝相の悪さが露呈するのさ!?

 

「と…とにかく!今は早く準備をするよ!急いで!」

「は~…いふぁ~…」

 

最後まで言えてないし!

 

その後、なんとか食堂に到着して朝食を食べたが、急いでいた為どんな味だったか全く思い出せなかった。

 

……今度、超強力な目覚ましでも買ってこようかな…。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 なんとかして遅刻の回避に成功した私達は、教室についてから即座に席に着き、いつものように皆が私の席の周りに集まる。

 

「なんだか今日は慌ただしかったな。一体どうした?」

「本音ちゃんが寝坊しかけたんだよ……」

「にゃはは~……ゴメンね~かおりん~」

「そう思うのなら、せめてすぐに起きてほしい…」

「あはは……」

 

苦笑いをしても誤魔化されないからね。

 

「佳織も大変だね……」

「本音さん。淑女たるもの、一人で起きれなければいけませんわ」

「私は別に淑女じゃないんだけど~…」

 

多分、セシリアの中じゃ女性は皆、淑女なんじゃないかな?

 

「あ、仲森さん。おはよ~」

「うん、おはよう」

 

他のクラスメイトからも挨拶をされる。

あの試合以降、私に話しかけてくれる子が一気に増えた。

私がクラス代表になったと言う事も大きいのだろうが、それ以上に試合のインパクトが大きかったんだろう。

実に不本意ではあるけれど……。

 

「そうそう。仲森さんはもう転校生の話って聞いた?」

「「「「転校生?」」」」

 

こんな時期に?…って、あれ?

この時期の転校生って……何かが引っかかるような……。

 

「なんでも、隣の二組に中国からの代表候補生の子が転入してくるんだって」

「「中国……」」

 

私と一夏の言葉が重なる。

その瞬間、私の頭に稲妻が走った!

 

「あっ!」

「ど…どうしたんだ?いきなり」

「い…いいや?なんでもないよ…」

 

やっば~!今完全に思い出したよ~!

この時期って言えば、『あの子』がやって来る時期じゃん!

いや、この場合は『戻ってくる』の方が正しいのかな?

 

「代表候補生……」

 

あ、セシリアがなんか反応してますよ。

 

「もしや、この私の存在に危機感を覚えたが故の転入かしら?」

 

ま~たこの子は…。

 

「セシリア。慢心はダメだって。織斑先生もよく言ってるでしょ?」

「そ…そうでしたわね……。失言でしたわ」

 

反省の意思があるならよし。

 

「まぁ、別にこのクラスに転入してくるわけじゃないんだ。そこまで気にする程の事でもないだろう」

「箒の言う通りだね。でも、一体どんな子なんだろう?」

「一夏は気になるのか?」

「うん。だって、隣のクラスってことは、今度あるクラス対抗戦で佳織と戦うって事でしょ?」

「そうだったな…。そんなイベントが控えているんだったな」

 

多分、一夏も転入生の正体を知ったら驚くだろうなぁ~。

 

「ならば!クラス対抗戦に備えて、今日からはより実践的な訓練をしましょう!私とならば必ずや佳織さんの成長に尽力出来ますわ!なんせ、私は専用機持ちですから!」

「む~……私も一応、専用機を持ってるんですけど~…」

「そうかもしれませんが、実力はいざ知らず、知識や技術の方はまだまだ勉強する事が多いのでしょう?でしたら、貴女はご自分の事に集中して、佳織さんの事は私の任せてはいかがですの?」

「なんですって~…!」

 

あぁ~あぁ~!

なんか朝から火花が散ってるし~!

 

「二人は仲良しさんだね~」

「「仲良くなんて無い(ですわ)!」」

「息ピッタリだな」

 

箒にツッコまれたよ。

こりゃまた珍しい。

 

「喧嘩するほど仲がいい…ってやつ?」

「佳織さんまで~…」

 

セシリアが泣きそうになりながらこっちを向く。

 

こんな風な会話が一番楽しい。

なんつーか…青春してる~!って気になるから。

 

「取り敢えずは、やれるだけやってみるよ。昨日、皆の前で宣言もしちゃったし」

 

図らずも…だけど。

 

「なに、佳織なら大丈夫さ」

「そうそう!きっと勝てるよ!」

「かおりんが勝つと、皆がハピハピだよ~♡」

 

本音ちゃん……そのセリフって、どこぞの背の高いアイドルさんを真似てない?

 

「そう言えば、対抗戦の優勝賞品ってなんだっけ?」

「確か、学食デザートの半年間のフリーパス券じゃなかったか?」

「デザートかぁ~…」

「あれ?仲森さんってデザート嫌い?」

「そうじゃないんだけど……甘すぎるのはちょっと苦手かな~」

 

別に食べれないわけじゃないけど、少し気分が悪くなる。

個人的に好きなのは、モンブランとかビターチョコとかの甘さ控えめのデザート類だ。

 

「でも、皆が欲しいって思うのなら、頑張って優勝を目指してみるよ」

「その意気だよ!現在のところ、専用機を所持しているのは一組と四組だけだから、優勝する確率は結構高いって思うよ」

 

四組…ね。

いずれは『あの子』とも接触するんだろうか…。

でも、その場合ってどうなるんだ?

白式の詳しい開発経緯を知らないから、何とも言えないな~。

 

「その情報……少し古いよ」

「「「「え?」」」」

 

いきなり、教室の入り口付近から声がした。

あ~…この声は……。

 

「つい最近だけど、二組も専用機持ちがクラス代表に就任したの。簡単に優勝が出来ると思ったら大間違いよ」

 

いかにも『かっこつけてます』って感じのポーズで立っていたのは、原作ヒロインの一人にして、私にとってはもう一人の幼馴染とも言うべき少女『凰鈴音』だった。

 

(ふふふ…。再会早々に私の成長をアピール大作戦は成功のようね。佳織も驚いたようにこっちを見てるし)

 

……なんか、こっちを見ながらニヤニヤしてるんですけど、あの子。

 

「もしかして……鈴なの?」

「そうよ一夏。改めて自己紹介をしてあげる」

 

そう言うと、腕を組んでいきなりの仁王立ち。

 

「私は凰鈴音。今度二組に編入した中国の代表候補生…そして、二組のクラス代表でもあるわ。(決まった!これで佳織もアタシにメロメロね!)」

 

なんで『勝者の笑み』を浮かべてるの?

 

「そして……」

 

ん?鈴が教室に入ってきて、こっちに来たんですけど?

 

「佳織の事を世界で一番愛している者よ」

 

え……えぇ~!?

って言うか、しれっと私の首に腕を回して抱き着かないでくれますか!?

 

「「「「「えぇ~!?」」」」」

 

ほらぁ~!案の定、教室が騒がしくなった~!

 

「か…佳織がががががががががが」

 

ほ…箒が壊れたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?

 

「おのれ~…!佳織さんは誰にも渡しませんわ~…!」

 

で、セシリアはメラメラと炎を燃やしてるし。

 

「あわわわわ~…かおりんが…かおりんが~…」

 

本音ちゃんは派手に震えてる。

そう言えば一夏は?

 

「ふふふ……」

 

何故にそこで笑う?

 

「私の佳織に対する思いは、そんな言葉には負けない!」

「へぇ~…言うじゃない。流石は昔からのライバルね」

 

今度は一夏と鈴の間で火花が~!?

 

「「「あ」」」

 

瞬間、私達は冷静になった。

何故かって?そりゃ……

 

「おい、貴様等」

「「え?」」

 

二人の後ろに千冬さんが来たからに決まってるじゃん。

 

勿論、睨みあっていた二人の頭には。伝家の宝刀である出席簿アタックが炸裂。

見事なたんこぶを作り上げて、そこからギャグ漫画のような湯気が出ていた。

 

「もうSHRの時間だ。早く自分のクラスに戻れ」

「わ…分かりました……」

 

顔を青くしながら鈴は教室から出ようとする。

昔からあの子って千冬さんの事が苦手みたいだしね。

 

「また後で来るから!愛してるわ!佳織!」

 

去り際の一言が余計だよ!

 

「早く行け」

「は…はい!」

 

今度こそ完全に行ったようだ。

下手に教室に入らなければ、痛い目を見ずに済んだのに…。

 

「全く……佳織を世界で一番愛しているのは、この私だ」

 

この人、最初から全部聞いてたな!?

 

「お前達も、早く席に着け」

「「「「は…はい」」」」

 

皆、何かを言いたげな顔をしていたけど、千冬さんの迫力には勝てなかったようで、大人しく席に着いた。

 

また、一段と騒がしくなりそうだぁ~…。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

(一体、今朝のあの女は何者なんだ…!?私の佳織にべたべたと抱き着きおって!)

 

くそっ…!あの一件の事が頭から離れない…!

これでは授業に集中できんではないか!

 

しかし…あのツインテール女が抱き着いた時、佳織は全く抵抗する様子を見せなかった。

と言う事は、少なからず佳織の方も、あの女に対しての感情があると言う事か!?

だとしたら、これは由々しき事態だ!

 

(佳織……)

 

少し佳織の方を見てみると、真面目に授業を聞きながらノートを取っていた。

 

(本当に真面目だな……佳織は。どんな時も誠実さを失わない。そんなお前だから私は……)

 

そうだ、ここで諦めてどうする!

一夏も言っていたではないか!

あんな言葉程度で佳織への想いは揺らがないと!

私だって、佳織に対する気持ちは誰にも負けていない!

よし!早速、今日の放課後から頑張らねば!

 

「篠ノ之。ここの答えは何だ?言ってみろ」

「え……?」

 

こ…答え?

 

「二度も同じ事を言わせるなよ」

 

そ…そうだった…!今は織斑先生の授業だった…!

私としたことが、なんと言う事を…!

 

「き…聞いてませんでした…」

 

教室に強烈な打撃音が響き渡った。

 

後で『分かりませんでした』と言えば、少しは威力を軽減して貰えたかも…と思ったが、完全に後の祭りだった。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 あぁ~…もう!一体彼女はなんなんですの!?

佳織さんに馴れ馴れしく抱き着いた揚句、愛してるだなんて!

私だってまだ言った事が無いと言うのに!

 

唯でさえ、現状では幼馴染である一夏さんや箒さん、ルームメイトの本音さんと言う強力なライバルがいると言うのに、そこから更に謎の転校生が来て、それが佳織さんと仲がいいだなんて!

こっちは幼馴染でもなければ同室でも無い。

私の今のアドバンテージと言えば……

 

(同じ専用機持ちであり、佳織さんと剣を交えた事がある…と言う事ぐらい…)

 

これでは手札としては余りにも微妙ですわ!

なんとかして、逆転の一手を打たなくては…!

 

相手は私と同じ代表候補生と言う属性を持ち、しかも佳織さんとは旧知の仲。

 

(……完全にズルですわね)

 

相手の手札は非常に強力だ。

今までのようにISの訓練や模擬戦だけでは、今いち決定打に欠ける。

ならばどうするか?

いざとなったら、最後の手段に打って出るしかないのかもしれない。

 

「既成事実さえ作ってしまえば……ふふふ……」

「オルコット」

「佳織さんのあの柔らかな肌を……」

「…………」

 

いきなり強烈な衝撃が私の頭を走りました。

 

うぅ~…痛いですわ…。

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

(かおりん……)

 

かおりんのあんな顔、私は初めて見たかもしれない…。

 

なんだか安心したような、そんな顔。

とても自然な笑顔だった。

 

きっと、あの子はかおりんにとって家族同然の存在だったんだろう。

 

「はぁ……」

 

私も…いつか、かおりんにあんな顔をして貰えるような存在になれるのかな…?

ううん……なりたいな…。

 

かおりんの事も考えると、いつも胸が苦しくなる。

息も途切れ途切れになって、顔も熱くなって…。

 

「あ……」

 

そっか……これが『好き』って気持ちなんだ…。

 

自分でも不思議だけど、なんとなく分かった…。

 

しののんやおりむーは、いつもこんな気持ちなんだ…。

そして、さっきの子も……。

 

私は……かおりんが好きなんだ……。

 

「~~~…!」

 

うぅ~!自覚しちゃうと、急に恥ずかしくなっちゃうよぉ~!

 

「はぁ……」

 

ふえ?溜息?

 

ふと上を向くと、織斑先生が私に向かってポン…と非常に軽く出席簿で叩いた。

 

(全然痛くない…?)

 

どうして?二人には凄い威力だったのに…。

 

「ちゃんと授業に集中しろ。布仏」

「す…すいませんでした…」

 

それだけを言うと、先生は手に持った教科書に目線を落とした。

 

「…………精々頑張れよ、小娘」

「え?」

 

織斑先生…?

なんか去り際に何か言ったような気が……。

 

それからは、なんとか授業に集中することが出来た。

不思議と気分は晴れ晴れとしていたけど、なんでだろう…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まずはここまで。

次から鈴が本格的に絡んでくる?

そして、何故か本音が可愛い事に…。

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