神の意思が俺をTSさせて百合ハーレムを企んでいる   作:とんこつラーメン

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どうしよう……なんか、軽くではあるんですけど、『おれゆり』のR-18の話を思いついてしまった自分がいます…。

どこかタイミングを見計らって、書いてみようかな…。






第10話 セカンドと就任パーティー

「ここがIS学園……ね」

 

すっかり暗くなったIS学園の正面ゲート前に、私は一人静かに立っていた。

ここから見えるIS学園の校舎を見つめているけど、なんか肩から下げているボストンバックが重くなってきたから、そろそろ行こうかしら…。

 

「え~っと~…受付ってどこにあるって言ってたっけ…」

 

確か、上着のポケットにメモ紙が入ってたわよね。

メモメモ~っと。

 

「あ、あった」

 

すっかりくしゃくしゃになってるけど、読めればよし!

 

「本校舎の一階総合事務受付………いや、分からんし」

 

今日初めてここに来たのに、いきなり場所の名前だけ教えられても分かるわけないっつーの。

 

「まぁ…いいや。分からないのなら、足で探せばいいのよ」

 

刑事ドラマとかでも、情報は足で探すの基本だ的な事を言ってた気がするし。

どんなドラマかは忘れたけど。

 

「って言うか、出迎えが無い事は予め聞かされていたけど、それでも少し乱暴すぎやしない?もうちょいこっちに配慮とかしてくれても罰は当たらないと思うんだけど」

 

なんて言ってても仕方ないんだけど。。

今まで散々IS学園に行くことを断っておいて、今になって手の平を返すようにOKサインを出したんだもの。

向こうも色々と思うところがあるんでしょ。

 

当初、私はお上の方から専用機の実践テストとデータ収集の為にIS学園に行くようにずっと言われ続けていた。

けど、私からすれば、何が悲しくていきなり転校をしなくちゃいけないんだって話よ。

今までもずっと転校転校のオンパレードだったのに、また転校だなんて。

しかも、今度は日本にあるIS学園。

どうせ、いる奴らは全員がお高く止まったエリート様ばかりなんだと思って、代表候補生としての権限をフルに利用して断り続けていた。

そんなある日、私の元にある情報が流れ込んできて、それを聞いた途端に私はIS学園に行くことを決めた。

 

ついこの間、IS学園で模擬戦が行われたらしい。

それ自体は別になんでもない。

ここはISの事を学ぶ為の学園だもの。

模擬戦ぐらいしたって不思議じゃないわ。

でも、問題は…その模擬戦をした選手だった。

 

イギリスの代表候補生を圧倒的な技量で打ち負かした、IS適性A+の女の子。

彼女自体はどこにでもいる平凡な少女だったらしいが、それがまさかのジャイアントキリングをしてしまったから、さぁ大変。

IS学園にいる生徒からの情報であっという間にネット上に広まって、その試合の内容を見た連中はこぞって彼女の事をこう呼んだ。

 

『赤い彗星』……と。

 

それが誰か気になって、私も試しに映像を見てみたら、そこに映っていたのは……。

私の大好きな幼馴染の女の子『仲森佳織』だった。

 

もう驚いたなんてもんじゃないわよ。

赤い彗星の正体が佳織だって知った時、私ってばマジで椅子から転げ落ちたし。

まさか、佳織がIS学園に行っていたなんて思いもしなかった私は、すぐに上の方に掛け合って、IS学園に行くことを了承した。

で、今に至る……って訳。

 

(誰か都合よく通りがかったりしないかしらね~。佳織とか佳織とか佳織とか)

 

流石にそこまで都合よく出来てないか。

これから一緒の学園に通うんだし、会う機会は幾らでもあるわよね。

 

「しゃーない。こうなったら適当に歩いてみるか」

 

歩いていればいつかどこかに着くでしょ。多分。

 

「やっぱり……さんは凄いです…ね…」

 

ん?なんか声が聞こえたような気が…。

向こうから?

 

視線を向けると、そこにはISの訓練施設が見えた。

少し暗くて視界が悪いけど、どうやら複数人の女子が出て来たみたい。

丁度いいから、あの子達に場所を聞こ~っと。

 

少し小走りで彼女達の元に行くと、少しづつ彼女達の姿が見えてきた。

って!あれってもしかして…!

 

「そんなことないよ。まだまだセシリアには及ばないって」

 

やっぱり……間違いない!佳織だ!

まさか本当に来日初日に佳織に再会出来るなんて!

これもきっと、日頃の行いがいいせいね!

もしくは、アタシと佳織が運命の赤い糸で結ばれてるかのどっちか。

愛の力って偉大だわ~。

 

「でも、私達の中じゃ操縦技術は間違いなく佳織が一番じゃない?」

 

この声は……一夏!?

あの子もこの学園にいたの!?

まぁ……一夏の実力なら入学出来ても不思議じゃないけど…。

 

「そうだぞ。もっと自信を持て、佳織」

 

……何?あのポニーテールの女の子は?

しかも、見た感じでは結構仲良さそうだったし…。

 

「ISに乗っている時は、あんなにも凛々しいですのに…。でも、そのギャップが佳織さんの最大の魅力なんですけど…♡」

 

あの金髪もなんか仲良さげだし…。

 

「はぁ~…かおりん。私……」

 

あのツーサイドアップの子なんて、完全に佳織に対して恋煩いしてるじゃない!

あの顔は間違いなく、恋する乙女の顔!

 

「どうしたの?本音ちゃん。まだ調子悪い?」

「いや佳織。本音は別に調子が悪いと言う訳じゃなくてだな…」

「ある意味では、かなり厄介な病気だけどね」

「???」

 

あぁ~…完全に分かってない。

佳織は無駄に鈍感な所があるから。

 

「辛かったらいつでも言ってね。なんでも力になるから」

「う…うん……」

「あ~もう!本音ちゃんは可愛いな~!」

「ふにゃ~!?」

 

あぁ~!?佳織があの子に抱き着いた~!?

一夏や他の二人も驚いてるし!

 

って言うか、あの四人組って全員が『規格外』じゃない?

なんか歩く度に、ある一部分が揺れてるし。

どこかは敢えて言わないけど。

言ったら負けな気がするし。

 

私が驚いているうちに、佳織達は校舎の中に入って行ってしまった。

 

それからすぐに本来の目的地である総合事務受付は発見できた。

実は佳織達が出て来た場所からすぐ近くにあったのだ。

これも佳織に早々に再会出来たからだと信じたい。

 

「え~っと…これで全ての手続きは完了しました。IS学園にようこそ、凰鈴音さん」

 

事務の人は愛想よく話してくれたが、今の私にそれに対応する余裕は無い。

 

「あの……仲森佳織さんって何組ですか?」

「仲森さん?あぁ~!例の『赤い彗星』の子ね!」

 

どうやら、こうした人達にも佳織の異名は伝わっているようだ。

流石は私の佳織♡

 

「仲森さんなら一組よ。で、貴女は二組。丁度お隣さんになるわね。確か仲森さんは一組のクラス代表を務めている筈よ」

 

クラス代表……。

昔からリーダーシップはあったし、少し予想出来たことかも。

 

「じゃあ、二組のクラス代表ってもう決まってるんですか?」

「決まっていたと思うけど、それがどうかしたの?」

「いえ……ちょっとO・HA・NA・SHIしてクラス代表を譲って貰おうかな~って思って…」

「ひぃっ!?」

 

待ってなさいよ佳織~…。

アンタを一番愛しているのは誰なのか、改めて分からせてあげるわ!

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

「てな訳で、仲森さん!クラス代表就任おめでとう~!」

 

…………なんでこうなった?

 

私は今、学生寮の食堂にいる。

夕食後の自由時間はゆっくりとネトゲでもしようかと思っていたのに、クラスメイトの一人(鷹月さん…だったっけ?)に連行されるように食堂に来た。

で、待っていたのはクラスの皆とデカデカと『赤い彗星クラス代表就任パーティー』と書かれた大きな紙だった。

せめて中二病溢れる異名じゃなくて本名を書いてほしかった…。

これじゃあ、いい恥さらしだよ…。全然おめでたくないよ…。

 

そこかしこでクラッカーが鳴り響き、私の頭の上にもいくつか紙テープが降ってきた。

ははは……もう知らね。

 

って言うか、よく見たら明らかにクラスの人数よりも多いんですけど?

これ絶対に数人は他のクラスの子が混じってるよね?

 

「いや~!まさか仲森さんがあれ程の才能を隠し持っていたなんてね~!」

「うんうん!人は見た目によらないってよく言うけど、本当だったね!」

 

それに関しては私自身が一番驚いてるから。

 

「流石は『赤い彗星』!」

「お願いします、それだけは勘弁してください」

 

その名を呼ばれる度に、私の心が悶絶するんだよぉ~!

 

私は食堂にあるソファーの中央に座っていて、その両隣にセシリアと本音ちゃんが座っている。

一夏と箒はその二人の隣。

なんか悔しがってるけど、なにか欲しい食べ物でもあったのかな?

テーブルには皆が持ち寄ったと思われる色々なお菓子やジュース類があるけど。

 

「かおりんは人気者だね~」

「そうかな?」

 

皆が望んでいるのは『赤い彗星』の方じゃないの?

 

「佳織さん。ジュースのお替りはいかがですか?」

「え?じゃあ貰おうかな?」

「わかりましたわ」

 

そして、セシリアはさっきからずっと私にくっついてお菓子を取ってくれたり、ジュースをついでくれたりしてくれている。

一体いつから君はそんなに献身的な女の子になった?

 

「ぐぬぬ……!ここからでは佳織に近づけん…!」

「我慢…我慢だよ箒…!まだ戦いは始まったばかりだから…!」

「そ…そうだな。まだ始まったばかりだよな」

 

なにがだよ。

 

両隣で挟んでの会話だから、いくら喧騒に紛れていても全部聞こえてるんですけど?

 

「はいは~い!どうも、毎度お馴染みの新聞部で~す!」

 

毎度お馴染みじゃないでしょ。

今回が初めてだよ、色んな意味で。

 

「噂に名高い『赤い彗星』こと仲森佳織ちゃんに特別インタビューをしに来ました~!」

「「「「おぉ~!」」」」

 

おぉ~!じゃねぇよ。

少しはこっちの身にもなって。

 

「あ、因みに私は二年生の黛薫子。こう見えても新聞部の副部長をしてま~す。これからよろしくね。はい、これ名刺」

「あ…どうも」

 

思わず名刺を取ってしまった。

と言うか、今この人『これから』って言った!?言ったよね!?

 

「それでは早速お聞きしましょう!まずは、入学早々に『赤い彗星』と言う異名で呼ばれるようになった佳織ちゃん!今の心境をどうぞ!」

「恥ずかしいの一言ですよ」

「デスヨネ~。うん、それはよ~くわかる」

 

なら聞くなよ。

って、おい!?その手に持っているのはボイスレコーダーじゃないですか!?

この人、録音する気満々だよ!

 

「でも、それだけ君が凄いって証拠でもあるよね。最初の試合から、あれだけ派手に大立ち回りをすれば、そりゃあ有名にもなるよ」

 

急に正論を言われてしまった…。

でも、あれは私の本来の力じゃない。

本当の私はどこにでもいるへっぽこ三等兵だ。

 

「じゃあ次ね。クラス代表になった感想でも聞かせて貰おうかな?」

「感想……」

 

そう言われてもな~…う~ん…。

 

私が何を言おうか悩んでいると、急に頭にラファールⅡのヘッドセンサーが部分展開された。

 

「……!」

 

やばい…!部分展開だけでもシャアモードになるのか…!

しかも、頭に展開したせいか、誰も気が付いてない!

 

「私は所詮、どこにでもいる一介の女子高生に過ぎない。だが、そんな私でも何かが出来ると言うのであれば、それを全力でやらせてもらおう。私はここで、一組のクラス代表に恥じない働きをすると皆に約束する」

 

言ってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

よりにもよって、この最悪のシーンでこの口調とか、絶対に黒歴史確定だよ~!!

 

「……………」

 

あ…あれ?黛さん?急に静かになってどうしたんですか?

皆も黙りこくってるし。

 

「あ!ご…ごめんね。なんか急にボーっとしちゃって。あはは~…」

 

黛さんの顔が赤いぞ。まさか、熱でもあるんじゃ…。

 

(うわ~…。噂には聞いてたけど、これが佳織ちゃんの『ヅカキャラモード』ってやつか~…。不覚にも少し見惚れちゃったよ…)

 

あ、ヘッドセンサーが消えた。

ふぅ~……よかった。

 

「仲森さん……素敵……♡」

 

はい?

 

「ヤバ……私、マジになっちゃうかも……」

「私も…。まさか自分が『そっち』の道に踏み込んじゃうなんて……」

 

ちょ…ちょっと!?みなさ~ん!?

大丈夫ですか~!?

 

「セシリアもなんとか言ってあげて……って!」

 

は…鼻血!セシリアの鼻から鼻血が出てるって!

それに反して目は凄くキラキラしてるし!

 

「あぁ……やはり、私の目に狂いはありませんでしたわ…♡佳織さんこそが私の理想の……」

 

理想の!?理想の何よ!?

 

「ふにゃ~…かおりん……♡」

 

そんで本音ちゃんは顔が完全に蕩けて私の腕に抱き着いてるし!

 

「そうだ!一夏と箒は!?」

「はぁ~…佳織ぃ~…♡」

「完全に撃墜されちゃったよぉ~…♡」

「えぇっ!?」

 

いつの間にか二人は私の両足にしがみついて、頬を摺り寄せてる!

 

「ちょ…!二人とも!これじゃあ身動き取れないから!」

「「佳織ぃ~…♡」」

「聞いてないし!」

 

この場にまともな人間は誰もいないのかぁ~!?

 

「本当はここでセシリアちゃんにもインタビューをしようと思っていたけど、もういいや……」

「それがいいですわ……」

 

いやいや!セシリアにもインタビューしようよ!

私だけなんて嫌だよ!?

 

「取り敢えず、佳織ちゃんに惚れた事にしとくね」

「間違いじゃないから大丈夫ですわぁ~…」

 

間違いじゃないのかよ!?

 

「しっかし、まさか本音ちゃんも……ねぇ~…」

「本音ちゃんの事を知ってるんですか?」

「うん。この子のお姉さんとは知り合いでね。その関係で本音ちゃんとも顔見知りなんだ」

 

思ったよりも顔が広い本音ちゃん。

意外な一面が次々と明らかになる…。

 

「頑張ってね佳織ちゃん!色んな意味で応援してるから!」

「色んな意味とな!?」

 

そんな事を言われても心配しかないよ!?

 

「んじゃ、最後に皆で記念写真でも撮ろうか。当初は専用機持ちだけで撮るつもりだったけど、こうなったらもういっその事、皆で撮った方がいいような気がしてきた」

 

黛さんが一旦離れて、少し遠くにあるテーブルに自分のカメラをセットする。

あれ、彼女が撮影するんじゃないの?

 

「ついでだから、私も入るね」

 

マジですか…。

しかも、何気に私の前にいるし。

 

それを合図にして、その場にいた全員が私を中心にして集まった。

ぶっちゃけ、窮屈で暑いです…。

 

「それじゃあ皆~。ジョナサン・ジョースターの必殺技と言えば~?」

「「「「「「山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)!!!」」」」」」

 

パシャ!

 

「なんでやねん!!!!!」

「お!見事なツッコみ!」

 

そりゃツッコみもしますよ!

つーか、皆ジョジョ好きだな!?

セシリアも一緒に叫んでたぞ!?

 

「ジョジョ第一部の舞台はイギリス。その主人公であるジョナサン・ジョースターはアーサー王にも並ぶイギリスの大英雄ですわ!」

 

すげーなジョナサン!

いや、確かに凄い人物だけど、なんで漫画の主人公が円卓の騎士王と並ぶんだ!?

 

その後も私のクラス代表就任パーティーは続いていき、終わったのは夜の22時を過ぎた頃だった。

 

私も本音ちゃんも一夏も箒もセシリアもすっかり疲れたのか、最後の方になるとすっかり大人しくなっていた。

 

別に何かをしたわけじゃないのに、すっごく疲れたよぉ~…。

図らずも今日もぐっすりと眠れそうだよ…。

 

でも、この時期って言えば何かがあったような気が…なんだったっけ…?

ま、いいや。明日考えよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まさか、前半だけで結構な文字数になるとは…。

と…とにかく、次からは例のチャイナ娘が登場です。

まだまだ、佳織の周りは賑やかになりそうですね。

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