インフィニットストラトス return of calamity リメイク版   作:アルバロス

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突きつけらる事実

「はい、終夜。あーん♪」

「鈴……その…自分で食べれ」

「ボクのもどーぞ」

「木綿季まで……しかも」

「よしよし(ニコニコ顔)」

「簪は頭を撫でてくるし……」

 

あのまま、部屋へ連行された終夜は強制的に布団に寝かされ、木綿季、鈴、簪の世話を受けていた。セシリア、シャルロット、ラウラの三人は先に昼食を取って、後程世話を交代するため不在だ

 

「……あーん」

 

終夜はもう諦めたのか吹っ切れたのか木綿季と鈴に食べさせて貰った

 

 

 

「大丈夫ですか?終夜さん」

「ああ、特に問題はない。そういや、中止になった武装テストはどうなったんだ?」

「そのまま中止で、自由時間になったよ。海にいったり涼しい旅館の中でゆっくりしたりと人それぞれだね」

「もちろん私たちはお兄様のお世話だ!」

「そうか……」

「終夜〜ただいま!」

「おう、お帰り」

「あのね、終夜。一つ聞きたいことがあるんだけど」

「どうかしたか?」

「終夜が怒ったとき、目とか髪が変わってたけど、あれって前に、私に話すっていったことと関係あるの?」

 

この質問に終夜は答えを出さなかったが、夏休みにきちんと話すと言い、木綿季を残し一旦鈴たち全員を部屋から出した。鈴たちは、言われた通り三十分後にまた部屋へ戻るのだが、そこまでの時間潰しを探しにいった

 

 

「はぁ……キレてたとはいえ無意識に戻ってたか」

「うん、髪はちょっとだけだけどね」

「……俺のことを話すとしたら木綿季のことも話さないといけないがいいよな?」

「うん、いいよ。終夜と出会っていなければ……ボクは死んでいたことをね」

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふふ〜ん♪」

「楽しそうだな、束」

「やあ、ちーちゃん」

 

その日の夜。岬の先で足をぶらぶらさせながら鼻唄を歌っている束の元へ千冬がやってくる。だが、お互いに互いを見ない。

 

「いやー、ちーちゃん。しゅーくんって凄いなぁ」

「ああ、私が負けるのだからな」

「へぇ……ちーちゃんに。……教えてくれない?しゅーくんのこと」

「私に聞くな、馬鹿者」

「ううん、ちーちゃんにじゃないよ。いるんでしょ?れーくん」

「あら、バレてしまいましたか」

 

突然、声がしたと思えば闇から本来いるはずがない錬が姿を現した

 

「お前は……」

「改めて自己紹介を。アウターヘブン社社長の羽衣錬です。それで、終夜のこととは?」

「わかってていってるよね?」

「フフッ。ではその答えをいくつか。まず私含め終夜の関係者は人間ではありません」

「何?ということは紺野も」

「いえ、木綿季さんは人間ですよ。永遠の命を得た。が前に付きますが」

「ふむふむ。で次は?」

「『世界を捨てた者たち』私たちの総称です。今教えれるのはこれだけ。詳しくは学園の夏休みが始まった時に彼女らと共に教えましょう。では、束博士。クロエさんが夕食を作って待ってますよ」

「ホント!?なら早く帰らないとね。じゃぁね、ちーちゃん」

 

錬と共にサッと帰っていく束を見ながらため息をつく千冬。その顔は複雑な表情を見せていた

 

 

 

 

 

 

「俺が皆を守るにはどうすればいいんだ……」

 

千冬と束が岬で話している頃、一夏は旅館を抜け出し夜の海に来ていた。その独白には、ある意味終夜への嫉妬も含まれていた。この独白は誰も聞かず消えるはずだったのだが、それに返答するものがいた

 

「守るものを決めたらじゃないか?」

「誰だ!」

「俺だ、織斑」

 

両手を挙げながら一夏の元へきたのは終夜だった。旅館を抜け出す一夏を見つけ、気になったのでその後をつけていたのだ。一夏は現れたのが終夜だったことに少し不満顔を見せるが、その言葉の意味を問いただす

 

「どういうことだよ。俺はもう守るものは決めている!」

「みんなを守る、だったか?フッ……馬鹿馬鹿しい」

「なんだと!」

「みんなを守る?もう守ることを放棄しているだろ。福音戦のときから」

「俺は守ることを捨ててなんか」

「じゃあ質問だ。守る側の人間は我をだしてはいけない。俺の持論だがなぜだかわかるか?」

「何故?…………」

 

考える一夏だったが、その答えがでることはない。それを解っての質問だったからか、終夜は軽くため息をついたあと、その答えを教える

 

「単純に守れないからだ。思い返してみろ。福音戦のときを。あのとき、お前が本当に守らないといけなかったのは仲間である篠ノ之、旅館にいる俺含めた全員、そして事前にわかっていた福音のパイロットの安全の三つ。まぁ、旅館は俺らがいたから抜きとしても二つはあった。だがお前はどうした?自分の守りたい欲望のまま行動し船を庇った。結果チャンスを潰し篠ノ之を危険にさらした」

「……………」

「誰かを守りたい。その考えを俺は否定しない。だが今一度考え直せ。そうしなければ、お前は誰も守れない」

 

そう切り捨てた終夜はそのまま旅館へと戻っていく。一夏はその姿を見てはいたが、何を考えていたのかは誰もわからない




はい、ということで今回で臨海学校は終了です


最後の一夏と終夜の会話ですがもっと言いたいことがあったのですが長くなるためカットしました。終夜の台詞は作者の考えそのものだと思っていただいて構いません

これについては色々意見があると思います。ですので感想にでも活動報告にでも構いません。自分はこう思うと伝えたい方は書いてください。

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