インフィニットストラトス return of calamity リメイク版   作:アルバロス

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来たぞ臨海学校!

「「「海だぁ!!!」」」

 

トンネルを抜けたバスの中から見えた海にクラスの女子たちは嬉しそうな声を上げる。臨海学校初日は、天候に恵まれ雲一つない快晴だった

 

「……こんなテンションの中でいうのもなんだが、普段から見えてるよな、海」

「アハハハ、でも学園からの海は泳げないからね……」

 

この中、終夜は呆れたようにボソッと思っていることを漏らす。それに隣の席のシャルロットがクラスの皆をフォローしていた。なぜ終夜の隣が木綿季ではないのかと言うと、バスの席はくじ引きによって決めることとなり、これに木綿季だけを特別扱いで終夜の隣にはできないということで、終夜含め全員が引いた結果終夜の隣はシャルロットとなった。シャルロットは木綿季に譲ろうとするが、千冬の眼力に負け譲ることができなかった

 

 

 

「いいなぁ……」

「まぁまぁ、ゆうちゃんはしゅうやんと一緒にいることが多いんだから」

「そうだけどさぁ」

 

ちなみに木綿季は、バスに乗ってからずっとむくれていた

 

 

 

 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、ここで働いておられる従業員の方々の仕事を増やすことが無いように気を付けろ」

「「「よろしくお願いしまーす!」」」

「はい、こちらこそ。私はここの女将の清洲景子です。わからないことがあれば遠慮なく……あら、こちらが」

 

自分たちが泊まる旅館に着くとまず、全員が並び挨拶をする。挨拶を受けた女将である清洲景子は丁寧なお辞儀とともに挨拶を返したあと、終夜たちのことを千冬に訪ねる

 

「はい。今年は男子が二人いるせいで浴場分けが難しくなり、申し訳ありません」

「いえいえ、いい男の子ではありませんか。しっかりしてそうな感じですし。それでは皆さん、まずはお部屋に。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますので、そちらをお使いください。場所がわからなければいつでも私たちに聞いてください」

 

「はーい」と返した女子一同は嬉しそうにバタバタと旅館の中へ荷物を置きに向かう。臨海学校初日は一日フリー。誰もが海へ向かうだろう。だが一夏と終夜の二人は事前のしおりに自分の部屋が書かれていないため動いていない

 

「織斑、零童。お前たちはこっちだ」

 

二人は千冬に連れられ、着いたのは教員室の貼り紙が貼られた部屋だった

 

「織斑先生?」

「説明すると、最初は二人一緒か個室という話だったがそれをすれば就寝時間を無視した女子が押しかけるだろうということで織斑は私とだ。先に荷物を置いて遊びにでもいってこい」

「ああ、わかったよ」

 

一夏は終夜の方へ顔を向けることなく千冬に了解の意思を言い、部屋へ入る

 

「零童はこっちだ」

 

終夜が連れていかれたのは千冬の部屋から数えて二つ隣の部屋だった

 

「零童、お前はここの部屋だ。お前は山田先生と一緒だ」

「わかりました」

 

相部屋である先生の名前を聞き、部屋に入ると少し忙しそうに書類を整理してる山田先生が見えた

 

「山田先生?」

「わわっ!……あ、零童君ですか。どうしたんですか?」

「荷物はどこに置けば?」

「そこの窓際に置いて貰えれば。零童君はすぐに海ですか?」

「まぁ、木綿季たちが待ってますし」

「いいですね〜私は学園に報告などでまだ仕事があるのに……」

「まぁまぁ、早めに終わらせれば泳げたり出来るんですから頑張って」

「は、はい。先生、頑張ります!」

 

終夜は元気になった先生へお先にと水着などをもって更衣室へ向かう。途中にある女子更衣室から胸のことやらなんやらと男が聞くには恥ずかしい話題が聞こえてくるのだがスルースキルを発動してその場を通りすぎ、男子更衣室に入る。(適当に選んだ)青に黄色のラインが入った水着を来た終夜は一人、海の方へ歩いていく

 

 

 

 

「あ、零童君だ!」

「え!水着に変なところないよね?」

「わぁ……やっぱりカッコいい」

 

終夜が砂浜に着くと、先に来てビーチバレーで遊んでたり海で泳いでる女子がおり、終夜を見つけた子らは各々終夜へ感嘆の声を上げていた

 

「んーと、木綿季達は……」

「おーい!」

「お、いたいた」

 

その声を聞きながらも木綿季たちを探していると、軽くジャンプをしながら終夜を呼ぶ木綿季を見つけそっちに向かう。そこには、木綿季の他に鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、本音、簪と買い物のときと同じメンバーが纏まっていた

 

「おおー、やっぱり水着はいいもんだな。絶景絶景」

「終夜さん、その…サンオイルを塗っていただけませんか?」

「あ、セシリアずるい!終夜私も塗ってよ!」

「ボクも!」

「……私も」

「おいおい……」

 

セシリアの言葉から大半が私も私もと終夜にねだり、しまいには周りでサンオイルを塗っていた子が海で落とそうとするくらいまで広がった。結局、後で泳ぎサンオイルも落ちる鈴たちを含め十数人の体にサンオイルを塗った終夜だった

 

 

 

「はぁ……なんか複雑だ」

「でも女の子の体を触れたのは役得でしょ?」

「まぁな」

 

今俺は鈴と泳いでプカプカと海に浮かんでいるところだ。人によっては、際どいところまで塗らせようとするから対応に困った……木綿季はむくれるし簪は拗ねるし……

 

「そういや……また簪にも応えないとな…」

「……終夜、また泳ぎましょ。どっちが先に向こうにつくか勝負よ!」

「んあ?ってちょっと待て!」

「や〜だよ!」

 

いきなり泳ぎ始めた鈴に追い付こうとするが、前世で人魚と言っていたのだがあながち間違いがないと思えるほど速い。結局追い付けず、また休日に駅前で何かを奢らないといけなくなった。丁度俺が鈴に追い付いて、砂浜に上がると水着に着替えた織斑先生に山田先生が織斑らとビーチバレーをしていた。見ようとは思ったが進んで織斑と関わろうとは思わないので、そろそろ昼時もあってか、旅館の食堂へ皆で向かった

 

 

 

 

 

昼食をとって午後も遊び、あっという間にきた夕食の時間。大広間三つ分をぶち抜き、そこでIS学園の一年生全員が夕食をとっていた。この旅館の謎の決まり事であるお食事中は浴衣着用のことがあり、全員が浴衣姿で食事している。ちなみに夕食は刺身に小鍋、和え物に味噌汁と旅館だったらどこでも出そうなメニューだが、使われている食材が高級食材ばかりで、皆豪勢なこの食事を楽しんでいた。それを一つピックアップしよう

 

 

「本わさか……」

「本わさ?」

「本物のわさびをすりおろしたものをそういうんだ。学園でだされるあれは練りわさびっていうやつなんだが原料は忘れたな」

「へぇ、そうなんだ。食べてみよ」

「味見なら少量を……」

「んー!!!」

 

終夜の呟きに反応したシャルロット。彼女は以前日本にいた鈴、元々日本人の木綿季、簪、本音を除くセシリア、ラウラの三人の中で一番日本文化に順応していた。セシリアは正座に苦戦していたり刺身に対して生で魚を食べるのが信じれなかったり、ラウラは間違って覚えてる日本文化が多いのが難点だ。

そのシャルロットだが、終夜が味見をするなら少量をと忠告する前にわさびを山の状態で一気に食べてしまい悶絶していた。それを終夜や鈴が大爆笑で悶絶している姿を見ていた

 

 

 

「ッ…………」

「織斑君、どうかした?」

「いや、何でもないさ。それよりおいしいよな、コレ」

「うん、ホントにね!」

「うん、やっぱりIS学園って大盤振る舞いだよねぇ!」

 

一夏は手が進んでいないことで、周りの女子から声をかけられるが、何でもないように装って夕食をとっていく。だが頭の中には終夜への憎悪などが多くを占めていた

 

 

 

 

 

 

「えっと……それで私たちを呼んだのはどういう理由なんでしょうか」

 

シャルロットがおずおずと千冬へと問う。今、一夏がいるはずの部屋に一夏はおらず代わりに木綿季、セシリアなど一夏と終夜とよく関わっている者が集められている

 

「その前に飲み物を奢ってやろう。ほれ、適当に渡すからあとで交換しろ」

 

全員渡された飲み物を交換せず一言いただきますと言い渡された飲み物を飲む。全員の喉が動いたのを千冬は確認する

 

「よし、全員飲んだな?」

「確かに飲みましたが……まさか教官!?」

「心配するな、何も入ってない。ただの口封じだ」

 

そういうと千冬は再度備え付けの冷蔵庫から銀色の缶を二、三本取り出す。千冬はその缶をプシュッといい音を立てながら開けグビッと飲む。いわゆるビールだ。

普段見慣れない千冬のその姿に全員、特にラウラが目をぱちくりさせながらその光景が信じられないと言わんばかりの顔をしていた

 

「どうしたその顔は。私だって人間だ、酒くらい飲む。口止め料も既に払ったしな」

 

この言葉で全員が優しくジュースを渡された理由を理解した

 

「さて、そろそろ真面目な話をするか。それで、お前たちはあいつらのどこがいいんだ?」

 

二本目に入りながら問う千冬。全員があいつらが誰を指すのかはわかっている。一夏と終夜だ。ポツポツと一人ずつ千冬に話していく

 

「わ、私は…ただ以前に比べて腕が落ちていることが腹立たしいだけなので……」

「私は……終夜の、優しいところに惹かれたんだと思います……」

「私は…憧れ……だと思います」

「私は……私の問題を解決してくれたときの、お兄ちゃんっぽさに、鈴と同じで優しいところに」

 

上から箒、鈴、セシリア、簪と続く

 

「そうか、ならそう伝えるか」

「「「「伝えなくて大丈夫です!」」」」

「しかし零童は紺野に凰に更識か……大変だな。まぁ、頑張って女を磨けよ、餓鬼ども」




はい、今回は臨海学校編です。次は福音戦かな
以前でた謎のシステム『GrandOrder』『全て遠き理想郷』のどちらかは出す予定です。
でも…箒に専用機を渡すか渡さないかで悩んでいます。
誰でもいいので意見箱に意見をお願いします。
できるだけ多くの意見が欲しいので、面倒だと思いますがお願いします。よければ理由付きで


話は変わりますが、先日バトスピのメガデッキが発売されました。作者は友人がフラゲ出来る店で買ってくれたので(代金はきちんと払いましたよ!)デッキ作成中です。ちなみに忍風の方を買いましたが、難航中なんですよね〜煌臨天霊に戦姫もやらないといけないし、小説のことも考えないといけない……あ〜頭がパンクしそうなんじゃ〜〜

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