インフィニットストラトス return of calamity リメイク版 作:アルバロス
「木綿季〜」
「ひゃっ!ちょっと終夜!どこ触っ…ひうっ」
もう食堂で木綿季と鈴と夕食をとり、今は自室で木綿季に甘えている。いつもよりもくっついていると、いきなり織斑がドアを叩きながら俺を呼びに来た。このまま食べる予定だったのに……解せぬ
「いきなり何だ。こっちは」
「いいから来てくれ。大事な話があるんだ!」
「お、おい!」
文句を言おうと扉を開けると、用があるからと無理やり引っ張られ連れていかれた先は織斑の部屋だった。俺はもうここで半分ほど予想はできてしまっている
「あ、零童君……」
中には、女子の姿のデュノアがベッドの上に座っていた
「頼む終夜。シャルルを助けることに協力してくれ」
「いきなり言われても話が見えん。説明してくれ、デュノア」
「う、うん。まず………」
デュノアの話を要点だけ纏めるとしたらこうだ
・自分はデュノア社の社長の子ではあるが、愛人の子である
・デュノア社は現在イグニッション・プランから外され、色々と悲惨な目に遭う
・経営を建て直すため、広告塔としてと俺か織斑の機体データを盗むよう命令されIS学園へと来たとのことだ。だが織斑にバレたため、強制送還の上よくて投獄だという。織斑が助けたいというのは、この部分だろう
「こういうことだから、シャルルを助けたいんだ。頼む、終夜」
「断る」
「なんでだ!お前はシャルルのことを可哀想だとは思わないのかよ!」
「ああ。悪いが俺はデュノアよりもひどい境遇を経験した奴等を知っている。国を無くした者、生きるためには犯罪に手を染めなければならない者。他にもいるが、そいつらはどうであれ懸命に生きようとしていた。だがデュノアは違う。俺からすれば私はこんな環境で過ごしてきたんです。誰か同情してください。といっているようにしか聞こえん。そんなやつを助ける道理、俺には一切ない」
「終夜、お前っ……」
「話はそれだけか?なら帰らせて貰うが」
「ふざけるな、お前なんざ男じゃねぇ!」
そう叫びながら俺へ殴りかかってきたがカウンターを食らわせ、這いつくばっている織斑を視界の外にデュノアへ
「終夜、お帰り。何かあったの?」
「また問題が増えただけさ。それと木綿季」
「なぁに?しゅう」
ドサッ
「終夜?」
「悪いけど、今夜は寝かさない」
部屋に戻った俺は、帰るのを待っていてくれた木綿季をベッドに問答無用で押し倒し、そのまま長い夜を過ごした
「おはよう!終夜」
「鈴、おはよう」
「今日の放課後さ、また一緒に訓練しましょ」
「悪い、今日はゆっくりしたいんだ。だから今日は遠慮させてくれ」
「うん……部屋でゆっくりしてるのよね?」
「ああ。そうだが……」
「なら私も部屋にいくわ。一緒に居たいし」
「おう、いいぞ」
朝、無事に起きた俺たちは二人で食堂にいき、いつものメンバーと朝食を取り、教室に入ると織斑のやつがこちらを睨み付けてきた。俺に対しての雰囲気も違うので完全に仲違いしたと見ていいだろう。
休み時間、トイレからの帰りに曲がり角の先から知った声が聞こえたので覗き見るとそこには織斑先生とボーデヴィッヒがいた
「お願いです教官。我がドイツで再びご指導を。ここではあなたの能力の半分も活かせません」
「ほう……」
「大体この学園の生徒の殆どは教官が教えるほどの人間ではありません」
「なぜだ?」
「意識も甘く、危機感に疎く、ISを兵器ではなくただのファッションにしか思っていない。そのような程度の低いものに時間を割くなど」
「そこまでにしておけよ、小娘。少し見ないうちに随分と偉くなったな。そこまで選ばれた人間気取りとはな」
「わ、私はそのような……」
ボーデヴィッヒは持論を織斑先生へぶつけるが、織斑先生の声の凄みと嫌われるかもという恐怖で最後は声が震えていた。それを見て、声色を戻した織斑先生がボーデヴィッヒをせかすと、ボーデヴィッヒは無言でその場を立ち去った
「盗み聞きとは感心せんな」
「彼女の上司から一つ依頼を受けましてね。それを達成するための一つのピースになるものでしたので聞かせて貰いましたよ」
「依頼……どのようなものだ」
「彼女の力に対する考え方。それをこのままの状態から変えて欲しいというね」
依頼内容を聞くと、ほんの一瞬だが表情を崩した。何故崩したかはわからないが
「そうか。それとお前も授業に遅れないようにしろ」
「わかっていますよ。それでは」
あの会話を聞いて思う。これは本当にしんどいぞ
「ん〜♪」
「えへへ〜」
……どうしてこうなった?
今自室でテレビを見てるのだが、木綿季と鈴に両サイドから抱きつかれている。それだけなら別に構わないのだが、何故か二人とも薄着なんだ。反応しないようにするだけで、もうテレビの内容は入ってこない。なんだ?誘われてんのか?それともからかってるのか?
「あ、そういえば終夜。タッグトーナメントの件だけどどうするの?」
「んー、どうしよっかな」
食堂で夕食を食べていると、本音がチラシを持ってきたのだが、そこにはより実践的な模擬戦闘を行うため二人組での参加を必須とすると書かれていた。それと一緒にアリーナでボーデヴィッヒと織斑たちが衝突したことも教えてもらっているが、今の時点でボーデヴィッヒに関してはもう不安しかない
「木綿季とは組まないな」
「そうなの?わたしはてっきり木綿季と組むのかと思ったけど。組まれたら勝てないだろうけど」
「組んでもいいんだけど、木綿季に負け越してるから勝負のチャンスを逃すことは出来ないな」
「ボクも前のリベンジがあるからね。負ける訳にはいかないから。だから、鈴ちゃん。ボクと組んでくれない?」
「私?でもなんで」
鈴が木綿季に自分と組む理由を聞こうとすると、鈴を連れてピューと風呂場に入ってった
「さて……一応ボーデヴィッヒと組んでおくか。そうなれば会話する機会も増えるだろう」
一方風呂場では
「木綿季?なんであそこじゃなくて、ここなの?」
「終夜には、聞かれたくないから。それで単刀直入に聞くけど、終夜とHしたい?」
「なっ!何を聞いてるのよ!……そりゃしたいけど」
「終夜って初めては終夜から手を出してこないんだ。こっちが嫌がるのが嫌だからって言ってたの。だからこのトーナメントがいい口実になるかなって思って」
「…………」
鈴はこれを聞いて何を想像してるのかコロコロと表情が変わっていき、最終に出した答えは
「木綿季、お願いします」
「うん、頑張ろう!目指せ打倒終夜!」
タッグを組むことになった二人はこれから訓練を二人だけでか、それとも終夜以外の人とすること、決して終夜とは訓練せずにタッグトーナメントを迎えることを決めて、終夜へのもとへ戻りそのまま仲良く夜を過ごした
あれ……書き進めてるうちに事前に決めていたものと大幅に違ってる
まぁ、いっか。