コードフリート -桜の艦隊-   作:神倉棐

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皆様新年明けましておめでとうございます。年明け7日目での初投稿となりますがどうぞごゆっくりお楽しみ下さい。


第拾壱話 「愛国者達」と「メイド」と「愚者の空母」

 

────2020年5月4日16時00分(ヒトロクマルマル)、第53次南西諸島物資輸送船団は横須賀鎮守府軍港に入港

 

────同16時23分(ヒトロクフタサン)、民間船を除く護衛の佐世保所属第五戦闘護衛部隊及び第六駆逐隊、堺以下輸送艦3隻の全艦第3埠頭に接岸

 

────同16時30分(ヒトロクサンマル)、全艦にタラップ架橋ないし舷側ランプドアの解放を確認

 

────同16時40分(ヒトロクヨンマル)、作戦対象との接触を確認

 

 

……時間です。これより当部隊は本作戦任務遂行を開始します。

尚、本作戦の目的は「対象の護衛及び対象を狙う組織集団に対する牽制」です。よって本作戦において如何なる場合であろうとも必要以上の殺傷は許可できない、総員の日頃の訓練の成果とその奮戦に期待する…………以上です。

 

 

 ❀ ✿ ✾ ✿ ❀ 

 

 

横須賀鎮守府軍港第3埠頭、先程まで乗艦していた輸送艦である大隅にてまほと別れた零は言われた通り埠頭にて迎えの係員の到着を待っていた。

 

「とは言え……遅いな。何かあったのか?」

 

がしばらく待てども今後の行動を教えてくれる迎えの係員が現れない事に零は少々の不安を感じるが「そんな事もあるか」と思い直し暇つぶしにその先に見える第1・第2埠頭に停泊する第五戦闘護衛部隊と同様にイージス艦や大型正規空母を含む第一機動部隊所属の第一戦闘護衛部隊の他に航空戦艦に改装された伊勢や日向、軽空母の瑞鳳、駆逐艦の神風・松風を眺める。

 

「結局伊勢と日向の航空戦艦改装計画は大鳳や雲龍型建造の為に白紙にしたはずだが今になって航空戦艦化しているとは…………現実(リアル)空想(ゲーム)の中と同じようにスペックシート(単純なパラメーター)の高さでどうとなる訳ではないと思うがなぁ……」

 

わざわざ正史の伊勢・日向とは違い扶桑・山城と共に主砲を一基ずつ減らす代わりに41cm砲に換装できるようにして第2次大戦中には不足していた砲火力・装甲・速力を強化したというのに、そこで敢えて装甲と砲火力を削って中途半端な航空戦力を付け足すのは正直悪手でしかない。ただでさえ日本初の超大型装甲空母である大鳳とその廉価版の装甲空母雲龍型の建造・配備で一杯一杯であるところに改造資材や搭載機に搭乗員・整備士を割くのは究極の無駄、浪漫でしかなかったのである。

 

「沖田零さんですね?」

 

大戦中の苦労と苦悩、金もなければ資源もないが海洋国家なのに大陸への戦力提供や派兵もあって海軍ばかりになけなしの金と資源を注ぎ込むにいかなかった過去となんでそんなところに資源を注ぎ込んだんだ?と疑念を感じずにはいられない現在の伊勢と日向を複雑な感情を胸に眺めているといつの間にか零の下へ1人の女性がやって来ていた。

 

「ええ、自分がそうです」

「ではこちらへ、目的地まで案内します」

 

零と似た黒のスーツ姿の女性は零を埠頭から離れさせようと行く先に手を向ける。その手の先、倉庫街の方へと先導しようと歩き出した彼女に続こうと零もまた歩き出したその時、埠頭の付け根に当たる場所にはごく最近見た事のある深緑色の制服に身を包んだ茶髪1人の女性が立っていた。

 

「そこまでです、統合軍監視班(ピスト)。その人の身柄はこちら側に、軍部に返して貰います」

「…………」

「……来訪直後の来訪者(ビジター)の身柄の保護及び監視は軍部の管轄です。今はまだ貴方方警察が来訪者の身柄を確保する権限はありません……それとも強硬突破でもしますか?その時はこちらも容赦はしませんが……」

 

深緑色の制服すなわち陸軍の軍服を着た女性はスーツの女性に向けてそう警告を発する。そしてその警告の内容から察するに一触即発の雰囲気と途轍もなく嫌な予感を感じ取った零は元から仲の悪い軍部と公安との鍔迫り合い(女同士の火花の散らし合い)の余計なとばっちり(飛び火)を食らわぬよう人知れず一歩後ろに下がった。

 

「…………いいでしょう、今回は我々に落ち度があります。ですがお忘れなく、我々は日本という国家の味方であり国民の敵ではありませんが軍部の味方でもない事を」

「…………肝に命じておきます」

 

そして火花の散らし合いを続ける事数分……いや、実際の時間にしては十数秒にも満たない短時間ではあったがその張り詰めた緊張感の所為か実際の時間の数倍の長さを体感させられる事となったが結局はスーツの女性(警察)が折れた事によってそれも終わりを迎えた。しかしそんな彼女が去り際に残したその言葉は軍人である軍服の彼女とかつて軍人であった零の2人にとって片方には現に文民統制(シビリアンコントロール)から外れた行為に加担する共犯者として、もう片方には五一五(暗殺未遂)二二六(軍事クーデター未遂)の発生を識った上で対策を取っていながらも防ぎきれなかった無能としてその言葉が示した意味は違えどその胸に突き刺さった。

 

「…………とりあえず間に合って良かったです。改めて確認しますが貴方が沖田零さんですね?」

 

しかしだからと言ってその場に突っ立ったままでいる訳にもいかない為軍服の女性は零に一応の確認を取る。つい先程、相手は違えど全く同じやり取りを行ったばかりで若干のデジャブを感じつつも役所勤めとはそういうものである事(マニュアル通りにしなければならない事)を身に染みて理解している零は面倒臭がらずに「そうだ」と答えた。

 

「では行きましょう、また余計な邪魔が入ると厄介なので。車も用意してあります」

「ですが今のやり取りは」

「後ほど詳しく説明します。今は先に目的地に向かうのが一番ですね……」

 

そして歩き始めて数歩、零の目の前を歩いていた彼女は振り返る。

 

「そういえば自己紹介がまだでしたね、日本陸軍第11師団第11戦車大隊所属の西住みほ陸軍少尉です」

 

…………零は思わぬところで効果を発揮する己の運に頭を抱えたくなった。

 

 

 ❀ ✿ ✾ ✿ ❀ 

 

 

日本横須賀海軍鎮守府を軍が用意したらしい黒い乗用車(運転手付き)に乗った零とみほは今、深海棲艦による首都爆撃により破壊されたが先日ようやく全線復旧が終わったばかりで現在は軍に接収されて時折軍用車が通る東京首都高湾岸線上を走行していた。

 

「なるほど……なかなか面倒な事になっているようで」

「そうですね……確かに面倒な事にはなっています。かく言う私も来訪者事案に関わったのは今回が初めてなのでよく分かっているとは言い難いですが」

 

そしてその車内では先程あった軍と公安の睨み合いについて現在の日本の状況と来訪者について各機関で決められた協定のようなものについての軽い説明が行われていた。

 

「あれは……空母?」

 

そんな中、横浜ベイブリッジを渡り東京湾の出入り口に近い位置にある大黒パーキングエリアを通過した零らを乗せた乗用車は東京湾を横断するように渡された大型橋『東京湾アクアライン』が一望できる地点に到達する。そこでふと、零が車外の風景を目に写した先にあったのはアクアブリッジの浮島側の橋台付近に擱座し打ち捨てられた1隻の空母であった。

 

「『愚者の空母』ですね。6年前の『大海戦』の時に壊滅的打撃を受けた米第7艦隊で大破自走不能に陥った残存艦艇を偶々最寄りかつ唯一艦隊の体を保ちつつ撤退していた日本海軍の第一機動部隊により日米環太平洋安全保障条約に基づいて曳航、その中でも横須賀米軍基地に停泊させられ入渠直前だった『CVN-75』ニミッツ級8番艦 オーバー・ザ・レインボーが一部の過激派在日米軍兵と在日外国人によるテロ組織により強奪されたが機関始動直後に深海棲艦の爆撃隊による空爆が集中、回避運動中に操艦を誤り東京湾アクアラインに艦首から激突座礁した『アクアライン事件』の結果と成れの果てです」

 

橋台で右舷抉り乗り上げ左舷に大きく傾斜した黒焦げに割れた飛行甲板(アングルド・デッキには)に駐機された機はただの1機も存在せず、アイランドも深海棲艦の艦載機による急降下爆撃により半壊、舷側も航空雷撃に穿たれたのか幾つもの破口が穿たれており艦体後部は格納庫まで浸水を許しているようである。ただああまで荒廃しては修理するよりかは新鋭艦を新造した方が安くつきそうではあった。

 

「だが何故空母を奪えたんだ?それに相手は原子力空母、いくら海軍軍人が反乱に加わっていたのだとしても停止した原子炉がすぐに操作出来るとは思えないが」

「………横須賀米軍基地の上層部の一部がその一派(グル)だったからです。お陰で予定されていたオーバー・ザ・レインボーの入渠が延期、それに連動して炉の停止と核燃料棒の抜き出しも延期され日本と在日米軍司令部の注意が深海棲艦による本土攻撃に向いた瞬間を突かれたんです」

「…………」

 

上がグルなら下の一派もまたやり易かっただろう、偽命令・情報操作・日本政府や軍だけでなく本国の政府や軍に対する偽装工作も将官レベルの内通者がいれば格段にやり易くなる。なんせ佐官以下と比べて将官は権限の規模と信用が違う、それも国外派遣軍の将官ともなれば本国で皮椅子に座って書類にサインしているだけの将官と比べて更に高度な権限を有しておりいくら予防措置があろうとも物理的に本国からの監視の目も届きにくい。特にこのような非常事態の時は特にそうである。

因みに何故そこまで原子力空母の入渠が遅延したのかと言うと先の本土爆撃の際に大型入渠ドックを灰にされた米軍との艦体修理と原子炉からの燃料撤去の協議で米軍が日本側の主導で行われる事に渋った事で実施が遅れた為らしい。

 

「で、過激派はどうなったんですか?日本が鎮圧を?」

「いえ、ケジメとして在日米軍穏健派が指揮下にあった海兵隊を送り込み一掃……殲滅しました」

「殲滅⁈」

「はい……まだ米兵単体での蜂起ならばまだ日本や在日米軍上層部もここまで強硬策は取らなかったでしょう。しかしそれに関わった勢力に他国の外国人テロ組織がいた事が大きな問題になりました」

「……米軍とテロ集団との関連を否定する為か」

「はい、事件発生直後日本政府は在日米軍司令部に対し今回の件を起こしたテロ集団との関わりを否定しその潔白を示す条件として現有戦力のみでの完全な問題解決を望んだからです」

 

近年在日米軍だけではなく世界各国に散った派遣駐屯米軍の信頼信用は現地派遣兵と現地民間で起こるトラブルの多発から下落の一途を辿っており米国政府・軍上層部は常に頭を痛めていた。だがそんな最中に発生したのが深海棲艦の出現であり、これにより海洋は一時的に封鎖状態に陥り、それを聞いた少なくない米兵達が本国に帰れないかもしれないと考えた結果、非行に走り犯罪に手を染めるなど規律が崩壊しかけ焦っていたところに今回の事件が勃発した事で事実上の規律の完全崩壊を目の当たりにした事で米軍上層部は強硬的な実力行使(規律の引き締め)に出た。………有り大抵に言えば遂にキレたのだ。その結果、起きたのが米軍による同じ米軍に対しての虐殺行為である。

 

「基地内部の一派はともかく空母の方はあの様でしたので陸と空から強襲し投降者を除く全てを射殺しました。監視目的で同行した陸軍士官曰くその攻勢は恐ろしく苛烈であり、後日米軍側から提出された報告書からは『これではまるで虐殺か粛清だ』とまで言われた程です」

「……やりかねないな、米軍いやアメリカなら。他人の事は言えないがあの国は面子と国益を重視し過ぎるきらいがある…………(実際上陸部隊がまだ島に生き残っているのに)(増援でなく艦砲射撃)(と空爆を差し向けたくらいだしな)

 

みほの解説に零の脳裏に浮かんだのはガダルカナル島占領戦(米海兵隊ホイホイ)硫黄島の戦い(沖縄戦決戦前の時間稼ぎ)であり、思い返せば案外米軍も人命軽視な作戦や命令を実施する事も多かったことを思い出して呟かれた最後の呟きは運良く自動車の走行音に呑まれみほや運転手に届く事は無かった。

 

「しかしまだ過激派残党は残っています。在日米陸海空軍の中に、そしてこの国に」

 

確かに先の件の中で多くの過激派が射殺ないし投獄・本国へと更迭された、だがどうしても上手く地下に潜った奴ややり過ごした奴はいる。そしてそんな奴らは今、残党として何らかの起死回生の策を練り講じようとしていると思われていた。

 

「………ん?」

「……なんだ?囲まれた?」

 

車内が沈黙に包まれる中、先程窓から差し込んでいた春の陽射しがナニカに遮られ陰となる。それに気が付いた零が再び車外を見たのは車の前後及び右側には大型トラックが走行しており徐々にその車間が狭まっていく様子であり、ふと見た運転席のガラスが完全に内側を見えなくする黒磨りガラスである事に昔何処かの映画で観た様なシチュエーションに嫌な予感を覚えさせられる。

 

「っ!伏せろ!運転手もだ!」

「きゃっ⁈」

「うぉっ⁈」

 

そしてその予感は的中した。囲んだ大型トラックの荷台に開いた隙間より見えた黒光りするモノ、銃口が現れた事に気付いた零は射線から逃れる為に隣に座ってるみほの頭を抱え込んで扉の陰となる足元の隙間に隠れるとともに乗用車を運転している運転手にも隠れるよう指示を出す。それと同時にフロントガラスには巨大な亀裂の華が咲いた。

 

「っ白昼堂々こんな人口が多い場所で直接仕掛けて来るなんてっ⁉︎いったい何処の組織ですか!」

「怒るのも結構ですが死にたくなければ伏せていて下さい……一応防弾ガラスだったのか」

 

ビシッ、バシッ、と更に普通自動車のフロントガラスとサイドガラスにヒビが入るが特殊加工の施された防弾ガラスと防弾シートが貼られたガラスは破れることなく車外からの異物の侵入を防いでいる。が、しかしそれもいつまで持つか分からない。一応豊和 M1500の7.62mmだけでなく74式対物狙撃銃やバレットM82等の12.7×99mm弾の遠距離狙撃数発にも耐え得るだけの防弾性はあるものの至近距離から拳銃や小銃の掃射を受ければ貫通されない保証は無い、まあ使われないとは思うが爆弾や携行砲なんて使われれば言わずもがなである。

 

「とにかく逃げて下さい!こんな所(首都高湾岸線)銃撃戦(ドンパチ)なんてしたら他の民間人や施設にまで巻き込んでしまいます!」

「しかしっ囲まれてますっ!無理にこじ開けたら大事故に」

「くっ、これが戦車だったまだどうとでもなったのに……」

 

現在進行形でガラスにヒビが増えていっている事もありいつ何時破られても致命傷を受けないよう扉の陰に隠れて弾を避けてはいるが運転手の兵士も隣に座るみほもまた手持ちにある武器は護身用の9mm拳銃がそれぞれ1丁ずつ、弾数は予備弾倉(マガジン)含めて36発でありこれで3台の襲撃車(武装大型トラック)を撃退するのは不可能である。それに幾らゴム製のカバーを履帯に付けたところでどっちにしろ首都高湾岸線を戦車で走行する訳にもいかないのでみほの望みは叶わないのだが。

 

「ですがどうします⁈軍用無線で救援と通報を流していますがこのままでは」

「それはそうですが……」

「だからって反撃に出ようものなら蜂の巣でしょうしね。……あ、前のトラックの後ろのハッチが開いた……後ろからあそこに押し込む気だな。アレ」

「それもそうなんですが……」

 

まさに八方塞がり、このまま黙って奴さんのやりたい放題をさせていたら車ごと何処かに誘拐されそうなのでみほも片手に9mm拳銃を抜いてはいるもののどうしようもなく零も奥の手を使う他ないかとも思うが残念ながら相手は銃口以外を全く見せてくれない為にどうしようもない。

 

────が、救いの女神とやらはいたようである。

 

 

『どうやらお痛が過ぎるようで……教育せねばならないようですね』

 

辛うじてヒビ割れの隙間から見えたのは3機のヘリとその側面外壁に塗装された中心に置かれたモップにそれに重なるよう置かれたホワイトブリムの意匠、その周りを囲うよう交差するのは手折った枝に咲く一輪に6枚の花弁を持つ桜あしらった紋章(エンブレム)。軍用無線に割り込んで来た音声と共に零らの上空に現れたのは黒一色に塗装されたUH-60 ブラックホークでありどうやらローターとブレードに特殊な加工が施してあるらしくプロペラ機特有の風切り音が驚く程小さい、そしてその3機の内2機が首都高高架両側に1機ずつ配置に着くと側面ドアが解放されそこから3丁ずつの御国重工製セミナオート式ライフルであるSR-4A2 / Ptarmiganの銃口が襲撃車へと向けられていた。

 

「あのエンブレムは女中(メイド・オブ・オール・)特殊部隊(ワークス・タクティカル・フォース)⁈しかも花弁が6枚って事はその中でも精鋭中の精鋭と噂の」

「メ……女中特殊部隊?」

 

見た事もなければ聞いた事もない、しかも部隊名的に絶対に軍所属の部隊ではない部隊の筈だが何故かヘリの開閉口より見える見知った服装(・・・・・・)に零はつい先程まで感じていた予感とは別の嫌な予感を感じて頰を引きつらせる。

 

『こちらチームD、首都高湾岸線の該当区間一時封鎖に成功しました』

『チームE、対向及び後続車両の退避完了しました』

『こちら「発令所(ホーリグレイル)」、政府・警察・軍上層部と話がつきました。小隊全隊員の発砲を許可します』

『チームC、了解』

『チームβ、了解』

『チームα、了解。小隊長(セイバー)より全隊(全サーヴァント)に告ぐ、ここが何処で己が何をしでかしたのかを在日米軍過激派残党(ワイルド・ヤンキース)共に教えてあげなさい』

『『『Yes,my Lord!』』』

 

『セイバー』を名乗る女性の号令と共に両サイドから構えられていたライフルが一斉に火を噴いた、まず上空を飛行するヘリの内の右側の一機の三丁はそれぞれ運転席の天板と防弾仕様であろうタイヤを無視して乗用車の右を走る車両のホイールを留めるナット部分をその奥にある動力を伝達する車軸ごと速射で蜂の巣にして粉砕し横転させ、それと同時に左側の機の三丁は弾倉丸ごと撃ち切る勢いで後方を遮っていた車両の動力伝導部である後輪車軸を速射粉砕し脱落させる。そして最後の1機である隊長機は驚く事に両サイドからロープを垂らして隊員が降下、しかも左右対称に振り子の様な振りを付けつつ構えた銃を車窓に向け掃射しながら左右から挟撃し膝で車窓を粉砕かつ中にいる人員をその勢いで強襲制圧するという最早正気の沙汰の外としか言いようのない一歩間違えれば即死である神業を披露して襲撃車両全てを片付けた辺り昔と違って部隊名は変わったようだが未だ零の記憶にある通りその衣装と人外っぷりは共に健在なようだった。

 

「にしても、うわぁ……折角直したみたいなのにまた直す所増えたな」

「え……今気にするところはそこなんですか?」

「当たり前でしょう?弾痕もですけど横転させられたり後輪をぶっ壊されたりしたトラックの所為で路面はかなり抉れてますしその上漏れた油に引火して現在進行形で損傷を受けてるんですよ?それにあれだけ滅多(メッタ)撃ちにされてどれだけ生き残っているのかどうか……」

「まあそれも気にはなりますけど今はあの突入方法の事とか服装の事とか無事だった事の方が気になりませんか?」

「まあ……慣れてますんで」

「慣れってなんですか⁈いえそもそもなんで慣れてるんですか⁈」

 

襲撃車両が目前で停車した事や窓ガラスが亀裂で真っ白に染まって全く外が見えなかった為に停車した車外へと出た零とみほの2人は車両の残骸と敵兵だけが転がる正に死屍累々な事後現場とその上空から反撃に対して眼を光らせるヘリ、そしてそこから次々に降下してくる余りにも戦場には適さぬ姿───黒のロングスカートのワンピースにそれを彩る首元の紫水晶(アメジスト)のブローチが付いた紺色のリボンとフリルの無い白エプロンとホワイトブリム、降下の影響で辛うじで見えたそのスカートの下には黒い靴下を留める黒のガーターベルトの先端が見えておりその上に黒ブーツを履く御国家独特かつ伝統の正統派クラシカルロングメイド服を身に纏った女性───であるいつものモップを小銃に持ち替えしかもメイド服の上に防弾・防刃チョッキを着たメイド達(・・・・)を視界に収める。テキパキと手際良く大破した襲撃車両内を制圧し生き残りを拘束していく様を傍目にぼやいた何処か悟った目をした零の呟きに思わず素でツッコんでしまったみほだが彼女もまた生まれて初めて肌で直に触れる戦場らしい戦場に恐怖を紛らわす為か何処か興奮しているようでもあった。

 

「沖田零様、西住みほ様、ご無事でなによりです」

 

そしてそんな風景を眺めていると2人の目の前に1人のメイドが現れる。首元のブローチが付いたリボンが1人だけ紺色ではなく紅色なところを見ると恐らく彼女が先程『セイバー』と呼称されていた女性でありこの部隊の隊長なのだろう、そんな彼女は零らの前に来ると血と硝煙香る戦場には似つかわしくない優雅かつ美しい一礼をした。

 

「何故私達の名前を貴女達が?」

海軍(御国七海)より依頼がありましたので、それに以前から在日米軍過激派残党が来訪者の身柄を自分達で確保する事によって本国と取り引きをしようとする動きはありましたので万が一に備えて一個小隊を護衛に回していました」

「そんな………」

「それよりも早く此処を離れた方が良いのでは?色々と(・・・)後始末は我々(女中特殊部隊)がしておきますが今の貴方は(・・・・・)他の部隊や警察とはできれば会いたくないでしょう?それにその車で一般道を通るのもおススメしかねます、首都高を降りる前に大井パーキングエリアに代車を用意させてあります」

「っ……お言葉に甘えさせて頂きます」

 

「何故ここに?」というみほの疑念に「知ってましたので」とメイドは特に表情を変える事もなくあっけからんに答える。その上言外に「お前の役目と目的も知っているぞ」と言い(釘を刺し)つつもアフターケアはバッチリしてくる分タチが悪い、特に今は彼女をどうにかするつもりは無いようだがまだまだ士官学校卒業して数年の新兵では百戦錬磨の熟練メイドには荷が重すぎる相手でもあった。

 

「あと、沖田様。御党首様より伝言をお預かりしております。『娘が世話になった』との事です」

「そ、そうですか……ではこちらからも『こちらこそお世話になりました』と伝えて下さい」

「承りました……と、そろそろご出発すべき時間です。まもなく軍と警察もここに集まって来ると思われますので」

 

そして零はメイドより受け取った伝言から護衛を依頼したのは七海ではなくその父親の方だと理解し、それに応じた返答を伝言に頼むが同時にどれだけ妹やその子孫達が自分が基礎を作った企業体を戦後より大きく巨大な組織に育て上げたのか、その片鱗を目の当たりにし「ちょっとやり過ぎじゃないか……?」と思わず頭を抱える事となる。

 

「では御二方、道中御気を付けて。次回の邂逅(御依頼)を御待ちしております」

 

が、それでも色々と悩まされる事は多々あったものの零達はメイド集団に見送られ十数分後、今度こそは無事に目的地へと到着する事となった。

 

 

 ❀ ✿ ✾ ✿ ❀ 

 

 

……数時間後、東京都郊外某所

 

What happened!(どうした!)Is there not the communication!(まだ連絡は無いのか!)

Fuck!(くそがっ!)There is not yet it. (まだ何も無い、)The line troops do what!(実動部隊は何をやってやがるんだ!)

 

そこにはとある国の軍や諜報機関が偽名を使い設立した偽装会社(ペイパーカンパニー)がオフィスの1つとして借りた建物(ビル)1つ丸ごとが活動拠点(セーフハウス)として用意されており、そしていまそこには見るからに日本人ではない、ガタイはいいが悪人ヅラばかりでしかも小銃やらなんやらで武装した男共が集まっていた。

 

May they might fail?(まさかやられたのか⁈)

It's absurd!(そんな馬鹿な、)It is three AFV⁈(武装トラック3両だぞ⁈)Even if we catch it without murdering they(いくら殺さず捕まえるのだとしても)when we poured a fund and(あれだけ資金と) a soldier so much!(兵を注ぎ込んだ!)We cannot fail!(失敗する筈がない!)

But it is too too late…….(だが余りにも遅すぎる……、)Hey (おい)the plane for us who use(本国との取引に使う) it for the business with the own country(俺達がこの国からおさらば)when to return from this country arrives?(する為の機はいつ着くんだったか?)

A carrier becomes the forthcoming(24時丁度に厚木に輸送機が) arrangements in Atsugi just at 24:00.(来る手筈になっている、)We may not be in time soon(そろそろここを出ないと) when we do not leave here(間に合わないかも知れない)

 

そもそも在日米軍過激派は元々の母体となった一派は深海棲艦出現前から存在しており今この場にいるような兵士達は出現後にそんな一派の誘導や囁きにまんまと乗せられた使い捨ての人材であり、本来ならばあのアクアライン事件の際にあらかた消耗される予定だった人間である。それが皮肉にも使い捨てられる予定だったヒラの彼らの多くは討伐隊の目から逃げ切り優秀だった使い捨てる側の幹部が軒並み基地と空母で射殺されたのだから笑うに笑えない、故に今回の作戦はとある者達の協力と助言を得て彼らが考えたものだが精神的に追い詰められた者ばかりの寄せ集めの烏合の集であるこの男達に団結力などほぼ皆無、そしてそんな者達の集うこの部屋の空気が一層悪くなったその時、その中の1人の男がある事に気付いた。

 

He…hey,(な、なあなんか)is the air of this room not bad?(この部屋空気悪くねえか?)

What?(なんだ?)Do you want to quarrel?(嫌味なら買ってやるぞ?)

Non,things like……so……(違えよ、なんか……こう……)I feel dozy……(眠くなるって言うか……)

Be below sleep……?(眠くだと……?)Maybe……(まさか……)

 

しかし時既に遅し、部屋の空気が一層悪くなった原因であるダクトより吹き込まれた睡眠ガスは恐怖と極度の緊張による不眠症気味だった男達の意識を瞬く間に刈り取り昏倒させていく。即効性を重視した為にマスクなしでは多少人体に悪影響を与え下手すれば死、良くても後遺症が残るような劇物に近いガスを使ったのは許して欲しい。運が良ければ快眠だけですむ筈だし出来れば犠牲は無しにしたかったのもあるがそれ以上に、

 

「言ったでしょう?教育せねば……と」

 

暗闇から現れたのは数時間前、首都高湾岸線にて起こった交通事故(・・・・)を対処解決した『セイバー』と呼称されるメイドどそれに統率された戦闘メイド集団であった。別に殺すだけが教育ではないし殺戮をしたい訳でもない、「仕えるべき相手の望むべき事を必要時に必要な分だけ正確に」が彼女達メイドの掟であり別に今回は殺す必要がなかっただけである。そんな彼女達は1発も撃たせずに無力化した相手を手際良く武装解除した後に拘束し部屋の一角に転がしていく。

 

「こちら第1小隊長(セイバー)、処理は完了。第6小隊長(アサシン)其方は?」

 

そしてあらかた拘束のし終えた彼女達の中で指揮を取っていた『セイバー』は撤収準備に入る部下はそのままに無線で連絡を取っていた。

 

『こちら第6小隊長(アサシン)、残りのマル星(残党)のマークは出来てます。首魁・拠点・逃走手段も既に我々で押さえましたので残りは……』

「基地内で素知らぬ顔をして椅子に座っている黒幕のみですね?発令所(ホーリグレイル)

『はい、既に証拠諸共国防総省(ペンタゴン)を通り越して大統領(ホワイトハウス)に叩き付けて確約を頂きました。どうにも我々の情報網(手広さ)をご存知なかったようなので良い広告にもなったでしょう』

「顧客と依頼が増えるのは良い事です、ではさて拘束した捕虜は通報を受けてその内来る日本陸軍に任せて我々は黒幕を押さえ(この馬鹿騒ぎを終わらせ)に行きましょう」

『ですがあの陸軍少尉に護衛対象を任せて良かったので?裏で居るのはおそらく………』

「『愛国者達()』でしょう、ですが恐らく護衛対象を無下には扱わぬ筈ですし一応警戒対象として(御国本家)も指定していますが排除対象からは除外されています。今はこのまま影からの護衛は続行します」

『はっ、既に第2小隊(アーチャー)が配置に付いています』

 

彼女以外の隊員が全てヘリに乗った事を確認した彼女はその報告に満足気にヘリに乗り込みヘリの操縦手に対し次なる行き先、『横須賀米軍基地』への発進を命じた。

 

「了解、では此方は今から黒幕(基地副司令)を押さえに行きます。出しなさい」

「了解、発進します」

 

女中特殊部隊、それは世界最強のメイド集団である。掃除・洗濯,家事・家計等のメイドとしての基本的な事はともかく外交・戦闘・要人護衛に暗殺、そして諜報までもをこなす彼女達に眼をつけられれば表裏共に世界で生きていく事は事実上不可能である事を、彼女達を侮る者・知らぬ者達は名の知れた高級軍人が厳重に警備された基地内から突然失踪しいつのまにか本国でひっそりと人知れず高等軍法会議の後に軍人用の共同墓地の一角の住人となった事でその身に思い知る事となる。




メイド服のデザインは私の趣味です(唐突)……別に誰か絵にしてくれても良いのよ?ついでに絵が上手い人が女中特殊部隊のエンブレムも書いて頂ければもっと嬉しいです。ハイ。



補足メモ
▪︎4式自動狙撃銃(SR-1A3/Raven)
大戦中に開発配備された1式自動小銃の機構や思想を流用・参考にプレスの多用による部品数の削減や強度信頼性の向上が図られており3式との互換性を有したセミナオートマチック式狙撃銃として1944年に日本軍で制式採用された自動狙撃銃であり、現在もなお陸軍や女中特殊部隊では運用されている。またその基本構造は1式とほぼ変わらない事や高速連射・長射程を実現した狙撃銃である為その手本となった1式自動小銃の有効射程の短さを補う為に制式採用されてすぐに1式自動小銃のラインを流用した大量生産が行われ大陸・南方各前線に配備、多くの戦果を挙げる事となった。
また開発コードは『Raven(レイヴァン)』でありその意味は烏であるが実は烏は烏でも八咫烏(やたがらす)を意味している。
※和製ドラグノフ狙撃銃


▪︎ 5式対戦車狙撃銃(へカート)(SR-2A4/Hécate)
1945年に日本軍にて制式採用された日本軍初の対戦車戦専用の大型狙撃銃。元々は夏海が個人の趣味と実益を兼ねて側だけ似せた対人ライフルで再現しようと思った物であるが、丸投げされた当時現場に対戦車狙撃銃の開発要請が下っていた事もありその内容が混合し謎の化学反応を起こした結果ガチの対戦車狙撃銃を開発し始め1945年に完成したオーパーツ。開発主任が7日7晩考え抜いた末に実現された夏海本人がどうしてこうなったと唖然とした代物。光学標準器を装備し出来る限りストックを木製でなくプラスチック製に置き換えた事で軽量化が図られている。
尚開発コードは『Hécate(へカート)』、つまりフランス語で月の女神でありそれを由来として別名『ツクヨミ』とも呼ばれていた。
配備され始めたのは大戦末期からであるがそれでも数々の戦場にて恐ろしいまでの猛威を奮い確認されただけで100以上の戦車がこれにより破壊されている。
※出典:PGM へカートⅡ


▪︎89式小銃(AR-3A7/Braiter)
大戦中に開発配備された1式自動小銃の強化発展版として1989年に日本軍で制式採用された自動小銃であり、御国重工製である為に当然の如く女中特殊部隊もまた標準装備として運用している。またその基本構造は3式とほぼ変わらず主な変更点は使用弾薬の変更点に伴う口径変更や高い制動性と良好な集弾性能を実現させる消炎制退器の大型化、更に新たに作成された89式銃剣だけでなく以前の形式の銃剣の着脱も可能となっている。
開発コードは『braiter(ブレイザー)』すなわち伐刀者であり、配備された部隊内でも「89」や「ブレイザー」と称されている。


▪︎74式対物狙撃銃(へカートⅡ)(SR-3/Hécate Ⅱ)
1974年に日本軍にて制式採用されたかつての対戦車狙撃銃に相当する大型の狙撃銃、通称対物狙撃銃(アンチマテリアルライフル)であり、最早戦後戦車の装甲が機関砲や重機関銃等の大口径弾では貫徹出来ない程の防弾性能を持ち得るようになった昨今においてその狙撃目標を戦車から比較的軽装甲であり容易に貫徹可能な装甲車や軽障害物・敵性存在を重い大口径弾の優れた弾道直進性を活かして、一般の狙撃銃を遥かに上回る距離・精度で狙撃する為に5式対戦車狙撃銃を改良したもの。
それ故に開発コードはその元となった銃の開発コードを受け継いだ『Hécate(へカート)Ⅱ』、つまりフランス語で月の女神を意味しやはり別名に『ツクヨミⅡ』の名も持っている。
※出典:PGM へカートⅡ


▪︎ SR-4A2/Ptarmigan(ターミガンEX)
4式自動狙撃銃、5式対戦車狙撃銃、74式対物狙撃銃に続いて4丁目に御国重工銃器開発部門狙撃銃開発部署が開発したセミオートマチック式の狙撃銃でありこの『SR-4A2/Ptarmigan』は女中特殊部隊向けに2度のカスタム及び改修を受けた特別仕様である。
これは仮想敵国であるソビエト連邦や同盟国であるアメリカ、欧州にて狙撃専用のセミオートマチック式の狙撃銃が多数開発されている事を受けて日本軍の要請の下で冨和・三蔆・御国が開発した狙撃銃の一丁。またその開発コードは『Ptarmigan(ターミガン)』、すなわち雷鳥でありこれはこの銃の名称の一部にも組み込まれている。
が、しかし残念ながらその殺傷能力の高さや製造コストの高さから日本軍での制式採用は見送られたが代わりに同じ御国グループ内にある民間軍事警備会社であるオーダー・フェアリィ・カンパニーでは所属する各部隊の狙撃手に対し配備されている。
※出典:地球防衛軍5


▪︎UH-60Mi ゴーストホーク
女中特殊部隊がとある作戦に参加した際に色々あって寄与された(報酬と別枠でタダで分捕った)S.A社製の軍用中型の汎用ヘリコプター UH-60をオーダー・フェアリィ・カンパニーが御国重工に改良依頼を出し魔改造された御国重工カスタム機、専ら隊員の輸送や狙撃手の為の狙撃場所兼観測手等に運用されている。
主なカスタム内容としてはローターとブレードに特殊な加工を施し飛行時の静音性が高められている点と特殊な塗料や外装版配置によりステルス性が高められている点であり、女中特殊部隊の神出鬼没さをより高める一因ともなっている。


▪︎女中(メイド・オブ・オール・)特殊部隊(ワークス・タクティカル・フォース)
民間軍事警備会社 オーダー・フェアリィ・カンパニーが有する名を読んで字の如く女性かつ全員がメイドのみにより構成されているという世界的にも珍しい以上に世界で唯一の特殊部隊である。
また構成員全てが女性である事やその入隊条件は極秘であり全ては現地派遣の直接スカウトオンリーであるという謎の実態をしており、それ以上に特に注目を集めているのがその隊員全員が防刃防弾装備の下にメイド服を着用している事である。が彼女達がメイド服を着ているのは伊達ではなくその構成員全員が英国王室の雇用している侍従隊にも引けを取らない一級品の実力を保持しており、「メイド・オブ・オール・ワーク」の名の通り掃除、洗濯、家事、家計等のメイドとしての基本的な事はともかく外交、戦闘、要人護衛に暗殺、そして諜報までもをこなししかも任務達成率8割超えを叩き出してくる最強の万能メイド集団である………そして何故か全員の顔面偏差値はかなり高い。
もともとの女中特殊部隊の原型となったのは御国家に仕えていた女中集団の内で護身術等の護衛に特化した技術を持つ戦闘女中隊であり、これを過去に起きた伊藤博文暗殺や五一五暗殺テロ未遂・二二六軍事クーデター未遂等の大事に対する要人警護対策として御国夏海が裏から政府に働きかけ警察内部に創設された特殊警察警護隊とは別口で防備を固める為に規模拡張・資金投資を行い精鋭化し部隊を編成、各政界の重鎮に貸し出した精鋭戦闘女中隊とその発想から日本初の民間軍事警備会社「オーダー・フェアリィ・カンパニー」と現在の「メイド・オブ・オール・ワークス・タクティカル・フォース」が誕生した。

初代隊長は十六夜 咲夜、副隊長は篠崎 咲世子、メイド筆頭が菫野 紗夜

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