夏凜ちゃん大好き人間が夏凜大好きキャラ書くとこうなる。
勇者部といられるのがあと14日。
友奈達が作った予定の穴が数日あるが、珍しく連日予定無しがある。今日明日がそれだ。
引き継ぎの仕事とかはほぼなく、ただの学生生活をしていたんだけど...何を血迷ったか今日は04:30に目が覚めてしまった。土曜日にこれは辛い。
「はぁ...」
一日の始まりはため息であることは多いけど、ちょっと、これはねぇ...
「よいしょ...っととと...」
片手だけで起き上がるのも慣れてきた。とはいえ霊札で腕を作らないといけないことには変わりがない。腕を作る速度も精度も上がっているから初めの頃のような不自由さはない。
「とりあえず...着替えてご飯食べよう...」
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05:30。
着替えも食事も片付けも全部済ませた俺はやはり暇になった。暇でしょうがない。
「テレビ...はニュースだよな...でも大体昨日の夜と同じだろうし...天気はスマホ見ればOKだし...」
「そうだ、夏凜の朝飯でも作ってやるか。どうせレンチンの米と冷食のおかずだろうし...食パンは...あると予想して行くか。」
05:35、俺は夏凜の家の合鍵と自分の家の鍵、ボウルと卵とベーコンと菜箸、皿2枚とめんつゆを持って夏凜の家に赴いた。
当然、夏凜は寝ていた。
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06:00。
髪を下ろしてゆったりと眠っている夏凜の寝顔の写真を20枚程撮った後、米にもパンにも合うベーコン入りスクランブルエッグを作った。
「作ったはいいけど...野菜がねぇな...でもまぁ夏凜の話だから野菜ジュースなりなんなりあるだろ...ほれ、やっぱりあった。」
秋口になってくると結露の心配もそんなにない。というわけでパックの野菜ジュースを机に置き、レンチンする米を電子レンジに入れ、作っておいたスクランブルエッグを皿に盛ってからレンジを動かす。
「よーいしょっとな。」
スクランブルエッグが乗った皿と置いてあった割り箸を並べ、チンと鳴ったタイミングで夏凜が少し動いた。目覚めたか。
「おはよ、夏凜。朝ごはんできてるぞ。」
06:35。
朝飯の準備完了と同時に、三好夏凜起床。
「ふぁぁぁ...おはよ、昇...」
寝ぼけ眼の夏凜は洗面所に向かっていったため、俺は冷蔵庫にあった野菜ジュースをいただくことにした。そしてそれから数分後。
「なんであんたがもういるのよ!?」
割と血相を抱え、少し赤い頬を膨らませた美少女が寝巻き姿で詰めよってくるではありませんか。
「どーどー。どうせチンケな朝飯しか食べないであろう夏凜ちゃんに朝ごはん作ってあげたんだから...まずはお食べなさんな...」
「どおりで美味しそうな匂いで起きるわけね...もうやってること飯テロじゃない...」
「あぁ...まぁな。」
「はぁ...しょうがないから食べてあげるわ...」
「どーぞ。召し上がれ。」
「...いただきます。」
夏凜が早速スクランブルエッグに箸を伸ばし、一かけを箸に乗せて口に運ぶ。そして咀嚼。
「おいしい...すごいわ昇!」
「...っ!?」
その輝いた喜びの顔はきっと一生忘れないと思うし、一瞬で我に返った夏凜の目を背ける様子まで含めてきっと一生忘れない。
「え、あ、その...まぁまぁよ、まぁまぁ!」
「そうかい...」
あぁ、もう絶対夏凜なしでは生きていけそうにないな。そう思ってたら夏凜の食事スピードが少しずつ上がっていくことに気付いた。
「素直じゃない奴...」
あぁもう、可愛いなぁ...
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09:00。
食事の片付けや夏凜の着替えから何から何まで終わり、ソファで夏凜とニュースを見ている。
「なぁ、夏凜。」
「何よ、昇。」
ニュースに飽きてきたこの時間帯。
俺はとあることを提案する。
「二人きりでどっか出かけねぇか?」
「はぁ...なんでよ。」
「なんで、ねぇ...デート?」
「デート!?」
冗談っぽく言ったらうまい具合に反応してくれた。これを逃がす俺ではない。
「よっしゃ、行く宛ないけどどっか行くぞー。」
「え、えぇ!?ちょっと待ちなさいよ!」
てなわけで、何気に初デートな俺と夏凜は行く宛もなくふらふらと散策を始めるのだった。
次回、第36話「二人きりの2日間(中編)」
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