ゾロさん、あなたを愛してます!! 作:ぞろおし
どうぞ
ボードの乗り込んで私はみなさんの方を向く。
「ひとまず私と誰か一名で先行しましょう。居場所がわかる道具を渡しますので」
そういうと私を含めた全員の視線がゾロさんに集中する。
さぁ、ゾロさん私との二人旅を楽しみましょう!!
わくわくと表情からそんな擬音が聞こえるほどにこやかな顔をする。
が、ゾロさんは何かを見つけたように一点を集中して見ている。
「わりぃ、ヨサクかジョニーが行ってくれ」
そう言うとゾロさんは壊れたガレオン船に向かって駆けて行ってしまった。
向こうに何があるんですかね、私の位置から瓦礫が邪魔してよくみえないのですが、ゾロさんが駆け出すとは何があるのでしょう。
興味がありますが、今はナミさんを追いかけなくては。
「それでは誰が乗りますか?」
「それじゃ、俺が行きます」
ヨサクさんが船にそう言って乗り込んで来た。
たんと乗り込んだ衝撃でわずかに船が揺れる。
「わかりました。それでは私たちが先行して追いかけますね。ショートカット《発信機》《受信機》。はいこちらの画面に点滅する点が私たちです。この点がある方角に来てください。それでは」
出した受信機をウソップさんに投げ渡してエンジンをかけ、船を進めた。
* * * * *
「ゾロさんは一体何を見つけて、それのどこに興味を持ったんでしょうか?」
「さぁ、アニキが興味持ちそうなのは剣士ぐらいしか思いつかないんですけど」
そうなんですよね、ゾロさんが戦いたいと思うほどの雰囲気のある剣士だったのですかね。
「案外鷹の目の男だったりして。ほらあの壊れた船はぶった斬られだったらしいですし」
「もし鷹の目の男でしたら私は命を賭してでもゾロさんを止めましたね。どうあがいても勝てないですから」
「そこまで言うほどですかね、アニキも相当強いと思うんですがね」
「いえ、七武海の強さは異次元といっても遜色ないですよ。ゾロさんどころか現時点ではルフィさんも勝てないでしょう」
さすがに東の海に七武海は現れないと思いますがね。
「それで話しているうちに影もなくなったのですが、ヨサクさんはナミさんがどこに向かった手がかりがおありで?」
「え?!」
「……え?」
お互いに顔を見合わせて固まる。
「いえ、てっきり自信満々にアリスの姉貴が船出発させたんで、てっきり知ってるものかと」
「え、私はただナミさんがいる方角に船を進めただけですよ?」
……………。あれまずくないですか?これ。
「あ、いや、俺はちゃんと心当たりありますよ」
「なんですか、安心しました」
カッコつけて出ていって即迷子はさすがに恥ずかしすぎます。
海図を出して来てヨサクさんが説明を始める。
「この島をナワバリとしてる魚人海賊団がいる場所、アーロンパークです」
「魚人ですか……。」
まさか東の海でお目にかかることになるとは思っていなかったですね。
「それで進路のほうは合ってますよね?」
「わかりやせん」
………………?。
「それで進路のほうは合ってますよね?」
「いや、ちゃんと聞こえてますよアリスの姉貴」
「じゃあわからないってどういうことですか?!」
「こんな速度で移動する船があるなんて初めてですし、てっきりアリスの姉貴が場所知ってると思ったんで俺には今どこらへんにいるのかも分からないです!!」
な、なんということでしょうか?!迷子じゃないですか!
ブレーキをかけて急いで船を止める。
「ええっと時速と方角から計測しておそらくこの辺りかな」
「じゃあこっちに角度を変えてしばらく直進すれば着きますね」
「はい、ではよろしくお願いします」
「え?」
「え?」
「いや、こんな複雑なもの操縦できないんですけど」
「っは!!」
そうでした。非常事態ということで時代感無視した物を出したせいで私以外操縦できないんでした。
しかも
「あ、あの私直進以外でこれ操縦できないです……」
「へ?」
前世では車の免許すら立っておらず、仕組みを知っていたのでエンジンをかけてメリー号がいる方向に向かって直進させることはできたのですが、他はあと止めることぐらいしかできないんですけど……。
仕方なくこの時代に沿った帆船をだしてヨサクさんに操縦をお任せした。まさかの落とし穴でしたね。
「……まさかアリスの姉貴がこんなミスをするとは……」
「うるさいですね?舌縫い付けますよ」
そういうと口を急いで閉じる。
それにしても周り見渡す限り海ですね、あってると信じて進むしかないですね。
「アリスの姉貴!海軍の船が見えます!どうしますか?」
そうヨサクさんが叫んでこっちを振り向く。
ヨサクさんが指をさした方向を見ると軍艦が一隻あった。
これはチャンスですね。
「ヨサクさん船を海軍の方に近づけてください」
「は!?」
「大丈夫です、私たちは別に海賊として顔が広まっているわけではないですし、問題ないですよ」
「そ、それはそうですが」
「それと服を脱いでください」
「はい?!」
* * * * *
海軍の船に近づいて、大声を出す。
「すみません〜私たち新聞記者なのですが、漂流してしまったのです〜」
「助けてくれぇえ〜」
私はヨサクさんをチンピラのような格好から新聞記者のような格好に着替させて武器を船に隠して大きく手を振って海兵に呼びかける。
漂流者のふりをして軍艦に拾ってもらい速やかに進もうという作戦です。
あとついでにアーロンパークの魚人どもに対して警戒させるためにも良い手段だろう。
「おーい」
「助けてくださぁい」
2人で大声を出すがリアクションはない。
「……なんも返事ないですね」
「聞こえてないんですかね?」
絶対聞こえてると思うんですがね?なんのつもりですかね。
仕方ないですね。
「私たち今300万ベリーもっているですが、助けてくださったのなら全額差し上げますので助けてください!」
私がそう叫ぶと軍艦の甲板がにわかに騒がしくなる。
「アリスの姉貴、そんな金どこにあるんですか?」
「ないです。適当に金銀財宝だしとけばいいです」
ぽんぽんと適当に高価な物をだして袋に詰める。
しばらく待っていると軍艦に上げてもらいました。
「チチチチ、漂流するとは災難でしたな、新聞記者さん」
「ええ、食糧も尽きてしまったので、あわゆく餓死するとこでしたよ。危険な状態から救っていただきありがとうございます」
「いえ、市民を救うことが海兵の仕事ですから。……チチチチ、それで300万ベリーはどこに?」
「ええ、実を言うと現金ではなくて。300万ベリー相当の財宝なのですがこの袋の中にありますよ」
そういって袋を開いて中身を見せる。
「ほう!それでは……」
「はい、私たちをどこか無事に近くの島に届けていだだきましたら全てお渡ししますね」
「……チチチチ、ええ、もうすぐ島に着きますので中でお待ちください」
「はい、お言葉に甘えさせてもらいますね。長旅で疲れまして」
ヨサクさんと一緒に案内された客室に入りました。
といってもかなり質素な作りですが贅沢を求めているわけじゃないですし、良しとしましょう。
「上手くいきやしたね」
「ええ、そもそもなぜ新聞記者がこんな財宝持っているか疑問に思わない馬鹿でしたが、財宝に反応するクズでしたね。扱いやすそうです」
「それで、アリスの姉貴、これからどうするんですか?」
「まぁ、近くの島といいましたがここら辺にはアーロンパークのある島以外とくに見当たりませんでしたのでおそらく着くのでしょう」
「着いてからはどうするんで?」
「成り行きに任せます」
「…………」
「まぁなんとかなりますよ、ナミさんを探して連れ戻すだけですし」
だからヨサクさんため息つかないでください。
人間万事塞翁が馬ですよ。
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