◎月☆日 曇らなきゃダメだ、曇らなきゃダメだ、曇らなきゃダメだ
心労で2キロ痩せた。
ただでさえ56キロしかないってのに。死ぬ。
さて、藤堂元春とかいう人物から連絡があったんだが。
誰だったろう。俺と同じ苗字だなんて、ハハハハハ。
冗談だ。あのバカ兄貴め、俺に一体何の用だってんだ。
もしやとうとうアミエーラお嬢さんに対して強攻策に出てバイトを首になったばかりか、ムショ入りにでもなったのか?
ロシアの刑務所は地獄だぞ……あんのバカ。
違ったらしい。フラれたそうだけど。
まあ本国に居た時、脈など欠片も感じられなかったから意外性も何もないが。
しかし違うのなら何だというのだ。こっちはストレス過多でバカの相手などしてられんと言うのに。
ホモ疑惑が払拭できなくて困っているのだ。お陰で俺の中じゃ織斑ホモ率が9割超えなのだよ。
ガールズの株を上げようと懸命に画策もしているが、あの連中まるで役に立たん。
いっそ俺の知り合いを紹介してみるか? テスタロッサとか、四楓院とか。
あの2人なら少なくとも、ガールズよりは100倍マシな筈……ヴィルヘルミナはダメだ、メロンパンの女神にそんなことさせられん。
で、何の用なのか。
散々人にフラれたことやナンパが上手く行かないなどの愚痴を語り1時間。
俺はよく耐えた、もう通話ブッチしてもいいよなと7回思ったあたりで、ようやく本題に。
本国からの、通達。
この俺藤堂隆景はこの度、ロシア本国の国家機動部門代表に任命。
来年開催の第3回モンド・グロッソ機動部門への出場が、決定しました。
……………………。
はい?
◎月×日 見ろ、人が曇りのようだ!
とうとう機動部門代表になってしまった。
確かにここの所、戦闘技術の停滞が浮き彫りになっている中、真逆の現象として機動技術の冴えは留まる所を知らなかった訳だが。
ノーヴァの機体稼働率も最高で91%弾き出したし……『雷来黒雲』は40パー前後だが。
被弾率も2%になった。
ちなみに残影瞬時加速だが、会長さんは無事習得した。あの人一緒に水分身残すから、多分この技は俺より向いていると思う。
織斑? その名を俺の前で出すんじゃねえ。
しかし、幾らなんでも早過ぎるだろう。
次のモンド・グロッソ来年じゃん。準備期間1年しかないじゃん。
本国何考えてんの。抗議の電話かけたら、いつぞやの悪人笑いな役人さんが「無問題無問題」言ってた。
ロシア人が広東語を話すなぁぁぁぁぁっ!!
会長さんとこに相談に行った。
生徒会室のソファでお昼寝中だったから、毛布かけて出直す。
かわええ。
続いて簪の所に。
打鉄弐式の調整を手伝いつつ、顛末を話した。
励まされた。和んだ。
山田先生。きゃーきゃー喜んでくれた。
や、その気持ちは嬉しいが。
一緒に居た織斑先生からは、任命された以上優勝する気概で行けとのありがたいお言葉が。
そりゃ目指すけど。
ヴィルヘルミナからメロンパンを貰う。
精神値が回復した。
どこからか聞きつけてきたテスタロッサが、いずれ自分も同じ舞台に立って決着をつけると再度ライバル発言。
つーか、お前って国どこだっけ。イタリア?
織斑と遭遇。脱兎で逃げる。
◎月■日 スタープラチナ・ザ・ワールド! 『時は曇る』
数日悩んだが、結局のところとても名誉なことなので素直に喜ぶことにした。
今度本国で代表任命のインタビュー受けるのが辛いが、そこは耐えよう。
さ、て。俺は今、別のことで悩んでいる。
自分を少しでも誇れるようになれば。
今まで『それ』を機会として、俺は考えていた。
何をって。決まってるし。
会長さんに告るんだよ。
曲がりなりにも、国家代表の一角として名を連ねることになった。
今なら、あの人の隣に立ちたいと。
そう伝えても、いいのではないだろうか。
しかし。
しかしだ。
それには少々、いや、でかい問題がひとつあった。
結論を先延ばしにしていたが、もうそろそろ限界だろう。
つーか、限界迎えたんだよついさっき。
簪に告られた。