これは過去に苦しまれながらも前へと進んでいく1体のアンドロイドの話。

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某アプリゲームのコラボで触発されて書いた作品です。
ゲームは未プレイですが動画を見ながら頑張って書きました。


人形の目に写る世界は何色か?

 何千年という未来の世界、人類は宇宙からやって来たエイリアンが地球を侵略された。エイリアンが作り出した『機械生命体』によって故郷である地球を奪われ、僅かに生き延びた人類は月へと逃げ延び、過去の技術を駆使して作り上げた生きる人形『アンドロイド』を生み出した。

 

 何度壊れようとも、我々は戦い続ける

 

 全ては創造主である人類のために

 

 

 

 

 

 ここは『廃墟都市エリア』、そしてその向こうにはは広大な砂の海が広がっている『砂漠地帯エリア』が存在する。そんな場所で『廃墟都市エリア』のビルの屋上で1人の青年が寝転んでいた。

 

 青年の傍らには1mを超える大きさのスナイパーライフルが、パイポット(二脚)で立てかけて置かれていた。

 

「ハァ…今日も快晴だな。今のところ機械生命体もいないし、こういうのを『平和』って言うんだろうな」

 

【否定:平和とは、戦争や内戦で社会が乱れていない状態の事を表す。現在の状態は平和とは呼ぶに等しくない】

 

「言ってみただけだよ…」

 

 彼の言葉に反応して、ヨルハ部隊員の標準装備である随行支援ユニット『ポッド126』がそう答える。彼の名はヨルハ3号G型、通称3G。ヨルハ部隊員の1人で銃器の扱いに長けており、遠距離攻撃を得意とするガンナータイプのアンドロイドだ。

 

 彼がなぜこんな所にいるのか。それは彼の背後には地上のヨルハ部隊の重要拠点と呼べるレジスタンスキャンプが存在する。そしてここは砂漠地帯と廃墟都市との境界線であり、これ以上の機械生命体の侵入をさせないための防衛ラインの役割として彼が置かれていた。

 

【報告:センサーに機械生命体を複数感知】

 

「あらら、お仕事の時間か。ポッド、どれくらいの数かわかるか?」

 

【推測:50体以上と思われる】

 

「団体さんか…参っちゃうね」

 

 そう呟きながら3Gは立てかけていたスナイパーライフルを手にし、姿勢制御は基本である伏射(プローン)の体勢をとり、トリガーを引く手をストックの所定の部分を握り、人差し指をトリガーにかける。

 

「ポッド、敵の座標位置と弾道計算、風速を計測」

 

【了解:計測及び3Gとのデータリンクを開始】

 

 人類は狙撃する際、呼吸を止めて心臓と呼ばれる臓器の鼓動を小さくし、照準のズレをなくすらしいが自分たちアンドロイドにはそんなものは必要ない。

 

 ポッドから送られる風速、対象との距離、弾道予測など様々なデータを瞬時に計算し、準備は整える。スコープの十字線で狙いを定め、あとは静かに引き金を引くだけ。

 

 ズドンッ!

 

 躊躇もせず引き金が引かれ、銃口から弾丸が発射される。弾丸が発射されたと同時に強烈な衝撃と破裂音が体を響かせ、地面を震わす。弾丸は空気を切り裂き、音速のスピードへと達し、そのまま機械生命体の腹部の厚い装甲を貫通し内部で爆発した。コアを破壊され、機械生命体はそのまま物言わぬガラクタと成り果て、粉微塵となった。

 

【報告:対象の沈黙を確認】

 

「……」

 

 3Gはそれを見届け、ボルトを引いて排莢し新たに弾丸を薬室へと送り込む。再び他の機械生命体へと照準を合わせ撃つ。

 

 撃って

 

 撃って撃って

 

 撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って…………

 

 キーン…

 

 排莢口から空薬莢が零れ落ち、音が響く。気がついたときには既に周りには幾多の金色に輝く空薬莢が自分の周りを囲むように、無造作に落ちていた。一体何発撃ったのかなんて理解はしていない、5発撃った後からはもう数えていなかった。彼の視界には既に動いている機械生命体は一匹もおらず、物言わぬガラクタだけが散らばっていた。

 

【報告:センサーに反応なし。敵の全滅を確認】

 

「ふう。お仕事完了っと」

 

 3Gはスナイパーライフルを所定の位置に戻し、地面に散らばる空薬莢を回収し再び空を見上げるように寝転ぶ。そんな時、ポッドが3Gに話しかけてくる。

 

【疑問:3Gはなぜいつも空を見る?】

 

 ポッドはいつも気になっていた。3Gは任務の合間に必ず空を見上げる。別に寝るというわけでもないのに、空を見続けていた。そんな疑問に3Gは答える。

 

「ああそれね。俺はね、『色』が好きなんだよ。ほら地球ってさ昔は宇宙から見るとすっごい青かったらしいんだよ。けど今の地球は灰色みたいにくすんだ色してさ、海も濁った感じの色なんだ」

 

 機械生命体との戦闘により破壊された地球。3Gの言う通り、バンカーから見る地球は前の面影がないほどに『色』がなかった。

 

「けどな、空は違うんだよ。いつも美しく青い色なんだ。初めて地上の任務で来た時に感動したんだよ。こんなにも素晴らしいものがあるんだってね」

 

【当機にはその答えは理解不能。重要案件として要保存する】

 

「あらら…。ポッド、俺は少し休むから何かあったらすぐに連絡してくれ」

 

【了解】

 

 3Gはポッドにそう告げ、瞳を閉じ闇の中へと落ちていった。

 

 

 

 

 

『■■!綺麗でしょ!俺はこれを君に見せたかったんだ!』

 

『すごいよ3G!空があんな色をするんだね!』

 

 

 

 これは、いつかの記憶だ。

 

 

 

『今日も頑張ったね3G。お疲れ様!』

 

 

 

 かつての記憶

 

 大事な■■との思い出

 

 

 

 

『綺麗だね…君とずっとこうしていたいな…』

 

 

 

 しかし

 

 

 

『ハァ…ハァ…■■…!もう…止めるんだ…!』

 

『…ァ…ァア…!』

 

 

 

 その思い出は俺にとって

 

 

 

『うあぁぁぁぁぁッ!!!どうして!どうしてなんだ!?』

 

 

『なんで■■なんだ!何で君を*=^なくちゃならないんだ!?』

 

 

 

 罪であり、罰でもあるのだ。

 

 

 

 

 ビー!ビー!ビー!

 

「!?」

 

 突如としてアラームが鳴り響き、3Gは現実世界へお引き戻される。どうやらポッドが俺に異常を感じて起こしたみたいだ。

 

【報告:3Gのバイタルに異常を感知】

 

「…何でもない」

 

【推奨:自我データ及び素体のチェk「大丈夫だから!問題ないから安心しろ!な?」…了解】

 

 3Gは強引にポッドを黙らせた。すると再びビー!ビー!とアラートが鳴り響く。

 

「どうした?」

 

【報告:こちらに接近してくる機体を感知】

 

「急接近?何者だ?」

 

【確認:識別コードを確認。ヨルハ部隊員『2B』と『9S』と断定】

 

「9Sと2B…オペレーターがそんなことを言ってたな」

 

 3Gは警戒を解き、ヨルハ部隊員が砂漠地帯から来るのを待つ。しばらくすると2人のアンドロイドが砂山を駆け抜けてきた。3Gの存在に気付いたのか、二人がビルの屋上までよじ登り、スキャナータイプのヨルハ隊員が話しかけてきた。

 

「こんにちは。ヨルハ隊員の方ですよね?」

 

「ああそうだ。俺はヨルハ3号G型、3Gだ。歓迎するぜ、お二方さん」

 

 ニカっと愛想の良い笑顔を浮かべて答える3Gだった。




ヨルハ部隊であんまり出てなかった役職G型(ガンナータイプ)がこの物語の主人公です。
スナイパーライフルのモデルはバレットm82a3となっており、状況に応じて実弾やレーザーに変えられるなど優れた武装を所持している。
接近戦はスキャナータイプよりかは戦えるようになってます。

続く?


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