インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】 作:金宮 来人
最近、グルメ系の本や小説を読んでいて、動物のホルモンを食べるという話を見ました。
よくある分では魔物の肉を食べるというのは聞くのですが、ホルモン系はびっくり。
しっかりと読んでそのあと一言、
『ホルモンの焼肉とビールが欲しい。』
ホルモンとコウネの焼肉とビールが非常に欲しくなりました。
とまぁ、個人的な話はこれくらいにしておいて。
では、授業開始です。
俺はある程度の準備を済ませて装置の設置用に尽力した。
俺は今まで来た途中の建物の屋上などに装置を仕掛けていく。
それと、ランダルコーポレーションにはついても先に入る事は無いように伝えておく。
「俺は一度、来た道を順に辿って巡ヶ丘学園に戻る。そこで装置を設置してきてから合流するから、お前らはランダルにゆっくりと向かっていてくれ。予定ではそちらも道を探しながらだと三日くらいかかるだろう。こちらもそれくらいにはつくように急いで回るから、くれぐれも先にランダル内に入り込むことが無いように。特に狗三、胡桃、丈槍。」
「名指し!?」「信用ねぇな!?」「えー、私も?」
三人はそう文句を言うが却下した。
「それじゃ、いったん別行動だ。・・しつこいが、くれぐれも危険なことはするな。」
真面目にそう言うと全員が頷いて答えたので、俺は安心して先に出発することにした。
「それじゃ、達者でな。」
大学側に残るメンバーにそう声をかける。
「あれ?もう会えないのかい?」
「役目が終われば、おそらく俺は神のもとに呼ばれるだろうからな。別に死ぬという事じゃないが・・消えると思う。面倒だが、そろそろ開放してほしいものだ。世界を超えた仕事など、勘弁してほしい。」
首を振ってそう答える。
「あはは。上司に恵まれないね。」
「そうだな。気分屋で飽きっぽいからな。」
「神様相手にそう言えることはすごいよ。・・それじゃ、まぁ、またどこかで。」
「あぁ、会うことがあれば。」
俺とトーコはお互いに手を上げて手のひら同士を打ち合う。
【パン!】
「じゃぁな。」
「うん、頑張りたまえ。」
「気をつけてくださいね。」
「楽しかったよ。」
「・・それでは、お達者で。」
そう声をかけてもらい俺は先に校舎を出る。
俺は一旦ある程度離れたところで止まる。
そして、二つのギアを取り出して聖詠を口にした。
「『Killiter Ichaival tron~』『Seilien coffin airget-lamh tron~』♪」
デュアルギアの起動で俺の姿は赤い装甲と銀色に輝く装甲に包まれる。
赤い装甲からは大きなミサイルを構え、腕には銀に光る大型のナイフを装備する。そのまま前に腕を構えて足に力を入れて構える。
そして、さらに歌を口にしてその力を開放する。
~推奨BGM『Change the Future』~
「♪~」
歌を口にしたら腕についたナイフは巨大化し、背中のミサイルはロケットとなって一体化して巨大な刃のついたロケットになる。そしてロケットから火が噴出してそのまま加速して直進。まっすぐになっている道を巨大な刃物が高速で直進してそこにある物や感染者を切り裂いて吹き飛ばしていく。
今から行うことはすべて、未来への布石。
暗い、閉ざされそうな未来を切り開くためのその一歩。
「間違った過去は変えられなくても・・」
ロケットを止めてガソリンスタンドの近くの喫茶店のあるビルの屋上に装置を設置する。
そして、またロケットは火を灯して、高速で空を進む。
「多くの人は救えて来なくても・・」
狗三が居た施設の屋上に到着して、同じく設置。
そのまま、また進む。
次についたのは圭と出会ったビルの屋上。駅が見えるそこから駅構内にはぞろぞろとスーツ姿の感染者が見える。
「手の届く範囲くらいは・・」
設置して、また空へと飛び立つ。
次についたのはデパートの屋上。
「守ってやりたいと思える。・・奇跡が起こるかわからない・・。生きていくにはつらすぎる世界だろうが・・。」
ここで美紀を助けることができた。
自身がケガしてても助けを求めて出た圭。
こもって精神がおかしくなるかもしれない状況でも、出て行った圭の事を気にかけた美紀。
お互いの友情をしっかりと見せつけられた。
こんな世界でも、まだ友情・・いや、友愛と言おうか。
その思いやりは生きている。
「だからこそ・・。」
そして、俺とみんなが出合い、集まった・・いろいろなことのあった校舎。
巡ヶ丘学園の屋上につく。そこには水をやらなくても青々と茂った野菜と、人が居なくなった校舎の静けさがあった。
近くの手すりには鳥が止まり、こちらを見ていた。
「この世界に俺はありえなかった終わりを・・ハッピーエンドを見たいんだ。」
俺が住んでいた部屋にあったラピスの研究の機械や装置をもって部屋を片付ける。
屋上に戻って装置を設置する。
「これこそが・・未来を変える、その切っ先にならんことを・・。」
思ったところに設置はできた。しかしこれではまだ少ない。
もっと何か所にも置いて、レイライン上のエネルギーを変換する装置を増やさないと。
しかし・・こうも俺の関係してきたところにレイラインが・・龍脈があるというのも、何かしらの因果を感じるものがあるな。
まぁ、それはいいかと思い俺は屋上からまた空へと飛び立つ。
レイライン上、龍脈の走るところの位置にある建物の屋上にいくつもの装置を設置しつつ俺は地図のランダルコーポレーションに近づいていく。
夜中も飛び続け、装置を設置する。そして、朝陽が出てきたころに飛んでいた途中で神社を見つけた。普通なら気にかけないのだが何か予感めいたものを感じたので寄ることにした。
そこにも要石があったのだが、おかしい事にそこには龍脈は走っていない。その要石は何の意味もないものだった。
しかし、そこにある立札を見ると俺は興味を寄せる。
『過去、この地に一度死にながらも、翌日には元気に泳ぐ鯉の姿がこの池にはあった。それを見世物として当時の住職は人を集めた。しかし、いくら食べ物をやろうともその鯉はエサをねだる。当時の住職もその食欲にはおかしいと考えエサを与えることを禁じた。するとその鯉は他の鯉と共食いをはじめ、ついには池から鯉が居なくなってしまった。住職とその近くにいた住民はこの地の池を呪われているとしてお祓いをして、池の水を絶つために要石を置き、呪われた水を封じる栓とした。現在、科学的に進歩した技術で地下水をいくら検査しても、多少の雑菌は在ってもそこまでの危険性は無い。科学的に証明できないがこの地の歴史としてこの要石を残すことを決定した。 平成〇〇年 ◆◆市環境課』
・・いくら食っても腹を空かせる・・一度死にながらも動く・・。
明らかにその現象は今の災害と酷似していた。
「・・多少の雑菌・・これがカギかもしれん。」
そう思うと俺は試験管を取り出して近くの水場を探す。そして神社の裏手に封じられた井戸を見つけた。そこの封を壊して水と風の術式で地下から水を引き上げる。
そして、その水を試験管に入れて蓋を閉めて密閉。さらに井戸も再度、土の錬金術式でしっかりと蓋をする。
俺の予想が正しければこの地でランダルコーポレーションなどと言う大企業が研究施設を作った理由、学校の施設や関連する人物の建物に避難シェルターなどが用意してあったこと、そして今回ここまで爆発的に広がった理由。
今回の災害のすべてがこのランダルコーポレーションの研究施設を中心に起きた可能性が高い。
俺はいくつかの建物にまた装置を置きつつ、その地に近づいて行った。
二日目の深夜にランダルコーポレーションの敷地内にたどり着いた。
まだキャンプカーが見えないことから来ていないようだと思い、せめて近くの安全は確保しようと周りを確認する。
すると、近くにあった神社・・いや、小さな社『やしろ』と言うか・・祠と言うか・・。
とりあえず、それの近くに手水場がある。地下水ではないかと思ったが上水道の水らしくカルキの匂いがする。既に薄まってきているが・・この近くに浄水場がありポンプが動いているところがあるらしい。勢いは少なくちょろちょろとなっているが・・それでも動いていることはおかしい気がする。
俺はこの近くに独立した水の流れがあると考えて、その設備がある先をたどる。
水の術式でその水が流れてくる元をたどっていくと・・、俺が来た方向・・。
辿って歩き、見上げた先にある建物・・そこが水の出どころ。
つまり、その水の出どころは、ランダルコーポレーション研究施設だった。
ではまた次回。