インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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最近の気温の変化で体調崩してました。
熱いんだか涼しいのか、じめっとしてるのか・・。
身体が追いつかないです・・。
とりあえずゆっくりと登校して行きます。


第一時間目

目の前、いや・・周りにたくさんの感染者が歩いている。こちらに気がついた一体がこっちに向けて歩いて来始める。

「あぁ・・あ、あ、ああああぁぁ」

「目障りだな。まったくもって、耳触りで目障りだ。・・新しき力を使わせてもらうとするか・・。まだなじんではいないが・・【だとしても】・・俺がやる事は一つ。」

【ラピス・フィロソフィカス】を出す。赤いハート型のはずであるソレは俺を現す【蒼】に染まっていてそこへ、金色の線が血管のように張り巡らされている。起動するファーストローブのスペルキャスターは「銃」。目の前まで来た感染者を蹴り飛ばし、引き金を引いて起動する。

装着したファウストローブは騎士を現す様な形であるがその手には銃を持っている。

「この近くの生存者を助け、進む事こそわが使命。これを引き起こした者たちへの革命の引き金。そして・・コレが始まりの一撃だ。響き渡れ我が鼓動!!支配者たる貴様らへと恐怖を植え付けてやろう!!」

肩から錬金で生成した弾を銃に装填し、こちらに向かってくる感染者が増えた状態でそれに向かって引き金を引いた。

『ドガォゥン』

音が響き渡り、金色のエネルギーと共に飛び出した銃弾で目の前の感染者は跡かたもなく消え去る。

「・・さて・・アレが目的地の学校か・・。」

足元に会った荷物を持ち上げ装備だけは解いて歩きだす。見えた先には普通の設備を備えた学校には見えない、明らかに相応の準備を備えた施設だ。

校門まで来た時には確かに学校にしか見えないが、大型太陽光発電用のソーラーに屋上に植物すら見える。・・自給自足の生活用か。

そうこうしていると周りを感染者に囲まれていた。

始末しようと腕をあげると、

「おい!!そこに居るのは生きてるってことだよな!?こっちに来い!!」

そう叫ぶ声が聞こえた。

手にシャベルを担いだ少女。おそらくそれで攻撃して生き残ってきたのだろう。確かに便利だからな。良い選択だ。斬る、叩く、突くの武器に、掘る、すくう、遠くから触るなどの道具にも使える。

俺はそれに手を振り要らぬ世話だと教えた。銃を振り剣に変える。

「な!?」

「解放の為に・・貴様等の命・・いや死んだ躯だからな・・魂でもないな。」

一度眼を瞑り、苦笑を浮かべる。

「貴様等の躯を力と変えて、我が錬金の糧とする!安心して消え逝け!亡者ども!!」

近くに来た感染者を避けて足を引っ掛けて転がさせて、後ろから来た奴の首を斬りそのまま更に周りの感染者達を切り刻む。

「世界への礎となれ。」

最後の一体の首を切り離して、その周りの死体を錬金で変換する。

「・・っち。死体如きじゃエネルギーにもならないな。」

手のひらの中に収まる程度の小さな光程度で弾の錬金にも使えない程度のエネルギーだ。

やはりエネルギーにするには命が必要か。生存者は基本的には助けるからな・・。おそらくはこの程度を大量に集めるのが必要だろう。処分しても良いのはそこらに大量に居るのだから。

振り返り見ると、驚いた顔で固まっている女子生徒が見えた。

「・・生存者と見た。話を聞かせてもらおうか。そちらに行っても良いか?」

「え?あ、あぁ!今梯子を下ろすから・・」

「必要ない。」

俺は足元に緑色の錬金術、風の陣を出して浮かぶ。

「な!?う、浮いて・・どうなっているんだ?」

外の非常階段の下がふさがっていたので俺は上に言ったのだが、驚かれたようだ。

まぁ、普通の事じゃないからな。

「他にも生存者はいるのか?」

「あ、あぁ。・・一応聞いておくが、あたし達に何かする気はあるのか?」

「ふん、本人に聞いて素直に答える事は無いだろうから気をつけて置く方がいいぞ。まぁ、俺は性欲などは無いから安心しろ。・・一応聞いておくが、さっきの話から聞く限りここには女しかいないのか?」

「そうだ。今は四人、生徒が三人と教師が一人だ。」

「・・ほう、大人がいるなら話しやすいな。冷静な対応に期待しよう。」

そう言いながら手を掴み、俺は銃を渡す。

「・・は?」

「武器を持ったままの男など怖いだろう?預けておこう。まぁ、それ一つとは限らないがな・・。くくく・・。」

「なら渡す意味ねぇじゃないか。返すよ。」

押し返されたソレを錬金術式に戻しておく。

「さっきからのソレはなんだ?手品とかじゃなさそうだし・・魔法か?」

「錬金術だ。術式と計算、ルーンを組み合わせて更にそれを組み合わせた高高度文明遺産だ。理解しろとは言わないからそういうおかしな人間だとでも思っておけばいい。」

「はぁ・・、そういや名前は?あたしは恵比寿沢胡桃。」

「・・まだ此処にいるのかも決まっていないのに安易な・・。まぁ・・名乗られたのなら返すか・・。イチカ・ダインスレイフ・・いや、違うな。昔の姿に戻ったし、やり直しをしてるから俺は織斑一夏だな。」

「一瞬どう見ても日本人だろと思ったが・・織斑一夏、な。なら、一夏って呼ばせてもらうよ。」

「・・お前を見ていると昔の気の良かった相手を思い出して、調子が狂うよ。」

「あ?それは褒めてんのか貶してんのか?」

「一応、褒めている。おそらく頼りになるムードメーカー的存在だろう。」

「頼りにはなるかもしれんが・・ムードメーカーは他だな。こっちだ、この部屋の中に他は居るはずだ。」

そう言って通されたのは生徒会室。の下に『学園生活部』と書いてある。

少しジト目でソレを見てしまった。

「あー・・ソレはそのムードメーカーが貼ったんだよ。」

「なるほど、ろくでもないお馬鹿さんという事は見てとれる。」

「言ってやるな。馬鹿は否定できんが・・。」

そう言いながらドアを開けた。

「さっきの音は・・!?」

「誰誰?くるみちゃんの彼氏?」

「・・どなたでしょうか?」

三者三様の表情だな。というか、誰がアレ貼ったのかはっきりとわかった。

「・・おい、アレ貼ったの・・アイツだろ。」

そう言いながら彼氏なんたらいっていた奴を指さす。

「・・その通りだよ。」

呆れて頭に手を当てるようにして首を振る胡桃。

なるほど、大体の関係は分かってきた。

「あー、頭おかしいと思われるが・・異世界から飛ばされてきた錬金術師。織斑一夏という。一応、既に胡桃とは挨拶したが、此処でも言っておこう。俺はこの学園内に居る生存者の助けになる為に送られてきた。学園から脱出し、多少のサバイバル技術を教えるのが俺の役目だ。後はお前等とは行動を別にして生存者を助けるか、移動するかを決めて行く事になる。一時的なものだが、信用はしてほしい。」

「い・・異世界って‥」

「ん?くるみちゃんの彼氏じゃないんだ。でも、結構かっこいい人だね。一夏さん、・・なら『いっくん』で良いよね。私は丈槍ゆき。よろしくいっくん。」

「待てコラ。なれなれし過ぎだろ。」

でこを人差し指でつっつきまわしてやる。そこに明らかな大人が近付いてくる。

「あらあら・・。まったく困った子ですからすいません。所で・・危ない物は持ってないんですよね?」

そう言ってこっちに向ける視線が鋭くなった。ほう。この人は本当に大人として此処の責任を持っているんだろう。信用におけるな。

「ん・・その前に名前を聞いても良いか?」

「あ!すいません、私はこの学校の教師で佐倉恵といいます。それで・・」

「あぁ、佐倉先生さんね。覚えた。武器は・・持っていますよ。俺自体が危ない存在ではあるな。なんせ錬金術って言うのは此処じゃ魔法みたいに見えるものだ。一定のプロセスと媒体となるエネルギーの等価交換により、術式と計算を経てルーンの効果を発動し、ソレを更にエネルギーを元にして現界に具現化する方法で・・」

「・・すいません。こちらから聞いておいてなんですが、話が一切分かりません。」

「だろうな。分かった時点で先生も錬金術師になっちまう。うーん・・見せるのが良いか。」

そう言って風の術式で少し浮かぶ。

「・・は?」

「すっごーい!!手品?ねぇ!?手品!?魔法!?」

「いや、種も仕掛けもあるが・・分からないだろうからいいや。」

まだ名前を聞いてない生徒が目を見張っている。

「後は・・コレとか。」

水の術式でコップに水を入れる。更にそれを俺の手の上にうつして凍らせる。

「一瞬で凍ったよ!?すごいよ!ねぇ?りーさん!」

「え、えぇ・・そうね・・。」

「・・えっと名前を聞いても良いか?」

「えっと・・若狭悠里です。」

「・・信用できないか?」

「まだ貴方を知りませんから・・。」

そう言い合ってお互いの眼を見合う。俺は眼を瞑り・・

「ならば良し。」

そう言って頷き、眼を開いて満足したようにそう言うと全員が目を丸くして・・いや、丈槍だけは嬉しそうだった。状況を飲み込めてない様だな。

「いきなり訪れた男を信用するようでは危機感が足りん。こういう風に少しは敵対する方が相手にとっても動きづらくなるから、覚えておくように。特に見目麗しい・・年頃の女子達が居る様な場所なら尚更だ。その点では安心できたよ。胡桃は初めっから信用するからこういう風にたまには疑いを持つようにな。悪い男にだまされるぞ?」

「そ、それで良いの、貴方は?」

「良いも何も、それが現実的でお前さん等が取らなければいけない行動だ。あそこの頭の中がお花畑みたいなやつは一番注意な。こういうタイプは勘で判断する。次に胡桃よりも佐倉先生だ。大人のアンタが一番警戒するべきだ。おそらく腕っ節なら胡桃だろうが・・ここにいる以上大人のアンタが引っ張って行かないといけない。いくらつらくてもな。」

そう言ってみると手をぐっと握っていた。呆れたように溜息をつく。

「・・安心しろ。全て背負えと言っているわけじゃない。大人としての責任だけだ。もしも何かあった時の全責任じゃない。子供を引っ張って行くという責任だよ。つらいなら誰かに相談してでも解決しろ。それを自分の責任だと思い詰めるな。大人だからだと自分を追い詰めるな。全て背負いこむな。皆が生きて行く為には必要な責任だけ持って置け。たとえば・・食料をどこか外へ取りに行く際になったら、全員を率いて静観するための方法を考えて置く・・などだな。」

そう言いながら肩をたたくとぽろぽろと泣き始めた。おそらくかなりため込んでいたのだろう。辛くても誰にも言えなかったのだろう。声は殺してでも止めどなく涙は伝い落ちる。

「外から来た俺にならぶちまけても八つ当たりしても良いぜ。相談には乗るし、此処にいる限りは責任は俺も受け持つ。その為の存在だからな。

そう言ってハンカチで涙を拭いてそのまま渡してやった。

「さ・・て・・おい、何を睨んでいる?」

「めぐねえ泣かすなんて悪いの。謝って!いっくん!!」

「・・めぐねえ?」

「あー。生徒と年齢が近くて姉のような存在だからめぐねえってみんな呼んでいるんだ。」

そう胡桃が説明した。ふーん・・。

「じゃあ、俺もそう呼んだ方がいいのか?」

「ぜひ佐倉先生で。」

泣いていたはずのめぐねえは顔をあげてそう言った。

「・・泣かせて悪かったよ・・めぐねえ。」

「だから佐倉先生って呼んでって言ってるじゃないですか!」

「くははは。わるいわるい。佐倉先生、よろしくな。えっと、・・若狭さんも。」

「よろしくお願いしますね、いっくん。」

「・・こちらも何かあれば頼みますね、いっくん。」

「・・お前ら・・。」

良い笑顔でそう呼んで来やがった。クソ、やり返されたか。しょうがない・・。

 

 




更新は不定期ですので、申し訳ありません。
ではまた次回。

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