とある少年の物質変換   作:まうんてんうちうち

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テスト期間なので、更新できません。更新が少し遅れたのもこれが原因です。本当は昨日投稿して報告するつもりだったんですが、間に合いませんでした。


28話

「あァ?」

「あ」

「……え?」

 

 いつものスーパー。御坂妹が、明日の朝と弁当の食材を選びに離れ、俺はそれが終わるまで今日の夕食の材料選びを兼ねて、ブラブラしてようかなーっていう時だった。

 

 見慣れた白髪の少年と、見慣れた茶髪の少女に出くわした。

 

「あー! ここであったが超100年目!」

「え、うそ……ここでやんの?」

「あン時は……」

「ちょ、マジで……え?」

 

 顔を見るなり、俺を指差す茶髪の少女。白髪の少年は首元のチョーカーのようなものに手を伸ばす。

 

 超能力者(レベル5)の少年と、おそらく身体能力の強化系と思われる少女。

 

 まぁ、スーパーの全壊は回避できないだろう。

 

「あれ、その杖どうしたの?」

「オマエには関係ねェよ。殺すぞ」

「あたり強くない?」

 

 それと、首元のチョーカー……なんか、機械みたいな感じだけど、前はそんなのつけてなかったような……

 

「この前は超よくもやってくれましたね。責任取りやがれです!」

「言い方考えてくれ。なんか俺が悪者みたいじゃん」

「おかげで超一晩中走ったんですからね!」

 

 プリプリと怒る少女。やっぱり小動物のようだ。

 

「ねぇねぇ……あ、あなたは! ってミサカはミサカは驚いてみる!」

「ん……え……え?」

 

 声がした方を見る。そこには誰もいなかった。

 

「下、下! ってミサカは存在をアピールしてみる!」

「ん……あ、あれ? 御坂?」

「10032号の同居人だよね? ってミサカはミサカは確認してみる」

「そうだけど……え、個人情報ダダ漏れ?」

 

 御坂妹と同居してることは……上条しか知らないはずなんだけどな。

 

「食材選び終わりました……これはこれは……同窓会でもやるんですか、とミサカはボケてみます」

「どんなメンバーだよ」

「超置いてけぼりなんですが」

 

 そう言ったのは茶髪の少女。いや、俺としてはなんで昨日はストーカーしてたのかを知りたいんだけど。

 

「昨日は大変でしたね」

「……まァなァ」

「なに、なんかあったの?」

「後でお話しします、とミサカは早く夕食を食べたいことを暗にアピールします」

 

 白髪の少年を見てそう言った御坂妹。杖とかチョーカーとか、ちっさい御坂に関係すんのかな、なんて考えながら、雑談もそこそこで俺たちはその場を離れる。

 というか、逃げた。

 

「急いで買うぞ……もう絡まれたくない」

 

 何が悲しくて学園都市の第1位なんかに絡まれなくてはならないのか。

 

 適当に食材を買い物カゴへと放り込んで、御坂妹が選んできたものと一緒にレジを通す。

 

「それで、さっきの昨日の話なんだけどさ」

「はい」

 

 レジ袋をガサガサ言わせながら歩く帰路で、御坂妹は懇切丁寧に説明してくれた。

 

 昨日、あの白髪に何があったのか、そして御坂妹にも影響があったらしく、その詳細を事細かに教えてくれた。

 

「じゃあ、あのちっさい御坂が御坂妹の上司みたいな感じなのか」

「そういうことになります。とミサカは肯定します」

 

 あいつが人を守った……ね、信じられないけど、計算能力と言語能力に弊害が出るほどの怪我を負ったっていうならあの姿は納得がいく。それを補うための機械があの首のやつで、今日は実地テストってとこかな。

 

 ……頭に銃弾くらって1日で退院、退院してなくても外を出歩けるって回復力すげぇな。それか、医者の腕が良かったのかな。

 

「俺が医学とか人体に詳しかったら治せるんだけどね」

「それどころか演算能力が跳ね上がりますよね」

「いやまぁ、やろうと思えば今でもできるけどさ……現実には存在しない脳が頭の中にあるって、もはや改造人間とかになっちゃうと思うんだよ」

 

 なんか、人間の尊厳とか、そういう大事なものが失われるような気がする。

 

「そんなこと言ったら、ミサカは薬品で出来ているわけですが」

「お前は人間だろ。それが気になるなら変換してやろうか」

「つまり、ミサカの体をまさぐろうと、そういうわけですね、とミサカはドン引きしつつ距離を置きます」

「言い方な。それと距離離れてないけどな……あ、まさか心の? やめて、俺結構メンタル弱いから」

「豆腐メンタル……とミサカはボソリと呟きます」

「ボソリと呟きますのとこだけボソリと呟かなくていいから!」

 

 まったく、御坂妹とは毎度毎度このやりとりだな。まぁ楽しいからいいけど、この冗談のやりとりが本当にならないよな……?

 本気で嫌われたりしないよな? 嫌われてないよな?

 

「冗談は置いといて……着きましたよ、とミサカは夕飯を催促します」

「どんだけ腹減ってんだよ。少しは我慢してくれ」

「女の子に腹減ってるという言葉遣いはないと思います。とミサカはため息をつきます。はぁ……」

「ほらそこ、わざとらしいため息つかない」

 

 家に入るなり再び他愛のないやりとりが始まった。

 御坂妹とそんなやりとりをしながら、俺は夕飯用の食材を取り出し、調理を始める。

 

「今日の夕飯はなんでしょうか」

「アクアパッツァ。簡単らしいし、挑戦してみる」

 

 朝食作ってくれたし、明日はお弁当まで作ってくれるらしいしな。手の抜いた料理は作れない。

 




しかし、見事に魔術の事件に関わらない主人公ですよね。原作が魔術の禁書目録なのに……

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