とある少年の生体適応、という題名です。よかったら読んでください。
前々から言っていたので、一応報告……もとい宣伝でした。笑
「落書き終わりました。とミサカはプリクラを手渡しそう言います」
「おー……やっぱこういうのは女の子に任せるべきだな。センスが違う」
そう言ってプリクラを受け取り、財布にしまう。
学園都市初のプリクラはコスプレプリクラか……今度、涙子を誘って撮ってみようかな。
……オッケーしてくれるかどうかが問題だけど。
「それはそうと、今日はもうマスクなしでもいいでしょうか、とミサカは許可を仰ぎます」
「んー……ま、いっか。ただ、俺の知り合いに出くわしそうになったら速攻で被ってもらうけど」
特に涙子と白井だ。涙子はそもそも一方通行とか……なんだったか、
「それでは、とミサカは久々の素顔に羽を伸ばします」
「あー、マスク蒸れる?」
「いえ、あなたの能力のおかげで快適ですが……やはり何か違和感があるので」
「まぁ、そりゃそうか」
一応快適さに気を遣って作ったけど、自分の体じゃないのが顔に張り付いてるんだもんな。違和感くらいはあるよな。
『現在、この地下街にテロリストが紛れ込んでいます。パニックにならず、できる限り自然に避難してください』
「……ん?」
「
「あぁ、念話能力か。こんな感じで話しかけられるのか……テロリスト、ね。多分そうだな……とりあえず、指示に従うか」
もうすこし遊びたかったが、テロリストがいるならそれどころじゃないな……場所変えるのも面倒くさいし、今日はこのまま帰ろうかな。
出口は……あっちか。
案内板の指示に従い近くの出口から外へと出る。カンカンと照りつける太陽。地下街にいたからか、眩しさがさらに増している。
「……眩しいです。とミサカは目を覆います」
「しかも暑いな……ん?」
背後で、何かが閉まるような金属音がしたので振り返る。そこには頑強そうなシャッターが下りた地下街への入り口があった。
「避難終わってないだろうに……それだけテロリストがやばいのかな」
そういえば、白井の怪我は侵入者にやられたって言ってたな。
「他の入り口はまだ開いているのではないでしょうか」
「んー……そうなのかな」
まぁ、
「まぁいいや。晩飯の材料買って帰るか」
「もちろん、あなたの手作りですよね? とミサカはすこし圧をかけます」
「……そんなに食べたいんなら、作るけど」
俺の手作り料理なんて、不味くはないだろうけど美味くないだろうに……御坂妹のが万倍も料理うまいだろ。
まぁ、別にいいけど。
「はい、あなたのが食べたいのです」
「……ありがたいね」
お世辞でも、そういうことを言ってくれたらやる気がでる。
「じゃあ、なに食べたい?」
「そうですね、この前はステーキでしたので……思いつきません」
「じゃあ、シェフの気まぐれメニューってことで」
昨日は気合を入れすぎたからな……今日は簡単に作れるやつでいいかな。
「んじゃ、スーパー行くか」
「はい……あ、どうせなら食材を買い溜めしてはどうでしょう、とミサカは提案します」
「なんで?」
「いえ、明日の朝ごはんとかお弁当なんかを作ろうかと」
「……お前、めっちゃいいやつだな。一緒に住めてよかった」
「いえ、住まわせてもらっている以上は当たり前です。とミサカは常識人ぶりをアピールします」
今までひとり暮らしだったからなぁ。お弁当なんかテキトーに余り物とかお惣菜を突っ込んだり購買で菓子パン買ったりとかだったし、マジでありがたい。
「あ、クールビューティ!」
「……あぁ、いつぞやのシスターさん。そのような服装で暑くはないのですか。とミサカは首を傾げます」
スーパーに向かって歩いていると、御坂とインデックスさんが並んで立っていた。
御坂妹の言葉に、暑いかも、と答えたインデックスさん。そういえば、その服以外を着ているのを見たことがない。
「それに、えっと……?」
「赤城だよ。御坂と一緒って、なんか珍しいね。知り合いなの?」
「さっき知り合ったのよ……あのバカのおかげでね」
「あぁ、納得」
大方、近くに上条がいて、インデックスさんと上条が一緒にいたところに御坂がばったり出くわした、ってところだろうか。
「それで、張本人は?」
「地下街に取り残されてるわよ」
「ふーん……ま、大丈夫か」
「あんたまでそう言うのね。根拠はなんなの?」
「ん? いやだって、上条じゃん」
「……なんか納得」
俺の言葉に、苦笑いを浮かべて納得した様子の御坂。不幸だなんだとか言っておいて、上条は事件を解決する運というか、そういうのを持ってるからな。心配するだけ無駄だ。
まぁ、言いかえれば信頼してる、ってことになるのかな。
「あ、昨日あの後大丈夫だった?」
「
「昨日? なんか、外部の病院がなんとかって言ってたけど、何か関係あるの?」
「うん、まさにそのことなんだよ」
そうインデックスさんが言った瞬間、抱えていた猫が飛びだした。
「あぁ、スフィンクス!」
「……ミサカが来たからでしょうか。とミサカはすこし責任を感じます」
「
「ありがとう、助かるかも!」
そう言ってインデックスさんは猫を追いかけて走っていった。
「……スフィンクスっていうんだ」
「どんなネーミングセンスよ……ほんと」
腕を組み、ため息まじりにそう言った御坂。ネコにスフィンクス……スフィンクスって、ネコなのだろうか。確かに、ネコっぽい外見はしてるが。
「ところで、あんたたちは何してたの?」
「先ほどまで地下街でデートしてました。とミサカは答えます」
「……あんた?」
「語弊があると思うんだ」
ジト目でこちらを見る御坂。誤解だから、そういう目で俺を見るのはやめてくれ。