とある少年の物質変換   作:まうんてんうちうち

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なんか、今回は書いてて違和感がありました。
普段よりも文が下手かも……しれません。なんか、本当に違和感しかありませんでした。


23話

「……えっと?」

 

 突然の状況に、俺は頭が真っ白になった。

 目の前の小学生……ないしは中学生が言った言葉。第8位、尾行。

 

 ……尾行?

 

「ストーカー?」

「は?」

「いや、尾行って、ストーカー?」

「……超気づいてたんじゃないんですか?」

「いや全く」

「……超恥ずかしい」

 

 フードを深くかぶり、顔を真っ赤に染める少女。小動物のようで可愛い。

 

 ……いやいや、俺には涙子がいるんだって。

 

「と、とにかく……超ついてきてもらいますよ!」

「嫌だと言ったら?」

 

 その言葉に、ピリッとした緊張感が走る。

 大通り……とはいっても、俺たちのいるこの通りに、今人通りはない。下手をしたら戦闘になる。

 

「力づくで」

「……そうなるよな」

 

 何が目的かも知らないし、誰かもしれないけど……家に腹を空かせて待ってるやつがいるからな……

 

「しょうがない……逃げるか」

「……え? あっ」

 

 少女と反対方向へと駆け出し、途中で裏路地に入る。

 俺の他にもうひとりぶんの足音が聞こえることから、後を追ってきていることがわかる。

 

「超待ちやがれです!」

「あほ、待てるか!」

 

 速攻でまくために裏路地に入ったんだけど……足速いな、この子。体力もありそうだし、まくのは難しいかな。

 

「第8位……ねぇ」

「なに……っとぉ!?」

 

 曲がり角を曲がると、突然現れた少女……というよりお姉さんといったほうがふさわしい風貌の女性。緑色の閃光が頰の横を駆け抜ける。

 

 裏路地……とはいっても広い通路。万事休すというわけではないが……能力持ちひとりと、未知数の少女。状況はかなり悪い。

 

「本当に第1位を倒したのか? こんなやつが?」

「……見られてたのか?」

 

 あの場には御坂と上条、御坂妹と白髪少年以外誰もいないと思ってたんだけどな。

 

「……どう逃げるか」

「私から逃げられるとでも思ってんの?」

「超あきらめてください」

 

 挟み撃ち、か。本格的にまずいな。

 

 前にはさっきのビームお姉さん。後ろにはストーカー少女。

 

 ……後ろ、かな。

 

 筋肉を強化し、ストーカー少女の方へと駆け出す。

 

「こっちに来ましたか!」

 

 そう言って少女は構える。何かの能力持ちなのか……でなければ、相当の怪力とかで俺を止める自信があるか。

 まぁ、前者だろうな。身体能力の強化系か……念動力(テレキネシス)か、そんなところか。

 

「悪いな、越えさせてもらう!」

 

 跳躍し、少女の頭上をとび越える。身体能力の強化をした今の俺にとって、1メートル中程しかない少女の背丈など、低めのハードルにすらならない。

 

「空中じゃ避けれないだろ!」

「避けねぇよ!」

 

 放たれたレーザーを煙に変換(トランスフォーム)し、視界を封じる。

 ついでに壁や室外機なんかにも触れ、煙幕を増量する。

 

 ……ステーキまでに頭痛が来ないことを祈ろう。

 

「逃げんなオラァ!」

「うおっ!?」

 

 煙幕を貫いて襲いかかるビーム。再びそれを煙幕に変換する。

 

「どういう能力だよ……あれ」

 

 まるで御坂の必殺技みたいだな……話でしか聞いたことないし、生で見たことないからなんとも言えないけど。

 

「でも、俺に向かって撃ってるってことは……攻撃系の能力ってのは間違いないな」

 

 あの見た目で攻撃系の能力……普通にビームだとすれば、まともにくらったらヤバそうだな。跡形もなく吹き飛びそうだ。

 

 全力で走って数秒、ようやく裏路地を抜けた。落ちていた空き缶を放り投げ、分身に変換する。俺は分身とは反対方向へ駆け出し、姿を変えて走るのをやめる。

 女じゃなくて、男に変身したのは初めてだな。

 

「どこに……っ、逃げんなぁ!」

 

 そんな声が後ろから聞こえた。足音が俺と反対方向に進んでいく。

 まくのに成功した……のか?

 

 後ろを振り向くと、フードの少女とビームお姉さんが分身を追いかけていくのが見えた。

 

 まぁ分身とはいっても、一応俺なのでそう簡単には負けないだろう。

 変身していた姿から、元の姿へと体を変換する。元に戻っている自信はないので、上条に触れてもらわないと。

 ……あ、あいつもあいつで事件に巻き込まれてるんだったか、明日でいっか。

 

 そんなことを考えながら、家路につく。ケータイは忘れたが、まぁ明日取りに行けばいいだろう。

 

「ただいまー」

「お帰りなさい。お風呂にしますか、ご飯にしますか、それともミサカにしますか、とミサカはお出迎えをしてみます」

 

 ドアを開け、飛び込んで来たのはそんな言葉。思わず安堵の息を吐く。

 

「前から思ってたんだけど、その知識の偏りはなんなの?」

「それで、何にしますか」

「……御坂っていったら?」

「ほう、ミサカをご所望ですか。しかし、すでにミサカの所有権はあなたにあります」

「絶対金で買ったこと恨んでんだろ」

「そんなことありません」

 

 はぁ、とため息をついて部屋に上がる。

 

「真面目に話をするなら、確かにあなたは金でミサカを買ったクズで、締まらなくて、ツッコミもまともにできない困った人ですが」

「やっぱ恨んでんだろ」

「……ですが、ミサカの命を救ったヒーローです。あの少年も、お姉さまも私のために奮闘してくれましたが、最初にミサカの前に現れたのはあなたです」

「……」

「ミサカは、あなたに感謝してます。とミサカは精一杯お礼を言ってみます」

「……まさかそんなこと思ってるなんてな」

 

 御坂妹の言葉に、俺はポツリと呟く。

 まさか、御坂妹がそんなことを思っていたとは。俺はてっきり金で買ったことを恨んでるもんだと。

 

 あん時は……あいつとの戦闘で頭がおかしかったんだよ。そう思いたい。

 

「それでは、早くステーキを焼いてください。とミサカは催促します」

「台無しだよ!?」

 

 まぁ、待たせたのは俺だからな。

 俺も走り回ったからか腹減ったし……早く料理しよう。




麦野の口調がわからない!
いや、二次創作自体が初めてなんで……実は御坂とか佐天とかもこんなんかなぁ、と考えて書いてるんですけど。
特に佐天なんか原作見ると全然違うんですよね。難しいなぁ

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