東方夢眠想   作:エステリーゼ

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陸話 永遠亭のお姫様 蓬莱山輝夜 前編

アリスの情報で欠片は永遠亭へと落ちたと言う。霊夢達は迷いの竹林を抜け、再び永遠亭へとやって来た。

 

 

 

「欠片か~……それなら姫様が持ってるよ!久しぶりに外に出たら綺麗な物見つけちゃった❤️って言って部屋に戻っていったよ」

 

「輝夜が!?あの輝夜が?!引きこもり兼ニート姫なあの輝夜が?!?!」

 

『あはは……… 』

 

「欠片欲しかったら姫様に会いに行ったら?あっでも今は無理かも。忙しいからな~」

 

「忙しいって何がよ。どうせまたゲームでしょ」

 

「そうそう!だから無理だよ~」

 

「それじゃこっちが困るの。何とかしなさい」

 

「しょ~がないなぁ~。じゃ、鈴仙に頼んでみなよ。なんとかなるかも!」

 

「わかったぜ!…………ところでさ、お前、何やってんだ?」

 

 

そう、霊夢と魔理沙が話していたのは永遠亭に住む兎妖怪の因幡てゐ。

てゐは現在どんな状況かと言うと………

永遠亭の近くの木の枝にくくりつけられている。逆さ吊りで

 

 

「鈴仙にやられたんだよ。酷いと思わない?鈴仙にお弁当届けたらいきなり怒りだしてこうなったって訳。いたいけな兎妖怪をこんなにして「何がいたいけな兎妖怪よ」あっ鈴仙。」

 

「鈴仙。悪いんだけどあんたのとこの姫様に会わせてくれる?欠片持ってるみたいだし」

 

「姫様に?別にいいけど………師匠に声かけてから行きましょ」

 

『ありがとうございます。あの、てゐさんはなぜこんなに?』

 

「これはオシオキ。私のお弁当に毒盛ったのよ。それだけじゃなく、この間人里に薬売りに行ったとき、薬を入れ替えてたのよ。薬と薬を入れ替えなら可愛いもの。でもね、こいつは睡眠薬をキノコに変えてたの!それも魔理沙の所の!」

 

「何ぃ!おいそこのうすらボケ仔兎妖怪!私の所のキノコ盗んでたのはお前か!どうりで数が減ってると思ったぜ!」

 

「だからこいつは今日1日くくりつけの刑って訳」

 

「あっいや~その…………テヘッ⭐️」

 

「おい鈴仙。そのオシオキ、私にもやらせてくれ。ちょうど的を探してたんだ」

 

 

魔理沙は黒い笑みを浮かべながら八卦炉を構えながら言った。それを見ててゐは顔を青ざめた。

 

 

「いいわよ。良かったわね~てゐ?お手伝い出来て」

 

「よくない!的って絶対マスパの的だよね!?嫌だよ!まだ死にたくない!」

 

「大丈夫だ。痛いのは一瞬だ、1回に全力込めてやるからな?安心しろ」

 

「安心できるか!ダメだって!」

 

「さぁ、てゐ。逝こうか」

 

『あの、漢字が違いますよ!?それにマスタースパーク撃ったらてゐさん、消えちゃいますよ!?』

 

「ハーティエル、てゐは…………良い奴だったよ。私達は先に永林に会わなきゃ。てゐの墓は後で作ろう」

 

 

ハーティエルはこの後の展開を予想できてしまい、的になりかけている(逃げようともがいているがプランプラン揺れるだけな)てゐを心配し、魔理沙と鈴仙を止めようとしたが、フランがハーティエルを止めた。

 

 

『フランさん?』

 

「さ、ハティ、フラン。行きましょう。後の事は魔理沙と鈴仙に任せて…………鈴仙、永林に会えば良いのね?」

 

「ええ。師匠にてゐのオシオキをしてますので後から行くって伝えてくれる?」

 

「わかりました、伝えておきます。さぁハーティエルさん、行きましょう!」

 

『え、え?レミリアさん?早苗さん?』

 

 

レミリア、早苗がハーティエルの手を引っ張って永遠亭へと向かった。

霊夢は自業自得よと呆れながら、フランは手を振りながら歩いていった。

 

 

 

「あら、霊夢達。どうしたの?」

 

『こんにちは、永林さん。実はお姫様にお会いしたいのですが……』

 

「ハーティエル。引きこもり兼ニート姫に敬語は不要よ。普通に話しなさい。」

 

「姫様に?…………姫様は現在引きこもっているためお会いできないかと」

 

「そこをなんとか!輝夜が欠片持ってるってさっき兎妖怪が教えてくれたわ。」

 

「そういえば、鈴仙は?もうすぐ薬売りから戻る時間だと「魔理沙と一緒にてゐのオシオキしてるわ」あら、いつもの事ね」

 

『(いつもの事で済まされるんだ………)』

 

「欠片絡みなら仕方ないわね。今から姫様を呼ぶわ。ごめんなさいね霊夢…………スーッ」

 

『???』

 

「いったい何を……てか嫌な予感が」

 

 

永林は息を思いきり吸い込み、そして…………

 

 

 

「姫様ーー!姫様の大事な抹茶タルトーー!霊夢が盗みに来ましたよーーー!!!」

 

「ちょっ?!永林!?何言い出して」

 

 

ドカドカドカッ……バタンッ!

 

 

「こぅら!!博麗の紅白わき巫女!私の大事な抹茶タルトは渡さーーーーん!!!」

 

「こら!!紅白とわきは関係ないでしょ!あと盗もうとしてないから!永林、後で覚えてなさい!」

 

『この人が……輝夜姫さん』

 

 

勢いよくこちらに現れたのは綺麗な黒髪を長く伸ばし、ピンクの上着にリボンを着け、赤いロングのスカートを身につけた女の人、蓬莱山輝夜だった。

 

 

 

「引きこもり兼ニート姫だけどね。」

 

「見た目清楚なお姫様だけど、中身はやる気なしのニート姫だけどね。カリスマを持つ私から見れば、もう少しプライドを持つべきだと思うわ」

 

「……。(お姉様が持ってるのはカリスマじゃなくてカリちゅまでしょ)」

 

「フラン。何か言いたそうだけど……」

 

「ううん。何も」

 

「よく見たら、わき巫女と一緒にいるのは吸血鬼姉妹に……???誰?この子???」

 

『私、ハーティエルと言います。今は訳ありで記憶がなくて……あの、輝夜姫さん。欠片拾いましたよね?すみませんが大事なものなので譲ってくれませんか?』

 

「うーん……良いよ?あっでも待って!決着がついたらで良い?」

 

「決着?何の勝負する気なの?」

 

「忌々しい妹紅とマ〇オカートしてるの。99勝99負だから100勝負目は勝ちたいの!それからなら渡せるから!」

 

『あ……頑張って、下さい……』

 

 

 

輝夜は果たして妹紅に勝てるのか!輝夜の運命はいかに!?

次回に続く……

 

 

 


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