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さて、今日は少しキャラ崩壊? な内容かもしれません。楽の。いや、弥柳もか?
うん。主人公も、若干イメージ変わるかもです。
ま、まぁ、取り合えずどぞ。
屋上を出てから早歩きで教室に向かっていると、鶫の背中が見えた。
「鶫」
「優か。どうした?」
「一条楽との決闘だが……」
「それがどうした? 手加減でもしろと?」
「いや、そこまでは言わないけど、実銃は使うなよ?」
「…………」
「おい、黙るなよ」
「…………」
「…………」
「……殺しはしない」
「そりゃそうだろ」
また沈黙。
「何か…考えがあるのか?」
「ああ」
「そっか。なら好きなするといい。だけど、流石にやばそうだと俺が判断したら、あの時みたいに無理矢理でも止めるからな?」
「分かった」
それだけ言うと、鶫はもう用はないとでも言うようにきびすを返して教室へ向かった。
その背中を見て、俺はひとつ思い出したことを口にする。
「あーそうだ鶫。お前、クロード様みたいな考えを持っているのなら……負けるかも知れんぞ?」
確実に、俺の声は聞こただろう。鶫は一瞬立ち止まるも、すぐに歩き出した。
俺は小さくため息を吐く。
あの時の話をすると、鶫は何だか不機嫌……ではないけど、嫌な顔をする。それがどういう感情から来るものなのかは、俺にはよくわからない。しかしそうだな、あえて上げるとすれば……後悔と怒り。そんな気がする。
「…フッ。逃げずに来たことは誉めてやる」
「いやー、ハニーにいいとこ見せなきゃならないんで」
時は過ぎ、放課後。
楽と鶫は現在向かい合っているが……楽の顔色が優れない。明らかに俺のせいですね、分かります。逆に鶫は、自分が負けるはずがないとでも思っているのか若干顎が上がっており、確実に楽を見下しているのが伺えた。
まぁそんな楽も千棘に何か言われたのか、千棘の顔を見ると気を引き締めた。漫画の時の楽は、嫌々……出はないかも知れないけど、覚悟はなく、少しのやる気だけがあるような表情をしていた。
……まぁ、その表情は周りのギャラリーのせいだったとは思うのだけれど。
でもそれでも、ギャラリーたちを見て苦笑いはしたが、すぐに顔を引き締めた。
因みに、集は原作通り賭けを行っている。因みに楽に賭ける奴は原作通りゼロだった。
……仕方ない。楽の背を押してやるか。
「一条楽に食券20口」
その声は決して大きくはなかった。しかし、やけにみんなの耳に届いた。もちろん楽と鶫にも。
楽が驚いた表情で俺を見る。
「何だ一条楽? ほんの少しでも勝てる可能性があるかもしれないんだろ? なら、やってみろよ。そんで、俺の言ったことを、否定して見ろ」
言いながら、キャラじゃないな、と内心苦笑する。いや、実際にしていたかも知れない。
楽は驚きながらも、しかし次第にその表情に笑みを浮かべ、こう言った。
「おう! ハニーと一緒に俺の良いところ見とけ!」
ふむ。まだ少し顔は固いが、良い顔になった。以外と言ってみるものだな。
ただ鶫。あまり俺を睨まないでくれるか。いいじゃないか、お前クラスメイトにむっちゃ応援されてんだし…。
あまりにも鶫が俺を見てくるので、仕方がなしに口パクで頑張れよと言うと、ふんっとそっぽを向いた。しかしその顔は少し赤らんでいるように見える。
何それ可愛い。
いよいよ決闘が始まるようで、鶫がポケットからコインを取り出す。
「……このコインが地面についたら決闘開始だ。覚悟は良いな」
「…おうよ」
ピンッ、とコインが弾かれた。
そしてーー
バシャシャン!!
コインが地面につくと同時に、鶫が大量の銃を取り出した。
ダッシュで逃げる一条。それを銃を乱射しながら追いかける鶫。
「あれ本物?」
「まさか〜」
本物です。音と硝煙の香りで分からないかな?
しかし確かに鶫は当てるつもりはないらしい。全彈地面などに当たってる。
……何か原作通りにいきそうだな。確か…プールに飛び込むんだっけ? ……先回りしとくか。
俺は気配を消し、プールに向かって誰にも気づかれずに歩いた。
「ちょっと優、何でダーリンに……あれ? 優、どこいったの?」
◇
楽side
「…楽、大丈夫?」
千棘が心配そうに聞いてくる。けど、正直構ってられない。心臓の音が耳元で聞こえる。
「……く、ねえ、楽ってば」
「うおお!」
肩を思いっきり叩かれ、ハッとする。
「ねぇ、本当に大丈夫? 決闘やめた方がいいんじゃない?」
「……いや、決闘はやるよ」
「え? 何で?」
俺の言葉が以外だったのか、千棘は呆けた顔を向ける。
「いや、男が一度受けた決闘を投げ出すのはダメだろ。カッコ悪い。それに、決闘に勝てば、あいつにも一泡ふかせられるじゃねぇか」
正直、あの時の弥柳は怖かった。本当に殺されるんじゃないかと思った。だけど、よくよく考えてみたら、俺はそんな世界にいた筈なんだ。
千棘と偽の恋人をすることになった日も、クロードの撃った弾がすぐ横を通ったし、それ以前にも、家のやつが耳を飛ばされてたりしてたんだ。
今までは、本当の殺気っていうものを向けられなかっただけなんだと思う。さっきも鶫に銃を突きつけられたけど、それでも撃つまではしないって、何となく分かったから。だから、今こんなにも恐怖を感じてる。
思い出せ。俺はコレまでも、こんな血生臭いところにいたじゃないか。
そう思うことで、無理やり心を落ち着かせていく。
「……本当に、大丈夫なのね?」
「ああ」
「……っそ、ならいいわ。……それにしても何なのあいつ! いくらなんでもやり過ぎよ!」
何か、コイツが怒ってるところを見ると安心するな。
「ああ、いいよ別に。謝ってくれたし」
「…でも!」
「それにほら、あいつ本当に申し訳なさそうだっただろ? もしかしたら、ちょっとからかうつもりだったのかもしれないぜ?」
「……そうは思えなかったけど」
俺もそう思う。でも、今思い返してみると、あいつ本当に申し訳なさそうにしてたから、たぶん、大丈夫。
「取り合えず、教室行こうぜ。授業に遅れる」
「……分かったわよ。でもあんた、決闘するからには絶対に勝ちなさいよね! そんで鶫も優も、両方ともギャフンと言わせなさい!」
……………。
「お前って、ホンッッットーに可愛くないよな」
「何か言ったかにゃ?」
「なんでもありばせん……」
俺は殴られた頬を押さえつつ、自然と笑顔になれた。
時間が経って、放課後。
まだ少し怖い。でも、覚悟は十分に決まった。後は死ぬ気で頑張って勝つだけ……何だけれども。
「このギャラリー何?」
「それは私も知らん」
「キャーーー! 鶫くーん!」
「鶫君頑張ってー!」
誰か一人ぐらい俺の応援しろよ!
「さぁ張った張った! 一口食券一枚だよ!?」
あのヤロウ、どこで聞き付けやがった……。この地獄耳め!
「鶫君に3口!!」
「俺10口!!」
っておい! 誰か俺にもかけろよ! 俺だけ真っ白じゃねぇか!
と、思っていると、その声は聞こえた。
「一条楽に食券20口」
その声は決して大きくはなかったが、確かに俺の耳に届いた。
俺がその声の主……弥柳優に驚いた顔を向けていると、弥柳優は不敵に笑ってーー表情が変わらないので分からないけど、雰囲気でそんな感じがしたーー俺に向かっていった。
「何だ一条楽。ほんの少しでも勝てる可能性があるかもしれないんだろ? なら、やってみろよ。そんで、俺のいったことを否定してみろ」
表情は変わらない。でも、その瞳は、まっすぐに俺を見ていて。何故だか熱いものが込み上げてきて、俺は叫ぶように言った。
「おう! ハニーと一緒に俺の良いところ見とけ!」
この時俺は、笑っていただろう。
この決闘、絶対勝つ。
そして、いよいよ決闘が始まった……のだが。
「銃使うのかよー!!」
「待てぇ! 一条楽!」
誰が待つか! 普通に殴り合うのかと思ってたわ!
どうする? どうすればいいんだ!?
楽side終了
ど、どうでした?
ちょっと楽が頼もしくなっている……ような? 心が強いというか? そんな感じになってますよね。
ま、まぁヤクザのお坊っちゃんですし、多少は……ね?
そこまで違和感ないと思うので、多目に見てくださいお願いしますなんでもしませんから!
……はい。
ではまた。