遅くなって申し訳ありません。言い訳になりますが、わたくし現在就活中でして、次いつ更新できるかわかりません。
なにとぞ、ご容赦を。
久しぶりに執筆したので、書き方を忘れてしまった。
違和感感じても、そこは温かい目でよろしくお願いします。
ミノムシ状態の楽と集を助けた後、3人で食堂に来ていた。
「どんぶりに定食、麺類にと、結構豊富なんだな。高速のサービスエリア感が凄い」
「分かる。あっ、俺この定食にするわ」
「あ、俺もそれにする」
楽が定食を選び、集も同じものを選んだ。
俺は何を食べるかね……。
と、悩んでいると後ろから声が聞こえた。
「あ…」
振り向いてみると楽とお嬢が、少し気まずそうに見つめ合う。
まぁ、クロード様の仕業とはいえ、女風呂に入ったからなぁ。
「よ、よぉ…昨日は……」
「おはようダーリン。早くしないとご飯無くなっちゃうわよ?」
………。
「どした…夫婦喧嘩?」
「……んなんじゃねぇよ」
覗きだもんね。言わないけど。
というかお嬢も結構ドキドキしてたみたいだな。ご飯冷めるなら分かるけど、なくなりはしないだろ。もう持ってるし。
「おい優、俺たちあっちの席にいるから、何するか決まったら来いよー」
「分かった」
何すっかなぁ……。唐揚げ定食でいっか。
◇
注文をし終えて3人で朝食を食べていると、徐に集が口を開いた。
「ところで楽。お前今夜のイベントって知ってっか?」
「あ?」
「今日山から帰ってきたらよ、毎年恒例の肝試しをやるんだよ」
「肝試し?」
……そー言えば、今日行く山って昨日ドラゴンヘッドがいたとこじゃん。
「だがただの肝試しじゃないぜ? なんとくじを使って男女でペアを組まれるのだ。そしてさらに重要なルールがもう一つ……ペアになった男女は必ず手を繋がらなければならない!! どうだ! 燃えてきただろう!!」
わ~。どこからかパンパカパ~ンって音が聞こえる。
「…小野寺とペアを組めるといいな?」
その集の一言に、楽の顔は赤くなる。
「バッ…そんな都合よくいくかよ!」
「俺が小野寺とのペア券引いたらいくらで買う?」
「誰が買うか! 2000円でどうだ!!?」
「手を打とう」
マンガ読んでる時も思ったけど、結構払うのね。
「優は?」
「……何が?」
「気になる子とかいないの?」
「…いないな」
「…誠士朗ちゃんのを引いたら?」
「…買うか買わないかを聞きたいなら、買わないけど」
「そう? でも誠士朗ちゃんは喜ぶと思うけどな~」
喜ぶ? あいつが?
ないない。
「それはない。あいつ俺のこと嫌ってるからな。それよりも楽。俺が小野寺さんのペア券引いたら1500円で売ってやるよ」
「マジで!? ありがとう優!」
「ん」
「代わりと言っては何だけど、鶫のペア券が当たったらお前に譲るな!」
「いや、それはいらない」
◇
千棘side
「お嬢? 何だか顔が赤いようですが、どうかされましたか?」
「……何でもないわよ」
全く、なんで私がドキドキしなくちゃいけないのよ。あのバカ。
「はぁ~。よし、もうあんな馬鹿のことは忘れましょう! それよりも鶫!」
「な、何でしょう…」
「今日の夜何があるか知ってる?」
「? 何かあるのですか?」
「ええ。肝試しよ肝試し! しかも男女ペアで!」
「……肝………だめ……し?」
「そうよ肝試しよ! しかもペアになった人とは絶対に手を繫がないといけないっていう~……ちょっと鶫どうしたのよ。そんなに顔を青くして」
「……な、何のことでしょうか……ええ、私はいたって平気ですとも、お化けなんて……」
「……そういえば、あんたお化けとかそう言うのダメなんだっけ?」
「な、ななななな! そんなことはありません。お、おおおお化けごとき、この私が退治して見せますとも!」
あたふたと慌てる鶫を見て、千棘はあっちゃ~と頭を抱える。
そうだった。この子お化けとかダメなんだった。すっかり忘れてた!
あっ、でも……。
「でも鶫、良かったじゃない! 優と同じペアになったら安心じゃない! あいつこういうの大丈夫そうだし、何とかなるわよ!」
と、励ますつもりで言った千棘だが……。
何とも微妙そうな鶫の顔を見てしまう。
「ちょ、何よその顔」
「あ、いえ…別に何でもありません」
「何でもない訳ないでしょ。何よ、何かあいつにされたの?」
「いえ、そういう訳ではないのですが…」
「?」
「えっと、近くに居づらいと言いますか…」
「え? 何それ。今までずっと一緒にいたんじゃないの?」
「いえ。優と一緒に任務をこなす機会はほとんどなかったですね」
「そうなんだ? ならこの機会にいろいろ話せばいいじゃない。鶫だって、他のクラスの男子よりかはあいつの方がいいでしょ?」
「それはまぁ…その通りですが……」
「よし決まり! なら私がユウとのペア券に当たったら、その時は鶫にあげるわね!」
「え、ええ! そんな、そこまでしてくださらなくても!」
「いいのよ! たくさん話してきなさい!」
「ちょ、そんな誤解されそうなことをそんな大声で……!」
「「「ねぇねぇ、それ何の話~?」」」
と、ニヤニヤしながらクラスメイトの女子が集まってきた。
絶対話をずっと聞いてたな!
「ほらぁああああああ、もぉおおおおおおお!」
この後、鶫はクラスの女子に囲まれ、お・は・な・し☆を強制された。
◇
宮本side
「何だか、鶫ちゃん凄いことになってるね」
「そうね…」
小咲の声にそちらに目をやれば、なるほど。千棘ちゃんと亜実ちゃんのところにクラスの女子が集まっている。何やらこの後の肝試しのペアについて話しているようだが……。
……………。
「……というわけで、あんたは何としても一条君とペアになりなさい。良いわね?」
私がそう言うと、小咲がブゴッっとお茶を拭いた。……汚いわね。
「何が『というわけ』なの…!? それになりなさいって……ペアってくじで決めるんじゃ……」
はぁ~。何を言ってるのかしらこの子は。そんなもの――
「根性で何とかしろ」
「そんな無茶な…!」
「あんたこの林間学校で何の進展もしないつもり? どんな形にせよ、こちらから仕掛けていかなきゃ何も変わらないよ? ”勇気” 出すって決めたんでしょ?」
私の言葉に、小咲は少し顔を赤らめて下を向く。
全く……。
「…でも、もし私があいつとのペア券引いたらあんたに譲るから確率は2倍よ。せいぜい祈ってなさい」
「…るりちゃん」
「ペアになれたら暗がりで押し倒しちゃえばいい」
「るりちゃん!!」
親指建てるのも忘れない。
「それじゃ、私先に食器下げてくるわね」
ま、さすがに押し倒すは冗談だけどね。
でも、両想いなんだからそれで十分行けると思うけれど……。
チラッと一条君の方へ視線を向ける。なにやら2000円とか聞こえてきたけど、あっちもペア券の話をしているのかしら?
何てことを考えていると、鶫ちゃんと一緒に転校してきた転校生、弥柳優と目が合った。その後チラッと後ろ(恐らく小咲を)見て、次に一条君を見て、そして私を見て……小さく苦笑。
……何なのよ。
と思っていると、舞子君から話を振られたようで、視線が外れる。
何となく気になって小咲の方を向くと、小咲も彼と目が合ったようで一連の動作に疑問を持ったようで、首を可愛らしく傾げている。
………。
まさか弥柳君。小咲のことが好きだったり……? いや、それはないか。あの感じは好きというよりかは…「大変だね」とでも言いたげな表情だった。
どうやら弥柳君はある程度察したらしい。協力してくれるなら、ありがたいわね。
良かったわね小咲。一条君とペアになれる確率は、思ったよりも高そうよ?
ありがとうございました。
はてさて、次回はいつ更新になるやら。
早いかもしれないし、遅いかもしれない。
まぁ、気長にお待ちいただけたらなと思います。