天の声「諦めんなよ、諦めんなよお前!どうしてそこでやめるんだそこで!もう少し頑張ってみろよ!」
赤バンブル「はい。」
空から落ちてきた奇妙な二人組。
果たして彼女たちは何者なのか?
今回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は永遠亭から物語を始めよう!
永遠亭
ラチェットによって永遠亭に運び込まれた依姫は永琳に治療を受けた後布団に寝かされていた。
「くっ・・・・・うぅう!」
彼女は悪夢を見ていた。それは今までの日常が突如崩壊し、惨殺されていく月の民。そして、みじめな姿にされた姉。その最期をあざ笑うマントの男たち。
「やめろ・・・・・・・・・やめてくれ・・・・・・・」
終いには自分が倒したはずのアリゲイツとダブルが自分に一斉に襲い掛かってくる始末だった。
「うわあぁぁぁあ!!!」
それを機に依姫は目を覚ます。
「ハア・・・・・・ハア・・・・・・・ゆ、夢?」
依姫は周囲の状況を確認しながら自分の顔から滴り落ちる汗を拭う。どうやら敵は近くにいないようだ。
「私は・・・確か奴に・・・・・痛!」
身体を動かそうとすると彼女は腹部から激しい痛みに襲われた。よく見ると腹部に包帯が巻かれており、そこから僅かではあるが血が滲んでいた。
「やっぱりあれは・・・・・・・」
「目が覚めたかしら?」
「!?」
聞き覚えのある声のした方を向くとそこには永琳が立っていた。
「永琳!?」
「まさか、貴方が地上に降りてくるなんてね。月ではそんなに騒がしいことがあったのかしら?」
「・・・・・・・」
かつて先代の月の使者のリーダーであった永琳に対して依姫は頭を下げる。
「・・・・・・お久しぶりです。」
「ここは地上よ。月の時みたいにはしないで物腰柔らかに話しましょう。」
永琳は、依姫の傍にまで近づいて言う。
「・・・・・・あの、私の他に兎たちは?」
「運び込まれたのは貴方とこの間来た兎だけよ。」
「・・・・・・そうですか(レイセン以外は私のために・・・・・)」
依姫は永琳に悟られない程度に歯を食いしばった。永琳は包帯を変えながら依姫に聞く。
「それにしても貴方ほどの者がこれほどの傷を負うなんてね・・・・・・・一歩間違えたらいくら貴方でも下半身不随は免れなかったわよ。」
「そこまでひどかったのですか?」
「えぇ。腹部から貫通して背中に堂々と穴が開いていたわ。地上人ならまず助からないレベルでしょうね。」
「・・・・・・レイセンの方は?」
「あの子は大した外傷はなかったわ。気を失ってただけみたい。今は目を覚まして取り合えず優曇華に付き添ってもらって家で働いてもらっているわ。」
「優曇華?・・・・・・・あ、そう言えば手紙に
「もしかしてまだあの子のこと怒ってるのかしら?月から逃げ出した腰抜けとかで。」
永琳は冗談交じりで言う。
「・・・・・・・いえ。今の私にそこまで言う資格は・・・・・・」
「・・・・・・月で何があったの?」
「実は・・・・・・・」
「師匠~。」
依姫が話そうとしたとき、てゐが戸の隅からひょっこり顔を出して来た。
「あら、てゐ。どうしたの?」
「ゼロとアイリスがまた魔理沙を担ぎこんできたよ。診てほしいって。」
「また、食中毒かしら?キノコには気をつけなさいってあれ程注意したのに・・・・・」
永琳は、腰を上げて部屋から出ようとする。
「ごめんなさいね。この仕事終わったらまた戻ってくるから。」
「は、はい。」
「てゐ、あの人が何か困ったことがあったら手伝ってあげてちょうだい。」
「え~。なんで鈴仙じゃダメなの?」
「それは・・・・向こうの事情というものがあるからよ。姫様の方は任せてあるから。」
「はいはい・・・・・」
てゐは、不満そうに言いながらも引き受ける。そして、永琳が部屋から出て行くとてゐはだるそうに部屋の壁に寄り掛かる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・何か頼みたいことある?」
「う、う・・・ん・・・・じゃあ、一つ聞かせてほしいことがある。」
てゐに聞かれて抵抗感があるものの依姫は口を開く。
「この家には輝夜もいるのか?」
「あぁ・・・・・姫様ね。姫様なら部屋に籠ってるよ。」
「籠ってる?普段は何をしているんだ?」
「基本的にゲーム三昧かな?最近はプレ〇テとかネオ〇オとかセ〇サターンとかいろんなもので遊んでいるし。」
「・・・・・・そ、そうか・・・・・。(けしからん・・・・・なんとけしからんことを!私とお姉様と共にリーダーの後任になるべく教育を受けて居た身でありながら引き籠りなど!動けるようになったら鍛え直さなくては!)」
妖怪の山 にとりの家
2人が乗っていたロケットの残骸。サイバトロンのメンバーきっての科学者 ホイルジャックはこの残骸から奇妙な物体を採取していた。
「ふ~む、これは実に奇妙なもんだね~。」
「何かそんなに珍しいものなのか、ホイルジャック?」
スモークスクリーンはホイルジャックの傍に置いてあるカプセルを見て聞く。カプセルの中には半透明の球体の生物のようなものが入っていたが機械化したクラゲのようにも見える。
「この生物は機械であって生物に近い。強いて言うなら半有機物質とでも言っておこうか。」
「そんな専門用語はどうでもいいからこの気味の悪いスライムかゼリーのなり損ないがなんなのか教えてくれよ。」
「コイツは、対象となるロボット、又は我々超ロボット生命体と融合し進化を促す作用を持っているらしい。」
「こんな気味の悪い奴が?」
サイバトロン一同はカプセルに入っている物体を見る。
「だが・・・・どうやらコイツ自身にも意識があるようでね。万が一コイツが進化を促し続ければ吾輩たちの意識がコイツに乗っ取られると言ってもおかしくないね。」
「乗っ取られる!?そりゃあ悪い冗談だろ!?」
「こんな気味の悪いもんさっさと捨てちまおうぜ。」
「そうだ!こんなスライムのなり損ないに体を乗っ取られてたまるかってんだ!」
ゴングは、カプセルを取るとレーザーガンで燃やそうとする。それをホイルジャックは慌てて止める。
「待ちたまえゴング!?そいつはそんじょそこらのレーザーで焼き殺せるかわからん代物だ。無暗に殺そうとしてむしろ増えたりなんかしたら取り返しのつかないことになるよ!?」
「おいおい、そんな気味の悪いこと言わないでくれよ!?」
ホイルジャックに言われてゴングは慌ててカプセルを戻す。
「今のところはコイツしか見つかっていないがもしかしたらまだ残っているものがいるのかもしれん。しばらくはこいつの生態について調べてどうするべきか考えてから処理するとしよう。」
「メガトロンは、むしろコイツを利用してパワーアップするんじゃないのか?」
「そりゃあないだろうね。向こうだって体を乗っ取られるなんてことはしたくないだろうし・・・・・・」
サイバトロン一同はそう言いながら部屋を後にしていく。
しかし、この何とも奇妙な物体は果たしてこれだけなのだろうか?
テレレレ~テ~テン!(エンブレムターン)
永遠亭
夕方の永遠亭。
「ハッハハハハハハハハハ!!」
何故か笑い続ける魔理沙。それを何とも不思議そうに見ているゼロたち。
「なあ、治せるのか?」
「う・・・・・ん・・・・・・ワライダケなんて随分なものを食べさせちゃったわね・・・・・」
永琳は、頭を押さえながら言う。
「もしかして、治らないんですか?」
「いいえ、治るには治るのよ。でも、このキノコの毒素は一度体に入ると抜けるまで続くのよ。つまり薬じゃどうにもならなくて自然に収まるのを待つしかないってこと。」
「ハッハハハハ・・・・・・た、頼む・・・・・そこをなん・・・はっははは・・・」
苦しそうに笑いながら魔理沙は永琳に頼み込むが毒素が完全に抜けない以上どうにもならない。
「貴方達も食事ができるようになったんなら材料に気をつけた方がいいわよ。キノコとか魚、発酵食品の中には極めて危険なものもあるんだから。」
「・・・・・そうだな。」
「・・・・勉強します。」
二人は何とも言えない表情をしながらひたすら笑い続ける魔理沙を見るのであった。
その夜の魔法の森は久々の嵐となった。
「なんか今日は、ひどい嵐になりそうね・・・・・・」
強い風が響く中、魔法の森に住む人形使い アリス・マーガトロイドは、不安そうに外を眺める。このような天気はよくあることだが今回に限っては何か胸騒ぎがする。
「・・・・・・・・最近物騒なことばかり起こっているせいで疲れているのかしら?」
『シャンハイ?』
複数いる上海人形たちは、一通りに作業を終えたのかアリスの元へ戻ってくる。
「・・・・・・今日は早めに寝ましょうかね。」
『『『『『シャンハ~イ!』』』』』
その嵐の中で複数の不気味な何かが森中で蠢いていた。
そしてそのうちの一つがあるものに近づいて行く。
先日、魔理沙が破壊したイレギュラー バーニン・ナウマンダーの残骸だ。
物体は、こと切れたナウマンダーの中へと入りこむ。
するとナウマンダーの体に異変が起こり始める。
体色が変化し、魔理沙との戦いで受けたダメージが徐々に再生し始め、前はなかった二本の牙が生えてきた。
そして、ゆっくりと起き上がる。隣では同様に死亡したはずのフレイム・スタッガーも起き上がっていた。
二人はまるで人形のように動き始め、手始めにアリスの家に向かって行った・・・・・・・。
新たに動き出すLの鼓動
本作の連載再開について
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