20XX年
トランスフォーマーたちの故郷 セイバートロン星は、凶悪なイレギュラー シグマの手によって支配された。シグマは、正義のサイバトロンのリーダー コンボイの体を乗っ取り、サイバトロン、デストロンの掌握へと乗り出し、さらにその魔の手をあちこちに伸ばそうとしていた。
しかし、その手始めとして行った幻想郷への攻撃はイレギュラーハンター ゼロとそこの住民たち、そして、サイバトロン、デストロン達の活躍により阻止されたのであった。
さて、今回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は、新たな活動を開始したシグマたちから物語を始めよう。
セイバートロン星 ???
セイバートロン星にあるベルカナの研究室。
そこでベルカナは、何をしているというのだろうか?
「さあ、出てらっしゃい。お仕事の時間よ。」
ベルカナは、培養カプセルの一つを開き、中の溶液を抜き出す。
「・・・・・・・」
「うん・・・・・・・すっかり魅力的になったわ。どうやらすっかり馴染んだ様ね。」
ベルカナはカプセルから出た何かを見て嬉しそうに言う。
「いい?あなたにはこれから月への侵攻作戦を指揮してもらうわ。侵攻後はまた、私に連絡してちょうだい。」
ベルカナは手招きをすると複数の人影が彼女の目の前に現れる。
「これがあなたの忠実な部下たちよ。他のイレギュラーたちは先に送り込むけどその後はあなたに指揮を任せるわ。」
「・・・・・・・・」
「じゃあ、早く着替えて転送装置の方へ向かいなさい。そこのあなた、この子の着替えを手伝ってあげて。」
「はっ、畏まりましたベルカナ様。」
マントを羽織った人影の一人がその何かを連れてその場を後にして行った。
「他の者たちも準備をなさい。」
月
ここは月。
月の民と月の兎が住んでおり、穢れのない世界で非常に高度な文明を発展させている。
しかし、この世界が間もなくシグマの手に堕ちるとはまだ誰も気づくはずなどなかった!
そして、その月の使者のリーダーである綿月姉妹の屋敷では平和なことをいいことに護衛の玉兎が訓練を怠けていた。
「それでさ・・・・・それでね・・・・」
「クスクス・・・・・・」
玉兎たちは楽しげに会話をしていた・・・・・・・がっ!
「それでなんていうか・・・・・・・・・」
「貴方たち随分暇そうね?」
「「「!?」」」
突然の背後の殺気に背筋をゾッとさせる。ゆっくり後ろを振り向くとそこには不機嫌そうな顔をした綿月姉妹の一人 綿月 依姫が腕を組んで立っていた。
「よ、依姫様・・・・・・・」
「今日の稽古はもう終わったのかしら?それとも・・・・・・」
依姫の言葉に玉兎たちは顔から冷や汗を流す。
(こ・・・・・・殺される・・・・・・みんな殺される(別の意味で(^O^))・・・・・・)
「その様子だと終わっていないようね・・・・・・・」
「「「「す、すみませんでした!!!」」」」
玉兎たちは一斉に走ってクモの子を散らすかのように逃げ出して行った。
「あっ!待ちなさい!!」
依姫は急いで捕まえようとする。
「依姫様、報告書の提出を持ってきましたデシ。」
後ろからの声に依姫は足を止める。声がした方に首を傾けるとそこには他の玉兎とは少し違った小太りの兎が書類を持っていた。
「双月。また、貴方がまとめてきたの?」
「先輩たちも忙しいデシ。後輩の私がまとめて提出するのは当たり前デシ。」
「全く・・・・・お疲れ様。でも、あんまり無茶な扱いしたら私に報告しなさい。少しお灸を据えてあげるから。」
依姫はそう言いながら書類を受け取る。
「先輩たちも今日の稽古は終わっているデシ。」
「そう、じゃあ。後で全員私の部屋に来なさいと伝えておいて。」
「わかったデシ。」
双月はそう言いながら元来た道を戻って行った。
「あの子のこと随分可愛がっているんじゃない?」
「あっ、お姉様。」
後ろからクスクスと笑い声が聞こえたと思って後ろを向くと案の定、姉の豊姫がいた。
「貴方もたまには息抜きしなさいな。」
「そんなこと言ってたら毎日が息抜きになっちゃいますよ。」
豊姫の言葉に依姫は呆れたように答える。
「それに日頃から訓練をしていないと以前のように地上の者たちが攻めてきたときに対応ができなくなりますし上からしっかりしていなければ・・・・・・・」
「別に気にすることはないわ。この間、依姫が追い返したんだからしばらくは来ようとはしないでしょうし。」
「・・・・・・本当に甘いところは甘いですね、お姉様は・・・・・」
「依姫様~!!大変デシ!」
双月が慌てて戻ってきた。
「双月?どうしたの?」
「見回りに言っていた先輩たちが海の方で何かに襲われたデシ!さっき救援メッセージが届いたデシ!」
「何ですって!?」
双月の言葉に依姫は態度を変える。
「あら・・・・・こんな時に。」
「お姉様も少しは考えを改めてください。双月、他の兎たちにすぐに出られるように手配して。私は先に行くから。」
「依姫様!いくら何でも依姫様自ら行くのは無茶デシ!?」
「出た目は早く摘み取った方が身のためだわ。お姉様も念のため都一帯の防衛の警戒レベルを上げておいてください。」
「はいはい。無茶はしないでね。」
依姫は急いで現場へと急いだ。
月 海岸
「撃て!依姫様が来るまで何とか持ちこたえるのよ!!」
海岸では得体の知れない敵に玉兎たちが防衛戦を張っていた。
「ガッハハハハハハハ!!なんだ?そのショボい弾は!!」
海から出てきたワニのような怪物は丸鋸のようなものを飛ばしながら兎たちを殺害していく。
「くう!!」
「スピンホイール!!」
銃を撃っていた兎の腕が丸鋸に切断される。
「あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ああああ!!!」
「ハッハハハハハハハ!!血を見るのは楽しいもんだぜ!!」
「アリゲイツ副隊長、あまり血を浴びせないでください。芸術的に美しくありません。」
ワニの怪物の後ろではタコとイカのようなものが立っていた。
「やかましい!俺は久しぶりのシャバで鬱憤を晴らしているんじゃ!!」
「相変わらずの血の気の多さ・・・・・・だから、部隊をやめたくなったのよね。」
「ホッホホホホホ、いいではありませんかクラーケン。ここはアリゲイツ元副隊長の暴れっぷりを見物させていただきましょう。」
「ハッハッハッハッハ!!どうした兎共!もっと俺を楽しませんか!!」
「ひっ、ひい・・・・・・・・」
怪獣の如く殺戮するワニ・・・・・ホイール・アリゲイツ?を相手に兎たちは徐々に戦意を削がれていった。
「どうした?月の連中は手練れが多いって聞いていたのにこの程度か!!」
「あ、あぁ・・・・・・・・」
アリゲイツは、ノシノシと怯えている兎たちの目の前に歩いてくる。
「こ、殺される・・・・・・」
「へっへへへへ・・・・・・・・いい怯え方だぜ。俺はな、そういう怯えて泣いている奴を潰すのが大好きなんだよ!!」
アリゲイツは口を開いて兎たちを噛み殺そうとする。
「もうダメ・・・・・・・」
「ガッハッハッハッハッハッ!!!・・・・・!?」
次の瞬間、アリゲイツは頭部から真っ二つに切断される。兎たちは顔を上げて見るとそこには刀を構えた依姫が立っていた。
「よ、依姫様・・・・・・」
「早く対陣を立て直しなさい!こいつらをここで始末するのよ!」
「ほう、私たちをここで止めると?」
タコ?のような怪物は、不思議そうな顔で依姫を見る。
「地上の妖怪かどうかはわからないけどこっちに乗り込んできた以上もう好き勝手にはさせないわよ!」
「・・・・・・アドリブですか?ホッホッホッ、嫌いではありませんよ。その様な冗談も。」
「貴方たちもこの怪物みたいになりたい様ね。」
依姫は倒れたアリゲイツを見ながら言う。
「倒れた?それは何かの勘違いでは?」
「何言ってんのよ、こいつは・・・・・・・!?」
依姫はアリゲイツの残骸を見て後を引く。死んだとばかり思っていたアリゲイツのボディから謎の液体が噴き出して修復をし始めたのだ。そしてわずか短時間で元の姿に戻る。
「ハッハハハハハハ!!生き返ったのが不思議か?お前たち月の住民も不死なんだろ?」
「そ、そんな馬鹿な!?体が真っ二つにされて生き返るなんて。」
「まだまだ暴れ足りねえ!!お前は少しは楽しませてくれるんだろうな!!」
アリゲイツは牙をむき出しにして依姫に迫る。
月 綿月姉妹の屋敷 兎の兵舎
「あいてて!?」
その一方屋敷の方では兎たちが出動準備をしていた。
「こら!またドジったわね!!」
「すみませんデシ~!」
先輩兎に怒られながらも双月は資材を片付け始める。
「本当にドジよね。」
「でも、なんて言うか愛嬌があるからついやっちゃうのよね~。」
「あ~忙しい忙しい・・・・・・・ん?」
双月は何か着信が入ったのか通信用の携帯端末を取り出す。
『私だ。綿月依姫はオクトパルドたちが足止めをしているが綿月豊姫が来たら面倒だ。殺れ。』
「・・・・・了解。」
「ほら、何ボーっとしてるのよ?早く片付け・・・・・・・双月?」
突然立ち尽くした双月に先輩兎たちは動揺する。
「ちょっと・・・・・・双月?」
「もしかして・・・・・怒っちゃった?」
黙ってしまった双月に流石にからかいすぎたと思ったのか心配し始める。
双月が正体を現すまでは。
「はあぁぁぁぁああああああ!!!!」
「「「「「!?」」」」」
まず腕か大型化し、双月の体全体が変化する。それは黄色いボディを主体にした兎とは全く違う生き物・・・・いや、ロボット言うべきものだった。
「ば、ばけも・・・・・・」
言いかけた一人が展開された液体金属で精製されたブレードで切断される。
「わ・・・・わあぁあああ!!!」
兎たちはあまりの出来事に逃げようとするが正体を現した双月・・・・・・ダブルに次々と惨殺されていく。
「は、早く豊姫様に・・・・・・きゃあああああ!!!!」
最後の一人も斬り殺される。
『どうしたの?少し騒がしいようだけど?』
流石に騒ぎ声が聞こえたのか通信端末から豊姫の声が聞こえた。
「と、豊姫様~!またドジって先輩たちに迷惑を掛けちゃったデシ!」
『あら、双月。もう、頑張るのはいいけど急いでやると失敗するから気をつけてやりなさいよ。』
「わかりましたデシ。」
そう言うと通信を切る。
「・・・・・へっ、全く半年近くも潜伏したが月の住民って奴は本当に甘い奴ばかりだな。こんなに呆気なく死ぬとは・・・・・・」
ダブルはボディから何かのデータチップを取り出すとインストールをし始める。すると形状が徐々に変化し、一人の人物へと姿を変える。
「さてと・・・・・・・次は豊姫を始末するとするか。フッフッフッフッフッ・・・・・・・・」
次回、驚異のL。
本作の連載再開について
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