死闘の末、ショックウェーブを倒すことで幻想郷へのミサイル攻撃の阻止に成功したゼロ一行。
しかし、それは単なる序幕でしかなく現れたベルカナによる基地の爆破によってスペースブリッジは破壊され、ゼロたちは、止むを得ず脱出するのであった。一方、スタースクリームはかつての親友スカイファイアーをデストロンに勧誘しようとするが交渉は決裂、結局ベルカナに追いかけられるという羽目になった。
さて、今回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は、ゼロたちが戻ってきて数日後の幻想郷から物語を始めよう!
にとりの家
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・」
ラチェット、ホイルジャック、パーセプターの三人、そして助手としてにとりとホイストが加わっている中、レーザーウェーブのリペアが行われていた。
「・・・・・・ここまでダメージを受けていながらよく機能停止しなかったものだ。余程頑丈に改造されていたんだろうな。」
「しかし、驚いたもんだね。ボディを『トランスライト鉱石』を特殊加工した合金で大半の攻撃を半減させる上に衝撃を和らげる耐コーティングも施すとはね。」
「しかし、その分内部の回路もかなりいじられている。あの女って言う発言からにしておそらくベルカナと言ってた女が改造したんだろうな。ビークルモードも戦車になっていたのも驚きだったけど以前のレーザーウェーブと比べ物にならない。」
三人は修理をしながらそんなことをつぶやく。
永遠亭
一方、ここは人里から離れた迷いの竹林の奥にある永遠亭。
ショックウェーブによって負傷した紅魔館の住人達は、今ここで入院しているのだ。ゼロとアイリスは、メンテを受けた後に入院しているフランドールたちの見舞いに行っていた。
「はい、フランちゃん。」
「わあ、ありがとうアイリスお姉ちゃん。」
アイリスから見舞いの果物を受け取って嬉しそうな顔をするフラン。ゼロは、病室の壁に寄り掛かってその様子を見守っていた。
「しかし、思っていた以上に元気そうで何よりだ。ドラグーンの話では、体から蒸気を発するほど重傷だったって聞いていたからな。」
「吸血鬼は、弱点の攻撃を受けるとすごく苦しむけど生命力もそれなりにあるから大丈夫ってパチェが教えてくれたの。だから、お日様が出ている昼間でも薬とかでちゃんと対策取ってれば外にも出られるんだよ。」
「そうか。」
「ところで気になったんだけどお姉さまは別の部屋で寝かされているの?」
「「!?」」
フランの一言でゼロとアイリスは黙る。
「ん?どうしたの?お姉さまも咲夜たちと一緒に入院しているんでしょ?お世話してくれる鈴仙と小悪魔は何も教えてくれないし、永琳も『いいから、貴方は自分の体を治すことに専念しなさい。』って言うだけなんだよ?」
フランは、不思議そうな顔で言う。ゼロとアイリスは、少し黙るがレミリアの行方が分からないことを打ち明けるわけにはいかない。
「すまないな、俺たちも来たばかりで詳しいことはわからないんだ。」
「咲夜さんたちのところにも行ってみるからその時聞いてみるわ。」
「うん、ありがとう。」
フランは病室から出ていく二人に手を振りながら言う。
その帰り道、ゼロとアイリスはライドチェイサーに乗りながら罪悪感を感じていた。
事実、レミリアの消息はまだ分かっていない。
誘拐犯であったショックウェーブことレーザーウェーブも現在は機能を停止しているため尋問することもできない。
唯一分かっているのはおそらくシグマの本拠地であるセイバートロン星に連れていかれたのではないかという仮説。
「・・・・・・・・・無力なものだな、俺は。」
「ゼロ?」
「俺は・・・・イレギュラーを許す事ができず、イレギュラーハンターとして戦ってきた。だが、その後はどうだ?傷ついたものはそのまま、さらに戦えば戦う程その傷はどんどん深まっていくばかりだ。」
「・・・・・そんなことはないと思うわ。」
「?」
「ゼロたちがイレギュラーを倒してくれなかったら傷づくものはもっと多かったはずよ。シグマの反乱、ドップラー博士の反乱、イレイズ事件、レプリフォース大戦・・・・・・・ゼロが戦かったから守れたものもあるのよ。」
「・・・・・・」
「それに・・・・・あの時、あの時ゼロが私のことを止めてくれなかったら私、本当の意味でイレギュラーなってしまったのかもしれない。兄さんの仇とかレプリロイドだけの世界とか関係なくただ破壊するだけの存在に・・・・・・」
アイリスは後部座席からゼロを強く抱きしめる。
「私も頼りないかもしれないけど、ゼロのために頑張るから。・・・・・・そんな弱気なこと言わないでね。」
「・・・・・・あぁ、フランのことを見て思わず言ってしまったんだ。・・・・・悪かったな、あいつのためにも一刻も早くレミリアを助けてやらないとな。」
「うん。」
二人はそう言いながら人里を通り過ぎると霧雨魔法店へと戻って行った。
にとりの家
レーザーウェーブの修理は完了した。
「メガトロン様、今回の件に関しては誠に申し訳ございません。何なりと罰を与えください。」
レーザーウェーブは、頭を下げてメガトロンに謝罪する。
「・・・・・・・もうよい。過ぎたことを悔やんでも仕方ない。これからお前には重要なことをやってもらう。よいな?」
「はっ、心得ております。」
メガトロンは、レーザーウェーブと今後のことについて話し合った。
一つは、自分のボディの修理について。
これは、レーザーウェーブが軽く診察するなり、各部に老朽化のことも含めて新しいボディを製作した方がいいという事でとりあえずある物が完成するまでのつなぎとして現在のボディを動ける程度にまで修復するという方針で固めた。
もう一つは、セイバートロン星へ戻るためのスペースシップの建造。
これは現在サイバトロンメンバーとビルドロン部隊を中心に行っているが進行が予定よりも遅れているため協力するようにとのこと。
さらに今後サイバトロンとデストロンがしばらく共に動くことになるため軍団の中で小競り合いが起こらぬようどうするべきかを話し合った。
しばらくするとサウンドウェーブは来る。
「メガトロン様、ソロソロ休マレタ方ガイイ。今ノ状態デハ負担ニナル。」
「あぁ、分かっておる。レーザーウェーブ、お前も回復して間もない。今日はもう休んでおけ。」
「はい、メガトロン様。」
レーザーウェーブは、サウンドウェーブと共に引き下がって行く。それを見届けるとメガトロンは、スリープモードへと切り替え、眠りについた。
セイバートロン星
そして、セイバートロン星。
地球で散々追い掛け回されたスタースクリームは、結局ベルカナに捕まってしまい一緒にセイバートロン星に帰還していた。
「・・・・・・・・」
「フッフフフ、中々ハードなデートだったわね♡」
「・・・・・・」
「あら?残念そうな顔なのね・・・・・・・でも、その顔も可愛くて素敵よ♡」
肩の上でイチャイチャしているベルカナに対してスタースクリームはいい加減に離れてくれとばかりな表情をしていた。しかし、これが逆にベルカナに好かれる原因となってしまっている。
「流石に数日も地球を飛び続けたらエネルギーが切れそうだぜ・・・・・・・」
「?エネルギー切れなの?」
「あぁ、そうだよ!!俺はエネルゴンキューブの貯蔵庫に行って補充して来るからお前はさっさとあっち行ってろ!!」
スタースクリームは、頭を抱えながらベルカナを放り投げる。
なぜこうなった?
シグマの話では、自分勝手に行動して極めて傲慢で外道そのもので、サディスティックな奴だと聞いていた。
自分のところに送ると聞いて利用するだけ利用したらテキトーに処分しようと考えていた。
しかし、実際来た彼女はシグマの話とは別の意味で異常で自分に猛アプローチしてくる始末だった。いつの間にビークルモードのコックピットいたことさえある。
おかげで毎日安心していられない。ある意味一部からチクリ魔と呼ばれているサウンドウェーブ、上司であったメガトロンよりたちが悪い。
「エネルゴンキューブならあるわよ。」
「何!?」
ベルカナの言葉を聞いてスタースクリームは、彼女の方を見る。案の定、確かにエネルゴンキューブを持っていた。
「なんだ、持ってたんなら最初っから寄越せ!!」
「え~どうしようかしら?」
「グダグダ言うな!いいから寄越せ!!」
「はいはい、じゃあ、目を閉じて手を前にして。」
「あ?なんでそんなことしなくちゃなんねえんだよ?」
「だったらあげな~い。」
「くっ。」
スタースクリームは悩む。
もう、エネルギーがあまり残っていない。
このまま意地を張っていたらエネルギーが切れて倒れ、彼女に何をされるかわかったもんじゃない。
「わかったよ!!やりゃいいんだろ!!やれば!!」
スタースクリームは、カメラアイの機能を停止させ、手を前にする。
「それじゃあ、あげるわよ。」
「・・・・・・・・・・」
スタースクリームは、しばらく黙っていたがベルカナが手の上にキューブを置いている気配が感じられない。ちょっとずつエネルギーが補給されているのには気がついたが気の短い彼にとっては我慢ならなかった。
「おい!いつまでかかってやがるんだ!!さっさとこの俺にエネルゴンキューブを・・・・・・・」
カメラアイの機能を戻してみるとスタースクリームは、目の前の光景に絶句した。
「んん・・・・・・ん?(口移し中)」
ベルカナがエネルゴンキューブのエネルギーを自分の口に含めてからスタースクリームの口に移していたのだ。
「・・・・・・・・・」
「あん♡見ちゃダメ♡」
「・・・・・・・・・・」
スタースクリームは、その場で倒れてしまった。
「あ~倒れちゃった。ちょっと、誰か来て。」
ベルカナの呼び声で近くにいた彼と同型のジェットロン二人が来る。
「何の御用でしょか、ベルカナ様。」
「スタースクリームをエネルギーカプセルの中に入れておいてちょうだい。その後、部屋に寝かせておいて。」
「畏まりました。」
ジェットロンの二人はスタースクリームを運んでいく。
「全く恐ろしいことしやがんな、ベルカナ様よ。」
そこへ別のレプリロイドが彼女の元に降りてくる。
「あら、ダブル。思っていたよりも早く戻ってきたのね。」
黄色いレプリロイド ダブルを見てベルカナは、意外そうな顔で見る。
「あっちの方にいるのは退屈なんでよ。一体いつになったら作戦実行するんだよ。向こうはウサギ共がぐーだら過ぎてすぐにでも攻め落とせるぜ。面倒な上司はいるけどよ。」
「・・・・・・あなたは、そう短気だから青のボウヤに負けたのよ?もう、少し首を長くして待ってなさい。」
「けっ!そのセリフはもう何度も聞いたぜ。」
「ところであの子はどのくらい育ったのかしら?」
ベルカナとダブルは、地下研究室へと向かって行く。かつては、レーザーウェーブがエネルゴンキューブを格納していた場所だったのだが、シグマがセイバートロン星制圧後は改装して彼女の研究室と化していた。
「うわあ・・・・・・相変わらずエグい場所だな。」
ダブルは思わず身震いする。部屋には様々なサンプルが飾られており、壁には盗撮したのかスタースクリームの写真だらけ・・・・・・そして、その奥には一つの培養カプセルがあった。
「うんうん・・・・・・・だいぶ適合した様ね。体の成長もいい感じになってきたわ。」
カプセルの一つを見て彼女は嬉しそうに言う。カプセルは他にもあり、中では不気味なものが蠢いていた。
「これから面白いことになるわ。」
薄暗闇の中で見る彼女の笑みは少し不気味さを感じた。
次回予告
俺は、クリフ。ミニボット部隊の戦闘員だ!!
結局敵を仕留めそこなっちまったがよりによってデストロンと行動することになるなんて思ってもみなかったぜ!!
ん?この展開、海外で似たようなことが・・・・・・・
次回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」はキャラ紹介の第三弾だが作者は、一度キャラ紹介を再編集し直そうと考えているらしい。
出来れば読んでくれ!!
でないと、全員血祭りにあげてやる!!!
ちなみに俺は初代以外のアニメでは「アニメイテッド」「プライム」に出ている。
チョイ役と速攻で死んだけどな!!
ムービーで死んでいないのに2010には出てないwwって言うなよ!!
玩具バンブルの色違いって言うな!!
本作の連載再開について
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再開してほしい
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できれば再開してほしい
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どっちでもいい
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してくてもいい
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